連続テレビ小説 花子とアン(122)「ラジオのおばさん誕生」 2014.08.19

(黒沢)JOAKで番組を作っております黒沢と申します。
(花子)JOAKってあのラジオ局の?村岡花子先生。
是非我々のラジオ番組に出演して下さい。
てっ!ラ…ラジオに?はい。
今度「コドモの新聞」という番組が始まるのです。
子どもたちにニュースを分かりやすく伝える番組なんですが語り手がアナウンサーだけでは堅苦しい。
そこで誰かいないかと探していたんですよ。
あ…いいえ…でも…。
(蓮子)はなちゃんこの界隈ではお話のおばさんと呼ばれているのよね。
蓮様…。
先ほど子どもたちに本を読んでやってるところを拝見して確信しました。
村岡先生が引き受けて下さればきっと全国の子どもたちがあんなふうにラジオの前にくぎづけになると。
ちょっと待って下さい。
おばさんすごい!ラジオに出るの?
(子どもたち)すご〜い!ああ…無理です私には!はなちゃんどうして?蓮様もよくご存じでしょう。
私ひどくあがり性で緊張するとヘマをするって。
ああ…。
回想
(拍手)ジュリエットお嬢様。
あっ!
(笑い声)すいません…。
フフフ…あの時は楽しかったわね。
蓮様笑い事じゃありません。
今思い出すだけで足が震えて変な汗かくんですもの。
20年も昔の事じゃない。
今のはなちゃんなら大丈夫よ。
とにかく一度局に見学がてらいらして下さい。
いやいやあの…本当にお役に立てないと思います。
・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」
(英治)やってみればいいのに。
ラジオの仕事。
前から思ってたんだけど花子さんの話す声は人をほっとさせる。
特に子どもたちに話してる時の声は愛にあふれてて温かくて…。
そんな事初めて聞いたわ。
もしナマケモノのお母さんがしゃべったらきっとそういう声に違いないな…。
はっ?あ…褒めたつもりなんだけど…。
褒められてません。
やっぱり明日断ってくるわ。
花子さん。
緊張して失敗するのが嫌なのか?それもあるけど…今は翻訳の仕事で手いっぱい。
ラジオに出る時間があるなら面白い物語を一つでも多く日本の子どもたちに伝えたいの。

