ドラマ24「アオイホノオ」#5 <嗚呼、東京> 柳楽優弥×福田雄一 2014.08.18

庵野ヒデアキのペーパーアニメに衝撃を受けたモユルはアニメーターを諦め漫画家を目指すことを決意。
そこで友人のきっちゃんと夏休みに上京し出版社への持ち込みを試みる。
憧れの喫茶店での原稿描きを経て石森章太郎気分に浸りすっかりプロになったつもりで東京の夜景を眺めるのだった
(モユル)待ってろよ。
(岸本)あ〜アカン!やっぱりアカン気がするわホノオ君。
落ち着けきっちゃん。
プロの漫画家もここに来るんやろ。
僕なんか無理や。
僕近くの喫茶店で待ってるからホノオ君1人で行ってきて。
大丈夫だきっちゃん。
その喫茶店で俺たちは漫画を描いたじゃないか。
喫茶店で描いた漫画は大丈夫だ!そやななんか落ち着いたわ。
すみませんまんがカレッジの持ち込みで来たんですが。
担当の者がまいりますのでこちらでお待ちください。
はい。
《受付さん明らかに持ち込みの学生かよ。
面倒だなという顔をしたね。
少し上から目線で実際は下からだが精神的には俺を上から見たね?いいのかな?キミは遠くない将来俺の描いた漫画の売り上げから給料をもらうことになるんだよ》どやった?今から担当さんが来てくれるそうだ。
どんな人やろか。
そりゃ鋭い感じの男が来るだろうな。
新人の才能を見抜くだけの。
それこそ『太陽にほえろ!』の長さんみたいな人か。
《きっちゃん鋭いのは山さんだ》
(横山)やぁどうもはじめまして。
「サンデー」の横山です。
《普通の人だ。
俺よりも漫画のことをわかってない感じがする。
大丈夫なのか?》
(2人)よろしくお願いします。
じゃあ上の編集部行こうか。
《横山さんあなたに俺の才能を見抜くことができるのか。
そこまでのセンスがあるのか?》広い。
わぁ。
ここで「サンデー」がつくられてるんや。
すみません皆さんやはり漫画家の先生のところに行ってらっしゃるんですか?あ〜いやいやみんなこれから出勤してくる。
僕はまんがカレッジ担当でキミたちに会うために早く来ただけ。
《早く来てる?昼の2時なのに?そんなそんな楽な商売なのか漫画編集者!》「サンデー」のデスクはねあっちなんだ。
ここは『ビッグコミック』。
「オリジナル」。
《なるほどここはいろいろな雑誌が合同で使っているフロア》《ここれは!》あ〜!どうしたの?いやさいとう・たかを先生の生原稿が。
これはね生じゃなくてコピー。
さすがにこんなところに生原稿は置かないよ。
でもこれから載るヤツですよね?そうだね来週号かな。
すごい。
まだ世の中に出てない原稿を先に。
黙っててくれるなら読んでもいいよ。
えっ?なんちゃってダメダメハハハハ。
《なんちゃって?あなたのギャグセンスは大丈夫なのかよ横山さん》さぁこっちこっち。
《ここが「サンデー」のエリアか。
とここには新人漫画家の原稿がゴロゴロしてるぞ。
どれどれどんなヘボな原稿を描いているか見てやろうか》あぁこれはね連載漫画家のアシやってる新人の原稿だよ。
上手だろ?はい。
ホノオ君。
あっはい。
キミから見せてもらっていいかな?何をですか?原稿だよ。
別に東京までパンツを見せにきたわけじゃないだろハハハハ。
《大丈夫か?ギャグセンス》よろしくお願いします。
あっじゃキミはあっちのソファーで待っててもらえるかな?はい。
座って。
あっはい。
お願いします。
ありがとう。
《は速い!何なんだこのいいかげんな読み方速すぎる。
それじゃ何が描いてあるかもわからんだろう。
俺の漫画はゆっくり読んでじっくり味わうギャグが売りなんだぞ。
そんな読み方じゃ笑わせられないじゃないか。
ダメだこの編集者じゃダメだ!頼むもっとじっくり読んでくれ。
何でそんな速さで読む必要がある?かっこいいと思ってるのか?もしも漫画持ち込みの初心者をビビらすためとかだったらやめてくれ!そんなかっこつけよりもちゃんと才能を見抜いてくれ》読んだよ。
