9グレーテルのかまど「パディントンのマーマレード」 2014.08.20

(かまど)12月25日クリスマスが誕生日のクマがいるって知ってますか?そのクマの物語は誕生から50年以上たつ今も世界中の人々に愛されています。
クマの名前はパディントン!大好物はマーマレード!帽子の中にはいつもマーマレードサンドイッチ。
マーマレードが行くさきざきで騒動やすてきな出会いを招きます。
何で好きなの?どんな味?今日は「パディントンのマーマレード」の秘密に迫りましょう!光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末えいが暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
今日はねイブなのよ!クリスマススイーツ山ほどあるでしょ!何でマーマレードなのよ〜ねぇ!待ってました。
ん?「グレーテルのかまど」へようこそ。
ねぇかまどさクリスマスって何の日か知ってる?もちろんよ。
イエス・キリストが生まれた日でしょ。
…と思うでしょ!ところがその起源はもっと古く古代ローマやゲルマンケルト民族の祭りにまで遡ります。
その祭りとは…冬至の祭り。
太陽の力が最も弱まる日。
そして復活の始まりでもある冬至。
太陽に畏れと感謝をささげる日なんです。
ヘンゼル勉強したね。
偉〜い。
うん。
でもさ何でマーマレードなの?ん?そりゃ太陽の象徴は…オレンジでしょ!なるほど〜!いやちょっ…ちょっと待って。
手に持ってるのユズでしょ。
え〜だって「冬至はユズ湯でほっこり」でしょ。
何それどうなの?ユズいいの?ユズ。
いいでしょ。
ほっこりするじゃんだって。
ユズだよ?太陽の恵みを閉じ込めたような…果物を砂糖で煮た「プリザーブズ」の中でもかんきつ類は特別に「マーマレード」と呼ばれます。
果実の風味を生かした味わいは個性豊か。
パンに塗る「スプレッド」はもちろんドリンクや料理の材料にと使い方もさまざま。
その代表格がイギリス伝統の「オレンジマーマレード」です。
やって来ました。
ここはイギリス・ロンドンの…マーマレードを愛するクマの物語はここから始まります。
娘を迎えにきたブラウン夫妻が駅の落とし物窓口でスーツケースの上に座った茶色い小グマを見かけるのです。
「クマは立ち上がると丁寧に帽子を取りました」。
聞けばふるさとペルーから船で密航して着いたばかり。
「よく飢え死にしなかったね」と気遣うブラウンさんにクマはスーツケースの中からほとんど空になった瓶を取り出します。
「…とクマはいささか自慢そうに言いました」。
「『僕はこれを持って救命ボートの中に隠れていたんです』」。
首から下がる札には…小グマのおばあさんのメッセージでした。
ブラウンさんの奥さんはクマに話しかけます。
毎朝一緒にマーマレードを食べよう!それが家族。
「パディントン」と名付けられたクマとブラウン一家の愉快な暮らしが始まります。
マーマレードはイギリスの朝ごはんの定番中の定番。
こちら老舗の食料品店も朝から注文はもちろんマーマレードトースト。
ロンドンっ子は甘さや苦み皮の切り方など微妙な違いでお気に入りが分かれます。
好みに応える品ぞろえは40種類以上!イギリスの朝ごはんに欠かせないマーマレード。
ちょっぴり苦くて甘いその味は一日を元気に始める朝の味です。
「うちに来れば毎朝朝ごはんにマーマレードをあげるわ」って優しいね。
そうだね。
ねぇ。
さあ今日の味いってみましょうかね。
今日目指す味は…ユズを使います。
うん。
お湯につかって御機嫌のユズ取り出して下さい。
はい。
よいしょ。
熱!熱!熱いよね。
熱!熱い…。
耐えて。
なぜユズを使うか分かる?なぜ?教えてあげましょう。
何?あのね日本で手に入るオレンジってねイギリスのような苦みが出ないのね。
あっ苦みが出ないんだ。
なんか苦みがポイントなのよマーマレード。
いろいろ試したらね日本でならユズが一番イギリス的なわけよ。
へぇ〜!だからユズよ。
あなたさっきユズ握ってたけどあれ。
ユズが好きだからユズ湯が好きだから握ってただけ?知ってたよ。
