奇跡の地球物語 青森ねぶた祭〜女性ねぶた師に密着!伝統の技に科学で迫る〜 2014.08.17

今年もまた青森を熱くするねぶた祭りが始まった。
国内外からの見物客はおよそ300万人。
舞台となる青森市の人口の10倍を超える人々がこの6日間に訪れる。
祭りの華は見る者を圧倒するねぶた。
総重量4トンもの巨大な人形型の灯籠が青森の町を練り歩く。
毎年来てます。
すごい楽しいですよね。
アハハハ。
すごい迫力ですね。
人々を魅了するねぶたを生み出すのがねぶた師と呼ばれる職人たち。
ねぶたは男らしい迫力が命。
そんなねぶた師の頂点に立つのが第6代名人北村隆。
その独創的な作風はねぶたの常識を変えたとも言われている。
ここが一番いいって角度ある。
あるんですよ。
ねぶたの最も一般的な構図は2体がにらみ合うというもの。
しかし名人北村隆の作品は全く違う。
代表作『聖人聖徳太子』では本来は背景の脇役にしか過ぎない千手観音の手を大胆に表現しその年の大賞を獲得した。
そんな名人北村隆に挑むのがその娘北村麻子。
史上初の女性ねぶた師だ。
天才といわれる父のねぶた作りを幼い頃から目にしてきた。
やっぱりかっこいいなって思ってました。
スターっていうかね。
憧れの存在でしたよ。
憧れの父の背中を追いかけ勤めていた仕事を辞め2年前にねぶた師としてデビュー。
しかし待ち受けていたのは厳しい現実。
一人前のねぶた師として生きるには祭りで賞をとらなければならない。
やっぱりまだそのベテランのねぶた師さんを破ること出来てないのが現状で…。
負けないぐらいのそういうもの作っていかなきゃダメなのかなっていう風には思ってます。
ひとたび祭りが始まればベテランも新人も父も子もない勝負の世界。
今年麻子さんが制作した渾身のねぶたがこれだ。
テーマは『浅草観音誕生』。
漁師が川から観音像をすくい上げるという斬新な構図で偉大な父に挑む。
ねぶたに人生をかけた女性ねぶた師に密着した。
幅9メートル高さ5メートルの巨大ねぶた。
実はねぶたはたった1枚の下絵から作られている。
一体どうやって複雑なねぶたを作り上げるのだろう?祭り3か月前。
ねぶた小屋と呼ばれる大型テントで作業が始まっていた。
まずは木材の骨組みにねぶたの輪郭となる針金を取り付ける。
形を決めるのは1枚の下絵。
ねぶた師は平面の下絵を見ながら立体をイメージして組み上げる。
完成イメージはねぶた師の頭の中にしかないのだ。
今回のテーマは『浅草観音誕生』。
漁師が観音像を川から拾い上げたという神秘的で穏やかな観音像が男らしい漁師の迫力をより際立たせる斬新な構図だ。
女性が作ったって言ったらびっくりするような男性的なねぶたを作りたいなっていう風に思って今年この題材に挑みました。
伝統芸術であるねぶた作りは肉体的に過酷だ。
不安定な足場で無理な体勢が続く作業は男性でもきつい。
しかもそれが3か月以上1日も休まず続くのだ。
毎年終わった瞬間にドッときて倒れて何日も寝込むっていうパターンですね。
(スタッフ)お疲れさまでした。
なぜそこまでねぶた師にこだわるのか?そもそも彼女がねぶた師になることに父は反対した。
諦めきれない彼女は毎日ねぶた小屋に通い父の仕事をノートに書き留めたという。
うちの父ずっと女はねぶた師になれないっていう風に言ってた人なので…。
最初はあえて言わなかったんですよ。
何も言わずに通って父が嫌だって言えなくなるぐらい…。
勉強して覚えようっていう風に思ったので。
娘の熱意に負けて父はねぶた師になることを認めてくれた。
待っていたのは厳しい修行。
過酷な下積みを経て2年前ようやくねぶた師として1人立ち。
そしてデビュー作でいきなり入賞するという快挙を成し遂げた。
しかし周囲から思いもよらない声が聞こえてきた。
女性だからっていうのもあるでしょうし。
ねぶた師の父の娘だっていうこともあるんでしょうけれども…。
まあ周りの方から…父親が本当は作ってるんじゃないかとか噂流されたりとか…。
本当に悔しかったですね。
今に見てろって思いました。
一人前のねぶた師として認められるため父とは違う彼女自身のねぶたの世界を作りたい。
そんな麻子さんを父隆さんはどう見ているのか?ねぶた祭りまであと2か月。
