JR北海道は10日、所要時間短縮をめざして進めてきた新型特急気動車の開発を中止すると発表した。現在4種類ある特急気動車は10年後をめどに261系に集約、維持費用や労力を少なくして浮いた資金を安全対策や北海道新幹線の開業準備に回す。航空機や高速道路に対抗しようと進めてきた高速化路線から当面は撤退し、安全重視の姿勢を強めるねらいだ。

 「減速減便を実施した時点から、(今回の決定は)ある程度は想定できた」。島田修社長はこの日の定例記者会見で述べた。

 JR北は、昨年9月に起きた函館線大沼駅での貨物列車脱線事故や相次ぐ特急の出火トラブルなどを受け、線路と車両の負担を軽くするため、同11月に特急の減速に踏み切った。島田社長は「速度向上より安全対策を優先させる必要がある。新型特急はコストとメンテナンスの両面から過大な仕様。大変残念だが、中止したい」と話した。