《ウソだ》う〜ん。
女の子がかわいく描けてるよね。
《ウソだもう1回最初からちゃんと読んでくれ。
どれだけかかってどれだけの思いでこの32ページを描いたと思ってるんだ。
女の子なんてどうでもいいんですよ。
ギャグですよギャグ!》あとは…う〜ん。
いい紙使ってるよね。
これ扉絵コピーしておくよいいね?はい。
はいありがとうこれからも頑張って。
これ僕の名刺だから。
じゃ。
じゃ。
(岸本)ホノオ君。
きっちゃん終わったのか?終わった。
何か言われたか?緊張しすぎて何て言われたか覚えてへんわ。
なんか何も言われへんかった気もする…。
俺もだ。
俺も何も言われなかった。
よし。
集英社に行こう。
うん。
いいかきっちゃん「ジャンプ」はわかってくれる。
えっ?あそこは絵が下手な新人に優しいから。
そうなん?今は下手な絵がウケる時代。
素人っぽさを売りにしてくれるんだよ「ジャンプ」は。
それええやん!俺は素人っぽさにはかなりの自信がある!僕もや。
パロディーとかそういうの何でもオールオッケーな空気。
そういうところに魅力を感じるんだ。
そう漫画界の希望「ジャンプ」!すみません担当の者がお客様とお話しさせていただきたいと申しておりますが。
はい。
・ごめんねホノオ君だよね?・今江口先生の原稿があがらなくてさ。
離れられないんだよちょっと2時間くらい時間つぶしててくれるかな?はい。
江口先生が遅れてるから待っててって。
江口先生ということは『すすめ!!パイレーツ』や。
そうだねしかたないね。
うんしかたないね。
俺たち今江口寿史を待ってるんだな。
あぁ漫画界に協力してるんや。
江口寿史はさパロディーを最初にメジャーの世界に持ち込んだ人だよな。
ウルトラマンとかバルタン星人とかもじったり。
何々先生ごめんなさい!とか書いて。
009とか鉄人とか描いちゃったりして。
あれから漫画界はそういうのが全部オッケーになったんだよ。
そやね。
パイオニアだよ。
あれからみんなやるようになったけど。
江口寿史が最初にやったんだ。
最初にやるって大変なことやもんな。
そんな先生が徹夜で闘ってる。
俺たちはそれに協力している。
24時間闘ってるんやな。
集英社はな。
それに比べて小学館は何だ!怠け者の集まりや出社の遅い怠け者や!よし2時間つぶそう江口先生のために。
あぁ『すすめ!!パイレーツ』がおもしろくあがるために僕たちの2時間を捧げよう。
あぁ。
オッスごめんねキミたち。
「ジャンプ」編集部のMADホーリィです。
《うわ〜》《この人こそ漫画編集者って感じだ》腹減ったろ俺も頼むからさ好きなもん頼んでいいよ。
好きなもん…。
頼んでいいんですか?好きなもん…。
頼んでいい。
(2人)かっこえ〜!《どこの馬の骨とも才能があるかどうかもわからない俺たちに好きなものを頼んでいいとは…。
これが「ジャンプ」だキングオブ漫画誌「ジャンプ」だ!》もしかして昨日寝てないんですか?え?当たり前だろう。
夜ってのはさ徹夜するためにあるもんだよ。
《この人なら大丈夫だ。
この人は漫画をわかってる》ところでさキミたちどんな漫画が好きなの?はっ!《この場合どの答えが正解なんだ?1今いちばん流行っている漫画をあげてセンスのよさをアピール。
2本当に好きな巨匠の作品をあげる。
3「ジャンプ」の看板作品をあげることで思いっきりヨイショする。
さあどれだ?》あうっあっぜ。
あっぜうぐ!『3年奇面組』です。
ああ最近始まったあれか。
ギャグおもしろいよね。
はいおもしろいです。
キミは?『すすめ!!パイレーツ』です。
なんだキミたち「ジャンプ」大好きなのか?
(2人)はい!小学館の漫画は?
(2人)読みません!そうなのかハハハ!ハハハハハハハ…!睡眠。
完了。
サメってのはさ泳ぎながら眠るんだ。
編集者も同じだ。
そうなんですね。
じゃあ。
作品見せてくれる?
