(舞)私はこれをくれたときの航太に戻ってほしい。
(航太)元には戻れない。
あのころには戻れない。
(廖)新社長の小館勲氏です。
(廖)議決権を受け渡すというのはそういうことなんですよ。
(祥子の泣き声)
(勲)泣くな!お前の軽率な行動で小館興産は人手に渡った。
(祥子)ど…どうしよう。
どうしよう。
(祥子の泣き声)
(圭吾)航太を追い落としたかった。
でも俺の安易な考えで小館を廖に乗っ取らせてしまった。
ホントにすまなかった。
(舞)だけど航太は彩ちゃんや圭吾を傷つけた。
そんなことして夏帆ちゃんがホントに喜ぶと思うの?ねえ。
航太。
(航太)14年間俺はそのときのことだけを考えて生きてきた。
(航太)夏帆の命をもてあそび俺をこの世のどん底に突き落とした小館が俺を恨みながらこの世から消えていく日を。
私は航太の本心に気付くことができなかった
もし気付けていたらこの先の不幸な事件は起こらなかったのかもしれない
何でこんなことに。
美樹姉え。
(美樹)話があるの。
彩と勲さんの親子鑑定航太がしたってホントなの?ああ。
何でそんなことするの?彩には何も関係ないじゃない。
私たちが彩に父親のことを隠してたのは身勝手だと思う。
どれだけ責められても何も言えない。
でもね。
彩にあんな形で知らせたことは絶対に許せない。
俺を恨んでくれていい。
その方が俺も楽だ。
航太。
あんた。
そこまでして復讐しなくちゃいけないの?自分を苦しめて舞ちゃんを傷つけてまでやることなの?14年前心が壊れそうになってた舞ちゃんを救ってあげたのはあなたでしょ。
舞ちゃんの痛みを誰よりも分かってるはずじゃない。
これ昔舞ちゃんが描いた夏帆ちゃんの似顔絵。
航太に会ったら渡さなくちゃと思ってずっとそのままになってたの。
ねえ航太。
あんたが今やってることは舞ちゃんのことが大好きだった夏帆ちゃんのことも傷つけてるんだよ。
航太。
ああっ。
(勲)廖会長。
このたびは妻が大変ご迷惑をお掛けしました。
(廖)いやいや。
素人さんにはよくあることです。
(勲)これからも会社のために尽くしてまいりますので引き続きよろしくお願いします。
(勲)待ちたまえ。
君には失望したよ。
妻と手を組んで私を裏切るとはな。
舞との結婚を認めなくてよかった。
出向を覚悟しとくんだな。
(圭吾)お言葉ですが社長。
私は廖社長と手を組むのは危険だと申し上げたはずです。
(勲)私の機転で会社が売り飛ばされずに済んだんだ。
ありがたく思え!
(圭吾)危険はまだ去っておりません。
今回の騒動本をただせば航太が仕組んだことなんです。
新垣君が?航太は14年前の夏帆ちゃんの死を恨んで小館に復讐しようと乗り込んできたんです。
例の親子鑑定。
あれを調べさせたのも航太です。
その真実を社長や奥さまには口外しないという約束で舞は航太と結婚させられました。
舞は一人で戦ってます。
私はどうなっても構いません。
ただ舞のことだけはどうか守ってやってください。
(晴雄)昨日はありがとうな。
航太に会いに行ってくれて。
(美樹)あっ。
何言ってるの。
当たり前でしょ。
昔からのお付き合いなんだし。
(晴雄)ホントは俺が会いに行くべきなんだろうけど。
航太もきっといつか分かってくれると思うわ。
・
(ふすまの開く音)
(美樹)あっ。
彩。
おはよう。
(彩)おはよう。
(晴雄)よし。
飯にしよう。
(美樹・晴雄)いただきます。
(彩)いただきます。
(晴雄)あのう。
しかし今日はいい天気だな。
(美樹)ねえ。
あっ。
お母さん今日仕事休みなの。
(晴雄)うん。
(美樹)彩。
どこか行きたいとこない?
(彩)舞先生のとこなら。
別にいいよ。
彩ちゃんが?
(美樹)ええ。
舞先生のところになら行きたいって。
彩に会ってもらえるかな?もちろんです。
彩ちゃんにいつでもここに来るように伝えてください。
ありがとう。
ごめんね。
舞ちゃん。
前に疫病神だなんて言ったりして。
あっ。
いえ。
私も謝らなくちゃいけないことがあるんです。
この前彩ちゃんに会いに行きました。
えっ?私も彩ちゃんと同じような悩みを抱えてたことがあったから。
でもどんな生まれ方をしても家族に精いっぱいの愛情を込めて育ててもらったことには変わりはないって分かって乗り越えられた。
だからきっと彩ちゃんも心の中では分かってると思うんです。
自分が美樹先生や晴雄さんにどれだけ愛されてるか。
舞ちゃん。
あっ。
すいません。
余計なことして。
ううん。
ありがとう。
舞ちゃん。
(圭吾)いまさら何か用ですか?
