情熱大陸【小山薫堂/「くまモン」生みの親が取る1ヶ月の夏休み過ごし方】 2014.08.17

(小山薫堂)じゃあ行ってきま〜す
(一同)行ってらっしゃい
それにしてもちょっと忙しすぎるなぁと自覚している
あ〜気持ち悪くなってきたちょっとゆっくり行っていい?用意スタート!
守備範囲はいつの間にかとめどなく広がりあのくまモンの仕掛け人としても腕を振るってきた
こっち側にこう…2人であの桜を見ましょうか
とにかく人を楽しませることが好き
その結果クリエーターからアドバイザーまで肩書は数え切れない
どうせ仕事を頼むなら忙しい奴に頼め…という説はこの人の場合正しそうだ
趣味の食べ歩きさえ本になるのだから羨ましいかぎり
そんな訳であまたのレストランのプロデュースも手がけている
これやっぱりその…
あげくの果てに3年前京都の料亭の主人まで引き受けてしまった
少しずつ今改革をしているところでございます昔ね大学の先生に…プロではなくて全部かじってる…かじってるっていうかまさにそんな感じですよ本当に
(カーナビ)およそ400m先渋滞が発生しています
(スタッフ)はい
ささいなことから妄想を広げる才能が小山にはある
こうやって曲がるじゃないですかこういう時に僕がいつも何考えるかというと「うわ〜あの時あそこ右に曲がったから交通事故起こしたんだ」とあとで思わないように気を付けないとなぁとかって思うんですよでもほらこうやって別の道来たがゆえにですよ直感的に「ここおいしそうだな」と思うわけですよそれで「いつか…明日のお昼寄ってみよう」とか思って来て寄ったことによってここの店主と仲良くなって…それで「実はもっと大きくしたいんですうちの店」とかって言われて「じゃあニューヨークでラーメン屋さん出してみましょうか」とか
(スタッフ)そば屋ですけどそば屋ですけどねハハハ…でもほら「ラーメンつけめん」
(スタッフ)そうですね・「Happybirthdaytoyou」
50歳を迎えたら1か月の休暇を取ろうと決めていた
全ての仕事を忘れ自分を見つめ直してみたかった
人生のギヤチェンジをしてみたいような思いに駆られたことがあって想像もつかない人生ってすごく面白いと思うんですよそのきっかけは日常からちょっとだけ外れてみた時に生まれたりするんじゃないかなと漠然と思うんですよおいしそう…これ何かご褒美ご褒美ですねこれは
名付けて人生のハーフタイム
ぜいたくな夏休みは人をどう変えるのだろう
うまいっす
毎週月曜日
小山の朝はスタッフたちへのひと言から始まる
・はい朝礼始めますあの…この会社にいるとプレゼンテーションの力を問われるけれども実はプレゼンテーションと同じぐらいに自分のことをプレゼンテーションする以上に相手のことを引き出すインタビュー術っていうのがすごい大切だなぁと思いました
スケジュールはびっしりと埋まり一日の打ち合わせが10件を超えることも珍しくない
8年前に立ち上げたプランニングの会社には顧客たちが列を成す
どうぞ次の方
個人事務所を加えれば抱えているスタッフは総勢29人
この日あるウェブサイトのリニューアルを巡って議論が戦わされていた
これは旬食コンテンツを旬食情報を…
企画の担当は…
旬食情報に…そんなこと言うんだったらそれがない段階で「こっちを先にやりたいんです」っていうのは今までとあんまり変わらないような気がする…分かりました…
いつも生真面目すぎる部下を小山はちょっと気にかけていた
スケジュールをこじあけて向かったのは都内の住宅地
ひそかなプロジェクトが進行していた
おっいい家だねぇ
そこは萩尾さんが建てた家
入居を翌日に控えているという
実は2か月前から本人には絶対にないしょでスタッフたちが家造りを手伝ってきた
その様子をビデオに収めプレゼントするらしい
玄関タイルの裏に寄せ書きまで…という凝りよう
建築会社にも協力を仰いでいる
この日小山が現地に持ってきたのは直筆の表札
だが「萩尾」が「荻尾」になっているではないか
よく間違えられるんですよ荻尾と萩尾とわざわざこれ作って…これの本物は?本物は下に彫ってありますあっこの下…これを剥がせば…そうです
もちろんカメラに向かってメッセージも忘れない
よし!これで…おめでとうございます萩尾でついに完成しました!
