太陽を抱く月(6)「消された過去」 2014.08.17

(ヒョンソン)大提学様の腕の中で眠るように…。
世子様…。
お待ちください世子様。
東宮殿から出てはなりません。
大妃様の命でございます。
(フォン)離せ…離せ。
離せと言ったんだ!離せ!離せ!回想王が太陽なら王妃はまさしく月だ。
その鳳簪は白い月が赤い太陽を抱く形をしているゆえ私はそれに「太陽を抱く月」と名付けてみた。
ヨヌ!お前たち離せ!言う事が残っておるのだ!ヨヌ!
(シン氏)ヨヌ!
(ヨム)母上…母上。
(泣き声)母上。
ヨヌ!
(キム氏)お帰りなさいませ。
(ユン・ボギョン)お帰りなさいませ。
(ユン・デヒョン)遠からず宮中に入る事になるだろう。
準備しておけ。
あなた宮中って…それはうちのポギョンが世子嬪になるという事ですか?ならヨヌは死んだと?心の声殺したのですか?本日この世から消え去った。
回想
(ユン・デヒョン)宮殿で暮らしたいと言ったな?ならばこの瞬間から余計な同情や罪悪感など捨てろ!己が物を奪われた時の怒りを忘れるな!その覚悟が無ければ決して望んではならん!心の声世子嬪…。
回想
(ヨヌ)すべての事は私のせいです。
世子様ではありません。
何が起ころうともご自分を責めないでください。
兄上。
師匠のホ・ヨムは今どうされていますか?最期を…私の妃だったヨヌの最期を陽明兄上も見送られたのですか?
(陽明君)今更何を気になさるのです?最期を気にかけるほど世子様はヨヌに何かしてやりましたか?兄上…。
ヨヌが罪人のごとく宮殿を追い出される時世子様は何をしてやりました?ヨヌが生死をさまよっている時世子様は何をなさっていたのです!?やめてください。
冷たい土の中に埋められる時世子様は何をなさいました!?ヨヌの父上と兄が流罪にされようとしているこの時世子様は何をなさっているのですか!?兄上!世子様は何から何までお持ちのはずでしょう!王様のお心も私には父のようなホ・ヨンジェの忠義も兄弟のようなホ・ヨムとの友情もすべて手に入れたはずだ。
1つぐらい…なぜ1つぐらい私のものであってはいけないのですか?兄上…。
ヨヌは私がたった一つどうしてもこの手にしたかった者でした。
1つぐらいなぜ私に譲ってはくれなかったのですか?私ならヨヌを守れた。
すべてをなげうってでも命をくれてやってでも絶対に守りぬいた!世子様は守りぬけなかったんです。
心の声来世ではきっと俺が一緒になる。
その時は必ず俺が守ってみせる。
(大妃ユン氏)ご苦労であった。
しぶとく持ちこたえていたゆえ内心不安だったがそなたの力はまことであったな。
この先も星宿庁の安泰はこの私が請け負うから何も案ずるな。
つきましてはおそれながら大妃様に1つお許し願いたい事がございます。
何でしょう?遠慮せず言いなさい。
しばらく星宿庁を離れようと思うのです。
星宿庁を離れるだと?そもそも人の命に関わる邪術は禁断の術でございます。
それゆえこの度の事で体力神力ともに害されてしまいました。
そこで山河を巡りながらしばし心身を清めてこようかと存じます。
だがそなたほどの神力を持った者はおらぬ。
はて困った…。
今の私ではかえって事をしくじる事もあろうかと。
いずれ戻ってはくるのだな?もちろん戻って参ります。
急いでください。
もう薬が切れてしまいます。

(ひつぎをたたく音)何者だ!?心の声お父様…お母様。
心の声お兄様。
世子様…世子様!ヨヌ…ヨヌ!
