8きょうの料理 おふくろの味 定番100「お好み焼き・ソース焼きそば・たこ焼き」 2014.08.19

(小林)
今は懐かしい昭和の時代。
思い出しませんか?台所から聞こえる「ご飯出来たわよ」の声
食卓を囲む家族みんなのおいしい笑顔
思い出に刻まれた心温まる家庭の味
昭和の食卓を彩った懐かしい100品を1年かけて改めて見直します
「おふくろの味定番100」。
今日は粉もの料理をご紹介します。
教えて下さるのは伝承料理研究家の奥村彪生さんです。
よろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
奥村さんにとって粉もの料理というとどんな思い出がありますか?家族団らんですよ。
にぎやかな食卓ですか?私なんか子供の時は食事中は…。
黙って。
静かな食卓だったんですね。
しゃべるとおやじがポンッとこうおでこを小突かれました。
じゃあ粉もの料理の時というのは?私なんか家族持った時はもう子供たちとワイワイガヤガヤです。
それは和やかな場になりました。
そうだったんですね。
では今日ご紹介する料理です。
教えて頂くのはこの3品。
「おふくろの味定番100」のうち40番目から42番目までの料理です。
まずは「お好み焼き」。
これどんな特徴がありますか?これは表面がカリッ中はふわっと。
うまだしを利かしている。
あ〜っおいしそうですね。
これは…。
これは中華麺をカリッと焼く。
うまだしもシュッと利かしてるというそこが特徴。
香ばしい味わいがしそうです。
そして「たこ焼き」。
それはまあ大阪ゆうたらだしの味ですよ。
うまだしをたっぷり利かしてますから。
そのまま食べてもおいしいおっせ。
この3品ご紹介します。
さあまずは「お好み焼き」からです。
目指すポイントは…さあそのためにはどんな事をするんでしょうか?まずは卵をとくでしょ。
生地作り始めていきましょう。
ここにうまだしを入れるの。
早速このだしが入るんですね。
特製だし80m入りましたが特製だしは…。
昆布と混合節。
かつお節にさば節とかめじか節をブレンドしてある。
これ煮物用のだしとしてスーパーマーケットで売ってます。
それをたっぷり入れてます。
弱火にかけて…。
約10分で沸騰しますから火を止めてしばらくおくと沈みかけますので。
削り節が沈んだらこします。
これをペーパータオルを敷いたこし器の中に静かに入れてこしてって下さい。
この時残ったものは?だしがらは昆布などはつくだ煮にして食べたら。
かつおは煎ったらいいです。
これでおよそ900m出来ます。
このあとの焼きそばやたこ焼きにも使えますしね。
他にもね。
残ればみそ汁とか煮物用のだしとして使えます。
密封容器に入れて冷蔵庫で3日から4日間保存可能です。
そのだしも混ぜましたらここに…。
ここにふるった薄力粉一気に入れます。
これを混ぜればいいのね。
80g入りました。
散りましたけど…。
どのぐらいになるまで?もう滑らかになれば。
この中にあと長いものすりおろしたものとしょうゆを入れてラップフィルムをかけて大体10分ぐらい休ませて下さい。
10分休ませてそして…。
よく滑らかになったものがこちらです。
グルテンが出ますから焼いた時に外側がカリッとなるんです。
そのためには生地も休ませた方がいいんですね。
そこに具材を入れていきます。
ここにキャベツ。
これは7mm角ぐらいのあられ切りですね。
芯の部位もおいしいですからこれも無駄なくお使い下さい。
芯の部分までしっかり。
甘みがありますもんね。
そこに揚げ玉。
大阪では天かすと言いますけど。
あとたまじゃくしでこうして混ぜるだけでいいですね。
キャベツを入れる時のタイミングポイントっていうのは?これは焼く間際でないと。
キャベツからどうしても水分出ますからね。
これでもう混ざりましたから。
これは今回ホットプレートで1枚ずつ焼いていきます。
ホットプレート最初200℃でしっかり焼いて。
熱して…。
そこに載せますね。
大体このたまじゃくしで軽く山盛り2杯分ぐらいね。
小判形にしたりありますけど今日はオーソドックスに円盤形にしておきますね。
大体こんなもんやね。
生地を流し入れて丸く形づくります。
ここにあと豚肉。
生地流し入れたところで。
これを載せるの。
これは刻んで混ぜてもいいですね。
豚バラ肉はお好み焼き1枚あたり1枚。
それを半分に切ったものを載せました。