ハハハハハッ!ではでは切った実の部分の重さをはかりで量りました。
はい。
同じ量か少し多い。
沸騰するまでは強火でいってみましょう。
皮を斜めにスライスしましょう!オーケー。
このくらいかな…このくらいかな?あんまり薄いとね…。
厚い方がほらかみ応えがあっていいのよ。
じゃあ…。
今回はねパディントン好みの程よい苦みと歯応えを残すための切り方だから。
うん。
マーマレードの皮の部分あるでしょ。
その部分。
それを「チャンク」っていうのよ。
チャンク。
フフッ聞いてる?聞いてる聞いてる。
チャンクの歯応えとか…。
聞いてる?アハハハッ。
聞いてる聞いてる。
チャンクの歯応えとか味がマーマレードのキメテになるわけ。
重要なポイントなわけ。
聞いてる?ブラウンさんの家族の朝はもちろんマーマレード。
子供たちや家政婦さん骨董屋さんの友達との楽しい暮らしが始まります。
いつも持ち歩くマーマレードのおかげでハプニング続出。
法廷では証拠物件に採用されたり…。
手相占いではオレンジの皮を手相と勘違いされちゃいます。
でも何でマーマレードが好物なんでしょう?作者の…パディントンの物語を書き始めてから55年。
これまでに物語や絵本を数多く執筆してきました。
クマは甘い物好きと知っていたから僕は小さい頃から自分が食べてきたマーマレードにしようと決めたんだ。
いろいろ小道具に使えるしね。
そんなボンドさんの朝はもちろんマーマレード。
ボンドさんの大好物です。
一番のお気に入りは奥さんの手作り。
毎年のマーマレードを大切に保存しています。
オレンジの出来で年ごとに味わいは変わるんだそうです。
市販のものより妻の手作りの方が好きです。
新鮮でおいしいよ。
誰かが自分のためだけに作ってくれたものは格別においしいです。
オレンジが出回る旬は1月下旬。
スーさんはその時期に大量のオレンジを買い込み一年分を作りためます。
マイケルはチャンクが好きなのよ。
大きめのチャンクが好きな人もいるけど主人はちょっと薄めがいいの。
作っていると幸せだわ。
彼が毎朝食べてくれる事が一番の褒め言葉よ。
「マーマレードはホームメードが当たり前!」という人が多いイギリス。
毎年味自慢コンテストも開かれます。
各地から1,000以上の手作りマーマレードが参加。
味の個性を競い合うの。
煮込み時間や切り方材料の分量の組み合わせで全部味が違うのよ。
すごいでしょ。
ホームメードマーマレードはそこがワクワクして楽しいの。
いい夫婦じゃないご夫婦。
そうだね。
優しそうな顔してたボンドさん。
うちの鍋の様子を見ましょう。
あっそうだね。
よし。
あっなんか匂い変わった!ん?どんな?なんかねすごいまろやかになったね。
いいね。
うお〜!これぐらいかな?うんうん。
それぐらいがいいんじゃない?よいしょ〜。
種すごい入ってるんだね。
あのね種ね…何でマーマレードって固まるかっていうとね…。
うん。
種には天然の成分のペクチンがいっぱい入ってるわけ。
うんうん。
でそのペクチンの力でマーマレードは固まるのよ。
そうなんだね。
不思議でしょ。
天然よ。
よっ…よいしょ。
すごいよ種!そう。
ペクチンペクチン!ペクチンペクチン!いよいよ皮を煮込んでいきますよ。
そのポイントは?今日のレシピは奥さんのスーさんの手作りマーマレードを分けて頂いてボンドさんとパディントン好みの味に限りなく近づけたものなのよ。
よいしょ。
これをね…ほんとにたくさんのアクが出るけれどもこれを丁寧にしっかり取るとねおいしいマーマレードになるから。
よし。
それを思い描いて…。
頑張ろ。
アク取り頑張って下さい。
時々混ぜていいのよ。
さあここで重要なのがいつ火を止めるかです。
火を止めるタイミングが大切です。
いつ?あのね皮が透き通ってきてね黄色から僅かにオレンジ色に変わった頃。
それが目安なんだけど…。
これ今じゃない?夕焼けの初めの色って感じ。
ああそれ今今今!今が変わり目?今今今今!はいじゃあそれで…。
止めます。
食べていい?うんまあいいよ。
