(後藤)
今は懐かしい昭和の時代。
思い出しませんか?台所から聞こえる「ご飯出来たわよ」の声。
食卓を囲む家族みんなのおいしい笑顔
思い出に刻まれた心温まる家庭の味
昭和の食卓を彩った懐かしい100品を1年かけて改めて見直します
シリーズでお送りしている「おふくろの味定番100」。
今日は後藤加寿子さんに教えて頂きます。
(2人)よろしくお願いいたします。
今日は和風の料理ですが後藤さんにとってのおふくろの味やっぱり和の料理ですか?そうですね。
やっぱり旬の野菜を素朴に煮てくれた煮物を思い出しますね。
やっぱりおふくろの味ですか。
はい。
それをまたご家庭でも娘さんに…。
作りましたしその味を覚えてくれて今孫に作っているようですけれども。
やはり伝えていくという事を…。
代々伝えていく楽しさですよね。
去年和食が世界の文化遺産に登録されましたよね。
それもやはりそういう家庭の味って大切…。
その伝承に対して下さったという事ですよね。
家庭の味大事にしたいですよね。
では今日のラインナップです。
「おふくろの味定番100」。
37〜39番目をご紹介します。
まずは「焼きなす」。
夏になると食べたくなりますよね。
香ばしくってジューシーでご飯にもビールにも合います。
ほんとに日本の夏のおかずです。
口に含んだ時のあの柔らかさ。
ジュワッとしてね。
そして「かぼちゃの煮物」。
これもホッとする味ですよね。
これも家庭では煮崩れる直前ぐらいがおいしいので今日はその家庭ならではの作り方をお教えしたいと思います。
あの煮崩れる直前ね。
おいしい。
そして「そうめん」というともう夏の食卓には欠かせませんよね。
今回おいしいおだしをとっておいしいつけ汁とたっぷりの具をそうめんに添えてご紹介したいと思います。
だしもごちそう具もごちそうですよね。
では「焼きなす」から教えて頂きますがまず目指すポイントは何でしょうか?なるほど。
「ジューシーに香ばしく」じゃあそれを目指して。
作ってまいりますね。
まずこのガクなんですけどこれは面倒なようでもきっちり取っといて下さい。
今日2人分なす2〜3コって出てますが…。
今日立派なおなすなので…。
これが焦げるとあとで身について取りにくくなりますのでガクを取って…。
焦げやすいからガクは取るという事ですね。
今不思議な事をしてますでしょ?はい不思議ですね。
これはですね焼いた時に竹串でピュッと簡単に皮がむけるように今包丁を入れてます。
じゃあ水にとらなくてもいいんですね。
そうなんです。
これは熱い間にむけますから。
へえ〜。
浅い切り目を4〜5本…。
この包丁を入れた事によって香ばしさも入るんです中に。
熱が入りやすい。
あ〜なるほど。
そして焼いたものがこちら。
そろそろ出来てると思います。
じゃあふた開けてみましょう。
お〜!焼けてますね。
これ魚焼きグリルで強火で10分ほど焼いたと…。
大きさにもよりますけれども。
いい焼き目がついて押さえた時に中が柔らかくなってます。
生だとまだ堅い感じがあるのでそれを目安に焼いて下さい。
気を付けて押してみて。
これがちょうどいい具合ですね。
焼けたおなすですね。
これ熱いんですけど包丁目を入れましたので竹串がキュッと入ります。
ピュピュッとこう取れますね。
熱いうちに竹串を…。
これが冷めてしまうと中の身を取ってきて皮が剥がしにくくなるんですね。
面白いようにむけていきますね。
そうなんです。
これは熱くてもできますから。
ちゃんと焦げ目も中へ入ってるでしょ。
香ばしくなってますから。
なるほど。
ほんとなすの横にいても香ばしさがね。
もう香りがしてきましたよね。
この香りもごちそうの一つですもんね。
それでこのガクを取って頂いて。
あと裂くのは手で裂いてほしいんですよ。
こうザラザラッと…スパッと切らない事によっておしょうゆがよくからみます。
ここにほらジュースがポタポタ垂れてますから。
これもごちそうのうちですから。
これなすのうまみですね。
ほんとだ。
ジューシー。
ジューシーなんです。
しょうがを添えて頂いてこれはジュースたっぷりですので生じょうゆでおしょうゆそのものをかけて召し上がって下さい。
さあ「焼きなす」が出来上がりました。
もうしょうがと生じょうゆで頂けるわけですね。
