9きょうの健康 見逃すな!危ない不整脈「タイプと危険度」 2014.08.18

(テーマ音楽)知っておきたい健康知識を分かりやすくお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら…そもそも不整脈とは?こちらをご覧下さい。
ひと言で言いますと心臓の拍動が乱れるのが不整脈なんです。
心臓は休まず血液を送り出していますがそのリズムが異常になるという事なんです。
いろいろタイプがあるんでしたよね。
あまり心配がいらないタイプもあるんですが危険なタイプもあるんです。
不整脈に気付かずにいきなり倒れてしまう事もあります。
これは早く対処しなきゃいけませんね。
そこで今週は4日間危ない不整脈についてお伝えしていきますが今日のテーマはこちらです。
今日も専門家をお迎えしています。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
循環器内科特に不整脈がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
まずお話の初めに心臓がそもそもどういう働きをして血液を送り出しているのかその基礎知識から教えて下さい。
心臓は血液を送り出すポンプの役割をしています。
内部はこのように4つの部屋から成っています。
全身から戻ってきた血液は右心房から右心室そして肺へと送られます。
そして肺から酸素を含んだ血液が左心房に戻ってきましてそして左心室のポンプの力で全身へと送り出されるんです。
この心臓がポンプの役割を果たすためにはこの心房心室が順々にしっかり膨らんで血液をためそしてしっかり縮んで全身に血液を送り出すんです。
これがリズムよく動く。
心房心室心房心室リズムよく正常では収縮しているんですがこのリズムが乱れるのが不整脈なんです。
この不整脈は自分で気付けるものなんですか?気付ける場合もあります。
まず自分で脈を調べる事をお勧めします。
どうしましょうか?手首の内側で脈をとります。
左右どちらでも結構です。
親指の付け根の下辺りに3本の指をあてましょう。
あまり強く押し過ぎるとかえって分かりにくくなります。
軽く少し押す程度。
ドクドクドクと感じますね。
時計の秒針のように規則正しく脈を打っていれば大丈夫です。
数の目安としては1分間に60から100回。
これより早すぎたりあるいは遅すぎたり飛んだりする場合は不整脈かもしれません。
これ目安になりますね。
不整脈があると何か体に異変おかしいぞって感じるものなんでしょうか?僕たちが運動したり緊張したりすると心臓がドキドキしますね。
これは実は正常な反応なんですがこうしたドキドキ動悸といいます。
これが何でもない時に感じる事もあります。
速いだけでなくて遅い脈がドキンとする事もあるんです。
これは不整脈かもしれません。
ほかに息切れだるさむくみあるいはめまい失神などが起こる事もあります。
今ご説明して頂いた自覚症状ですが何にも心当たりがないぞという場合は不整脈とは無縁と考えていいですか?いえそうとは言えません。
こうした症状がなくても危ない不整脈が隠れている事もよくあるんですよ。
ではどうやってその隠れているものを…。
不整脈の発見には心電図を見る事が最も確実だと思います。
心電図と聞くとピンと思い浮かぶ方も多いと思いますがここでちょっと見ておきましょう。
久田さん。
ではこちらをご覧下さい。
心電図はこのような波の形をしています。
これは心臓の拍動とともに起こっている心臓の筋肉の電気的な変化を時間経過とともに描き出したものです。
正常な場合はこのように同じ形の波が同じ間隔で繰り返されていきます。
その一つを拡大して見てみましょう。
この最初の小さな波は心房この上のお部屋ですね心房の収縮を表しています。
次の大きな波は心室この下の部屋の収縮を表します。
ここが収縮した時に血液は全身や肺に勢いよく送り出されます。
今説明がありましたが一番上に正常の波の形がありますよね。
これが異常が起こるとどういう事になるのかご説明下さい。
タイプによってさまざまですが代表的なものを見てみたいと思います。
まず脈が異常に速くなるタイプです。
一つは心房細動。
この大きい波の間隔がバラバラで乱れています。
しかも何か詰まっていますね。
そしてその間に細かい波がたくさん出ているのがお分かりになるかと思います。
もう一つは心室細動。
波全体がこういう元のきちんとした形をとどめずに完全にこうして乱れているのがお分かりになると思います。
これは正常と比べますと明らかにおかしいですよね。
さあそれぞれの時に心臓はどういう状態になっているのか教えて下さい。
まず心房細動です。
心房細動では上の部屋心房がけいれんするような状態で1分間に数百回も異常に速く収縮している状態です。
その影響で心室の方も速く乱れている訳です。
体にはどんな影響が出てくるんでしょうか?心房がけいれんしたような状態ですので血液がよどんでしまいその結果心房の中で血が固まって血栓を作る事があります。
特に左心房内で作られた血栓が剥がれて血液の流れに乗って脳の血管まで運ばれてそして詰まらせてしまう事があります。
つまり心房細動は脳梗塞の原因になるんです。
心臓がギュッと押し出されてその血栓が飛んでいく訳ですね。
しかも重症の脳梗塞になります。
心臓のトラブルが不整脈だろうと思っていますが実は脳にこんな大きな影響を及ぼす事があるんですね。
知っておきたいですね。
さてもう一つの心室細動では心臓はどうなっていますか?今度は心室がけいれんしたような状態で1分間に何百回も速く収縮してしまう状態です。
こうなりますと心室はけいれんしたような状態ですからもはや正常のように血液を送り出せなくなってしまいます。
つまり心停止の状態です。
そのため数秒で気を失い数分で死に至ります。
直ちに処置しないと突然死も起こる訳です。
これは怖いですね。
不整脈の中には本当にすぐに死に至るような怖いものがあるんですね。
そして次に脈が遅くなる場合はどうなるんでしょうか?遅くなるタイプの不整脈徐脈といいます。