うまっ!めっちゃくちゃおいしい!おいしい?振ってね乾かしてね指で線とか描いてみれる?おっ。
描いてみれた?描いてみれた。
ほら。
うんオーケー!それでオーケーよ!「パディントンのマーマレードユズ」完成です!ちょっと一息ティーブレーク。
情熱の国スペインのセビーリア!市内の至る所にオレンジの木が植えられています。
この町がイギリスのマーマレードのふるさとらしいの。
…って一体どうして?時は18世紀。
イギリス・スコットランドのダンディーで事件は起きました。
(雷鳴)ある日の事激しい嵐を避けた船が港に避難してきます。
セビーリアで積んだオレンジが傷み始めて大弱り!それを聞きつけた食料品店のキーラーさん。
破格の安値で丸ごとお買い上げ。
ビジネスチャンスと思ったのね。
ところが苦くてとても食べられなかったの。
当時セビーリア特産のセビルオレンジは薬の原料にしかならなかったのよ。
あわや丸損!…のその時奥さんがひらめきます。
砂糖で煮たらなんと黄金色のおいしいスイーツに!たちまち店の名物になったの。
こうしてイギリスでは「マーマレードの原料はセビルオレンジに限る」とされてきたの。
創業125年のこちらのマーマレードメーカーももちろん原料は苦〜いセビルオレンジがお決まり。
他のオレンジじゃ駄目なのかしら?セビリアのセビルオレンジを使うのはイギリスの長い伝統です。
私たちはそのシャープさのある味が好きなんです。
朝食ですからね。
甘いオレンジでは同じ味は出せませんよ。
偶然と主婦の機転が生んだ苦さが魅力のマーマレード。
セビーリアの太陽の味で目覚めるなんてすてきよね!嵐が起きなかったらマーマレードは生まれなかったって事?わざわざ苦いセビルオレンジに目を付ける人はいなかったかもね。
それでまたねすごいのよ。
ん?オレンジを買い付けたキーラーさんのうちではね余ったマーマレードをたっぷり使ったケーキのレシピも編み出したのよ!その名も「ダンディー・ケーキ」!「ダンディー・ケーキ」!スコットランドではねクリスマスケーキにする家が多いんだって。
ほら!何?だから言ったじゃん!え?「マーマレードとクリスマスは相性がいい」ってさ。
ほんとだ!「ダンディー・ケーキ」も作っちゃいましょう!分けて入れてその度にこう混ぜて下さい。
その度に混ぜて混ざったらまた入れると。
よし。
切り混ぜよ。
切り混ぜきた!得意の切り混ぜ。
わ〜すごい!ネットリした感じがいいね。
難しそうねその…。
大丈夫大丈夫。
太陽だね。
すてきな事言うね。
なんかさんさんと…。
スペインからやって来たオレンジを使い…。
「『ところでパディントン。
今日はクリスマスだけじゃなく君の誕生日でもあるんだよ。
君何かしたい事あるかい?』」。
「『僕みんなに特別のお楽しみがあるんだけど…』」。
こっそり用意していたプレゼントにみんなは大喜び。
ところでなぜクリスマスが誕生日なんでしょう?今から55年前のクリスマスの事です。
にぎわうおもちゃ屋さんにクマの縫いぐるみが1匹売れ残っていました。
当時会社員だったボンドさんはその姿をかわいそうに思い奥さんへのプレゼントにうちに連れて帰ります。
「パディントン」と名付けたその縫いぐるみを眺めるうちボンドさんは自分の家族が楽しむための物語を書きたくなったのです。
縫いぐるみは家族の一員として旅行や食事にも一緒に連れていきました。
パディントンの物語には家族の思い出が詰まっています。
(カレン)クマもしょっちゅう同じテーブルに座り話に加わっていました。
父はよくクマと耳元でヒソヒソお話しして「パディントンが何か言っているよ」と話してくれたわ。
小さい頃の思い出よ。
よく覚えてる。
実はボンドさんの両親も物語に登場しています。
真面目で堅物の父親としっかり者で料理上手の母。
パディントンを迎え入れたブラウン夫妻のモデルです。
一人っ子でお話を書くのが大好きだったボンドさん。
7歳になると食卓に毎朝マーマレードが出るようになりました。
午後のおやつにマーマレードサンドイッチを作ってもらって大喜び。
そう。
パディントンの大好物です。
駅で独りぼっちのクマにはすてきな家族と出会ってほしかった。
