8ハートネットTV ブレイクスルー▽file.8 ふたりが選んだ 家族のカタチ 2014.08.18

家族ですか?う〜ん。
なんだろう。

東小雪さんと増原裕子さん。
女性が女性を愛するレズビアンのカップルだ。
2人は去年結婚式を挙げ生涯共に生きる事を誓った
いろいろ不安な事もあるけれど…
いくつもの壁にぶつかりながら新しい家族の形を作ろうとする2人の日々です
壁にぶつかった時一歩前に進むためのヒントを探る番組「ブレイクスルー」。
今日の主人公はレズビアンカップルの東小雪さんと増原裕子さんです。
よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
いや〜今日はね何かちょっと女子会に招かれた男の子1人みたいな感じになっちゃってますけれども。
(安藤)本当ですね。
レズビアンカップルと聞いて安藤さんいかがですか?うちの両親の友達がゲイのおっさんでその人に半分育てられたような環境だったので何か壁というかそういうものはもともと一切なくて。
お二人で今住んでいてどうですか新婚生活は?あのけんかしながらも楽しくしてます。
仲良くしてます。
東京都内。
(チャイム)こんばんは。
新婚生活を送る小雪さんと裕子さんの自宅にお邪魔した。
夜8時。
いつものように晩ごはんの支度。
2人一緒に。
…と思ったら。
(裕子)小雪ちゃんそういえばエプロンしないよね?
(小雪)私はアシスタントさんなので。
いいの?それ言い切っちゃって。
いいの。
アシスタントなの?いいんですかそれで。
裕子さんの方が上手だから。
おいしいし。
まあそれはね。
料理は裕子さんの担当。
そのかわりに小雪さんは…洗い物。
家事はそれぞれ得意な方がする。
概念がないもんね。
女性がやるとかじゃなくてどっちも女性だからさ。
(裕子)いちいち話し合いで。
そうですよね。
話し合いですよね。
レズビアンの2人には妻だから夫だからという役割分担はない。
頂きま〜す。
(小雪)頂きます。
うんおいしい!おいしい?おいしいおいしい。
おいしいでも本当に。
うん。
何かもうちょっともう一工夫できるかも。
どんなところに引かれたんですか?すごくしっかりしていて華やかでそんなところに憧れました。
輝いてるなって?輝いててはい。
どきっと来たんですか?わ〜すごいすてきな人だなって。
何かきゅんきゅん来ますね。
うん。
アハハハハ。
あ〜きれい。
あれが大変だったなみたいなものってありますか。
どうですか?何か「家族の誰かが来てくれないかも」とかそういうのがあったりとかその辺り結構直前とかまあ数か月前にいろいろ2人で泣いたりとかね。
準備自体も大変じゃないですか。
そこにやっぱりふだん抱えている人間関係の問題とかがこう一気にね出てくるみたいな。
結婚式から1年。
2人の生活にちょっとした変化があったという。
この机を買いに家具屋さんに行った時に「これ高いね」とか「これ欲しいね」とかそういう話を。
「あそこに置いたらちょっと大きいかな」とか「でもこの色いいよね」とか話してたんだよね?うん。
何か「仲良さそうですね」とか言われて。
「一緒に使うんですか?」みたいな。
「あれ?」とかって言われて「お友達ですか?ルームシェアですか?」みたいな話に。
「いや私たち結婚してます」みたいな。
向こうも「ほうそうなんですか」とか。
何か分かりやすいじゃないですか。
それはそうだね。
…っていうのはあるよね。
説明が楽になったっていうか。
実は法律上2人は婚姻関係にない。
日本では同性どうしの結婚を認めていないからだ。
(裕子)法的には。
何かあんまり夫婦とかっていう言葉もしっくり来ないし家族って思ってますね。
家族ってね私そもそも血のつながりだけではないと思っていて共有し合えたり一つ屋根の下に一緒に暮らしてる者たちが家族っていう事を前に聞いた事もあって。