自分のうまみがちゃんとありますからジュースにおしょうゆがちゃんと入り込んで。
なるほど。
じゃあ早速頂きますね。
召し上がって下さい。
いかがですか?口の中でねフワーッと広がりますねなすのジュースが。
香りもちゃんと入ってますでしょ?香りがねまた口の中から広がっていきますね。
さあそれでは材料でおさらいをしましょう。
なすはガクを取り除いて皮に浅い切り目を4〜5本入れるのがポイントでした。
皮全体が黒くなるまでしっかりと焼いて熱いうちに皮をむきます。
皮のむけるさまがとても楽しい。
是非やってみて下さい。
続いては「かぼちゃの煮物」ですが目指すポイントは?かぼちゃ本来のおいしさですね。
さあそのおいしさを引き立てるためのまず第1ポイント。
お昆布の味を入れます。
まずお昆布を入れてお水を入れますね。
これ昆布だしをとるんですけれどもこれだけのために前の晩からつけるというのも大変なのでかぼちゃを切ってる間に…既にこうやって水出しでお昆布から味が出てますから。
あ〜なるほど。
さあそしてかぼちゃ。
大体これぐらいの大きさで売ってるのが多いと思うんですけれども。
この中の種とワタを取るんですけどこれを家庭ではあんまり取り過ぎない方がいいと思います。
そうなんですか。
なんか親の敵みたいに…。
まあきれいなんですけれどもここが一番おいしいとこなので。
あまり全部…。
きれいにしなくていいと思う。
なるほどワタを残す。
この堅いとこをまず両方切りますよね。
あっいい音がしますね。
かぼちゃって堅いんですけども。
まず半分に切って頂いてこれを3つか4つに切るんですけど。
今ちょっと1つだけやってみますね。
この皮にちょっと包丁を入れて…。
少しそぐ。
そうなんです。
きれいになるという事もありますけどここに味も入りやすいので。
こんな感じでやって下さい。
こんな具合に下ごしらえをして。
さあ今鍋に入ってますね。
これに先ほど入れた昆布が底に入ってると。
これにお酒を入れまして柔らかくなるまで煮ていきます。
これで柔らかくなるまで煮ていくわけですよね。
大体どのくらいまで煮れば…。
竹串をスッと刺して頂いてこう通るようになれば。
(チャイム)あっチャイムが鳴りました。
「教えて!!」チャイム。
家庭はしなくていいと思います。
家庭はしなくていい。
よほどきれいに仕上げたい時とかは別ですけど。
弱火で煮ていけば煮崩れもしませんから。
そうか。
弱火で煮ていけば煮崩れがしない…。
面取りって煮崩れが心配だからやるんですものね。
家庭は…。
少々煮崩れてもそれはそれでおいしいと思います。
なるほどね。
さあ昆布が入ってますけども。
これをちょっと取り出しますね。
まずお砂糖を入れます。
「さしすせそ」ってご存じですよね。
調味料を入れていく順番です。
甘みが入りましたら今度おしょうゆとうす口とで辛みを付けていきます。
しょうゆとうす口しょうゆダブル使いですね。
うす口は味を付けて濃い口はおしょうゆの香りを。
ちょっと香りづけに入れます。
あ〜なるほど。
やっぱり香りもごちそうの一つですよね。
さあ煮えたものがこちらにありますがこうやって見ますと煮汁たっぷりですよね。
やっぱり薄味で煮る時は中まで味をしみこませたいので煮汁はやはりこのぐらい残して下さい。
甘辛く煮つける時は全部からめてしまいますけれども。
なるほどね。
それにかぼちゃの色きれいですね。
やっぱり食欲をそそりますよね。
さあ出来上がりをご覧頂きましょう。
ほんとに味がしみこんでいる様子が…。
もうほんとにトロトロなんですよ。
でも皮も煮崩れないでちゃんとくっついてますし。
だからゆっくり煮れば煮崩れも心配ないという事ですね。
あ〜ほんとに柔らかく煮えてますね。
このワタ付きがポイントでしたよね。
ワタを少し残して食べやすい大きさに切って皮をところどころそいで煮ていきました。
煮る時は鍋に昆布で薄めのだしをとって調味料を控えめにしてかぼちゃ本来の味付けにしました。
さあ続いて紹介するのは「そうめん」。
夏の昼ご飯には欠かせませんよね。
実はこのそうめん古くは宮廷や寺院の行事やもてなしの時に並ぶ特別な料理でした。
一般に食べられるようになったのは江戸時代の事。
そうめん作りの技法が全国に伝えられ家庭の食卓に広がっていったんでした。
