連続テレビ小説 花子とアン(121)「ラジオのおばさん誕生」 2014.08.18

(花子)歩…。
大正15年9月1日の明け方花子の長男歩が息を引き取りました。
時代は昭和に替わり花子は児童文学の翻訳に没頭していました。
日本中の子どもたちのために楽しい物語を送り届けたいという強い思いからでした。
3年前に平祐が亡くなりこのうちは英治と花子だけになってしまいました。
(英治)我が青凜社の新しい雑誌が完成しました。
子どもも大人も楽しめるような雑誌にしました。
歩は喜んでくれてるかしら?ああ。
きっと喜んでくれているよ。
歩の死から6年。
2人が歩の事を思わない日はありませんでした。
・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」・「風が運ぶ希望の種」・「光が夢のつぼみになる」
(英治)おかげさまで青凜社の雑誌「家庭」皆さんにご協力頂き無事創刊の運びとなりました。
大先輩の長谷部汀先生宇田川満代先生にもご寄稿頂き誠に光栄に存じます。
白蓮先生には募集した短歌の選者として醍醐亜矢子先生には随筆をご寄稿頂きありがとうございました。
今後ともこの雑誌を通じ日本中の家庭に上質な家庭文学を届けるよう精進していく所存ですのでどうぞよろしくお願いします。
それでは。
乾杯!
(一同)乾杯!
(拍手)
(長谷部)「王子と乞食」を出版したところの雑誌なら是非協力したいと思ったのよ。
ありがとうございます。
(宇田川)…でどうして聡文堂の梶原さんまでいるの?大震災で会社を失った梶原もようやく聡文堂を再建しました。
(梶原)今の文学界を支える著名な先生方のお集まりの会に参加できて僕も光栄です。
先生方これを機会に我が新生聡文堂にも是非書いて下さい。
(醍醐)梶原さん。
私児童文学は書けませんけれど女流作家の評伝を書きたいと思ってるんです。
長谷部先生や宇田川先生の評伝も書きたいんです。
是非聡文堂で書かせて下さい。
是非お願いします。
ところで花子先生。
うちも翻訳物を増やしていきたいんですが今後どんな作品を翻訳したいですか?日本には10代の若い方たちが読む物語が少ないと思うんです。
私が女学校時代に読みふけっていた欧米の青春文学をもっともっと紹介していきたいと思います。
バーネットの「ALittlePrincess」や「TheSecretGarden」なんてどうでしょうか?梶原さん。
今のうちに予約しておいた方がいいですよ。
花子先生翻訳の連載が2つに少女小説それから随筆も書いていらして大層お忙しいですから。
あなたそんなに?私より稼いでんじゃないの?
(蓮子)はなちゃん本当に人気者ね。
一体いつ寝てるの?もう蓮様まで。
やめて下さい。
そういう白蓮さんはご自分の半生を小説にお書きになって映画化までされたんですものね。
(宇田川)赤裸々に書きゃいいってもんじゃないわ。
ウイスキー。
(かよ)はい。
白蓮さんは要するに世間の注目をずっと浴びてたいのよ。
平民になったあなたが何を着てくるかと思ったら…。
中国の知り合いから頂いたんです。
あ…宇田川先生こそ震災の時に運命的な出会いをなさったご主人との事をお書きになったらいかがでしょうか?是非。
私の小説なんかよりよっぽどロマンチックですわ。
そうですよ!あれは…錯覚でした。
…錯覚?とっくに別れたわよ。
てっ…。
早く。
(かよ)はい。
(長谷部)私も。
(かよ)はい。
それで宇田川先生今日は一段と荒れてるんですね。
まあまあ。
僕も離婚経験者ですから。
私なんか2回も経験しました。
作家は不幸なほどいい作品が書けるのよ。
ほっといて。
それはそうと…白蓮さんが雑誌に書いてらした「どのような境遇であれ女性も男性と等しい権利を持つべきだ」という記事感心して読みましたわ。
私もです。
私も。
まあ…うれしいお言葉ですわ。
文学の世界も男性中心ですけど政治も同じです。
女性は家庭を守るだけでなく男性と同じように社会に参加する権利があるはずです。
そのとおりです。
そもそも25歳以上の男性に選挙権があって女性にないのはおかしいですわ。
おととしも婦人参政権が認められる寸前までいって否決されたのは全くもって残念です!蓮子さん早くしゃべれるようになりましたね。
お姑さんに鍛えられましたから。
(笑い声)皆さん!女性の地位向上のために頑張りましょう!はい!はい!男の出番はないな。