手の込んだお遊びにはしかし部下への思いが込められていた
優秀であるがゆえに全部自分でやるんですよなので「スタッフのみんなもあなたと一緒に仕事してるんだよ」っていうことをあの家に入る度に気付くと
夜社内の士気を高めようと偽ってパーティーが準備された
本当は萩尾家の新築祝
10年目を迎える前に第9期始まってみんなにどうしてもまず見といてもらいたいものがあってそれを先に発表させてもらいます
何とも曖昧な理由をでっちあげて
知らぬは本人ばかりなり
はいいくよ〜・始めます「東京都豊島区巣鴨」「今ひと組の夫婦の夢が実現しようとしています」「萩尾家」
(笑い)今朝ですね
(萩尾)マジっすか!?だって同じ服じゃんこれと
(萩尾)ホントだ!
(萩尾)「荻尾」って…
(笑い)荻尾になってる!荻尾になってんじゃん開けてみてください
(萩尾)本物の表札だ
(笑い)おぉ〜いいですねこれ!
(拍手)
身近な1人を幸せにできなければ100万人を幸せにすることなどできはしない
それが小山の哲学だった
1964年熊本県天草の生まれ
日大芸術学部に進み在学中に希望どおり放送作家デビュー
これまでに『料理の鉄人』をはじめ数々のヒット番組を世に送ってきた
脚本を手がけた映画『おくりびと』ではアカデミー賞外国語映画賞
日本映画初の快挙は大きな話題になった
これがまだ書けてないけど…
あれから5年
もう一本書くからちょっと待っててくれない?向こうで書くんですか?ここで書く
今や仕事は多岐にわたり休む間もない日々
人の心に残るような作品作りからは少々遠ざかってしまった
そりゃ作りたいです作りたいんですけど作りたいんですけどね今いろんなことが忙しすぎて…そういうギヤチェンジをしたくて休むってのもあると思いますねこの忙しさに流されて忙しいだけで……というのを自分に問いただすための期間かもしれないですね
1か月の休暇は人生のハーフタイム
突入まであと2週間を切っていた
(スタッフ)休暇の件はどう過ごされるかとか…いや…っていうかまだ決めてないんでだんだん焦ってきまして…・俺どこ行こう?って仕事みたいなそうそう…
(歓声)
そうこうするうちに盛大な誕生パーティーが開かれた
せ〜の!
節目と決めた50歳だ
休暇まであと1週間
あっ!お薦めレストランを…それ大変なのよそれいつまで?えっとあさって…えっあさって?
片づけるべき仕事はまだまだあった
もうホント自分で分からなくなってきたっていうか休む必要があんのかな?っていう気がしてきたんですでも今休まないって言ったら怒られるよねみんなに怒られるよね昨日ね実はリュック買いに行ったんですよ…バックパックをそれでしょってみたんですよ重いんですよ意外と何にも入ってないのに1.6kgとかあってうわっ1.6kgかぁとかって思うと…う〜ん果たしてそれでいいのか?っていうね何を言ってるんだ残りの人生ここでむち打って…
(スタッフ)リュックは買ったんですか?買わなかったですハハハハ
(スタッフ)負けてるじゃないですか既にそこで
企画の達人なのに自分のことだけは決められずにいた
大切な休暇を邪魔するのは野暮だろう
「取材は2回だけ」という約束でまずは初日に同行させてもらった
朝7時半に東京を出て…
訪ねた先は友人の歯科医の元だった
せっかく楽しいはずの休みが…
(歯科助手)そうですよね今日からお休みですもんねそうですよ今日から…何か1日目でつまずいてる感じがするんですよそんなことないですよいいスタートですよ
懸案だった歯のメンテナンス
後々問題を起こしそうな奥歯3本を事前に治療するという
いびき…寝てる寝てる
歯がしっかりしていなければ料理のおいしさも半減するというものだ
3日間の集中治療を終えてパリに向かった
気になっていた5つ星ホテルのスイートに宿泊
知人のレストランで誕生日を祝ってもらった
堪能したのは和風フレンチ
翌日にはスウェーデンに飛びスカイプの創業者が主催するパーティーに出た
華やかなセレブが集う場でリッチな気分を味わい帰国して歯の治療を仕上げると…
次なるプランは…
巡礼の道をひたすら歩く3日間
なるほど自分を見つめ直すにはふさわしい
(スタッフ)お休み始めて半分ぐらいたちますけどいかがですか?今僕が一番欲しいもの何か知ってますか?