「きょうの料理」でも昭和33年のテキスト創刊号からそうめんは登場しています。
盛りつけには緑や赤の野菜で彩りを添えて。
きゅうりトマトピーマン。
懐かしいさくらんぼ。
当時からラディッシュまで添えられていたんですね。
その後も夏になるとそうめんは度々登場。
こちらは昭和40年のテキスト。
講師はご存じ土井勝さん。
土井さんはこのテキストで「麺類はだしが命。
良いだしを作る事こそおいしいそうめんを作るコツだ」と語っています。
土井さんのレシピを見てみますと同じそうめんでも合わせる具などによってだしに加える調味料の配合を細かく変えています。
いかにだしが大切か読み取る事ができますよね。
更に土井さんがそうめんを作る時に大切にしたのが食欲を増す盛りつけや彩りそして合わせる具です。
こちらは青竹の筒にそうめんと具材を盛り込みだしを張っておもてなし風に仕上げています。
合わせた具は芝えびと白身魚しいたけに三つ葉。
土井さんは具の大切さについてこう語っています。
味だけではなくて栄養も大切にしていたんですね。
今日紹介する「そうめん」もその心は同じです。
しっかりマスターしたいです。
やっぱりおいしさと栄養のバランスという事も大切ですよね。
さあこの「そうめん」ですがまずはだし。
さっき土井先生もおっしゃってたそうめんの命のだしをとっていきましょう。
このだしですが材料は…これ約カップ7杯強作るという事ですね。
そんなにたくさん作ってどうするというのもありますよね。
でも冷蔵庫や冷凍庫で保管ができますしあれば何でもすぐお料理ができますから。
じゃもし冷蔵庫に入れておくと保存はどのぐらい…?まあ2〜3日ですね。
冷凍庫でもいいんですか?1か月ぐらいは大丈夫ですので。
なるほど。
じゃあいろんなお料理にもたくさん作っておけば使いますよね。
またこれぐらいとられた方が味の出がいいので。
なるほど。
また味もいいという事ですね。
さあもう既に昆布が…。
煮立ってきましたね。
これ取りますね。
昆布が大きくなってますね。
水出しでちゃんと一晩つけておりますから。
家庭だったらもうこれぐらい煮立ってるところで結構なのでザーッと入れて下さい。
煮立ったところで削り節を加えて。
一煮立ちしましたらもうこれで消して頂いたら結構です。
さあこれを…。
こしていきますね。
こういう盆ざるにペーパーを敷いて頂いてそ〜っとこしていきますね。
ほんとに家庭のおだしですので…。
おもてなしのおだしだとこんな事はしないんですけど一番だし二番だしをまとめてとるって感覚でこしてしまって下さい。
ギューッとしていいんですね。
わ〜!またきれいなだし。
おいしそうな黄金色のだしがとれました。
香りも豊かですね。
幸せな匂いがしてますね。
おなかが思わずグーッと鳴りましたが。
さあこのとっただしからこちらの鍋に移しました。
とりたてのだしですよね。
これにまずみりんを入れますね。
つけ汁を作っていきます。
みりんが今入りました。
うす口ですね。
おしょうゆ。
こちらもダブル使いですね。
そうですさっきと一緒ですね。
あと追いがつおをしたいので更にかつお節のうまみを加えます。
これでまた香りがプラス…。
うまみと香りが。
やっぱりめんつゆはもうこれが命ですので。
これでつけ汁が出来上がると。
それで具ですよね具。
そうなんです。
さあ具はいろんな具がありますね。
きれいに並んでいます。
まあいつものおなじみの薬味ですよね。
この辺りは香りの薬味ですけれども…。
私が絶対外せないのはこの3つなんです。
錦糸卵は味をまろやかにします。
きゅうりは食感。
シャクシャクッと。
そして…。
絶対なくてはならないのはこの甘辛く煮たしいたけ。
もうお薦め中のお薦めですか。
そうですねこれだけは絶対。
なるほど。
「しいたけの含め煮」ですよね。
これを入れて一緒に頂くともう最高においしいです。
そのお薦めのしいたけ…作り方教えて頂きます。
もう既に鍋では煮ていますね。
戻したしいたけを切ってさっきのかぼちゃと一緒で柔らかくなりましたら中火でお砂糖を加えてそれからまたしばらくおいておしょうゆを入れて…。
煮ていくという事ですね。
分量をご紹介しておきますね。
今全部分量申し上げました。
それでこの落としぶた…。
そうなんですよ。