(2人)はい!《速い!やっぱりこの人も速い。
しかし読んでる風ではある》あ…。
いいね。
お待たせしました。
ああさあきたぞ。
ガンガン食おうぜほら原稿しまってしまってしまって!あの…。
早くしまわないとほらハンバーグの脂がついちゃうから早くしまって!早くしまって!置いてよ早く!脂!脂が脂が!「いいね」って言ってくれてたよね?ああしかしそれだけだった。
ホンマによかったんかな?わからないただ。
恐ろしいほど手応えがない。
あのあとハンバーグがうまいって話しかしてへんもんな。
ああ。
『ロッキー』1と2を同時上映か。
500円か。
ホノオ君『ロッキー』観た?うん。
『あしたのジョー』と同じだって記憶しかない。
どこが?ラスト。
チャンピオンが判定勝ちとか倒れても倒れても立ち上がる主人公とか。
他もろもろ。
ホンマやね。
ただもう一回観たら何か違うかも。
観ようホノオ君。
なんか観たい気分やわ。
500円だし観ようか。
観よう観よう!きっちゃん。
なに?なんかわからないけど今回の『ロッキー』メチャクチャ心に染みるよ。
なんでやろ?僕もや。
作品を観るときは何と同じだとか何と似てるとかそんな余計なこと考えるべきじゃないんだ。
そんなことしてるからこんなにすばらしい映画の本質を見抜けなかった。
それと。
それと…。
それと?俺は俺は。
《ロッキーと同じだ。
完全に東京に打ちのめされたんだ。
まったく評価されない漫画を自分が描いていたなんて気づいてなかったし気づきたくもなかった。
持ち込みなんてしなきゃよかったんだ!東京なんて来なきゃよかったんだ!》ああ!ワン!トゥー!俺はもうロッキーのように立ち上がれないかもしれない。
ロッキー!ロッキー!
(一同)ロッキー!ロッキー!ロッキー!
(村上)なあとんこ。
なんで俺まで聞かなきゃいけねえんだよ。
この話。
(とんこ)もう余計なこと言わんといて。
でどうやったん?デビューできそうなん?もうホノオ君もったいぶらんと教えてえな!時間の問題です。
時間の問題なんや!すごいやん!え?いつデビューするか決まったってことかよ?よく聞いてください。
「少年サンデー」には月間持ち込み大賞というものがあり毎月持ち込まれる新人の作品の中からこれはと思われる作品に賞が与えられるんです。
このページです。
え〜ホノオ君これに選ばれたん?おそらく。
え?メッチャすごいやん!ここに1カット作品の抜き出しが使われていますよね。
つまり持ち込んだ作品をそのまま返された者は選ばれないということですが僕は。
僕の作品は。
コピーがとられたんです。
決まりやん!おめでとうホノオ君。
ありがとうございます。
ちょっと待って。
コピーなんてみんなとられてるんじゃ…。
何もわからんクセに横から口出さんといてよ。
ああごめんでもさ。
ホンマわからん人やわ。
村上君は。
わかったよもういいよ。
とんこ行くぞ。
もう待ってよ村上君!《とんこさんやっぱり行ってしまうんですね。
それはそうと俺ってすごいんじゃないのか?とんこさんに持ち込みが大失敗に終わったことを悟られないように脳みそフル回転させてでまかせを言ってみたが全然でまかせじゃない!》《俺はまだ死んでなかったんだ。
コピーをとったということはそれを使うということだ。
小学館よあんな適当な読み方で実は俺の才能を見抜いていたとはな。
ああすべてがよみがえった気分だ。
そして庵野ヒデアキ!悪いが先にいかせてもらうぞ》
(赤井)あのすみませんせっかく同じアパートに越してらっしゃったんですからご自分の部屋でやられてはいかがですか?〜
(赤井)おっと庵野君どうしたの?
