土曜プレミアム・ほんとにあった怖い話15周年スペシャル 2014.08.16

あなたを釘付けにする実録心霊ドラマ7連発
(夏美)
闇が口を開けて待ち受けているかのように思えました
(夏美)あっ!
(行雄)そんなに遠くまでホントにいいんですか?
(絶叫)
(葵)うわっ。
(結菜)ここぼっとん便所だよ。
(葵)何か変な感じがする。
(絶叫)
(雅美)私あんたみたいな人間が一番嫌いなんだよね。
(理沙)キャッ。
あなた雅美?僕さとるくん。
今玄関の前にいるよ。
(多恵子)助かります。
(千尋)嫌!
(美咲)私見えるんです。
(美咲)私には人に見えないものが見えちゃうんです。
(夏美)
これは私が体験した出来事です
(社長)先進医療付いてないの?契約する意味ないじゃん。
(夏美)あっ。
あのう。
先進医療を保障する契約もありますので。
(社長)そんな2つも入る余裕なんかないよ。
(夏美)あっ。
いや。
でも…。
(高広)いえ。
社長。
大丈夫です。
特約を付ければ一本化できますし保険料も抑えることができます。
(社長)ホントに大丈夫?まあちょっと考えさせてよ。
生命保険会社に勤める私は4カ月前に東京の本社から田舎の営業支部に異動してきたばかりで慣れない仕事を何とか覚えようと必死でした
(夏美)ハァ…。
(高広)おばあちゃんが言ってましたよ。
「ため息をつくたび幸せが一つ逃げていく」って。
(夏美)ホント今日はごめん。
(高広)大丈夫。
すぐ慣れます。
みんな最初はそうです。
本社とはまったく違う営業の現場でなかなか結果を出すことができませんでした
(高広)おかしいな。
Uターンした方がいいのかな。
(高広)このままで大通り出るはずですから真っすぐ行きましょう。
(夏美)ごめん。
私が標識見落としたんだ。
その帰り道私たちは道を間違えてしまいどんどん山奥へと入っていってしまいました

(高広)ここってS銅山?
(夏美)S銅山?
(高広)もう何十年も前に閉山された銅山のことです。
頭文字を取ってS銅山って呼ばれてるんです。
ここに来ると誰もいないのに足音が聞こえたりカーラジオのスイッチが突然入ったり。
えっ?
(高広)地元じゃ有名な心霊スポットで。
この後自分があのような恐ろしい体験をするとは私にはまだ分かっていませんでした
(高広)ここ初めて来ました。
(高広)ちょっ…。
山辺さん?
車を降りてしまったのは日ごろのプレッシャーから解放されたかったからかもしれません
かつて大いに繁栄ししかし時代の流れによって忘れられてしまった銅山
その光景を見ているうちこの4カ月間意識して考えないようにしていたことが私の中で大きくなっていくのを感じました
(高広)山辺さん。
帰りましょう。
待って。
私は任された仕事で失敗してしまいここへ異動してきたのです
(高広)どうしたんですか?
暗闇の奥から何かが見詰め返している
そんな気がしたのです
行こう。
(高広)えっ。
ちょっと。
山辺さん。

あの坑道に近づいたのは魔が差したからかもしれません
(片桐)このグラフを見てみろ。
マル標必達は当たり前。
来月契約予定のお客さまで今月中に押し込めるものは押し込んで審査が必要なものは本社の審査部を急がせろ!いいか。
2年連続グランプリ取るぞ。
(一同)はい。
みんな口には出しませんが自分が足を引っ張っているのは明らかでした
(片桐)山辺。
例の社長の契約どうなった?
(夏美)それは今返事待ちです。
(片桐)チッ。
待ってないでこっちからアプローチするんだよ。
(片桐)あそこは他社も出入りしてんだからのんびりやったら抜かれるぞ。
(夏美)はい。
(片桐)チッ。
次は俺が行くから。
アポ取って。
(夏美)分かりました。
後で連絡取ってみます。
(片桐)今取れ。
結局営業部長が彼に同行することになりました
(夏美)よろしくお願いします。
(片桐)お前は社訓でも読んどけ。
(初子)営業部長本社に相当詰められてるみたい。
このままだと来年はどうなるか分からないって。
(裕子)今の数字じゃねぇ。
午後から顧客を回ったのですが結局この日も成果を挙げることはできませんでした