おだしをとったあとの昆布をどうするんですかってよく質問を受けるんですけど私は落としぶたに一番使います。
落としぶたにするとまた昆布の味も出てくる…。
弱火で15分ぐらいコトコトとこうやって煮含めて頂きたいんですけれども。
なるほど。
そうするとしいたけの含め煮が出来上がるわけですね。
いや拝見するとツヤツヤしてますね。
最後にみりんも入れましたので。
今度はさっきのかぼちゃとは違ってもうほとんど煮汁がなくなるまで煮含めて下さい。
冷ます間に味がどんどん含まれていく…。
これも冷めてから召し上がって下さい。
いや〜ここまで出来たらあとはそうめんをゆでる。
そうですね。
という事ですよね。
さあもうゆだってますかね。
そうですねそろそろ。
このそうめんはゆで時間は…?それぞれメーカーによって違いますので。
じゃあこれいいですか?どうぞお願いいたします。
ザーッ。
あ〜眼鏡が曇りますね。
先生も大丈夫ですか?はい曇らないようにいたします。
まずすぐ冷やしてそれで今度は流水で洗いますね。
そんなにギューギューやる必要はないんですけど軽くこうもみ洗うようにして。
やっぱりもみ洗いながら冷やす…。
コシも出ますし保存している間の臭いもここで取れますし。
こんな感じですねサッと洗って。
おいしそうですよね。
ゆで上がりました。
さあここで麺が出来ればもうあとは頂くだけ。
「そうめん」の出来上がりです。
あら?そうめんって私麺だけ食べてましたが具も一緒に入ってますね。
薄い味のおだしの効いたつゆですので全部つけて頂いて具も混ぜて。
それでゆっくり…。
じゃあ私もそのように頂きます。
具と一緒に。
しいたけも是非。
ごちそうそうめんになってます。
そうですね。
しいたけも存在感ありますね。
しいたけが甘辛いので…。
もうお肉がなくてもしいたけで十分なボリューム感があります。
さあ材料でおさらいをしましょう。
つけ汁はだしに削り節を加えて更にうまみをアップさせます。
具はお好みのもので構いませんが今ご紹介したようにしいたけの含め煮と錦糸卵を添えると全体の味のバランスがとれるという事でした。
そしてそうめんはゆで上がったらすぐに流水でもみ洗いをして冷やすとコシが出ておいしく頂ける…。
いや実際にそのようにおいしく頂きました。
こうつけてますとだんだん薄くなってくるんですよ。
そうするとまためんつゆを足したり時にはめんつゆも一緒にのんだりして一緒にこう食べたのが私の子供の頃の思い出として。
今もそのように食べてますけど。
いやほんと麺だけ食べてて具はおかずとして…おかずはおかずで食べてて。
この食べ方是非この夏はね。
夏休みのお子様たちとご一緒に召し上がって頂くと。
さあ今日は和食3品ご紹介頂きました。
最初におっしゃったように和の気持ちを伝えていくっていう感じですね。
次の世代へ伝えていきたいと思います。
今日はごちそうさまでした。
ありがとうございました。
失礼いたしました。
今日ご紹介した料理はテキスト8月号にも作り方詳しく掲載しています。
(テーマ音楽)2014/08/18(月) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 おふくろの味 定番100「焼きなす・かぼちゃの煮物・そうめん」[字]
昭和の食卓を彩った定番おかず100品を、1年かけて見直すシリーズ。今回は夏らしく、焼きなす、かぼちゃの煮物、そうめん。上手に作る方法を、基本から丁寧に伝える。
詳細情報
番組内容
「焼きなす」は香ばしさが命。焦げめがしっかりつくまで焼いたなすは、皮をむくために水におとすと風味がとぶ。あらかじめ茶せん状に切り目を入れておけば、水に落とさなくても簡単に皮がむける。「かぼちゃの煮物」は、味付けを控えめにしてかぼちゃ本来の味をいかす。種のまわりのワタを少し残すと煮汁を含みやすい。「そうめん」はだしを丁寧にとってめんつゆに。具は薬味のほか、しいたけの含め煮や錦糸卵も添えてバランスよく
出演者
【講師】料理研究家…後藤加寿子,【司会】後藤繁榮
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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