(スタッフ)何ですか?休みフフフ…すごく矛盾してるんですけどほらもったいなくて
悩んだ末に買い求めたリュックであえて険しいルートをたどっていた
ふだんは運転手付きの車で移動し会議漬けの毎日を送っている
自分の足でゆっくり歩きたかった
…と思いません?うわ〜そこもきれいうわ〜何か山が生きてるって感じがしますね膝…痛てて…でも坂道上ってるといろんなこと考えますよやっぱ人生坂あり…下り坂もあれば上り坂もあるしとか何かね不思議とこう…喜びの大きさは苦しみの大きさに比例するなとかこうねいろんなことが思い浮かびますよね
昼食は宿で作ってもらったお握り3つ
幸せですねフフフ…このたくあんと…最高にうまいこれ今年食べたものの中で一番うまいですね
会社のスタッフに葉書を書いた
ペン先を追えば「歩くという字は少しだけ止まる」
3日間で歩き切った距離40km
本人いわく生まれ変わったような気がする
休暇後半はこれまでに訪れたことのない街を中心にバックパックで19日間の世界一周
日記にはさきざきで感じたことがつづられた
何ともすてきな1人旅だが途中で電話してみると…
だから…終わってほしい本当に早く終わってほしい
今月4日ひと月の休暇を終え小山薫堂は会社に向かった
(スタッフ)歩きって珍しくないですか?どうして歩き出社なんですか?ちょっとあの…今まであまりにも歩かなさすぎたなと思って反省したんです
午前8時過ぎ
まだ誰もいないオフィスには何だか懐かしい匂いが籠もっていた
うわ〜うわっ散らかってますね
早く帰りたい
旅先で感じたあのいらだちが消えてゆく
何か…いいですね働く場所がちゃんとあるってことがそれだけが…それで十分ですよ皆さんおはようございます
(一同)おはようございますそして1か月間どうもありがとうございました
いつもの朝礼とともに日常が戻ってきた
休暇中につけていた日記は次のように締めくくられている
やっぱ休むっていう字って人が木になるって書くわけじゃないですかこう…立ち止まって見た時に自分の人生を客観的に見たらもうあと残り十数年か20年ぐらいと考えたら果たして何を残せるんだろうと思った時に早く何かを作り出さなければいけないなという焦りのようなものは芽生えましたね
けれど休みのしわ寄せが…
今ちょっと結構日程が厳しいですけど何かこうやって見てると今年も終わるねそうなんですよ薫堂さん今年終わったんですよハハハハ…ハハハハ…今年終わってるよね今年終わったんですよ
待ち受けている現実をどう楽しんで乗り切っていこうか
薫堂さんもう今年の予定終わりました
嵐を追いかける男登場
日本で唯一のストームチェイサー
危険と隣り合わせそれでもカメラを持って嵐を追う
2014/08/17(日) 23:00〜23:30
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【小山薫堂/「くまモン」生みの親が取る1ヶ月の夏休み過ごし方】

放送作家・脚本家/小山薫堂▽企画の達人『多忙男』が50歳を機に取った「人生の後半をどう生きるかじっくり考える」夏休みに密着。人を驚かせる方法とは?

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番組内容
肩書こそ「放送作家・脚本家」だが、企業やレストランなどの数十件のアドバイザーでもあり、食・イベント・商品のプロデュース、ファッションから生き方の指南まで、「多忙男」小山の守備範囲は幅広い。一見何でもない原石を、アイデアによって興味を引くものに変えヒットに導く。そんな小山が50歳を迎え、仕事を白紙にして1か月の夏休みをとることを決意した。人生で初めて自分と向き合う夏休みを、どうプランニングするのか?
出演者
【プロフィール】
小山薫堂
放送作家・脚本家。1964年生まれ。学生時代にラジオ局でアルバイトを始め、大学在学中「11PM」で放送作家デビュー。伝説の番組「カノッサの屈辱」で名を広め、「進め!電波少年」「料理の鉄人」等多くのヒット番組の企画・構成に携わる。脚本をした映画『おくりびと』で米国アカデミー賞外国語映画賞受賞。エッセイ等の著作の他、企画プロデュースやアドバイザーも。「くまモン」の生みの親。
制作
製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】ネツゲン

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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