代表的なものを見てみましょう。
例えばこの場合この大きい波が数回ごとに出て全体として遅くなっています。
正常な方はこの間に2つほどあるのにないですね。
ですから脈の数が1/2から1/3に少なくなっています。
一方この下の方ではここまでは正常なんですけど急に心臓が止まってこれからいわゆる心停止の状態になっています。
この方その後動いたんですか?このあとまた心臓は正常に動き出しています。
こうやって止まっている時間があるタイプがあるんですね。
そうすると頭に血が流れなくなって気を失う。
つまり失神という状態を来します。
そうするとこれもやっぱり危険だと考えていいんですか?命に直接関わるという事になるのは少ないんですがこの場合はやはり失神等が起こって危険になるかと思います。
失神は危険ですもんね。
こうした不整脈の発見に心電図が非常に有用だという事を教えて頂いた訳ですがその心電図検査は具体的にどういうものなのか見ましょう。
久田さん。
心電図の検査にはいくつかの方法があります。
まず最も基本的な検査こちらです。
胸や手首足首に電極をつけて心電図を15秒程度記録します。
これは職場や自治体の健康診断でよく行われています。
そしてこちらはホルター心電計という装置を身につけて行う検査です。
日常生活をしながら24時間心電図が記録できます。
更に携帯型の心電計を使う方法もあります。
不整脈が起こった時にこの機器を自分で胸に押し当てる事で心電図を記録します。
いくつか検査が出てまいりましたがとにかくまずはこの検査というのがこちらなんですね。
そうですね。
中高年以上の方は年に1回は基本の心電図検査を受けてほしいと思います。
ただし検査時に不整脈が起こらなければ見逃されてしまいます。
短い時間しかはかってませんもんね。
大体15秒前後だと思います。
そのために不整脈の症状があるあるいは疑われる方あるいは不整脈のリスクが高いと考えられる方はホルター心電計や携帯型心電計を検討して頂きたいと思います。
ほかの検査という事でホルター心電計をつける意義はどういう事になりますか?これは先ほどもありましたが日常生活での心電図を記録する事ができます24時間にわたって。
つまり寝ている時も活動されている時も運動されている時もずっと心電図を記録するんです。
ある方は真夜中に異常が起きている事が分かったりという事ですよね。
一方携帯型というのもありました。
これを使う意義は…。
これは症状があった時例えばドキドキした時あるいはドクンとした時症状があった時に胸に押し当てて心電図を記録するという訳です。
これを掛かりつけの先生にあるいは専門医の先生に見せる事で診断がつくという訳です。
「今変だぞ」と思う時にその時にはかれる訳ですね。
こういったものは専門のドクターから受け取って使う訳ですか?循環器あるいは不整脈の先生に相談されますと貸し出して頂けるんではないかなと思います。
あるいは簡単なものですと薬局等で市販されています。
不整脈のリスクの高い方さっき話題が出ましたが具体的にはどういう方なんですか?これを見ましょうか。
久田さん。
これらの不整脈の原因を持っている方という事なんですが例えば…心臓の動きやリズムに関係するホルモンを出している甲状腺の病気を持つ方。
これらがなくても加齢によって不整脈のリスクは高くなります。
「不整脈ですね」と診断された場合はすぐに治療が必要だという事なんでしょうか?不整脈の中でも治療が必要な場合とそうでない場合があります。
例えば心房細動は脳梗塞になる危険性があります。
心室細動は突然死という非常に危険な状態です。
そして徐脈の中には経過を見ていいものもありますが例えば失神を繰り返す方などは治療が必要となります。
一番下に期外収縮という文字が出てまいりました。
これはどういう事でしょう?期外収縮はあまり心配のいらない不整脈です。
例えばここに示しますがこういう正常の脈の中に時々割り込んで入ってくるようなものです。
実は心電図で発見される不整脈では最も多いんです。
しかし健康に影響を及ぼす事はほとんどありません。
そういうような意味で心配はあまりいらないという事です。
「不整脈があります。
期外収縮ですね」と言われたら過剰に心配する必要はないと…。
特にあまり症状が強くない方はそのまま経過を見られるといいと思います。
それではもう一度見ますがでは逆に危ないものもう一度押さえて頂けますか?先ほども言いましたが心房細動は脳梗塞を引き起こすかもしれません。
心室細動はそのまま突然死につながります。
決して放置してはならないです。
徐脈も失神などを起こされる方は例えば倒れてけがをする事もありますので治療が必要になります。
この3つについては明日以降お伝えしていきます。
明日以降も引き続き是非ご覧下さい。
今日のお話どうもありがとうございました。
2014/08/18(月) 13:40〜13:55
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 見逃すな!危ない不整脈「タイプと危険度」[解][字]

脳梗塞の原因になる心房細動などの危険な不整脈。動悸(き)などがなくても隠れていることが。発見には心電図の検査を。脈を自分で調べてリズムが乱れている場合も要注意。

詳細情報
番組内容
心臓の拍動のリズムが乱れる不整脈。危険なタイプは脳梗塞の原因になる心房細動、突然死を起こす心室細動、失神の恐れがある徐脈など。動悸(き)などの自覚症状がなくても危険な不整脈が隠れていることがある。発見には健康診断での心電図が有効。ただし検査時に不整脈が起こらなければ見逃されるため、高血圧・心臓病・動脈硬化などがある人は24時間の心電図検査も勧められる。脈を自分で調べてリズムが乱れている場合も要注意
出演者
【講師】弘前大学大学院教授…奥村謙,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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