(麗華)落ち込んでるんじゃないかと思って。
あんたを信用した俺がバカだった。
(麗華)私だって知らなかったわ。
結局パパと航太の思いどおり。
何だかんだ言って航太は舞さんと一緒になりたかっただけなのかも。
(圭吾)えっ?・
(チャイム)圭吾。
今回は残念だったな。
俺を小館から引き離そうとしたみたいだが廖の方が一枚上手だったってことだ。
廖会長がってことは今回のことはお前も知らなかったんだな?小館興産はなくなったも同然だ。
もう十分だろ。
俺の目的は小館の家がずたずたになること。
それが済むまでやめるつもりはない。
お前にできんのか?舞を傷つけることが。
麗華さんから聞いたよ。
あの親子鑑定書燃やしちまったんだってな。
舞があの高名な先生とやらに襲われそうになったときだってそうだ。
お前はぎりぎりのところで舞を救った。
復讐なんて言ってさ行動が矛盾してんだよ。
止めに来たんじゃなくて…。
はぐらかすな。
なあ。
いいかげん認めろよ。
お前は心の中では復讐なんて求めてない。
お前はやっぱり舞のことが。
違う。
違わない。
お前は今でも舞のこと愛してる。
違う!言いたいことがそれだけならとっとと帰れ。
帰ってくれ。
社長。
お話とは何でしょう?
(勲)新垣君。
君が舞と結婚したのは娘のことを愛しているからだと思っていた。
14年前先代が君たちにしたことも全て水に流してくれていると思っていた。
なのに復讐だと?誰がそんなことを?圭吾君だ。
別れてくれ。
これ以上舞を不幸にしたくない。
結婚は2人で合意の下に決めたことです。
あなたの一存では別れられません。
それが君の本性か。
だとしたらこの会社から出ていってもらうしかないな。
でしたら廖におっしゃってください。
私をどうこうできるのは廖だけですから。
では。
・
(ノック)はい。
彩ちゃん。
こんにちは。
いらっしゃい。
よく来てくれたね。
座って。
久しぶりだね。
今日は何作ろうか。
前に作ったネックレス。
ああ。
あれ?美樹先生にプレゼントした。
また作ってもいいですか?もちろん。
よし。
一緒に作ろうか。
(圭吾)お母さん。
(祥子)圭吾さん。
ごめんなさい。
私が夫に意地になってしまったばかりにあなたの立場までまずくしてしまって。
ハァー。
本はといえば廖社長を引き込んだあの男がいけないのよ。
あの男は最初から小館に復讐するつもりで乗り込んできたんだわ。
舞だってあの男に何か弱みを握られて結婚したんじゃないかしら。
ねえ。
圭吾さん。
ホントにもう駄目なの?舞とやり直してくれないの?
(圭吾)《お前は心の中では復讐なんて求めてない》《お前は今でも舞のこと愛してる》《違う!》お母さん。
航太は14年前と何も変わってません。
どんなに人を憎んでも冷酷になりきれない。
復讐しようとすればするほど深みにはまって身動きが取れなくなってる。
舞はそんな航太の苦しみが分かるからこそ必死に受け止めようとしてるんじゃないでしょうか。
あの2人は自分たちが気付いていないだけでずっと心の底ではお互いを求め合ってる。
僕はそんな気がします。
できました。
うん。
上手にできてる。
あのう。
もう一つ作ってもいいですか?もう一つ?家族全員でお揃いにするんです。
舞先生。
この前は話しに来てくれてありがとう。
あっ。
うん。
私ホントのこと知らなきゃよかったとはもう思ってません。
舞先生の言うとおりお母さんもお父さんも私を大切に育ててくれたんだってちゃんと分かったから。
だからこんなふうにまたみんなで笑って暮らしたいと思って。
彩ちゃん。
(美樹)おいしい?
(彩)うん。
(美樹)フッ。
(晴雄)ただいま。
(美樹)おかえり。
(彩)おかえり。
お父さん。
早く。
(晴雄)うん?何だ?何だ?
(彩)早く早く。
(晴雄)うん?よいしょ。
はい。
これ。
お父さんにプレゼント。
えっ?
(彩)あっ。
ネックレスなんて恥ずかしい?