(山賀)何度も言うけど倒れるたんびに巨大な感じいらないからな。
ラストのシーンが思いつかない。
(2人)え?これ何に向けて描いてんの?そうだよ何に出すの?ファーストピクチャーズショー。
何それ?2年生の課題だよ。
2年になると春と秋に3分の映画を全員1本以上提出しなきゃならないの。
実写でもアニメでもいいんだ。
え?俺ら1年だぜ?2年生以外も誰でも出していいことになってるの。
2年のアニメーションすべての上をいくつもりだ。
ブツブツ。
言い切ったな。
しかし。
しかし?思いつかないラストが。
どこまできてるの?うんどこまで考えているんだ?一緒に考えてやるから言ってみろ。
バス停で女の子が1人バスを待ってる。
(2人)うんうん。
そこまでだ。
(2人)うん?そこまでだ。
それは何も考えていないということだ。
うう〜!!あと少しあと少しなんだ!あと少しかなあ?そうかなあ?こういうのはどうかな?その女の子の前をバスじゃないものがどんどん通り過ぎていくんだ。
戦闘機とかUFOとか庵野君の大好きな宇宙戦艦ヤマトなんかも前を通り過ぎていくわけ。
それで?それでそれでね。
どうしようかな?こういうのはどうだ?最後に待っていたバスが横から走ってくるんじゃなくて上からドーンッと。
女の子の上に落ちてくる。
ってのは?それは。
それは避けたい。
え?それだけは避けたい。
(高橋)なんや最近庵野たちは授業にこうへんな。
フフフ。
何がおかしいねん?理由はわかってる。
え?何なん?俺が東京への持ち込みで結果を出しそうだということが伝わって俺に対して負けを認めたくないがために俺の前に現れることができない。
そうなんかな?ファーストピクチャーズショーに作品出すつもりやって噂ウソなんかな?バカめ!ファーピクは2年生の課題発表会だぞ。
言うても2年以外も出せんねんで?さすがの庵野もわざわざ2年に負け試合を挑まんだろう?ホノオ君いよいよ今日『増刊少年サンデー』の発売日やで。
ああ今日からは忙しくなりそうだよ。
(3人)おめでとうございます!なんだよお前ら?いや驚かせたろう思うてな。
津田さんまで。
彼女はさっき来てドア開いたからお前や思うて…ハハハ!クラッカー鳴らしてもうてん。
おかげで…肝心のお前に鳴らすクラッカーなくなってもうた!何を言ってるかわからん。
(津田)偶然にも記念すべき瞬間に立ち会えて嬉しいです!ありがとう。
ただ賞をとったといってもスタートラインに立っただけだからね。
本当の戦いはこれからだよ。
ええやんスタートライン立っただけで立派なもんやん。
見せろはよ見せろや。
ああ。
え〜っとまんがカレッジの発表は…。
172ページ。
は!
(3人)お〜!この大賞の「ガリ勉くん」がホノオのヤツなん?ええやんメッチャおもしろそうやん!ペンネーム使うてたんや。
いやペンネームは使ってない。
月間違えたんじゃない?来月のに載るんじゃない?いや載るなら今月だ。
それやったら載ってへんやん。
アニメもダメ。
漫画もダメ。
俺は…。
俺は何をやったらいいんだ!これはダメだ。
これもダメだこれもダメだ。
これだ。
うわ〜!2014/08/18(月) 23:58〜00:40
テレビ大阪1
ドラマ24「アオイホノオ」#5 <嗚呼、東京> 柳楽優弥×福田雄一[字]

描き上げた漫画を手に、早速出版社へ持ち込みに行く焔モユルと岸本。不安顔の岸本に対し、焔は自信満々だった。そして小学館と集英社に乗り込むが…。

詳細情報
第5話
東京にやってきた焔モユル(柳楽優弥)と岸本(大水洋介)は、朝から出版社への漫画の持ち込みを始める。不安げな岸本に対し、焔は自信満々だ。ところが最初に訪れたサンデー編集者からは、表紙のみコピーされたものの、作品へのコメントは特に無し。ジャンプ編集者・MADホーリィ(佐藤二朗)も、一通り目を通したあと、漫画の話もそこそこに、運ばれてきたハンバーグに夢中。気ばかりが焦る焔は…!?
出演者
 焔モユル…柳楽優弥
 森永とんこ…山本美月
    ○
 庵野ヒデアキ…安田顕
 山賀ヒロユキ…ムロツヨシ
 赤井タカミ…中村倫也
 津田ヒロミ…黒島結菜
出演者続き
 岸本…大水洋介(ラバーガール)
 高橋…足立理
 村上…川久保拓司
    ○
 矢野ケンタロー…浦井健治
    ○
 みゆき…竹富聖花
    ○
 横山…長谷川朝晴
 MADホーリィ…佐藤二朗
原作
【原作】島本和彦「アオイホノオ」(小学館「ゲッサン」連載中)

脚本・監督
【脚本・監督】福田雄一
音楽
【オープニングテーマ】
「あーだこーだそーだ!」ウルフルズ
(ワーナーミュージック・ジャパン)

【エンディングテーマ】
「蒼い星」柴咲コウ
(ビクター/カラフルレコーズ)
関連情報
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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