(夏美)桑原君。
部長。
車洗ってるけど何かあった?
(高広)さあ?僕は何も。
何かを隠している。
そう感じました
(夏美)おはようございます。
(一同)おはようございます。

(夏美)はい。
ホープ生命保険でございます。
はい。
営業部長が入院したというのです
私は様子を見に病院へ行きました
すると…
(夏美)あっ。
桑原君。
営業部長に会ったの?営業部長は?
(高広)見ない方がいいです。
(夏美)どういうこと?・
(看護師)申し訳ございません。
これから検査ですので面会はご遠慮ください。
すいません。
一目だけでも。
(看護師)あっ。
申し訳ありません。
今度は彼が会社を休みました
私はえたいの知れない不安を感じました
(チャイム)
(ノック)
(夏美)桑原君。

(鍵の開く音)
(夏美)あっ。
桑原君。
大丈夫?
(高広)山辺さん。
(夏美)えっ。
ちょっと大丈夫?大丈夫?
(夏美)桑原君。
いったい何があったの?ちゃんと話して。
(高広)僕のせいなんです。
これ…。
どうしてこれが?
(高広)お見舞いに行った日病室で見つけました。
営業部長はこれを持ち帰ってしまったんです。
(夏美)S銅山に行ったの?営業部長と?
(高広)はい。
まあ…。
(高広)実は山辺さんと道に迷ったときの話をしたんです。
それで行ったら柵が開いていて。
営業部長が坑道の中に入ってしまったんです。
それでこの仮面を。
どうしてもっと早く言ってくれなかったの?信じられないくらい痩せていたんです。
営業部長。
僕が話したりしなければ。
だから何とかしようと思って。
でもこれを持ってるだけでつらくなって。
分かった。
私が返しに行く。
(高広)そんな。
無茶です。
やめてください。
あそこは恐ろしい場所です。
今の僕には分かるんです。
(夏美)じゃあどうするの?私が悪いの。
私が扉を開けてしまったから。
あのときなぜか突然ふと思ったの。
「もう疲れた。
もういいかな」って。
そうしたら急にどうしても坑道の奥をのぞいてみたくなってしまって。

(夏美)大丈夫?・
(音楽)すぐ戻るから。
車から出ちゃ駄目だからね。
いい?
(電子音)
まるで闇が口を開けて待ち受けているかのように思えました

(物音)
(夏美)あっ。

(うめき声)はっ!
(うめき声)あっ。
ああっ。
ああっ。
(夏美)あっ。
ああっ。
あっ。
(うめき声)あっ。
ああっ。
あっ。
あっ!あっ。
桑原君。
車の中にいてって言ったでしょ。
行こう。
桑原君。
ねえ。
ちょっと立って。
ちょっと。
ねえ。
(うめき声)ねえ。
お願い。
しっかりして。
ねえってば。
ねえ。
バカ!山辺さん。
(夏美)行こう。
早く。
早く行くよ。
早く!早く。
(夏美)乗って。