あと何よりね「ありがとう作ってくれて」って最後言ったあのひと言ははっきり言って世の中のお父さん方これが夫婦円満の秘けつでございますよっていう。
(裕子)あ〜。
これが大事なんだぞっという。
やってますか?いやいやいや…。
レズビアンである事をオープンにして生きる2人。
しかしその事を受け入れられず苦しんだ過去があった。
東小雪さんが生まれ育った…伝統と歴史が息づく町で小雪さんは女性の幸せは結婚だと聞かされて育った。
しかしいつまでたっても男性への恋愛感情が湧かず高校生の時女性が好きな自分に気付いた。
悩み続けた小雪さんはある日学校の図書館で一冊の本と出会った。
それは同性愛について書かれたものだった。
誰も教えてくれないもんね。
その本を何度も読み返した小雪さん。
「私一人じゃないんだ」。
次第にレズビアンである事を受け入れられるようになっていった。
(小雪)もしかしたら自分だけじゃないんじゃないかみたいな感じでしたね。
でも…その人たちに向けて書かれた本が図書室にあったっていう事が何かもういっぺんに起こって。
レズビアンである事の葛藤は裕子さんにもあった。
何より悩んだのは母親との関係だった。
今では裕子さんの一番の理解者…しかし明子さんにとって娘の裕子さんがレズビアンであるという事実を受け入れるには長い年月が必要だった。
初めてレズビアンである事を打ち明けられたのは裕子さん23歳の時。
どうでしたか?最初の反応は。
結構やっぱりショックを受けてしまってお互いひどい事を言い合ってしまって泣きながらひどい事を言い合ってっていう…。
そのあとしばらくずっとその事について話せない時期が何年も続いてしまってっていう。
母と娘の間に立ちお互いの距離を縮めようと努めていたのが父親の秀夫さんだった。
夫婦で海外の実情を学んだりシンポジウムに参加して娘を理解する努力を続けた。
本当にね何かね…でもそのころは…みんな一緒の人間なのねっていうのが分かってきて。
あの日から10年余り。
裕子さんと小雪さんの結婚式には心から祝福する両親の姿があった。
そうですね優しいね。
レズビアンである事でたくさんの生きづらさにぶつかってきた2人。
そんな世の中を少しでも変えていきたいと願っている。
闘っていくの?忙しいね。
闘っていける人だなって思って。
やっぱり思うのは…それは家族の中にいる時でも仕事をしている時でも電車に乗っている時でもいつでも私は私らしくありたくてさっき闘っていくっていう話があったけれども私が私らしくいよういたい生きていきたいいたいって思った時に闘っているような状況になってしまうというか闘わざるをえないような状況が本当に今のセクシュアルマイノリティーの生きづらさなんじゃないかなって思います。
私もやっぱり長い間1人で黙っていなきゃいけなくて自分を偽るっていう事がすごく苦しくなってきてしまってこれ以上苦しみたくないなっていうのが本当にあってそれで10年ぐらいかけて少しずつ肯定して自分がレズビアンであるっていう事を一生引き受けていこうっていうふうにやっと20代の後半ぐらいから思えるようになりましたね。
2人で女性どうしでこれから生きていく事の障害について話し合う時間ってどれぐらいあるものなんですか?いつもですね。
いっぱいあります。
やっぱりそれは日々の中に…。
そうですそうです。
その2人で生きてる事の…。
つながってるもんね。
楽しみも喜びもつらい事とか課題も常にごちゃ混ぜになってるのでごはん食べながらとかお風呂入りながらとか…。
(小雪)いつでもですね。
それはもう本当に日常の普通の家でいったらローンどうしていこうかみたいな…。
あっそうです。
そうだと思う。
人生設計の一部って事ですよね。
(裕子)家計の事もそうだしそれが結構私たちもまひしちゃってるから電車の中とかで大きい…大きい訳じゃないけど。
ちょっと周りの人ぎょっとしてるかも。
「あれ?」みたいな。
あるかもしれないですね。
