シリーズ世界遺産100「アフラージ灌漑(かんがい)施設〜オマーン〜」 2014.08.18

(テーマ音楽)
(鹿賀丈史)村のあちこちをこんこんと流れる水。
しかしここはなんと砂漠のど真ん中なんです。
国土の8割が砂漠というアラビア半島のオマーン。
雨が少なく強烈な日ざしが照りつけます。
その北部の村ビルケットモーズ。
緑の林がこつ然と姿を現します。
アフラージと呼ばれる灌漑施設が整っているのです。
オマーンにはおよそ3,000ものアフラージがありますがこの村を含む5か所が世界遺産になっています。
アフラージの起源は2,700年前にさかのぼりますがこの村に出来たのは400年前です。
水は血管のように幾筋にも分かれて村じゅうを潤します。
水は生活用水になるだけでなくこの仕切りから畑にも引き込まれます。
畑に配分する水の量を管理する…。
誰の畑にいつ水を入れるかは10分単位で細かく決まっています。
この畑に順番が回ってきたのは9日ぶり。
水路を開く時間は60分間です。
アフラージの水は途切れる事はありませんがすべての畑を度に潤すほど豊かではありません。
貴重な水を公平に分け合っているのです。
ナツメヤシの実です。
乾燥させると干し柿のように甘くなります。
鉄分や繊維質が豊富でかつては人々の主食になっていました。
砂漠のただ中に緑をもたらす水は体どこから流れてくるのでしょう。
水源は村から40kmほど離れた山にありました。
この辺りの地下には雨水が長い歳月をかけてたまった巨大な水の槽があります。
そこに深い井戸を掘ったのです。
そして地下水路を通しました。
澄み切った水。
不純物はほとんどありません。
土地の高低差だけで水は村に流れ込みます。
水路の脇にあるモスクです。
ちょうどラマダンと呼ばれる断食月。
日の出から日の入りまでは何もにできず水も飲めません。
1日5回の礼拝の間に水に飛び込む子供たち。
水遊びをするとのどの渇きも空腹も忘れるそうです。
断食が終わる夕方になるとナツメヤシが用意されます。
神が授けた食べ物とされるナツメヤシを皆で食べ空腹を満たします。
預言者ムハンマド以来のイスラムの伝統を支え続けるのもアフラージの水なのです。
貴重な水を無駄にする時間はありません。
割り当ての時刻をじっと待っていた人。
夜10時になると待ちかねたように自分の畑に水を入れます。
ナツメヤシの畑に命の水が染み込みます。
2014/08/18(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「アフラージ灌漑(かんがい)施設〜オマーン〜」[字]

砂漠にあふれる水 ▽文化遺産 【語り】鹿賀丈史 【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
番組内容
砂漠にあふれる水 ▽文化遺産 【語り】鹿賀丈史 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】鹿賀丈史
音楽
【テーマ音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

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