(ホ・ヨンジェ)ヨヌ起きられるか?煎じ薬だ。
熱いかな。

(ノギョン)お逃げください。
ヨヌ!あなたは誰なの?私?チャンシル。
チャン…シル?そうだ!神母様。
神母様。
(ソル)お嬢様!お嬢様気が付かれたんですね!あなたは…どなた様?あなたも誰?ここはどこですか?私…私は誰なんですか?ソルおねえちゃんもかわいそうな一生ね。
あのおねえちゃんの陰でずっと生きていく事になるもん。
雪の花は炎に近づくと解けて無くなっちゃう。
だからね絶対に近づいちゃダメだよ。
(チャンシルの鼻歌)お嬢様は巫女となりました。
神降ろしの儀式を受けている最中気を失い今目覚めたのです。
しかも大きな神を主に迎えたためその衝撃で記憶をなくされたご様子。
つきましてはたった今からは私を神母とし…。
家族は…。
私の家族は…どこなんですか?分かりません。
私は道をさまよっていたあなたの目に尋常ではない神力を感じて神降ろしを行っただけですから。
私は捨てられたのですか?神力があると分かったので家族から私は放り出された…。
すでに巫女となった身。
過去の縁はお忘れになるように。
お嬢様から神が記憶を奪ったのも過去の縁を断ち切り巫女として生きていけとの神のご意向でしょう。

(ホ・ヨンジェ)流罪地が決まったそうだ。
罪人の身となったわけだがこれは当然償わなければならない罪だ。
決して王様を恨んだりしてはいかんぞ。
そのような事思う訳がございません。
ただ…寄る辺のない世子様が心配で…。
身は千里離れていようと世子様の臣下である事を忘れるな。
いつかまたお仕えするその日まで自らを律して己を磨く事に努めるのだ。
肝に銘じます。

(使用人)旦那様。
ちょっとよろしいでしょうか?何事だ?あの…それが…奥方様がまた…。
さあこれもお食べ。
大好きなカボチャのナムル。
お前。
家に帰らず一体どこを歩き回ってたの?よさんか!大丈夫か?あっちで食べ物と着物を持たせてあげよう。
しっかりしろ。
ヨヌ。
いつまでこんな事を…。
まだ食べ終わっていないでしょ。
頼むからもうよせ!ヨヌはもう死んだのだ。
ヨヌはもうこの世にはおらん。
私の子…。
私のヨヌ…。
(泣き声)ヨヌ!
(ヘガク)早く!急いで!先を急ぎます。
早くその舟に乗って。
どうしたのです?まだ具合がすぐれませんか?この地には私を捨てた家族が居るかもしれません。
離れたらもう二度と会えないような気がして…。
先を急ぐ旅です。
早く舟に乗りなさい。
ご迷惑をおかけしました。
助けが要る時はいつでもご遠慮なく。
昭格署に戻られるのですか?王様から復職のお許しが出たからにはやはり戻るべきであろう。
そなたはいつ星宿庁に戻るおつもりか?国巫の座に戻る事などもはや望んでおりません。
何を申されるか。
王室と民にまだなすべき事があるはずであろう!
(船頭)まだかな?失礼。
もう参りませんと。
どうかくれぐれもお元気で。
そなたも気を付けて。
あのお嬢様といる限りそなたの身も決して安全とは言えん。
達者でな!お嬢様もなにとぞお元気で!また会う時はすてきな笑顔を見せてくだされ!心の声月が隠れたゆえこの国の闇は深くなろう。
だが満ちれば欠け欠ければまた満ちるのが月というもの。
いずれ元の姿に必ずや戻る日が来る。
その時までどうかご無事で。
何ですか?どうかされましたか?どうして私の事をお嬢様と呼ぶの?えっ?それは…。
おねえちゃんが月だから。
月?立派な神を主に迎え入れたので誰もがお嬢様と呼ぶのです。
私は巫女でしたね。
心の声こういう事だったの?アリ。
「二人工」。
どうしたの?ねえなぜ泣くのよ?いえ何でもありません。
別に何でも…。
ならどうして…?
(泣き声)泣かないで。
(泣き声)心の声国の母の座を取り戻すのも巫女として生きていくのもこの先決めるのは本人次第。
まあなんと…!まるで天から仙女が舞い降りたようじゃ。
婚儀が決まるまでう余曲折ありましたがついにそなたはこの国の世子嬪となるのです。
ええお母様。
宮中に上がったらこれだけは忘れないでちょうだい。
世子嬪は初めからそなただったのです。
誰かの代わりではなく本来の座に戻るだけの事。
ゆえに何があろうとも常に気を強くお持ちなさい。
しかと肝に銘じます。
誰にも隙を見せてはなりません。
誰にも隙など見せません。
もはや誰もそなたの座を奪う事はできませんよ。
もはや誰も…。
私の座を奪う事はできません。
世子様はお持ちの雁をお供えになり再拝なされませ。
回想
(大妃ユン氏)何も案じなくてよい。
これで王女の望みもきっとかなえられる事でしょう。
すだれをお上げください。
世子様。
世子嬪様を輿にお乗せするためにすだれを…。
回想ヨヌという名は「小雨」という意味か?はいそのとおりでございます。
ならば「霧雨」という意味にも取れるな。
きれいな名前だ。
王様。
風邪をお召しになります。
早く中へお戻りください。
それでは熱いお茶をお持ちしましょうか?何なら燗をしたお酒でも…。
ヒョンソン。
はい王様。
お前はいつもおしゃべりが過ぎるな。
とはいえもうじき会議のお時間でございまして…。
皆の者を外に呼び出せ。
なぜ外に呼び出すのです?せっかくのよい天気だ。
皆で球打ちでもやろうではないか。
次はそちが打つ番だ。
(笑い声)
(拍手)
(拍手)まことすばらしい腕前。
政務に忙しいはずだがいつ腕を磨いたのだ?
