今日の主人公はこちら。
私たちの身近に暮らすアリたちです。
「なんだアリか」なんて思いませんでした?アリは日本に300種類もいます。
へえそんなにいるんだ。
でもちょっと待った!今日の主人公は身近なアリでしょ?知らない話なんて本当にあるんですかね?はい。
例えば歌にも歌われるアリの「こっつんこ」。
そこにはすご〜い能力が隠されていたんです。
ほう何だろう?更にアリが魚のお墓を作る?どんどん砂をかけていきます。
へえ不思議!実はこれ小さなアリが生き残るための巧みな作戦だったんです。
更に更に…。
(アリが出す音)ギギギギ。
何ですか?この音。
これ…奇妙な音の秘密を徹底解明しました。
そして今回は皆さんからたくさんの疑問や情報を頂きました。
わぁどうもありがとうございました。
こうした情報を紹介し疑問を解決しながら身近なアリたちの知られざる素顔に迫りますよ。
う〜ん楽しみ!
(テーマ音楽)アリを撮影するため取材班が向かったのはごく普通の公園。
あいましたいました。
おなじみのアリたちです。
みんな一生懸命に歩き回っていますね。
食べ物を探しているようです。
おや?溶けたアイスクリームに群がっています。
こうした光景見覚えのある方も多いんじゃないでしょうか?皆さんからの質問でも特に多かったのが「なぜアリは甘いものが好きなのか」というもの。
ではそれについて研究した「アリの達人」をご紹介しましょう。
私の名前は吉谷優衣です。
アリ研究歴1年です。
優衣さんは去年アリの好きな食べ物を調べました。
お菓子や野菜など14種類の食品の中でどれが人気なのか確かめたんです。
優衣さんに実験を再現してもらいました。
アリの巣の近くに食品を並べます。
さあアリが最も集まるのはどれだと思いますか?あ〜はいはいはい。
こりゃ簡単ですよ。
おヒゲじい言いましたね。
だってアリの甘いもの好きは有名ですもん。
一番人気はあめかはちみつでしょ?なるほど。
さあどうなるんでしょうか?実験開始です。
お〜アリが早速やってまいりましたぞ。
うん?するめにたかってますな。
はい。
しらすやハムの周りも多いですね。
ありゃ〜あめ玉はダメですか。
実験の結果最もアリが集まったのはするめでした。
へえ!うわ〜すごい数ですな。
はい。
その次はハムとしらすです。
みんな動物性の食べ物だったんです。
へえ!ホントに意外な結果ですな。
はい。
アリが生きていくうえで重要なのはエネルギー源になる糖分と体をつくるたんぱく質です。
糖分は花の蜜や樹液などに含まれていて安定して手に入ります。
ふむふむ。
一方たんぱく質は虫の死骸などから取ります。
これはいつ手に入るか分からない「ごちそう」。
だから同じような実験をすると多くの種類のアリがたんぱく質の豊富な食べ物に群がるんだそうです。
う〜んなるほどね。
するめは「あたりめ」とも言いますがアリにとっては「あったりめえ」の食べ物じゃなかったんですな。
優衣ちゃん面白い実験ありがとう!公園でアリの観察を続けた取材班。
弱った虫を捕らえるアリを見つけました。
体長1センチ日本最大のアリクロオオアリです。
力強く虫を持ち上げて巣に運び込みます。
このごちそうどうやって食べるんでしょうか?巣の中に虫を運ぶとバラバラにしたり硬い表面に穴を開けたりして食べやすくしているようです。
そして体の中の軟らかい肉の部分をなめ取るようにして食べ始めました。
食べ終えたアリが巣の中の別の部屋にやって来ました。
幼虫などを育てる部屋です。
この白い虫が幼虫です。
成虫が幼虫に口を付けています。
おなかに蓄えた食べ物を口移しで与えているんです。
かいがいしい子育てですね。
あこちらでは成虫同士の口移しが始まりました。
左のアリは随分大きいですね。
女王アリです。
体長は2センチ。
働きアリと呼ばれる他のアリの倍ほどもあります。
寿命も長く20年ほど。
働きアリの10倍です。
ほとんど動かない女王アリですが大切な仕事があります。
お尻の先から白い物が出てきました。
卵です。
女王アリは毎日数個の卵を産むのが唯一の役目なんです。