でもいいと思います。
お母様もね雪がとけるようにだんだんと理解できるようになったって多分一番親って難しいところだったと思うんですけど社会もそういうふうに少しずつでも闘い続ける事で理解が深まっていくオープンになっていくだろうと私は信じているんですけどね。
裕子さんは転職をきっかけに3年前からレズビアンである事をオープンにして働いている。
「もうこれ以上自分を隠したまま生きていたくない」。
悩んだ末の決断だった。
スマートフォン向けのアプリなどを開発する会社で働いている裕子さん。
同僚全員が共有しているフェイスブックを通じてレズビアンである事を伝えた。
最初はどう受け止めていいか分からなかった同僚たち。
しかし一緒に仕事をする中で戸惑いも消えていったという。
実は正直に言うと…初めて聞いた。
全然そこに壁を作る必要はないんだなっていうのがはっきりと言葉だけじゃなくて分かったというのが一番の転換でしたね。
一方の小雪さん。
裕子さんというパートナーを得てこれまで蓋をしてきたあるつらい記憶と向き合う覚悟を決めた。
この日訪ねたのは出版社。
小雪さんは今自分の体験をつづった本を出そうとしている。
リビングと居間が混在している。
どっちかに統一をしたい。
(小雪)そうですねなぜかと言うと引っ越したあとの家は洋間なんですけど性虐待の時のは居間だった…畳の場所だったんですね。
小雪さんは幼い頃から中学生になるまで実の父親から性的な虐待を受けていた。
大人になってもそのトラウマは消えずうつ病や薬物依存などに苦しみ続けてきた。
そんな小雪さんの痛みを受け止めてくれたのが裕子さんだった。
性虐待を打ち明けた小雪さんに裕子さんが伝えた言葉がある。
(小雪)私がもう本当に怖くて怖くて…それは見えるから。
言葉でも言うけどでも…家族ってなんだろう。
ずっと問い続けてきた小雪さん。
裕子さんと出会い初めてその答えを見つけた。
「何も変わらないよ」っていうのがすごく印象的だったんですけど「何も変わらないよ」という言葉は結構覚悟がいるというか…。
結局自分もそのセクシュアリティ−自分がレズビアンであるっていう事を長い間1人で抱えてきてそれを誰か周りの人に打ち明けた時に周りがすごくやっぱりみんながそれこそ何も変わらないで受け止めてくれたっていう数々のそういうのがあったので私も同じ事をしてあげようって自然に思えたっていうかあんまり何か覚悟っていうようなものではなくて。
あれがあったから本当に今の私があると思います。
ホームグラウンド。
何があってもド〜ンと突き進んでも必ず帰れるおうちみたいな。
本当にありがたいです。
「私はパートナーの裕子さんと一緒に住んでいる東京都内の自宅から今日放送をしています。
あっ早速来てますね」。
月に一度小雪さんが出演しているインターネットの番組。
セクシュアルマイノリティーに関するさまざまな情報を発信している。
この日のテーマは「子育て」。
私の素直な気持ちなんですね。
「『ゲイだけどパートナーの子どもがほしい』『思ったことがないですな』」。
レズビアンやゲイのカップルが子どもを育てるという選択。
それに対する考え方はさまざまだ。
今日もありがとうございました。
また来月お会いしましょう。
バイバ〜イ。
番組終了後2人に尋ねてみた。
お疲れさまでした。
(小雪)でも具体的にはなかなかね。
(裕子)う〜ん。
自分の精神的な事もそうだし経済的な事もそうだし。
(裕子)私精神的には大丈夫だよ。
本当!?全然大丈夫だよ。
まじか〜。
子どもと一緒に成長していくんだと思う。
(小雪)あ〜そう。
そうそうそう。
でも子どもいたらいいなあと思うし裕子ちゃんいいお母さんになりそう。
そう?なりそう。
そうかな?何で?分かんないけど。
レズビアンの2人が子どもを育てるにはたくさんの壁がある。
そんな現実の中でどんな選択肢があるのか。