(うめき声)
(セルモーターの音)
(エンジン音)
(うめき声)ちょっと!
(夏美)桑原君。
桑原君?
(高広)山辺さん。
(夏美)よかった。
(高広)ここは?
(夏美)もう大丈夫。
終わったよ。
(高広)ホントですか?よかっ…。
はっ。
(絶叫)
あの黒い女はいったい何だったのでしょうか?
その後彼はすっかり元気になりました
しかしあのときのことは何も覚えていませんでした
(夏美)桑原君がもっともっと頑張ってくれたらね。
(高広)厳しいな。
(夏美)ほら。
チェックするから明日の分の提案書持ってきて。
(高広)はい。
分かりました。
私は少しずつ仕事に慣れ今ではやりがいを感じるようになりました
しかし…
営業部長は相変わらず入院したままでした
(女性)どうもありがとうございます。
今日はいつもより調子がいいみたいなんで。
さあどうぞ。
その姿はまるであのときの女のようでした
(稲垣)ことしもまたこの日がやって来た。
全国から寄せられた恐怖幽便の中からよりすぐりの心霊体験を紹介しましょう。
(一同)はい。
吾郎さん。
お久しぶりです。
(晃佑・くるみ)お久しぶりです。
ちょっと大人になったね。
5回目か?
(晃佑)はい。
頼むよ今回は。
さあ今回はですね…。
(一同)えーっ?諸君。
お静かに。
では恐怖幽便を読んでみよう。
くるみ君。
(くるみ)はい。
吾郎さん。
「私はその日とてもショックを受けていました」
この後身の毛もよだつ心霊現象が次々と
あなたはこの恐怖に耐えられますか?
(里奈)
私はその日とてもショックを受けていました
私はある噂を思い出したのです
それは公衆電話から自分の携帯に電話をして「さとるくん」と3回唱えると知りたいことは何でも教えてくれるというものです

(呼び出し音)
(里奈)さとるくんさとるくんさとるくん。
翔太の部屋から出てきた女性は誰ですか?何やってんだろ。

両親はお盆で田舎に帰省中でした
もしもし。
(翔太)何度も電話したんだぞ。
(里奈)そう。
(翔太)もしかして勘違いしたんじゃない?前に話しただろ?1歳年下の妹がいるって。
えっ。
妹?ホントにホントに妹さんなの?
(翔太)そうだよ。
(里奈)何だ。
私あの女の人は誰だろうと思ってさとるくんに電話しちゃったよ。
(翔太)はっ?さとるくんって誰?
(里奈)ああ。
ごめんごめん。
公衆電話から自分の携帯に電話して質問すると何でも教えてくれるっていう。
(翔太)あっ。
その噂知ってる。
さとるくんが訪ねてきて答え教えてくれるんだろ?
(里奈)えっ。
電話で教えてくれるんじゃないの?
(翔太)違う違う。
電話で質問するとさとるくんがわざわざ答えを言いに来てくれるんだよ。
(里奈)えっ?そうだっけ?
(翔太)そうだよ。
それで訪ねてくる前に電話がかかってくるんだ。
だけど答えが分かってる質問をすると大変なことになるんだよ。
(里奈)えっ?大変なこと?
(翔太)わざわざ教えに来たさとるくんが怒っちゃうんだってさ。
(里奈)フッ。
嘘だ。
あっ。
ごめん。
ちょっと。
かけ直す。
ああー。
僕さとるくん。
今名古屋にいるよ。
(通話の切れる音)
(里奈)もう翔太。
僕さとるくん。
今駅にいるよ。
えっ?駅に?
(アナウンス)このメッセージを消去…。
もしもし翔太…。
(アナウンス)おかけになった電話をお呼び出しいたしましたがおつなぎできませんでした。
翔太でしょ?変ないたずらやめてよ。
僕さとるくん。
今酒屋さんの前にいるよ。
(通話の切れる音)僕さとるくん。
今玄関の前にいるよ。

(里奈)誰かいますか?いるわけないよね。
僕さとるくん。
今…。
(通話の切れる音)
(不通音)おおっ!怖い。
ぞくっとした。
ちょっともう…。
でも何かさ色々聞いたこと教えてくれてたじゃん。
ああいうふうにさ…。
ああ。
(子供)聞いてみたいね。
では恐怖幽便を読んでみよう。
瑠君。
(瑠)はい。
吾郎さん。
「これは僕が数年前に体験した話です」
(健太)
これは僕が数年前に体験した話です