(ユン・スチャン)そんな…腕と言うほどのものでは。
ただここの穴が他の所よりちょこっとちょこ〜っと大きかったのです。
(笑い声)だったらこの宮中で一番大きな穴はどこにあるかも知っておるな?アハハハそこまでは私も存じません。
ならば余がそこへ案内しよう。
(シム・サン)王様何をなされますか!?「労役を課せられた民が着る物も食べる物も無いうえ極寒の中日々堪え忍んでいる」。
「多くの者が凍え死んでる」とあるぞ。
「農民の税を高い利子で肩代わりし返済できぬと土地を奪い娘まで妾にする」だ?お〜なんと妾の数は20人か!王の私より恵まれているぞ。
そりゃ訴えるな。
これは賄賂により官職を売買したユン・スイルを弾劾したものだ。
ユン・スイルと言えばそちのいとこに当たる者だな。
私には関係ございません。
「民への救援米を横取りして着服」。
「自身の石碑を建立するため民を勝手に徴用」。
「民の居住地を奪い取って占拠」。
「労役のみならず更なる苦役を課す権力者がいる」。
いずれも涙なくしては読めぬ内容ではないか。
だがなぜ余にはこれらの訴えが上がってこなかった!?検討のうえお伝えするつもりでした。
そちにはここにある上疏の日付が見えぬのか?もう1か月もたっているではないか。
私どもの判断ではどれもささいな事…。
この内容のどこがささいなのだ?それに誰がそちたちに民の苦痛を判断せよと命じた!?分かったであろう。
これがまさに宮中にある一番大きな穴だ。
この承政院がまさに!余と民の意思の疎通を妨げる最も大きな穴なのだ!
(ユン・スチャン)随分とまあ大きくなられたもんだ!つい先頃まで大王大妃様のご指示でうまく行っとったのに今ではいちいち王様がかみついてこられる!全く困ったものよ!
(ハン・ジェギル)病みがちなお体ゆえ案じていたが心配無用でしたな。
今日などは血気も盛んを通り越しあふれんばかりだ。
全く…あんな旺盛な活力は寝床に取って置いてほしいのう。
なぜどうでもいい事にむだ遣いなさるのか。
こりゃ思うに王妃様との営みを避け続けている理由はとどのつまり仮病では…。
仮病ではないでしょう。
必死に隠そうとはしておられるがお顔の色までは隠しきれておりません。
ならばいっその事遠くに療養に行って頂こう。
頭の痛い政務は我らにお任せをと機嫌を取るのだ。
まだ分かりませぬか?結局はすべての上疏を持ち帰ったほどのお方ですぞ!まあそなたに政務を託すよりは猫に魚を売らせる方がマシだ。
言葉が過ぎますぞ!よい考えかも。
ほれ見ろ!我は身内の功績により取り立てられた身だがバカにされるほど足りない頭ではないわ!何よりもポヨン楼の補修工事の件を秘密裏に処理できる絶好の機会でしょう。
たとえ飼い犬でも首輪を引っ張るばかりでは荒ぶるというもの。
たまには綱を緩めてやらんと言う事も聞かぬわ。
今何と申したのだ?側室を迎えろと学士たちから上疏だと!?承政院に手を回しまだ王様には至っておりませんがお耳に入るのも時間の問題でしょう。
それで王様の心が動きもし学士たちの推薦する側室にお世継ぎができたら…。
そんな事はなりませぬ。
世継ぎは必ず王妃から生まれなければなりません。
ですが王様は毎度ご病気を理由に王妃様との営みを拒まれて久しくあります。
このままではお世継ぎの誕生ははるか先かと…。
寝所を共にする日になるとなぜ病がぶり返すのでしょう?おそれながら陽明君邸では陽明君様に取り入ろうとする輩が門前市を成しているとか。
それはどうしてですか?王様がお世継ぎを残さずしてご逝去されるのを案じ…。
これ!言葉を慎みなさい!王様はまだご健在ですよ!ですからそのご健在ぶりを知らしめるのです。
一見お健やかなように見えてもまたすぐ病がぶり返すには訳があるはず。
きっと政務によるお疲れがたまっているのでしょう。
それで何か手だてがあるのですか?しばらく政務から離れて頂くのがよいでしょう。
及ばずながら私が代わりを務めて差し上げるべきかと。
しかし王様が素直に従うであろうか。
そこで大王大妃様の出番です。
宮中でいこじな王様を抑えられる方は他におられません。
余に宮殿を離れろと?さようでございます。
病みがちなお体ではお世継ぎを望む事もなりません。