やっぱりバラ肉の方がおいしいですね。
これで3分ぐらい焼いてからひっくり返すのね。
大体180℃…タネを載せてから温度を落として下さい。
生地流し入れたら200℃だったものを180℃に変えた方がいいですね。
ひっくり返して軽くなでるぐらいはいいけどねギューッと押さえる方いらっしゃるんだけど。
駄目ですか?それをすると膨らみ悪くなるの。
ふわ〜っとあがらないの。
上から押さえつけない。
我慢します。
そして…豚肉から脂ちょっと出てますけどねあれも生地に吸わした方がおいしくなりますから。
そしてお好みでソースを。
ソースはおうちおうち好みがありますので好みのものをお使い頂いて。
更にソース以外にも…。
マヨネーズケチャップ練りがらし。
これはもうお好みですけど。
これを溶き伸ばして。
この削り節はちょっと上質のものをお使い頂いて。
そうすると更においしくなりますね。
「お好み焼き」の完成です。
では私もここでいただきます。
うん。
ほんとだ。
外はパリッ中はふんわりしてます。
う〜ん。
おだしのうまみも利いていておいしいです。
そうすると上に塗るソースの量少なくてすむの。
これも節約ね。
大阪的節約。
しっかり味が利いています。
「お好み焼き」分量でおさらいしていきましょう。
生地に入れる特製だしは昆布と混合削り節でとります。
長芋を入れるのが生地をふっくらさせるポイントです。
キャベツは甘みの強い軸の部分まで残さず使いましょう。
水分が多いので焼く直前に加えるのがポイントです。
焼く時はホットプレートをよく熱し生地を入れ丸く形づくったあとは上から押さえつけないようにするとふっくら仕上がります。
こうしたお好み焼きが家庭で一般的に食べられるようになったのっていつごろなんですか?大体大阪では昭和30年代ぐらいですね。
そのぐらいなんですね。
皆さんが家で楽しめるようになってきて。
ちょうどそのころケチャップだとかマヨネーズを使うのがハイカラな感じを皆さん受けたんでしょうね。
そのお好み焼きの歴史たどってみましょう。
「きょうの料理」のテキストに初めてお好み焼きが登場したのは…「洋風お好み焼き」として「オイスターパティ」と「コーンパティ」が紹介されています。
このうちの「コーンパティ」を再現してもらいました。
私たちがイメージするお好み焼きとはちょっと見た目が違いますよね。
具の入った卵焼きといえば分かりやすいですよね。
そういう感じに見えますね。
テキストの写真にはこうしてホットプレート映ってるんですけれどもこれ当時まだまだ珍しいものだったんですよね。
多分これ輸入品だと思いますけど。
レシピでは…当時うちで使ってた鋳物製の底の厚いフライパンでね。
それを使って再現して下さったんですね。
よく慣れてるんですけど「油をたっぷり入れて」と書いていらっしゃいますのでそのようにしました。
要するに揚げ焼きのような感じですね。
でもこれねビールおいしかったですよ。
そして昭和53年8月のテキストにも登場しています。
これが奥村さんにとって思い出深いものなんですよね。
そうなんですよ。
私の師匠土井勝さんです。
その土井勝さんのお好み焼き。
この鉄板もそうですよ。
当時の。
私これ買いに行かされました。
大阪の道具屋筋というところ。
道具屋筋業務用の調理器具などがたくさんある商店街ですけれども。
この当時も家庭へのホットプレートの普及率今ほど多くなくてお好み焼きを焼く時にはこのように鉄板を使っていたんですね。
今回その同じ鉄板で土井さんのお好み焼きを再現して頂きました。
師匠のものですからねやっぱり上手に焼かなあかん思って緊張しましたよ。
でもすっごくきれいに焼けてます。
ふわ〜っとね。
今食べると「懐かしい〜」という味でしたね。
だしもよく利いてましてね。
今とはちょっと違う味わいだったんですか?どちらかというと一瞬洋食のような雰囲気を持っててちょっと柔らかいめでしたけど。
それはそれなりにおいしゅうございました。
感謝です。
師匠への尊敬と感謝がこもったお好み焼きでしたね。
続いては「おふくろの味定番100」41番目「ソース焼きそば」の作り方教えて頂きます。
まずホットプレート240℃一番高い温度に熱しましてねそこへ豚のバラ肉を。
できればここでじっくり焼いて豚の脂を出して頂きたいんですよね。
これ炒める時にねフライ返し反対に両方使うと仕事しやすいの。
ほらねっ。