ええ。
これからもお互い切磋琢磨していきましょう!乾杯!
(4人)乾杯!はなさん今日はありがとう。
おかげで先生方から取材の承諾を頂けたわ。
醍醐さん…燃えてるわね。
その後吉太郎さんとはどうなの?それが…龍一さんや武さんにあんなお芝居までしてご協力頂いたのに…。
回想
(汽笛)
(吉太郎)上官に醍醐さんとの事を話しました。
それで上官の方は何と…?そう…ですか…。
醍醐さんには自分よりふさわしい相手がいます。
ですから…。
いいえ。
私待ちます。
いつまででも…吉太郎さんを思い続けます。
そうだったのね…。
好き合ってる2人がどうして一緒になれないの…。
でも兄やんはまだ独りだしきっと今も醍醐さんの事を…。
もういいの。
私これからは仕事に生きる事にしましたから。
醍醐さん…。
その愛が本物ならば必ずいつか成就すると私は思います。
蓮子様…。
龍一君たちが迎えに来ましたよ。
(龍一)もう終わった?ええ。
(富士子)お母様!
(純平)お母様!ごきげんよう富士子ちゃん純平君。
ごきげんよう。
ごきげんよう。
お母様を迎えに来ました。
まあ偉いこと。
純平君はお母様思いで立派ね。
純平のやつ「お母様は僕が守る」って完全に蓮子の味方なんです。
夫婦げんかなんかしようもんなら僕が一方的に責められますよ。
あらお幸せね。
じゃあ私もそろそろ。
ええ。
じゃあ花子さんまた。
(2人)ごきげんよう。
ごきげんよう。
さあ。
ごきげんよう。
ごきげんよう。
あっそうだわはなちゃん。
明日お宅へ伺ってもいいかしら?会わせたい人がいるの。
えっ?さようなら!さようなら!さようなら。
さあ。
純平君また背が伸びたみたいだな。
ええ。
歩は1つ上だから…。
今頃純平君より大きくなってたな。
英治さんの息子ですもの。
ノッポになったはずよ。
(足音)お話のおばさん!
(子どもたち)おばさん!お話聞かせて!
(子どもたち)聞かせて聞かせて!ちょっと待ってね。
・今日は何のお話がいい?・せ〜の!・
(子どもたち)「王子と乞食」!・また?「ある日ロンドンの片隅に住んでいたキャンティという貧乏人のうちに男の子が生まれました。
そしてそれと同じ日に同じロンドンのチューダーという家でも男の子が生まれました。
このチューダー家は大きな宮殿でした」。
英治さんごきげんよう。
ああ…蓮子さんいらっしゃい。
あちらが村岡花子さんよ。
「チューダー家に男の子が生まれたのを知ってお祝いをしました」。
(黒沢)子どもたち顔を輝かせて聞いていますね。
ねっ?花子先生ならぴったりじゃなくて?うん。
JOAKで番組を作っております黒沢と申します。
JOAKってあのラジオ局の?ええ。
黒沢さんは福岡で新聞記者をなさっていたの。
それがいつの間にJOAKにお勤めになっていたのか私も知らなかったけれどまたご縁が出来てね。
あの…ご用件というのは?村岡花子先生。
是非我々のラジオ番組に出演して下さい。
てっ…。
ラジオに?てっ!花子がラジオに。
ごきげんよう。
さようなら。
2014/08/18(月) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(121)「ラジオのおばさん誕生」[解][字][デ][再]

花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)が新雑誌を創刊したのを祝い、かよ(黒木華)の店に長谷部(藤真利子)や宇田川(山田真歩)ら女流作家たちが顔をそろえる…

詳細情報
番組内容
花子(吉高由里子)は日本中の子どもたちに楽しい物語を届けたい一心で、児童文学の翻訳にまい進し、英治(鈴木亮平)とともに老若男女が楽しめる雑誌『家庭』を完成させる。『家庭』の創刊を祝して、かよ(黒木華)の店に女流大物作家の長谷部汀(藤真利子)や宇田川(山田真歩)、醍醐(高梨臨)や蓮子(仲間由紀恵)が集う。それぞれ活躍をしている女性陣に、英治や梶原(藤本隆宏)は押され気味でたじたじとなる…
出演者
【出演】吉高由里子,仲間由紀恵,賀来賢人,黒木華,高梨臨,鈴木亮平,藤本隆宏,中島歩,山田真歩,木村彰吾,藤真利子,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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