私にとってそれは両親でした。
母はきっとパディントンを引き取ったと思うよ。
彼女は彼が首から下げたラベルを見て同情する。
ここが重要なんだ。
駅のホームでパディントンが首からぶら下げていた札。
それはボンドさんの子供時代の忘れられない光景を映したものでした。
第2次世界大戦。
ロンドンへの爆撃の様子は60km離れたボンドさんの町にも伝わってきました。
ロンドンから列車が到着し空襲から逃げてきた子供たちの首には親が書いた名前と住所のラベルがついていて手には全てを詰め込んだスーツケースを提げていました。
あの時の非常に悲しい風景に衝撃を受け忘れられません。
殺し合いから逃げ惑う人々の姿は一番悲しいです。
私の両親は実際2人の子供を引き取り迎え入れました。
ユダヤ人の子供たちで戦争が始まる直前にドイツから逃げてきたのです。
送り出す親たちが一番大切なものを詰めたであろう子供のスーツケース。
ボンドさんはその中にマーマレードを1瓶そっと忍ばせました。
マーマレードはパディントンの命を支え新天地で新しい友人や暮らしをつくり出します。
「パディントンのマーマレード」。
それはみんなで一緒に味わいたい幸せの味なのです。
お待たせしました!マーマレードたっぷりのクリスマスケーキ「ダンディー・ケーキ」の完成です!う〜ん!あ〜!サンドイッチも作ったの?うん。
夜食にね。
だって今日姉ちゃん何時に帰ってくるか分かんないからさ。
ん?ハートマーク!
(チャイム)あっグレーテルよ!どうしたのかしら?姉ちゃんおかえり!早かったね!あれ?パディントン!あ〜ら〜!いらっしゃい!メリークリスマス!パディントン!ヘンゼルが心を込めたダンディー・ケーキとマーマレード。
小さなお客様は気に入ってくれるかしら?パディントンの物語が始まって55年。
世界30か国以上で翻訳され愛され続けています。
85歳の今年7か月かけてパディントンの新作を書き上げました。
(ボンド)世の中は大きく変わりました。
人々がパディントンに惹かれるのは彼が変わらない事にあると思います。
自分の居場所があるし自由です。
それが羨ましいのでしょう。
そんなボンドさんにマーマレードをプレゼント。
かまど特製のユズマーマレードはお気に召すかしら?お二人ともお元気で!今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?ふだん何気なく食べているマーマレードにこんなほっこり幸せになる物語があるなんて知りませんでした。
ボンドさんにマーマレードユズ気に入ってもらえてほんとによかったです!じゃあ失礼して…よいしょ。
いただきます!う〜ん!おいしそうね〜ヘンゼル!うまい!食べた瞬間ねこうユズの風味が広がる。
いやぁもうユズ尽くし!障害者のための情報バラエティー…2014/08/20(水) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「パディントンのマーマレード」[字][デ][再]

アンコールシリーズ、今回は世界中で人気のクマ・パディントン!彼の誕生日はクリスマス、大好物はマーマレード。なぜクリスマスにマーマレード?その秘密はぜひ番組で!

詳細情報
番組内容
イギリスの朝食に欠かせない「マーマレード」。その特徴は、独特の苦味と皮の歯応え。日本に輸入されているオレンジでは、なかなか再現が難しい。そこで番組が目をつけたのは、ゆず。特製のレシピをお楽しみに! マーマレードにまつわる秘話や、パディントンの作者のこだわりも、本人・家族へのインタビューを交えてたっぷりとお送りする。そして、手作りマーマレードを使った、イギリスのクリスマスケーキも紹介。これは絶品!
出演者
【出演】瀬戸康史,【語り】キムラ緑子,【朗読】平岡映美,【声】柴田秀勝,山口奈々

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理

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