一つの可能性は海外の精子バンクを利用した人工授精による妊娠出産。
(裕子)エスニシティーとかは結構ね。
だから国籍とかだよね。
国籍でこっちは民族とかって事だよね。
多分アフリカンなのかアジアンなのかとか。
男女の夫婦であればぶつかる事のない壁。
2人は今新しい家族の形を見つけようとしている。
(裕子)いらっしゃい。
(友人)こんにちは〜。
この日3人の子どもを育てているレズビアンの友人を家に招いた。
子どもを迎える事に不安も多い2人。
しかし友人からのアドバイスは意外にもシンプルなものだった。
でもね絶対的に大変だと思うんです。
今こうやって話を聞いて2人はすてきだなと思って話を聞けるけれども子どもの世界とかって時にものすごい残酷なのできっと子どものコミュニティ−で問題が起きると思うんですよ。
だから多分たくさんの愛情が必要になると思うんですよ。
でも異性カップルのお父さんとお母さんがいても子育てってきっとすごい大変だと思うんですよね。
予想外もいっぱいあると思うんですよね。
だからお父さんがいてお母さんがいてそこに子どもが生まれたらもう大丈夫っていう事はきっとなくて。
私はそれは実体験としてすごくあるので血がつながった家族だったので…。
だからやっぱりそれでうまくいく家族もあればうまくいかない家族もあるし1人で育てる人だってうまくいく事もあるだろうしいかない事もあるだろうしきっとそれはどんな家族の形でもうまくいく事もいかない事もっていうのは同じなんじゃないかなとは思うんですよね。
あの実は私イギリスの時の大学の友達が男の子なんですけどお母さん2人だったんです。
え〜!ほう。
「僕はお母さん2人に育てられた」っていう子がいて彼の事を思い出すととっても優しい子。
優しかったのとあともう一つはやっぱりその子は他人が気付けないところまでお母さんが多分いろんな問題を乗り越えてきていて思いやる事ができる。
問題を乗り越えられた両親は子どもがそこで問題に直面しても乗り越え方を教えられる親であるっていうのはすごく強いなと思ったので親がしっかり乗り越えてきている人っていうのは強いんじゃないかなとしか思えないっていうかね。
何ですかねすごいかっこ悪いダッサイ締め方になりますけれども本当に何か心の底から末永くお幸せにっていう感じですね。
(2人)ありがとうございます。
そうだね〜。
いいね〜。
もうちょっと広い家に住みたいです。
アッハハハハハ。
ここカットだよ。
いいですねでも。
一軒家とか憧れる私も。
一軒家は憧れる。
憧れるよね。
憧れ夢だからね。
(裕子)賃貸の一軒家がいいね。
(小雪)もう映してないし。
(笑い声)
(テーマ音楽)2014/08/18(月) 13:10〜13:40
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルー▽file.8 ふたりが選んだ 家族のカタチ[字][再]

月曜日はブレイクスルー。第8回はレズビアンカップルのふたり。恋愛、結婚、子育て…新たな家族のカタチを模索する日々に密着。【出演】風間俊介・安藤桃子【音楽】若旦那

詳細情報
番組内容
ハートネットTV。月曜日は、壁にぶつかって悩んだ時、一歩前に進むためのヒントを探る企画「ブレイクスルー」。第8回はレズビアンカップルの東小雪さんと増原裕子さん。日本では同性婚が認められていない中、去年、同姓で結婚式を挙げた。恋愛、結婚、そして「二人で子どもを育てたい」という思い。様々な壁がある中で、新たな家族のカタチを模索する日々に密着。【出演】風間俊介(俳優)安藤桃子(映画監督)【音楽】若旦那
出演者
【出演】風間俊介,映画監督…安藤桃子

ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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