悩ましい政務から離れしばしお休みください。
そちたちは余が体調をすこ〜し崩すとすぐに世継ぎの心配をする。
余を案じてくれているのか余の死んだ後を案じているのか実際分からんな。
なぜそんなお戯れを申されます?だったら一緒にここを離れるか?あ〜いやいやうっかりしておった。
王が留守の際は国舅が大将となって宮中を仕切る決まりだったな。
余に代わって国舅の思いどおりにできるよ〜い機会ゆえに余と温泉につかるよりは宮殿を選ぶであろうな。
そうであろう?領議政。
王様。
大王大妃様がお目通りをお望みでございます。
なんと…今日は余に会いたい者が多いな。
どういう訳かおばあ様も今の領議政と同じ御用向きのような気がするのだが。
領議政はどう思う?お越しですか?王様。
王様。
これは祖母の切なる願いです。
どうかしばしの間宮殿を離れお体の療養に努めてください。
お言葉ですが政務がありますので無理でございます。
政務は後に回せますが世継ぎの事はこれ以上後回しにする事はできません。
行幸には多くの者を伴いますので国庫の無駄でしょう。
(大妃ハン氏)王様の健康を思っての事です。
国の存続と民の幸せは王様のお体にかかっているのですよ。
ですから常に主治医に診てもらっております。
大した事はございませんのでご心配は無用です。
ではなぜ世継ぎの誕生が遅れるのですか?申し訳ございませぬ。
私の不徳の致すところでして真心が至らずお二人には大変ご心配をおかけしております。
どうしてそなた一人の責任でありましょうや。
王様の病により独りで過ごした日もさぞ多かったはず。
私のせいです。
王様に満足にお仕えできない私の責任なのでございます。
そんな…なんて悲しい王妃でありましょう。
王様。
お体をいとわず世継ぎを残さない事もまた君主の職務をなしていない事にはなりませんか?ですが子宝は天からの授かりものです。
努力も必要でしょう。
政務なら領議政がおります。
少し前まで摂政を務めた私もいるのですから。
外戚に政を任せる事も君主の職務に反すると思います。
王様。
今のその言葉はどこの誰を指して申されたか?誰を指すなど…あくまで例えの話です。
王様がそこまでわが願いを拒むのであればしかたありませんね。
パク尚宮!今日からわが膳は持ってくるな!おばあ様!お母様!王の祖母であっても聞き入れてもらえぬのならそんな役立たずの老いぼれ生きていて何になりましょう!ならば今日から食事を断ちやがて餓死する日を待つまでです。
お母様なんてご無体な事を!お怒りをお静めくださいませ!おばあ様これはあってはならぬ事です!ご命令をお取り消しください!
(大妃ハン氏)おばあ様のお気持ちを察してはくれませぬか?先の王様もできうる限りおばあ様には孝行を尽くされました。
王の行幸にはそれなりの手間がかかります。
最小限の規模で執り行う方法もあるでしょう。
とはいってもお母様…。
病の事でおばあ様にはすでにご心配をおかけしているのです。
なぜさらに不孝を働こうとするのですか?・
(ヒョンソン)王様。
尚膳でございます。
入れ。
王様。
ちょっとお越し頂けますでしょうか?どうかしたのか?それがその…。
王妃様がちょっとその…。
王妃様の事でございます。
(ユン・ボギョン)どうかお怒りをお静めください大王大妃様。
すべては王様にきちんとお仕えできないこの私のせい。
私の罪でございます。
何とぞこの私にその罪を問い断食の旨どうかお取り消しください!立ちなさい王妃。
王様…。
凍えてしまうだろう。
さあもう立ちなさい。
いいえ。
おばあ様が断食なさるのを取り消してくださるまではここを動かない覚悟でございます。
余がおばあ様に詫び療養にも出る事にする。
そなたはもう立つがよい。
王様。
あ…。
内ではおばあ様を動かして外では領議政を動かすか。
心強い後ろ盾を2つも持っておるな。
婚儀の時の言葉を覚えておるか?忘れたのならいま一度言ってやる。
そなたとそなたの一族は望むものをすべて手にするであろう。
だがわが心までは望まれるな。
そなたには絶対に得られはしない。
心の声まさか…まだお忘れになれないのですか?あの子はすでに死んだのです。
分からないのですか!中宮殿の主はあの者ではなくこの私なのです!