あんまりほぐしたりいろいろし過ぎない方がいいんですか?簡単に分かれていきますからね。
ほぼ火が通った段階でこれを周囲にやるの。
確かにホットプレートに豚肉の脂が出てきてますね。
そこに…。
中華麺をほぐさないで載せるの。
この豚肉を上へ載せるの。
ほぐさないで更に豚肉をこうして上に載せる。
その心は?麺が豚肉の脂を吸ってくれてそれでちょっと焦げますからロースト臭麺の焦げた香りが漂うてくるのね。
下にも豚肉の脂上からも豚肉の脂。
麺には触らないのでどんどん香ばしく仕上がっていくわけですね。
ここにキャベツね。
これ生じゃないのよ。
半分火が通ってる。
ここへ先ほどのうまだしを大さじ3杯ね。
まだ麺には全然触っていませんがこれでふたをしてしまうんですね。
ジューというこの音が消えるかなどうかなというぐらいね。
ほなふたを取ってね。
ジューっていう音がちょっと落ち着いてきたらふたを取ってそこにソースです。
混ぜたものです。
先ほどと同じようにフライ返し2本反対に持ってやると簡単に。
ここで初めてほぐすわけですね。
きれいにほぐれましたね。
そしてこうやって器にもって。
こうすると水っぽくないの。
ほんとだ。
ちゃんと焦げ目がついていて香ばしさとでも特製だしが入っているのでモッチリ感も感じられそうですね。
酢がらし。
練りがらしを少量の酢で溶いたものもお好みで。
紅しょうがなどと一緒に添えてみて下さい。
夏場は練りがらしを酢で溶いて加えた方がキリッと味が締まるんで。
あ〜合いそうですね。
もうソースが焦げる匂いが漂ってきそうな。
ソースが焦げる時の香りが食欲促しますからね。
では材料でおさらいしていきましょう。
蒸し中華麺はとにかくほぐさず裏返さずに焼きます。
豚肉も同じです。
触らずに焼いて脂を引き出します。
キャベツは火が通りにくいので先に1分30秒間ほど電子レンジにかけておきましょう。
これらに特製だしをかけて20秒間蒸し焼きにするのがポイント。
これで麺がほぐれます。
ソースはウスターソースとトマトケチャップを混ぜて作りました。
「おふくろの味定番100」42番目「たこ焼き」の作り方教えて頂きます。
目指すポイントは…この「だし」っていうのが大きなポイントになりそうですね。
大阪の決め手は「だし」ですからね。
これをたっぷり使うんですね。
手作りですけど割り箸の使い古したのこれにペーパータオル巻きつけてそれを古くなった布巾でクルクルッと巻いて糸で留めるの。
こんなん子供さんさせたら。
これね「たんぽ」というの。
これで…。
これに油をつけてねこうしてず〜っと塗っていくの。
もうこの形にぴったりですねたこ焼き器の。
こんな事もう子供さん喜んでやりますよね。
この道具を作るところから楽しめそうですね。
夏休みの宿題の工作これ1本だけでも「優」が取れる。
250℃に熱したたこ焼き器にこうして油を薄くひきました。
たこ入れますね。
手伝って下さい。
はい。
こうしておうちでお手伝いできますね。
たこはブツ切りにしたものですがこうして先に入れるんですか?商売なさってる方あまりしませんけどね。
家庭では先に入れた方がいいんですか?この方がたこが焦げまして香りがつくの。
中でたこがピョッピョと踊る。
たこ踊りしてるぐらいがちょうどいいの。
香ばしさが出てくるんですね。
そこに柔らかめに溶いた生地をず〜っと全部に流していきます。
あふれて結構ですよ。
分量ご紹介しましょう。
混ぜたらラップをして5〜10分間おくと生地にこしが生まれると。
少しグルテン出た方が粉少ない分だけ粘り出して補ってくれますからね。
この生地本当にたっぷり。
あふれてていいっていう事なんですね。
大丈夫大丈夫。
ここに揚げ玉とかねぎとかしょうがを散らしていくの。
こんなのふりふりでいいの。
計算しながら入れなくたってあとで散ったやつも全部入れていきますからね。
このようにまさに散らしたという感じですね。
散らし焼きです。
固まったらちょっと…。
まあそんなの気にしないで。
当たり得。
紅しょうがみじん切りにしたもの20gです。
本当に好きに。
カンバスのようになってきましたね。
青ねぎ小口切りにしたもの。
これも散らしていきます。
プロのようにうまくいきませんがね。
タンタンタンタンって。
年齢とともに手の振り方が遅くなってくる。
どのたこ焼きを食べるかによって入ってるものがちょっと違うっていうのもまた家庭の味わいですね。
だからず〜っと狙っておくんですよね。