うやうやしげに卵を受け取る働きアリ。
カビなどが生えないようこまめになめて清潔に管理します。
クロオオアリの巣にいるアリは成虫だけで数百匹。
メンバーは全て1匹の女王アリから生まれた子どもたちです。
アリたちは家族が一丸となって大所帯を切り盛りするために働いているんです。
世鳥山和也です。
アリの研究歴は4年です。
和也くんはアリの飼育の達人。
石こうで巣を作り毎日観察を続けています。
そしてある日意外なことに気づきました。
働き者であるはずのアリの中に仕事をさぼる不届き者がいるというんです。
どのアリが働いていないの?あとはここら辺ですかね。
働かないアリは本当にいるのか?5時間分の行動を録画し分析することにしました。
こちらがその映像。
多くのアリは真面目に働いているように見えます。
ところが女王アリの部屋の天井とその上の部屋のアリたちはほとんど動いていません。
特にこの1匹。
5時間で動いた範囲はわずか数センチ。
にもかかわらず仲間からちゃっかり口移しで食べ物をもらっています。
これは確かに働いていませんね。
実は働かないアリの生態はそれを紹介した本が出版されるなど今注目されています。
本の著者で「働かないアリ研究」の第一人者長谷川英祐さんです。
長谷川さんはアリ1匹1匹に色をつけて識別し働きぶりを詳しく調べました。
その結果働きアリ150匹中働かないアリはおよそ30匹。
なんと2割もいたんです。
その後働かないアリだけを飼育すると8割が働きだしました。
一方働くアリだけで飼育した場合は2割が働かなくなりました。
つまり常に2割が働かないアリになるという結果だったんです。
自然界では巣が壊れて補修が必要になるなど急に仕事が増えることがあります。
そんな時働かないアリが役に立つといいます。
一見サボっているように見えるアリも控え選手として巣には必要なんですね。
ちょっと見直しました。
第2章はアリさんの「こっつんこ」の秘密。
そしてアリが魚のお墓を作る!?どういうことなんでしょうか。
日本に300種類もいるアリ。
中には個性的な姿や形のものもいます。
うわ!背中に赤いトゲ。
その名もトゲアリです。
本州から九州にかけての森にすんでいます。
こちらは沖縄のアギトアリ。
アギトとはアゴのことです。
確かに大きなアゴ。
地域によっていろんなアリがいるもんですねぇ。
北野一葉です。
アリの研究歴7年です。
一葉さんの興味は「自分の身近にはどんな種類がいるのか」。
学校の敷地内の「アリの巣マップ」を作っています。
調査に同行させてもらいました。
あいました!一葉さんが学校の敷地内で見つけたアリは5種類。
巣の数は70以上に上ります。
身近な場所にも随分いるんですね。
そんな身近な場所にいる飛びっ切りの変わり者をご紹介しましょう。
東京のとある学校の庭で怪しい軍団が行進しています。
その名も勇ましいサムライアリです。
あサムライアリが何やら大騒ぎしています。
実は今クロヤマアリの巣に押しかけているんです。
何か白い物をくわえて出てきました。
クロヤマアリのさなぎが入った繭です。
目的はこれだったんです。
繭を盗むと全速力で自分の巣に持ち帰ります。
相手が必死にすがりついてもサムライアリに武士の情けはありません。
さなぎから育った成虫は自分の巣で働かせます。
こんなスペクタクルが私たちの足元で起きていたなんて驚きですね。
まずはこの歌をお聴き下さい。
歌詞のとおりアリがぶつかっていますね。
この「こっつんこ」についても質問を頂きました。
確かにどんな意味があるんでしょう?ぶつかる瞬間を見てみましょう。
触角にご注目。
盛んに動かしています。
もう一度いきますよ。
やはり触角を動かして相手を触っています。
これ相手のニオイを確かめているんです。
アリのニオイは巣ごとに違います。
「こっつんこ」することで相手が巣の仲間かどうか確認しているんです。
もし違う巣のアリだと分かればたとえ同じ種類でも激しいケンカになってしまいます。
アリはさまざまな場面でニオイを使います。