(チョ尚宮)王妃様。
王女様がお越しになられました。
お通しして。
(ミナ王女)お健やかでいらっしゃいましたか?王妃様。
ようこそお越しを。
中宮殿に何か用ですか?今日お母様へご挨拶に伺ったところ王妃様の事を慰めてほしいと頼まれたので。
何やら座して謝罪されたと聞きましたが?私の不徳の致すところでお世継ぎが遅れているのですからお詫びをするのは当然の事です。
あ〜…。
でも足りないのは「徳」ではなく「情」ではないかと思いますけど。
えっ?男女の間にとって徳なんかどうでもいい事ですよ。
徳というより情でしょう。
お兄様がこちらに足を運ばれないのは多分王妃様に情が無いから…。
ところで宮中へはご挨拶だけに参られたのですか?えっ?あ…。
実は観象監からお母様に私と旦那様の営みによい日が伝えられたという事で。
あっ私そろそろ失礼しますね。
うちの旦那様少しでも私の姿が見えないとソワソワしだしちゃうんで。
ではごきげんよう王妃様。
(戸が閉まる音)
(ミナ王女)旦那様。
どうされました?書物を開きっぱなしでお昼寝なんて…。
戻ってきた事にいつ気付き寝床を敷かれたんです?実は今日お母様へご挨拶に伺いましたらお母様が観象監に頼み私たちの営みによい日を勝手に調べておいででした。
(ミン尚宮)大妃様にさんざんダダをこねて頂いた日にちでしょうに…。
何をそう驚く?儀賓様がなぜここに?書物を買って今帰ってきたところだ。
それではお嬢様は今どなたとお話しなさっているのか…。
見てのとおりですがちょうど今日が吉日でして…。
お布団もせっかく敷かれていますし「善は急げ」と言いますので…。
(陽明君)「急げ」ではなく急ぎたいのだろう?そなたは誰じゃ!?お前の兄だ。
陽明兄上!ちょっと返して!もう…早く返してください!ハハハハ見たところこの3つの日付はお前が付け加えたものだな?どうして分かったのですか?こんな幼稚なやり方字を見れば分かるわ。
分からなきゃバカだ。
もうお兄様!これは…兄弟げんかですか?けんかね…。
善は急ぎたいと言うような女子とけんかは御免だよ。
お兄様は嫌いです!
(笑い声)あっ!ヤッ!まあいわばお前へのわが恋心を軽んじた仕返しだ。
あ〜あなんでまた妹と恋敵になった?なぜ毎度こんな事を?えっ…毎度?いらっしゃる度に王女様の機嫌を損ねる事ばかりなさる。
だからそれは恋敵としての嫉妬だ。
憎たらしいのだ。
(笑い声)王女様の何がそんなに憎らしいと?妹がお前の事を縛りつけたからだ。
そんな…。
亡くなられた父上もお前を今の王様の側近にしておきたいと公に申していた。
なのになぜその類いまれな翼が折られたのか。
先の王様もミナ王女も恨めしい限りだ。
そのようにおっしゃらないでください。
そう申さぬのなら何と申すのだ?王女様は事実当家の恩人なのでございます。
一族が滅ぶのを避けられたのも私がこのように無事でいられるのもすべては王女様の恩恵にあずかったおかげなのですから。
何が恩恵だ。
青雲の志も高い理想もくじかれておいて…。
どうかされましたか?かわいい子猫に靴を隠されたようだ。
えっ?これは困りましたな。
ではとりあえず私のを。
結構だ。
放浪者ゆえ予備の用意はこのとおり。
それじゃまた旅に出ていらっしゃったのですか?屋敷にうるさいハエどもがしきりにやって来るんでな。
王様のご病気ですがいまだぶり返されるようです。
そちらを見るのはもうおやめください。
お前は知りたくないか?一体何をでしょうか?生きていたら…どんな姿であろう?それは…。
俺たちは年々年を取っていくのに記憶にあるヨヌの姿は…変わらず13歳だ。
何をそんなに考えているのですか?お前の事を考えてる。
宮中にはいらっしゃらないのですか?ヨムに何か言われたか?いいえ何も。
ただ…お待ちではないかと。
誰が俺を待っているというのだ?王様でございます。
あんなにも深く傷つけた俺を待っているというのか?きっとお待ちです。
お前はいつも王様の事ばかりだな。
心を許せる方がいらっしゃらないのです。
どれほど王様はおさみしいか。
王様のおそばにはウンがいる。
どうか陽明君様がお守りください。
どうか陽明君様のお力で王様をお守りください。
(うなされる声)世子様…すべての事は私のせいです。
世子様ではありません。
何が起ころうともご自分を責めないでください。
(大王大妃)あの娘が不幸になったらそれはそなたのせいなのです。
冷たい土の中に埋められる時世子様は何をなさいました!?