(漆原)その村岡先生っていうのは何者なんだ?児童文学の翻訳をなさってる村岡花子先生です。
花子?女?はい…。
(有馬)漆原部長断りましょう。
いくら子ども向けの番組とはいえ素人のご婦人を起用するなんて無謀です。
そうだな。
しかしもう局長の承諾も頂きました。
何?村岡先生が翻訳なさった「王子と乞食」を局長のお孫さんが愛読なさってるそうで是非出演して頂けと。
来てくれなくてもよかったのに…。
ラジオ局ってどんな所か一度見たかったんだよ。
そう…。
(ドアが開く音)ようこそJOAK東京放送局へ。
制作部長の漆原です。
ごきげんよう。
初めまして。
村岡花子でございます。
初めまして。
夫の村岡英治です。
まあどうぞ。
失礼します。
番組の内容は黒沢から説明があったとおりです。
出演して頂けますよね。
いえ今日はお断りするために伺ったんです。
どうしてですか?ラジオの向こうの大勢の人たちにお話しすると考えただけでも震えて身がすくんでしまうんです。
まあそうおっしゃらずに。
うちの局長も乗り気ですので引き受けて下さいよ。
山岡先生。
村岡花子先生です。
失礼。
これから放送がありますので我々はスタジオに行きます。
どうぞ一緒に見学にいらして下さい。
さあスタジオへどうぞ。
さあどうぞ。
ここが指揮室です。
ここから放送が出ます。
これからテストをして本番が始まります。
あえいうえおあおかけきくけこかこ。
うちの看板アナウンサーの有馬次郎です。
はあ…。
JOAK東京放送局であります。
回想
(歩)あ〜あ〜。
あ〜あ〜。
JOAK東京放送局であります。
次は村岡歩先生のお歌であります。
・「こっちがママアのダアリング」・「こっちがパパアのダアリング」本番5秒前。
4321。
JOAK東京放送局であります。
東北北海道地方の列車時間短縮はかねてから仙台札幌両鉄道局で計画していました。
現在走っている急行列車の速度を…。
(一同)お疲れさまでした。
今日も大変結構でした。
いかがでしたか?本番でよくあれだけ落ち着いていらっしゃれるものですね。
私はここで聞いているだけで足が震えました。
そうですか。
でもやってみます。
(漆原)はっ?私でよければやらせて下さい!では…引き受けて下さるんですね!?ありがとうございます!よろしくお願いします。
英治さんの言いたい事は分かるわ。
「断りに来たんだろう。
君はひどいあがり性なのに大丈夫なのか」って言いたいんでしょう。
はあ…全くそのとおりよね…。
いや僕は君の勇気をたたえるよ。
よく引き受けたね。
えっ?歩もきっと天国で喜んでるよ。
あの子はラジオが大好きだったからな。
村岡先生。
早速ですがマイクの前で声を出してみて下さい。
これ最初の放送で読んで頂く予定の原稿です。
はい。
ではお願いします。
へえ…。
英治さんお仕事でしょう?一人で大丈夫?ええ。
じゃあ頑張って。
はい。
た…て…大切な…て…帝国議会の…おし…お話…。
(黒沢)「村岡先生。
テストですからそこまで硬くならずに。
一度深呼吸してみましょうか」。
はい。
(深呼吸)はい…。
「ではどうぞ」。
帝国議…帝国議会とは…尋常6年の…と…と…読本…巻の12と…修身の本には出ておりますように…。
部長。
本気でこの人に番組をやらせるおつもりですか?局長がそう言ってるならしょうがないだろう…。
す…すいません。
緊張してしまって…。
いいえなかなか結構でしたよ。
あっあなたと1週交代で語りを担当してもらう事になった有馬次郎アナウンサーです。
あとは2人に任せるから。
そんな…部長。
村岡先生。
今から特訓を受けて頂きます。
はい。
よろしくお願いします。
ではどうぞ。
はい。
通貨収縮策によって不景気退治を計画し…。
おかしな抑揚をつけないで下さい。
JOAKは無色透明でいいのです。
はい。
今度は通貨膨張策によって景気の再建を図るようになり…。
発音滑舌何もかもがなってません!まずは早口言葉。
はい3番。
はい。
久留米のくぐり戸はくぐ…久留米のくぐり戸は栗の木のくぐり戸くぐりつけりゃくぐりいいが…。
遅い!それでは時間内に原稿を読み終わりません。
武具馬具ぶぐばぐ三ぶぐばぐ。
武具が…武具馬具ぶぶぐ…武具が…武具馬具ぶぐばぐ三ぶぐばぐ。
合わせて武具馬具六ぶぐ…。
(有馬)遅い!花子がボロボロになりながら特訓を受けている頃…。
はなちゃんならきっと大丈夫。
(戸をたたく音)・ごめんください。
(戸をたたく音)・ごめんください!
(浪子)どなた?あの…こちら宮本先生のお宅ですよね?先生いらっしゃいますか?どういうご用?先生に会いたいんです。
会わせて下さい!蓮子さん。
蓮子さん!はい。
どうなさったんですか?お義母様。
ごきげんよう。
どちら様ですか?雪乃と申します。
まさか…龍一の女じゃ…。
まさか…。
さてこの色っぽい女の人は何しにやって来たのでしょう?ごきげんよう。
さようなら。
2014/08/19(火) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(122)「ラジオのおばさん誕生」[解][字][デ][再]

ラジオ局の黒沢(木村彰吾)から、子ども向け新番組の語り手として出演して欲しいと頼まれる花子(吉高由里子)だが、あがり症ということもあり、とても気が乗らない…

詳細情報
番組内容
JOAKの黒沢(木村彰吾)から、子ども向け新番組の語り手としてラジオに出演してほしいと頼まれる花子(吉高由里子)だが、あがり症ということもあり乗り気になれない。その夜、英治(鈴木亮平)はやってみたらいいと背中を押すが、花子は翻訳の仕事が手いっぱいで断るつもりだと言う。翌日、JOAKを訪れた花子と英治は、部長の漆原(岩松了)とアナウンサーの有馬(堀部圭亮)に会い、実際の放送を間近で目撃する…
出演者
【出演】吉高由里子,仲間由紀恵,鈴木亮平,角替和枝,岩松了,堀部圭亮,木村彰吾,壇蜜,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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