大人も子供もおいしいオクラ料理。
皆さんもお試し下さいね。
武将たちが覇権を争った…当時の「武家の茶」の伝統をもとにゆったりとした作法を今に受け継いでいるのが茶道…今回は客の作法の基本をお伝えします。
第2回の今日は客としての作法を学びます。
まずは藪内家若宗匠藪内紹由さんに心構えを伺います。
(2人)よろしくお願いいたします。
いただく側の客の作法を教えて頂くという事ですけどもどういった事が大切になってきますか?まず自然体であるという事。
あまり深く難しく考えずにゆったりとした気持ちで行うという事ですね。
畳の部屋へ入った事がないという方も多いですからそういう点では緊張されるかもしれないですけども本当におおらかな気持ちでゆったりと考えて頂いたら大丈夫だと思います。
ちょっと安心しました。
前回はお茶を点てる亭主のふくさの身につけ方それから動作の大きさなどに武家の茶が表れているというお話がありましたけどもお客の方にも何か特色はあるんですか?まず席へ入って頂いてして頂くのに藪内では全部の動作を畳のへりの外で行うという事をまず言われています。
書院というか広間の作法としてへり外でお茶を出されたりお菓子を出されたりするというのはそれだけお客さんとしても動きが大きくなるんです。
それはすなわち…ゆったりとした気持ちでやって頂ければいいと思います。
まず持ち物立ち居振る舞いなど客の作法の基本を学びます。
ここからは藪内家正教授矢部経子さんに教えて頂きます。
よろしくお願いいたします。
こちらの方こそよろしくお願いいたします。
初めてお茶会に呼ばれるとなりますと初心者は非常にドキドキしてしまうんですけどもまず守らなくてはならない最低限のマナーとは何でしょうか?茶席に入る時の持ち物です。
挨拶で使う「扇子」や菓子を載せる時などに使う「懐紙」。
他菓子を食べるための「菓子切り」や茶道具の拝見などに使う「出しぶくさ」などがあります。
続いて立ち居振る舞いの基本おじぎのしかたを学びます。
手を畳の上につきます。
この時…その手に向かって体全体を倒し少し止まってから静かに体を起こします。
手を前についておじぎをすると。
多分つかれる手の位置が向こうすぎると思います。
それで体が前に行ってお尻が上がってくる。
今お尻が上がってましたね。
自分の手の長さとかその状況で手の位置は少し変わりますがあまり向こうじゃなくて無理のないところ。
それでその位置を体で覚えて頂いてずっとその方に体だけを前にして…そこで12と数えるくらいしてゆっくり頭を上げて頂きます。
そうするとすごくきっちり丁寧なおじぎというふうになります。
次に茶席に入る時の作法「席入り」を学びます。
まずどのような動作から始めればいいんですか?お扇子を前に置いて頂いて軽くおじぎをいたします。
お扇子を右手に取って頂いて「膝行」といいますけど手を握って親指の力で前に進行してそこの段差も上がって頂いて。
はい。
茶室に入ったところでもう一度扇子を置いて茶席全体に向かって軽くおじぎをします。
そのあと床の間の方へ向かい扇子を置いて一礼します。
まず掛け軸を拝見。
そのあと下に目を移して花と花入香合出しぶくさを拝見します。
先生これお軸に書いてある意味が分からない時はどうすればいいんですか?はい。
分からないままでそれなりにご自分の印象を心に焼き付けておく。
亭主がどういう思いでこの床の間を用意されたかというのを感じ取るというところです。
席入りではこのあと釜や水指などの道具も拝見します。
ここからは茶席での作法を学びます。
お茶をいただく前に「主菓子」と呼ばれる生菓子をいただきます。
「縁高」という器に一つの段に1つずつ菓子が入っています。
菓子は季節や茶会のテーマを表すもの。
この日の菓子は葛で流水を小豆で川底の小石を表した夏らしいものです。
茶の湯でいただくお茶には「濃茶」と「薄茶」の2種類があります。
濃茶は正式な茶会茶事の中心となるもの。