(柳原)分かる。
分かるよ。
お前の言いたいことは分かるよ。
しかしね部長の意向なんだよ。
こう何だ…。
ピンチをチャンスに変えるっていうかな。
(健太)ですが何というか…。
もう少し時間がないとわれわれにも限界がありますし無理が生じてくるのではないかと。
(柳原)まあでもしかしねぇ。
(健太)何とか副部長からお話ししていただけませんか?
(柳原)うーん。
三沢。
俺の立場のことも考えてくれよ。
そういう角の立つようなことできないってことぐらい分かるだろ?
(健太)ですがこのままだと彼らの努力が台無しになってしまうんですよ。
(柳原)まあまあ。
なっ?うまくやってくれよ。
(健太)ちょっと。
副部長。
(柳原)うん?ちょっとちょっと。
チッ。
まったくもう。
課長としていい顔したいのは分かるけどヒーロー気取りでいるとお前が損するぞ。
別にそういうつもりじゃ。
当時僕は課長に昇進したばかりでしたが自分の無力を痛感する日々を送っていました

(美咲)ありがとうございます。
(健太)うっ。
な…何だ?えーっと。
(美咲)あ…あの。
先ほどは私たちのためにありがとうございました。
(健太)えっ?私ももっともっと頑張ります。
えっ。
ちょっちょっ。
彼女の名前は熊谷美咲
最近うちの部署に派遣社員としてやって来ました
真面目ですがちょっと暗く人を寄せ付けない雰囲気がありました
その日からだったのかその前からだったのか分かりませんが気付くといつも僕のそばにいるんです
(健太)絶対嘘。
嘘だよ。
どこ行くの?いいよ。
行かないでよ。
(男性)ちょっとトイレです。
うわ。
やはり僕のそばにいるんです
正直少し怖いと思いました
(健太)ああ。
それは大変失礼いたしました。
それでは私があした伺いまして説明させていただきます。
はい。
すみません。
ああ。
もう勘弁してくれよ。
ハァー。