(うなされる声)
(大王大妃)それもまさにそなたのせいでありましょう。
その原因もそなただと言えます。
私ならヨヌを守れた。
すべてをなげうってでも命をくれてやってでも絶対に守りぬいた!回想世子様は守りぬけなかったんです。
守りぬけなかったんです…守りぬけなかったんです。
(キム・ジェウン)また同じ夢を見られましたか?ウンか。
はい王様。
外に出よう。
少し夜風に当たりたい。
ウンよ。
何でございましょう。
この楼閣をなぜ隠月閣と呼ぶか分かるか?隠れるの「ウン」に月の「ウォル」と書くゆえ「隠れた月」という意味ではありませんか?さすがだ。
だが完全には言い当てておらぬ。
別の意味があるのですか?わが父上がこの楼閣を築かれた時池に映るあまりに美しい月を見て永遠にしまっておきたいと思われた。
さすれば月の無い夜でも取り出して見る事ができるからな。
隠月閣にはそんな意が込められている。
池に映った月をひそかに隠しておいて月の無い夜には池の上に取り出す事のできる場所。
それが隠月閣となったゆえんだ。
心に留めておきます。
私もかつてここに月を1つ隠しておいた。
恋しい時はいつでも取り出して見られるようにな。
見てみろ。
太陽と月は同じ空に昇れずともこの池であれば一緒に居られるのだ。
神母様!神母様!こんな所までなに?ヘガク道士様からお手紙が参りました。
ちょっとロウソクをともしてちょうだい。
あれ?ロウソクもつけずに祈とうされてたんですか?
(ヘガク)「天の機運が変わりつつある。
時が来たようだ。
3日後にそちらへ参るから落ち合おう」。
ここでいいわ。
あなたは戻りなさい。
2014/08/17(日) 23:00〜00:00
NHK総合1・神戸
太陽を抱く月(6)「消された過去」[二][字]

初恋の女性を思い続ける王と、記憶を失った巫女(みこ)の切ない愛を描くファンタジー・ロマンス史劇。死んだはずのヨヌが墓の中で目覚める!よみがえったのはヨヌなのか?

詳細情報
番組内容
ヨヌの葬儀の日。フォンは、ヨヌの死の知らせを聞いて取り乱すが、宮殿を出ることは許されなかった。陽明君(ヤンミョングン)は、ヨヌが埋葬されるところに駆けつけ、その場に泣き崩れる。失意の陽明君は宮殿に行き、ヨヌを守れなかったフォンを責める。その晩、ノギョンの指示でヨヌの墓を掘り起こす男がいた。地中の柩(ひつぎ)の中で死んだはずのヨヌが目を覚ます…。それから約8年の時が過ぎ、フォンは王となっていた。
出演者
【出演】キム・ユジョン…沢城みゆき,ヨ・ジング…新垣樽助,イ・ミノ…小松史法,キム・ソヒョン…渋谷はるか,イム・シワン…佐藤拓也,チン・ジヒ…小林由美子,ソ・ジヒ…小松由佳,チョ・ミナ…久野美咲ほか
原作・脚本
【原作】チョン・ウングォル,【脚本】チン・スワン
監督・演出
【演出】キム・ドフン,イ・ソンジュン
制作
〜韓国 MBC/Pan Entertainment制作〜

ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ
ドラマ – 時代劇
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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韓国語
サンプリングレート : 48kHz

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