より高級な抹茶を選びそれを練って高い香りと深い味わいを楽しみます。
一碗を皆で飲み回します。
薄茶は抹茶を泡立てるようにして点てます。
一人一碗ずついただきます。
濃茶のいただき方を学びます。
人数分の抹茶を入れた茶碗に湯を入れて濃茶を練ります。
茶碗を運ぶのは「後見」と呼ばれる亭主の手伝いをする人です。
まず正客の前に茶碗を運びます。
茶碗には亭主の「出しぶくさ」が添えられています。
正客は亭主の出しぶくさを遠慮して自分の出しぶくさに茶碗を載せ濃茶をいただきます。
このあと次の客は茶碗を受け取る準備をします。
「お先に」をおっしゃって頂いて出しぶくさをお出し頂いて。
広げましてお正客からのお茶碗だけをお取り頂いて前に置いて頂きます。
飲み口が向こう側にございますので少し回して頂いて。
どちら側にですか?時計回りです。
これくらい?はい。
出しぶくさごとしっかりと持って頂いて。
お茶碗が危なくないように。
軽くおしいただいてそのまま三口半召し上がって下さい。
はあ〜。
とろりとした飲み口ですね。
深みとほのかな甘みがあるお茶ですね。
飲み終えたら4つに折っておいた懐紙で飲み口の上そして手前を拭います。
今度は先ほどと反対に左回りにご自分の飲み口が向こう正面に来るようにお回し頂いて。
次の客が異性の場合は出しぶくさごと畳の上に置き次の客は茶碗だけを取ります。
同性の場合は畳に置かずに差し出します。
続いて干菓子そして薄茶をいただきます。
干菓子も主菓子同様季節感や茶会のテーマを表します。
客が干菓子をいただいている間に亭主は薄茶を点てます。
正客から順に一人につき1碗ずつ茶が運ばれます。
薄茶はどのようにいただけばいいんですか?まず最初にお茶碗を右手で取って頂いて左手を軽く添えて頂いて。
でお正客の方に。
「もう一服いかがですか」と軽くお尋ね頂いて。
今度は次の客私の方に持ってきて頂いて「お先に頂戴します」。
右手で取って頂いて左の手のひらに受けて軽くおしいただいてから。
模様がありますので手前に引くように時計回りに少しよけてそのまま。
濃茶とは打って変わって軽やかな抹茶の苦みと甘さですね。
飲み終わったら茶碗を左手で押さえながら飲み口の上と手前を指先で拭います。
その指先は懐紙で拭います。
とてもおいしく頂きました。
今日はお濃茶薄茶と両方ともおいしく頂いて召し上がって頂いたのでうれしかったです。
ほんとに今日はどうもありがとうございました。
今日は客としての作法の基本そして濃茶薄茶をいただいたわけなんですけどもやはり初心者である私は次に何をしていいのかという事で頭がいっぱいになってしまってまだまだお茶をゆったりと楽しむ心境にはなれないなというのが正直な感想でしたね。
そうですよね。
本当に皆さんお稽古場に入って頂く時というのは最初ものすごい緊張されますし。
私が常々言ってるのは…そうする事によってお茶もおいしいしお菓子もおいしいし気持ちも穏やかになってくるんではないかと思います。
やはりふだんのお稽古というのもかなり大切なんでしょうね。
例えば掛け物であったりお花であったりお道具であったりそういうものを自然と見るように体が慣れてくるんですね。
やはり基礎を積み重ねていく事が自然に振る舞える第一歩だという事ですね。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
濃茶薄茶に使われる「抹茶」。
その深い味わいの源を探ります。
古くから茶どころとして知られてきた京都府南部の宇治市です。
撮影に訪れた5月中旬。
茶園は黒い布で覆われていました。
抹茶の茶園の特色は新芽が出る前に畑をすっかり覆ってしまう事。
「覆下栽培」といいます。
霜の被害から茶葉を守るとともに直射日光を遮ります。
そうするとお茶のうまみ成分が増すという昔からの知恵だといいます。
抹茶の製造・販売を手がける会社の社長…堀井さんの茶園では茶摘みは全て手摘みで…摘み始める日が3日違うだけで品質が変わってしまうといい天候や葉の成長具合を慎重に見極めます。