(キーボードを打つ音)
(美咲)お疲れさまです。
(健太)あっ。
残業?
(美咲)はい。
あしたの会議資料今日中にまとめようと思いまして。
そうか。
お疲れさま。
(美咲)課長こそお疲れさまです。
ああ。
うん。
ハハッ。
飯でも食いに行くか?えっ?おい。
どうした?おい。
(美咲)あっ。
いえ。
何でもないです。
(健太)ああ。
そう。
(千尋)来ないで。
(雅美)あんたみたいな人間が一番嫌いなんだよね。
(理沙)キャッ。
(結菜)ここぼっとん便所だよ。
(絶叫)
(行雄)そんなに遠くまでホントにいいんですか?
(絶叫)
(健太)じゃあ乾杯。
(美咲)お疲れさまです。
(健太)はい。
お疲れさま。
ああー。
おっ。
(美咲)ああー。
(健太)何か意外だね。
飲まなそうなのに。
わりと好きな方です。
(健太)そうか。
じゃあもう1杯。
ほい。
(美咲)えっ?あっ。
すいません。
暗くて地味な子だと思っていましたがこうして接してみると意外に気さくで驚きました
(キャスター)続きまして。
昨日滋賀県守山市の住宅街で発生した連続通り魔事件で一夜明けた今日事件現場周辺の小中学校では集団登下校や保護者が送迎をするなど近隣住民からは不安の声が上がっています。
(従業員)お待たせしました。
(健太)ありがとうございます。
(男性)こんな静かな町で殺人事件が起きるなんて怖いです。
この辺も都会みたいに…。
あーっ!
(健太)な…何?こいつです。
(健太)えっ?こいつ。
こいつです。
(健太)どうした?あの男なんです。
(健太)何言ってんだよ?お前。
(美咲)この事件の犯人あの男なんです。
おい。
熊谷。
大丈夫か?お前。
これ。
何これ?
(美咲)あいつが犯人であることの証拠です。
(美咲)笑わないでください。
あの男がこんな感じになってるのが見えたんです。
(健太)大丈夫か?ちょっと酔っぱらったか?
(美咲)酔っぱらってなんかいません。
父親譲りで私お酒はとても強いんです。
(美咲)私見えるんです。
(健太)えっ?
(美咲)私には人に見えないものが見えちゃうんです。
よし。
そろそろ行こうか。
すいません。
ちょっとお会計お願いします。
(美咲)私またやっちゃった。
私またやっちゃった。
私またやっちゃった。
ああ。
私またやっちゃった。
私またやっちゃった。
(健太)よいしょ。
あっ。
これ。
彼女はこの書き込みを見たんだ
そう思うと少し安心しました
(健太)おはよう。
うわーっ!おっ。
熊谷。
(美咲)昨夜はすいませんでした。
ホントにすいませんでした。
いや。
大丈夫だよ。
うん。
おっと。
(美咲)お願いします課長。
どうか私の話を聞いてください。
(健太)うん。
まあここ男子トイレだからさ。
うん。
まあちょっ外。
外だよ。
お前。
まずいだろお前。
入ってきたらここ。
(健太)あのさ。
あれはさネットの書き込みを見たんだよね?
(美咲)違います。
私ホントに見えるんです。
分かっちゃうんです。
(健太)分かった。
落ち着いて。
落ち着けよ。
うん。
(美咲)でもこの話をすると嫌われたり避けられたりするので言わないようにしていたんです。
でも昨夜はつい気が緩んでしまって。
うん。
お願いします。
だからどうか嫌いにならないでください。
嫌うも何もいきなり能力だ何だと言われても正直戸惑うだけでした
(健太)熱つつつ。
(キャスター)ここで速報です。
滋賀県警は先ほど昨日12日に滋賀県守山市の住宅街で発生した連続通り魔事件で容疑者の男の身柄を拘束したと発表しました。
殺人殺人未遂の疑いで逮捕されたのは近所に住む無職の松本隆則容疑者28歳で逃走中にもフジクラアケミさん27歳を含む4名に対しても切りつけ重軽傷を負わせた疑いが持たれています。
松本容疑者は逮捕前われわれ取材班のインタビューに答えていました。
(松本)うーん。
いなかったと思いますね。
ご近所付き合いも盛んだし…。
もしもし。
(美咲)三沢課長。
テレビつけてください。
あの事件のニュースです。
うん。
今見てる。
(美咲)どうですか?あの絵と同じだったでしょ?うーん。
いや。
あの絵かどうかは。
(美咲)それは私の画力の問題で。
同じでしょって言われてもねぇ。
(美咲)お願いです。
信じてください。
ホントに見えるんです私。
信じるも何もそのときの僕は面倒な部下に慕われてしまったという気持ちの方が大きかったのです
うーん。

(健太)うん?何だこれは?どうすればいいんだこれは?俺はがつんと言えばいいのか?うん。
がつんと言ってやろう。
うん。
がつんと言ってやろう。
暑いですね。
えっ?
(柳原)あの企画続行するのが厳しくなった。
(健太)そんな。
部長には何も言っていただけなかったんですか?
(柳原)いやいや。
そんなこと言えるわけないだろう。
(健太)そんな。
あいつらに何て伝えればいいんですか?そりゃあまあうまいこと言ってくれよ。
あんな苦労したあいつらの気持ちを思うと…。
副部長。
一緒に掛け合ってもらえませんか?いや。
「あいつらあいつら」ってヒーロー気取りもいいかげんにしろよ。
(健太)はっ?
(柳原)いやいや。
まあお前も課長になったばかりであれだけど肩肘張らずにいこう。
なっ?
課長になんてなるんじゃなかった
そう思いました