使いみちの違う数十種類のニオイを出すことができるんだそうです。
澤田優志です。
小学3年です。
アリ歴3年です。
優志くんは去年アリが出すニオイの使いみちを調べました。
アリは仲間の出すニオイをたどって行列を作ると聞きそれを確かめたんです。
こちらは実験の再現。
まずアリが行列を作っている場所に紙を敷きます。
すると紙の上に行列ができました。
そして紙の位置を少しずらします。
もしアリが紙につけたニオイをたどっているならば行列も紙と一緒にずれるはずというわけです。
あ!確かにずれましたね。
アリが行列を作るのは効率よく食べ物を持ち帰るためです。
まず発見した1匹が巣への帰り道にニオイを残します。
仲間はそれを道しるべにすることで確実に食べ物にたどりつけるんです。
道しるべのためのニオイはちょんちょんとお尻の先から出します。
アリにとってニオイは仲間に情報を伝える言葉のようなものなんです。
今回視聴者の方から世にも奇妙な情報が寄せられました。
アリがセミの死骸を砂で埋めまるでお葬式をしているようだったというのです。
本当にそんなことがあるんでしょうか。
情報を寄せてくれた手塚まみさんです。
ありがとうございました。
アリの情報を。
早速現場検証です。
その日はここでイヌがセミを発見したといいます。
模型を使って状況を再現してもらいました。
現場近くでセミの代わりに煮干しを置いてアリが来るか観察しました。
するとすぐにアリが現れました。
砂粒のようなものを運んでいます。
このアリはトビイロシワアリ。
北海道から九州にかけてごく普通に見られます。
体長は2.5ミリ。
重たそうに一粒一粒運びながら煮干しの近くに置いていきます。
煮干しの周りはどんどん砂粒が増えていきます。
確かに何か怪しい儀式のようです。
なぜこんなことをするのか専門家に聞いてみました。
アリの生態研究の第一人者佐藤俊幸さんです。
より強力な採餌アリがいるようなクロヤマアリとかクロオオアリなんかに見つかる前に…目的は他のアリから食べ物を隠すためなんだそうです。
その効果を確かめてみました。
2つの煮干しを置き片方に土を振りかけます。
むき出しの煮干しがすぐに大きなアリに引きずられ始めました。
土をかけたほうにもアリはいますが運ぶことができないようです。
確かにこれなら獲物の横取りを防ぐのに効果がありそうです。
ちょっと待った!何ですか?ヒゲじい。
いや横取りされにくくなるのは分かりましたけどこれじゃ土をかけたほうだって獲物を持ち帰れないでしょうに。
いやいやよ〜く見ると体が小さいことを生かしてちゃんと持ち帰っていたんです。
えどこどこ?煮干しの内側にアリが入り込んでいますよね。
え?あはいはいはい。
内臓や肉などをちびちびかじり取っています。
こうして少しずつ運んでいたんです。
そうだったんだ。
砂をかける係と食べ物を運ぶ係が役割を分担して同時並行で作業を進めていくんですよ。
賢い!不思議な生態ですな。
ここでその砂かけ行動を研究する達人をご紹介します。
中澤匠です。
アリ歴5年です。
匠くんにとっておきの実験を見せてもらいました。
ほう何何?魚肉ソーセージを切って3つの大きさのエサを作ります。
それぞれどんなふうに砂をかけるか比較するんです。
うん?何か違うんですかね?はい。
まずは大きなエサで実験。
おおすごいすごい!こりゃ立派な砂山を作りましたな。
そうですよね。
さあ続いては小さいエサ。
まばたきしないで下さいね。
はい。
あっ!持ってっちゃった。
持ち運べるくらいエサが小さければわざわざ山は作りません。
じゃ中くらいのエサはどうなるか?なんとか持っていきましたな。
でもよ〜く見て下さい。
遅れて砂かけ係が砂を運んできました。
あ〜ホントだ。
砂かけ係の想定以上に食べ物運び係が頑張っちゃったんでしょうかね。
う〜ん。
匠くんこれからの研究を期待しておりますぞ。
アリだけに良い成果がアリますように!なんてね。
小さな戦略家・トビイロシワアリの行動で今回大発見がありました。
ここはトビイロシワアリとクロオオアリの巣が隣り合う場所。