骨組みに和紙を貼ると麻子さんの表情が厳しくなった。
今回のポイントは男らしい漁師と穏やかな観音像の対比。
イメージがいよいよ形になってきた。
ここからどういう風に仕上げていくのかは私の腕1本にかかってると思うので。
すごいプレッシャーは感じますね。
祭りまであと1か月。
作業は最大の山場墨書きに入った。
漁師の表情を描いていく。
ここで麻子さんの筆が止まった。
気になったのは漁師の表情。
いまひとつ迫力が足りないという。
ねぶたの表情は審査の最大のポイント。
評価の高いねぶたは必ず迫力ある表情を持つ。
麻子さんは新たな道具を取り出した。
水彩画でぼかしに使う筆だ。
左側の毛先が割れるほど使い込んだ筆を選んだ。
その筆を使って漁師の眉毛を描き足す。
すると…。
毛先の割れた筆で眉毛を描き足す。
荒々しいタッチの効果で漁師の表情が一変。
驚くほど迫力が増した。
続いては観音像。
ねぶたの世界では珍しい穏やかさを表現するため今度は一番細い筆を使って丁寧に描いていく。
普通細い線は迫力が乏しくねぶたの表現には不利だ。
あえてこの筆を選んだ麻子さんの狙いは?観音様っていうのは神様なのでやっぱりその神様の神聖な感じとか穏やかな表情とか出すにはやっぱり細い線で滑らかに描くようにしてます。
次に迫力あるねぶたに欠かせない大事な作業が待ち受けていた。
ねぶたにとって欠かせないものとは?やっぱりあの…表情の中にも目の力強さです。
目力があります。
ねぶたの。
はーい。
なぜ人々はねぶたの目に魅せられるのか?そこにはねぶた伝統の技が隠されていた。
(男性)今日は写真と言葉で想いを届けるフォトレターを作ります。
気持ちをまっすぐ伝えることの大切さを感じてほしい
そんな願いを込めて私たちはフォトレター出張授業を行っています
(女の子)いつもおいしいご飯を作ってくれるのでフォトレターで感謝の気持ちを伝えたいです。
(一同)ありがとう!
「PIXUS」で「想い」を届けよう!
(シャッター音)
(能年)なんか夢中になって画面しか見えなくなる感じが気持ちいいです。
あっまつ毛。
EOSM2
まつ毛がある。
(シャッター音)
(能年)あっ失礼します。
なんかかっこいい。
(シャッター音)ああ速い。
タッチ。
(シャッター音)
(シャッター音)すげー。
EOSM2
ぴゅーん。

SNSの写真そのままだといいね。
ですが
(観客)うんうん。
「PIXUS」でプリントすると
(無音)
(桐谷)いいね〜!
…になります
タブレットからもう一度
いいね〜!!
もちろんカメラからも直接
(無音)やっぱりいいね〜!!
(拍手・歓声)
どんな写真もカンタンキレイ
迫力あるねぶたに欠かせないひときわ輝く目。
一体なぜ目だけ輝いて見えるのか?その答えは祭りまで20日に迫った作業場で明らかになった。
女性ねぶた師北村麻子さんが取り出したのは白いろうそく。
それを湯気が出るほど温めて溶かす。
溶かしたロウをねぶたの目に塗ると…。
塗ったところが明るく輝きだした。
顔の中でひときわ輝く目。
和紙にロウを塗ることで何がおこったのか?紙っていうのはこう繊維の集合体ですから乱反射して白く見えるんですけれどもそこにロウをですねギュッと染み込ませることで表もですけど裏っ側まで隅々まで熱いロウを入れてしまう。
すると光が通って出てきやすくなるんです。
和紙を通る光は細かい繊維に乱反射して弱まる。
ロウを塗ると光が通りやすくなりその部分だけ明るく輝いて見えるのだ。
見る者を圧倒するねぶたの目の秘密。
そこには光の科学が隠されていた。
ねぶた小屋の近くではお囃子の練習が始まった。
(お囃子の音)祭りを心待ちにしている人々にとって心躍る音。
(お囃子の音)しかし作業場の麻子さんには違う音に聞こえる。
すごい焦りますね。
早くねぶた作れって急かされているような気持ちになります。
待ちに待ったねぶた祭り開幕の日。
麻子さんのねぶた『浅草観音誕生』も無事完成。
これが麻子さん渾身の作品。
細い筆で丁寧に描かれた観音像は神秘的で穏やかな表情を見せ一方男らしい眉が漁師の表情を引き立てている。
あとは明りが入ったときどう見えるかだ。
審査員はどんな評価を下すのか?