(美咲)課長。
お願いです。
少しだけでいいので話を聞いてください。
(健太)ごめん熊谷。
今日俺もう帰りたいんだ。
分かりました。
(美咲)じゃあもう少しだけ。
(健太)あっ。
おい。
(美咲)もう少しだけ付き合ってください。
(健太)やめろ。
お前力強いな。
(美咲)もう少しだけ。
(美咲)私小さいころから殺人事件があったりすると…。
(健太)お前どこまで引っ張る…。
(美咲)被害者の思いがイメージになって伝わってきて犯人が分かっちゃったりするんです。
(健太)何を言ってんだ?お前さあ。
(美咲)あそこです。
(健太)何?
(美咲)あそこで兵隊が行進しているんです。
(健太)はっ?
(美咲)ほら。
こうやって。
奇麗に揃ってこんなふうに。
(美咲)だから私あまりここを通らないようにしてるんですけど。
(美咲)見えませんか?
(健太)うん。
まったく。
(美咲)ハァー。
私といると結構見える人多いんですけど。
課長はホントに能力がないんですね。
それって無能ってことか?
(美咲)あっ。
いえ。
そういう意味では…。
いや。
そうだよな。
俺は無能だよな。
ハハハ。
(美咲)いや…。
(健太)無能無能無能。
腹減らないか?よし。
おごってやるよ。
飯行こう。
来い。
おごってやる。
(美咲)えっ?えっ?あのう。
(キャスター)遺体に複数の刃物による刺し傷があることから殺人事件と断定して捜査を始めました。
遺体が発見されたのは国立市の雑木林で近隣住民からの「そこら中に血が飛び散っている」との通報を受けた警察が捜索したところあお向けで倒れている女性の遺体を発見しました。
課長。
私この犯人当ててみせます。
あのさ。
もうそういうのいいからさ。
食べろよ。
(美咲)これです。
(健太)何これ?
(美咲)分かりません。
けどこれが頭に浮かんだから。
あのさ。
聞いていい?
(美咲)はい。
もし見えるならどうしてすぐに警察に知らせないの?それは…。
(美咲)小学校6年生のとき…。
近所で連続放火事件があったんです。
それでその様子を見ていたら突然頭の中に犯人の顔と次に火を付ける家が浮かんだんです。
私は急いで警察に電話をしました。
そして次の日犯人は火を付けようとしたところを現行犯で逮捕されました。
ホントに?
(美咲)はい。
でも警察は私も放火に関与してるんじゃないかって疑ったんです。
それから周りの人たちに変な目で見られるようになって。
それ以来自分の能力を隠して生きてきました。
見えたって何かできるわけじゃないし結局私の能力なんて何の役にも立たないですし。
彼女の言うことが本当ならとてもつらいだろうと思いました
だけどどうしても信じてあげられないし何もしてあげられません
それに僕は…
無能だからな。
(キャスター)事件が起きたのは東京都立川市にある空き家で本日未明女性の悲鳴を聞いた住民が警察に通報し警察が空き家を調べたところ女性の遺体が発見されました。
この空き家の持ち主の話によりますと15年ほど前から誰も住んでおらず年内に取り壊して駐車場にする予定だったとのことです。
悲鳴を聞き付けた住民数名が空き家から猛スピードで走り去るワゴン車を目撃していることから昨日国立市で発生した殺人事件と同一犯の可能性が高いとして捜査を進めています。