摘むのは毎年頼んでいる近所の女性たち。
新芽は残さず素早く摘む一方で新芽以外の葉は摘まないという技術が求められます。
1年間かけてこれ大事に子供を育てるみたいにして肥料をやってらっしゃるので我々も新しく今年出来た新芽を傷つけないように一葉も残さないように摘みたいと思って頑張っています。
宇治の中心部住宅街の中にあるこの茶園。
実は長い歴史を持っています。
室町時代に将軍・足利義満が品質の良い茶が出来ると指定した7つの茶園。
その中でこの奥の山茶園が唯一今でも茶を作り続けているのです。
3年前に亡くなった堀井さんの父親信夫さんはこの茶園から宇治茶の魅力を更に高めようとしました。
茶園にあった在来種や雑種1,800本から形香り味などを吟味。
20年以上かけて選び抜き新しい品種として登録しました。
その品種は高い評価を受け4年前には全国品評会で金賞を受賞しました。
茶の魅力に懸ける父親の強い信念を堀井さんは忘れられないといいます。
やっぱりね宇治にあるお茶の中から次の世代宇治茶として誇れるものそれを残したいというのが一番だったんですね。
何とかそれを続けていきたいと思うところですね。
摘んだ茶葉は急いで加工工場へ運びます。
摘んだ直後から発酵が始まり品質が落ちるからです。
まず15秒ほど蒸したあと散茶機という機械にかけます。
葉を空中に吹き上げる事で葉と葉が重ならないようにしながら冷ましていきます。
その後180℃以上の熱風で繰り返し乾かします。
茶葉は重さの80%が水分ですが抹茶にする場合およそ15%まで水分を減らす必要があるのです。
こうして出来るのが「碾茶」。
抹茶のもとになるお茶です。
この段階で茶の品質を検査します。
熱湯をかけ香りはきちんと出ているか。
そして色や味はどうか。
今年の茶の出来栄えを見極めます。
すごくまろやかでねよく出てます。
これを抹茶にするとすごくいい香りが出てうまく出ると思います。
お茶の生育にはいい年だと思いますね。
碾茶から茎などを取り除き細かく切ったものを石臼にかけます。
石臼は御影石でできたもので重さ20kg。
上と下の臼がすり合わされ抹茶になっていきます。
1分間に52回転。
摩擦熱を出さないようゆっくりとしたスピードです。
一つの臼が挽けるのは1時間に僅か40g程度。
抹茶がようやく出来上がります。
一服のお茶を頂いてもらうには新芽だけ摘む作業から蒸す作業乾かす作業更に石臼で挽くために葉脈とか茎を取る作業飲まれた時においしいというかほっとされるそのお顔を思い浮かべながらお抹茶作りさせて頂いております。
2014/08/18(月) 11:30〜11:54
NHKEテレ1大阪
趣味Do楽 茶の湯 藪内家“織部も親しんだ茶の魅力”第2回「客の作法を学ぶ」[解][字]
武将たちが熱中した「武家の茶」の伝統を受け継ぐ、茶道・藪内家(やぶのうちけ)。第2回では、席入りの仕方、濃茶や薄茶のいただき方など、客の作法の基本を学ぶ。
詳細情報
番組内容
戦国時代の武将たちが熱中した「武家の茶」の特徴を色濃く残す、茶道・藪内家(やぶのうちけ)。数十畳という広間で茶を点てることもあり、藪内流では、亭主も客も、自然と大きくゆったりとした動きをするようになったという。第2回では、おじぎの仕方、茶室に入る席入りの仕方、さらに、濃茶、薄茶のいただき方といった客の作法の基本を学ぶ。ミニコーナーでは、茶摘みの時期の宇治を訪れ、手間のかかる抹茶の製造過程を伝える。
出演者
【出演】茶道藪内家 若宗匠…藪内紹由,藪内流正教授…矢部経子,堀井長太郎,【アナウンサー】原大策,【語り】杉浦圭子
ジャンル :
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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