(男性)がんばるぞ−!
(一同)おおー!
(拍手)いよいよ祭りが始まった。
(お囃子の音)祭りに人生をかけるねぶた師たちが自慢の作品を披露するときだ。
(女性)わあー!ラッセラーラッセララッセラーラッセラ…。
(歓声)本当にいい祭りなんですよ。
本当にいい祭りなんです。
こんな…たくさんの人がこんな笑顔になれる祭りって他にないと思うんですよね。
ねぶた師にとって祭りの始まりは戦いの始まりだ。
(お囃子の音)
(お囃子の音)ねぶたは表現力構図色彩など様々なポイントで審査される。
さらにねぶた自体の出来だけでなく音頭をとるお囃子のリズムや一体感。
跳人と呼ばれる踊り手のかけ声や服装など運行全体が評価されるのだ。
いよいよ始まったねぶたの運行。
観客の反応が嫌でも気になる。
(お囃子の音)
(歓声)麻子さんが狙った観音像と漁師の対比。
明りが入ると見事に浮かび上がった。
観客の反応は上々だ。
いやあ〜迫力あるね。
すごい迫力だね。
観音像すてきですね。
ああいう風になりたいですけど…。
(スタッフ)お疲れさまでした。
(麻子さん)お疲れさまでした。
まだまだもちろん100点ではないですけどもでも合格点じゃないかなって思います。
祭り4日目。
異変がおきた。
この日は雨が降ってもねぶたにビニールシートを被せて祭りは続く。
そんな中思いがけないトラブルが起きた。
ねぶたを見つめる麻子さんの顔が曇る。
なんとねぶたから光が消えてしまったのだ。
一体何が起こったのか?
(男性)今日は写真と言葉で想いを届けるフォトレターを作ります。
気持ちをまっすぐ伝えることの大切さを感じてほしい
そんな願いを込めて私たちはフォトレター出張授業を行っています
(男の子)お父さんがいつも遊んでくれるのでこの手紙を書きました。
(一同)ありがとう!
「PIXUS」で「想い」を届けよう
祭り4日目。
女性初のねぶた師北村麻子さんのねぶたから光が消えてしまった。
熱もっちゃったみたいで…。
原因は雨よけのビニールシート。
照明の熱が中にこもりオーバーヒートしてしまったのだ。
すぐに修理したが審査には不利なトラブルだ。
祭り4日目が終わった。
その夜賞の発表のときが迫る。
麻子さんは1人連絡を待つ。
(歓声)そのとき近くから歓声があがった。
(一同)ばんざーい!見事入賞したねぶた小屋で祝勝会が始まった。
(一同)わっしょい。
わっしょい。
大賞を獲得したのはこちらのねぶた。
馬と武者。
3体のダイナミックな構図と豊かな色彩が高く評価された。
残念ながら今年麻子さんのねぶたは入賞を逃した。
まあ今年はこれで終わりってことで…。
もう明日から来年のこと考えます。
ねぶた師の道はまだ始まったばかり。
それでもいつか名人と呼ばれる父の作品を越えたい。
女性初のねぶた師北村麻子の挑戦は続く。
2014/08/17(日) 18:30〜18:56
ABCテレビ1
奇跡の地球物語 青森ねぶた祭〜女性ねぶた師に密着!伝統の技に科学で迫る〜[字]

青森ねぶた祭。巨大なねぶたを生み出すのが、ねぶた師。その中で史上初の女性ねぶた師に密着。ねぶた師の伝統の技術と女性ねぶた師ならではの業に科学で迫ります!

詳細情報
◇番組内容
東北三大祭りの一つ、青森のねぶた祭。幅9m、高さ5m、総重量4tもの巨大な人形型の灯篭が青森の町を練り歩く。この見る者を圧倒する巨大なねぶたを生み出すのが、ねぶた師と呼ばれる職人たち。その中で初の女性ねぶた師に密着!ねぶた師の伝統の技術と女性ねぶた師ならではの業に科学で迫ります!
◇番組内容2
古代のミステリーから日常のふとした疑問まで、人間を取り巻くあらゆる物事を最先端科学で紐解いていく…。明日誰かに話したくなる、新しい発見がいっぱいの番組です。
◇出演者
【ナレーター】山寺宏一
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/miracle-earth/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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