そこに食べ物を置いてみました。
ライバルを前に両者がどういう作戦に出るか観察したんです。
あれ?トビイロシワアリの砂かけ係がクロオオアリの巣に近づいていきます。
何をするつもりでしょうか?運んだ土をクロオオアリの巣に落としています。
偶然ではありません。
次々と投下していきます。
「えいっ」。
「それっ」。
クロオオアリは土を運び出さなければなりません。
これは大迷惑。
寄ってたかってまさに嫌がらせです。
実はこうしたトビイロシワアリの行動は今回初めて明らかになりました。
研究者によるとライバルを巣にくぎづけにしその隙に食べ物を手に入れようという作戦なのではないかといいます。
ついに巣の入り口は半分埋まってしまいました。
体長2.5ミリのトビイロシワアリ。
小さい体でもたくましいですねぇ。
第3章は体長2センチの巨大な羽アリが出現。
果たしてこのアリの正体は?皆さんアリの鳴き声なんて聞いたことないですよね。
でもびっくりするような情報が寄せられたんです。
当時小学6年生現在高校生の小野慧太くんの発見。
なんとアリが鳴き声のような音を出したというんです。
ペットボトルで飼育している時に発見し撮影しました。
(息を吹きかける音)確かに不思議な音がします。
どうやって出しているんでしょうか?取材班は専門家と共に解明に乗り出しました。
アリの飼育容器の下に特殊なマイクを設置します。
そして息を吹きかけてアリを驚かせます。
ギギギギギギ。
あ音がしました。
こちらでも。
ギギギギ。
はっきりと聞こえます。
一体何が起きているんでしょうか?は〜口とおなかを交互に激しく打ちつけて音を出しています。
何のためにこんな音を出しているんですかね?いや〜身近なアリの行動にもまだまだ発見があるんですね。
続いてお答えする質問はこちら。
その巨大な羽アリは年に一度初夏に出現します。
ここはクロオオアリの巣。
ほら出てきました。
実はこのアリ将来女王になるメスなんです。
少し小さい羽アリはオスのアリ。
どちらも生まれ育った巣を離れ他の巣から出てくる恋の相手を探すんです。
あメスが飛びました。
相手とは上空で出会います。
「結婚飛行」と呼ばれる独特の生態です。
結婚飛行を終えるとオスは死にメスの孤独な暮らしが始まります。
もう使わない羽を捨て穴を掘り始めました。
これが巨大な巣への第一歩です。
巣穴に入って数日後新しい女王アリは卵を産みました。
卵がかえると子育ては大忙し。
最初の働きアリが育つまで女王アリは体に蓄えていた栄養分を与え続け飲まず食わずで子育てをするんです。
産卵から2か月弱最初の働きアリの誕生の時。
女王アリは丁寧に繭を破いて我が子を助けます。
あ働きアリが女王アリをなめています。
生まれて初めての仕事です。
神秘的なアリたちの暮らし。
皆さんもこの夏足元の世界に目を向けてみてはいかがでしょうか。
勅を奉じ…。
2014/08/17(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「身近なアリ大研究!不思議がいっぱい!」[字]
アリの研究に挑む子どもたちとともに、不思議な生態を次々に明らかにしていく。番組に寄せられた素朴な疑問から専門家も知らなかった新発見まで!自由研究のテーマも満載!
詳細情報
番組内容
とっても身近な昆虫・アリ。その生態はいまだに謎が多く、夏休みの自由研究のテーマとしても人気が高い。「なぜ甘いものが好きなのか?」「“こっつんこ”は何のため?」など、視聴者の皆さんから寄せられた疑問に、アリの自由研究を何年も続ける「アリの達人」の子どもたちとともに答えていく。さらに、「アリがセミのお墓を作っていた!」など、驚きの情報の真相も究明。夏休み本番、知られざるアリの世界にご招待!歌:平原綾香
出演者
【語り】近田雄一,龍田直樹,豊嶋真千子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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