(美咲)課長。
(美咲)信じてくれるんですか?
(健太)うん。
まあ。
(美咲)うれしいです。
あっ。
あのう。
昨日のニュースでこの女の顔が見えたんです。
(健太)えっ?
(美咲)今度は丁寧に描きました。
(健太)この女が犯人?
(美咲)描いてもしかたがないと思ったんですがやっぱりどうしても気になって。
課長?
(健太)熊谷。
(美咲)はい。
(健太)行こうか。
警察。
次の被害者が出る前に知らせないと。
(健太)どうして?
(美咲)いいんです。
私は課長が信じてくれればそれだけで十分ですから。
(健太)あっ。
やめろよお前!
(美咲)警察に伝えたってまた嫌な思いをするだけです。
だからもういいんです。
(健太)よくないだろ!また被害者が出るかもしれないんだぞ。
(美咲)次の被害者は誘拐されるけど隙を見て逃げ出すんです。
それで自分で警察に通報します。
だから大丈夫なんです。
(健太)そういうことじゃないだろ。
(美咲)警察に任せておけばいいんです。
(美咲)えっ?ちょっちょっ。
課長。
(健太)ヒーローになれるなんて思ってない。
(美咲)えっ?痛っ。
課長。
(健太)大丈夫。
今度は俺もいるから。
行こう!
(キャスター)速報です。
今月14日から東京国立市周辺で発生していた連続殺人事件の容疑者が…。
(従業員)いらっしゃいませ。
(キャスター)先ほど立川市の路上で身柄を拘束されました。
逮捕監禁および殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは国立市に住む無職内間小夜子容疑者です。
警視庁によりますと今日午後4時ごろ立川市の路上で帰宅途中の女性を刃物で脅し…。
2人で警察へ行き事情を説明してきたのですが…
彼女のつらさが身に染みて分かりました
(キャスター)今日午前9時ごろ区内の70代の女性に銀行職員と名乗る男から電話があり振り込め詐欺の犯人を…。
あーっ!
(健太)うん?
(美咲)紙とペン。
紙とペン…。
(健太)えっ?
(美咲)紙とペン。
(健太)あっ。
はいはい。
(美咲)紙とペン貸してください。
紙とペン。
紙とペン…。
(健太)はいはい。
はい。
僕はもうしばらく彼女の能力に付き合わされそうです
では続いての恐怖幽便を読んでみよう。
玲菜君。
(玲菜)はい。
吾郎さん。
「これは学生のころ体験した話です」
(結菜)ねえ?もう早く。
(葵)もう分かったよ。
(葵)
これは学生のころ体験した話です
(結菜)ねえ?絶対ここで待っててよ。
(葵)はいはい。
さっさと済ませてよ。
(結菜)うん。
その日は仲間とキャンプを楽しんでいたのですがその中の一人からトイレに付き合ってほしいと頼まれたのです

(結菜)うわっ!
(葵)結菜?どうしたの?
(結菜)ちょっと見てよ。
ここぼっとん便所だよ。
(葵)うわっ。
(結菜)もう信じらんないだけど。
穴が開いてるだけとかさ。
(葵)うん。
じゃあしないの?もう頑張って。
(結菜)ああ。
(葵)じゃあ外で待ってるからね。

(結菜)えっ?じゃあ入り口んところにいてよ。
(葵)はいはい。

(結菜)絶対だよ。

(笑い声)・
(話し声)・
(結菜)葵。
ひどい。
もう。
ねえ?入り口のところにいてって言ったじゃん。
(葵)あんたが遅いからだよ。
(結菜)だってあんなトイレ初めてだったんだもん。
(葵)いいから行こう。
何か変な感じがする。
(結菜)何か変って?
(葵)もういいから。
あれ?ポーチは?
(結菜)あっ。