この表面が透明度帯びてきたところで竹串のようなもので切って返してく。
返す時にいっぺんに返す方はいけるんですけど初めての方は90度ぐらいまず起こして。
まずこのくらい。
しばらく焼いてまた下へ持っていく。
ほんなら割合と上手に。
初心者でも返せますか。
縁にはみ出てるの全部中へ中へ入れ込むようにして。
始めはこうしてはみ出た部分出てきますけど何べんもやっとる間にきれいな球体になるんです。
生地入れる時あれだけあふれていたものがまとまりました。
ですからこれ絶対はまります。
そのままでも食べておいしいっていう事なんですがお好みでこのようにソースを上に塗っていきますし。
マヨネーズかけてね。
大阪のごってり派ですね。
粉がつおを振ったり。
大阪の方は青のり粉好きですからね青のり粉ちょっと振ったり。
確かに青のりもおいしいですね。
「たこ焼き」の出来上がりです。
何もつけなくてもいいしあとポン酢なんかでもおいしいっていう事でしたね。
ポン酢とマヨネーズもおいしいんですよね。
ポン酢とマヨネーズ。
それからうちトマトソース。
それも変わった味わいになりそうですね。
分量でご紹介していきましょう。
生地には特製だしとしょうゆを入れうまみを利かせます。
生地の材料を混ぜ合わせたあとラップをして5〜10分間おくとコシが生まれます。
ゆでだこは大きめのブツ切りにして先に焼いて香ばしさを出します。
生地はあふれるほどに流し入れ揚げ玉紅しょうが青ねぎを散らして焼き上げます。
私たちの前ではまだたこ焼きがおいしそうに…。
まだもうちょっとですね。
こうやってまだかなまだかなと見ていると…。
大体片面7分ぐらいかかりますね。
こうやって作っている過程も楽しいですね。
家庭でね。
結局家族で言葉のキャッチボールできる。
それがコミュニケーションをとる重要な働きをするのね。
ちょっとはみ出てたのでも何べんも返してるうちに丸く球体になるじゃない。
最初はこのようにあふれてたものがいつの間にかあんなにきれいな…。
それが自分の気持ちを丸く豊かにするの。
お好み焼きだってだ円形のを切って分かち合うからいいのね。
いろいろな望みもかなえられるし。
麺が綿々と家族結んでくれるしね。
まさに今日ご紹介した3種類の粉もの料理それぞれが家族の間に必要なものを教えてくれるそんな料理ですね。
今日は座ってテーブルクッキングですけどやっぱりそういう雰囲気っていうのが家族の全体を和やかに包んでくれる綿菓子のようなものですか。
ほんとですね。
ふんわりと包み込んでくれる。
しかもいろんなアレンジも利きますから次はあれ入れてみようとかこうしてみようとか…。
それが発想につながっていくから子供の知恵が働くように豊かになるの。
応用力が非常に高くなるの。
いいですね。
じゃあみんなでいろいろ発想を出し合って楽しくご家庭で食卓を囲んで作ってみてほしいですね。
奥村さん今日はありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
今日ご紹介した内容は「きょうの料理」のテキスト8月号にも載っています。
参考になさって下さい。

(テーマ音楽)2014/08/19(火) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 おふくろの味 定番100「お好み焼き・ソース焼きそば・たこ焼き」[字]

定番料理100品を一年かけて極める!今回は「粉物」3品。「お好み焼き」「ソース焼きそば」「たこ焼き」をおいしく仕上げるコツを伝承料理研究家・奥村彪生さんが伝授。

詳細情報
番組内容
定番料理100品の「おいしく仕上げるポイント」を1年かけて極める!今回は「お好み焼き」「ソース焼きそば」「たこ焼き」という「粉物」料理3品。「お好み焼き」は「外はこんがり、中はふんわりと焼いて、うま味を閉じ込める」、「ソース焼きそば」は「麺をしっかり焼いて香ばしく」、「たこ焼き」は「生地そのものを、だしでうまみたっぷりに」と、それぞれのコツを伝承料理研究家・奥村彪生さんが伝授。
出演者
【講師】伝承料理研究家…奥村彪生,【司会】小林千恵

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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