(晴雄)いやいや。
恥ずかしくなんかないぞ。
あした現場で自慢してやる。
(彩)これ私の。
ねっ。
3人でお揃いだよ。
私とお父さんとお母さん。
3人で家族だから。
あっ。
彩。
(美樹)やだ晴雄さん。
泣いてるじゃない。
(晴雄)バカ。
これは汗だ。
(美樹)アハハハ。
(彩)もう。
お父さん。
やだ。
(晴雄)ハハハ。
(彩)これ頑張ったんだよ。
ほら。
お父さんのひげがついてるの。
(美樹・晴雄)ホントだ。
(祥子)えっ?舞の手作りなの?うん。
ちょっと子供っぽ過ぎるかな?ううん。
ありがとう。
舞。
うれしい。
へえー。
(勲)ただいま。
あっ。
お父さま。
おかえりなさい。
これ。
舞。
話がある。
どういうつもりであいつと結婚なんかしたんだ?えっ?あいつの復讐を止めるためか?・
(勲)お前がそこまでどうしてしなくちゃならないんだ?・お父さま。
私航太を信じたいの。
復讐なんてできる人間じゃないって信じたい。
(勲)あいつは会社を乗っ取ろうとしてる人間だぞ。
しかも偽りの結婚まで。
でも私信じたいの。
舞。
舞。
私はお前に幸せになってほしいんだよ。
ごめんなさい。
お父さま。
これよかったら使って。
お母さま。
(祥子)ホントに信じられるの?新垣航太のこと。
本当はどうしたらいいか分からないの。
えっ?信じたからって航太が復讐をやめるとは限らない。
私たちと一緒にもっと深いところまで落ちてしまうかもしれない。
でも信じたい。
私。
14年前あんなに夏帆ちゃんのことを大切にしてた航太が…。
私を救ってくれた航太がもう一度戻ってきてくれるって。
舞。
(祥子)どうぞ。
はっ。
今日はあなたに折り入って話があるの。
航太さん。
うちで一緒に暮らしましょう。
変でしょ。
結婚してるのに別々に暮らしてるなんて。
舞のこと愛してるのよね?はい。
だったらホントの夫婦にならなくちゃ。
ねっ。
そうなさい。
圭吾。
(圭吾)舞。
この前はホントにすまなかった。
もう一度きちんと謝りたくて。
そのことはもういいよ。
俺会社辞めようと思ってる。
そうだよね。
あんなことがあって会社には居づらいよね。
舞。
あっ。
圭吾。
最後に一度だけ。
なあ。
いいだろ?2014/08/18(月) 13:30〜14:00
関西テレビ1
碧の海〜LONG SUMMER〜 #36[字][デ]【信じる心…恋と友情と家族の愛】
舞(奥菜恵)と航太(徳山秀典)の絆は断ち切れないと悟った圭吾(尾形貴弘)は、自ら身を引き小館興産を辞めると告げる。舞は圭吾の思いに応えられず、罪悪感に苛まれる…
詳細情報
番組内容
航太(徳山秀典)のもとを訪ねた美樹(遊井亮子)は、彩(米山実来)の本当の父親のことを明らかにしたことを責める。が、航太の様子に、その胸の内の苦しみに気づく。
美樹が、「あなたがやっていることは舞(奥菜恵)だけでなく、舞のことが大好きだった夏帆(伊藤貴璃)のことも傷つけているのよ」と言うと、何も返せない航太で…。
番組内容2
一方、舞は自身の出生の秘密を知ってしまった彩のために、出来ることは何でもしようと思っていた。ところが、訪ねてきた彩の強さにむしろ勇気をもらう舞。そんな彩に触発され、改めて家族と向き合おうとする舞だったが、勲(板尾創路)と祥子(杉田かおる)の関係は一層こじれ始めていた。
そんな中、祥子が突然、航太を呼び出す。何事かと身構える航太に、祥子は「同居をしよう」と持ちかけて…。
出演者
小館 舞:奥菜 恵
新垣航太:徳山秀典
高峯圭吾:尾形貴弘(パンサー)
上原美樹:遊井亮子
廖麗華:上野なつひ
・
小館祥子:杉田かおる
廖金明:升毅
・
新垣晴雄:木村祐一
小館 勲:板尾創路 ほか
スタッフ
【企画】横田誠(東海テレビ)
【原案】倉科遼
【脚本】牟田桂子
【演出】八十島美也子
星田良子
【企画プロデューサー】服部宣之(東海テレビ)
【プロデューサー】松本圭右(東海テレビ)
仲良平(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
坂本直彦(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
浦井孝行(国際放映)
河角直樹(国際放映)
スタッフ2
【メインテーマ】S.E.N.S.
【音楽】森英治
【主題歌】「消せない約束」fumika(Island Roots)
【制作】東海テレビ
吉本興業
国際放映
ご案内
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【公式サイト】http://tokai−tv.com/aonoumi/
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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サンプリングレート : 48kHz
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