(結菜)お願い。
いや。
もう。
私もうホント無理なの。
お願いお願いお願いお願い。
お願いします。
(結菜)頑張って。
気を付けて。
(葵)うるさい。

(結菜)あった?
(葵)うん。

(物音)
(葵)えっ?葵?・ああー!
(結菜)嫌っ!
(絶叫)
昔ここである事件があったそうです
それがこの体験と関係があるのか私には分かりません
(子供たち)もう怖い。
キャー。
大丈夫?ちょっと。
あっ。
泣いちゃった。
ちょっと助けてあげなきゃ。
ほら。
怖かった?
(結南)目とかが怖かったです。
みんな怖がってちゃ駄目だ。
弱い心を吹き飛ばすあのおまじないいくぞ。
(子供たち)はい。
吾郎さん。
(鈴の音)おーし。
(理沙)
これは数年前の出来事です
入社4年目の私は初めて大きなプロジェクトのチーフを任されることになりました
(真由香)役員プレゼン問題なくクリアできてよかったですね。
(理沙)ありがとう。
はい。
(真由香)はい。
ところでチーフ。
(理沙)うん?
(真由香)今夜よかったら開発部のみんなでお祝いさせてもらえませんか?
(理沙)ああ。
ごめん。
今夜はちょっと。
(真由香)まさかデートですか?
(理沙)違う違う。
富田部長と一緒に慶和広告社と会食。
(真由香)ああ。
じゃあ吉岡さんも?
(理沙)うん。
来るんじゃないかな。
向こうの担当だし。
(真由香)いいなぁ。
プリンスと一緒に仕事ができて。
(理沙)プリンス?
(真由香)うちの女子の中で一番人気なんですよ吉岡さん。
(理沙)へえー。
そうなんだ。
(真由香)またとぼけて。
最近噂になってますよ。
吉岡さんと滝本チーフ。
(理沙)何言ってんの?んなわけないでしょ。
(真由香)またまたチーフってば。
(理沙)もう何?それ。
っていうかそのチーフっていうのやめてくれない?
(落下音)
(真由香・理沙)キャッ!
(理沙)あっ。
痛っ。
(真由香)やだ。
救急箱。
(理沙)あっ。
大丈夫大丈夫。
大したことないから。
(真由香)どうかしました?
(理沙)ううん。
何でもない。
(雅美)無駄話してないで早くしてくれない?この後私たち使うんだけど。
(真由香)あっ。
すいません。
(理沙)ごめんね。
雅美。
(雅美)滝本さん。
新商品のプロジェクト頑張ってね。
ああ。
彼女の名前は中川雅美
私とは大学時代からの友人で少し前までは同じ部署で働いていたのです
(吉岡)新商品若い女性に人気出ると思いますよ。
(理沙)ありがとうございます。
(吉岡)それからこの間のプランをこんなふうに直してみたんです。
(理沙)はい。
(吉岡)ターゲットを10代から20代の女性に変更しました。
(理沙)ああ。
いいですね。
(吉岡)ええ。
まああと他にテレビスポット電車車両ジャック。
他業種の企業とタイアップ。
まあ後は有名タレントへのブログの掲載をお願いしようかなと。

私と雅美は以前はとても仲が良かったのです
そしてその夜のことです

意識はあるのに体が動かないのです
声も出ません
これが金縛りだと思いました
そのとき何かに腕をつかまれている感覚があったのです

慣れない仕事で疲れたのだと思いました
(雅美)滝本さん。
(理沙)あっ。
雅美。
(雅美)他社の新商品のデータ確認してもらえました?さっき社内メールで送ったんですけど。
えっ?あっ。
ごめん。
すぐ見る。
(雅美)ねえ?うちの部署の協力がないと新商品のプロジェクトうまくいかないと思うけど?あっ。
ごめんなさい。
(真由香)嫉妬ですよ嫉妬。
中川さんって滝本さんには絶対嫉妬してますよ。
まあ仕事だけじゃないと思うんですけどね。
(理沙)うん?
(真由香)吉岡さんですよ吉岡さん。
中川さん少し前まで吉岡さんにめちゃくちゃモーションかけてたんですよ。
もう「うざっ」ってくらいに。
まあどうせ相手にされなかったんだと思うんですけどね。
(理沙)はい。
雅美が吉岡さんのことを意識していたのは気付いていました
また金縛りです
(理沙)はっ!?はっ!?ハァ。
あっ。
雅美?
(真由香)大丈夫ですか?疲れてますね。
(理沙)ああ。
(真由香)いやー。
私も昨日飲み過ぎちゃって。
うーん。
(理沙)あのさ。
金縛りってあったこと…。
(メールの着信音)
(真由香)すいません。
あっ。
打ち合わせ。
すいません。
いってきます。
(吉岡)えっと。
デザインなんですけど。
えー。
全体的にシンプルにしました。
テーマが恋する女子高生ということで。
雅美とちゃんと話をしなければならない
そう思いました
(雅美)何?
(理沙)あのさ。
えっと。
(雅美)私まだ仕事残ってるから。
(理沙)私吉岡さんとは何もないから。
(雅美)はっ?
(理沙)雅美が私が吉岡さんと付き合ってるとか思ってたら嫌だなって。
あっ。
違うの。
私の勘違いだったら全然いいんだけど。
そういう噂があるって周りから聞いたから。
(雅美)フッ。
何?私があんたに嫉妬してるって言いたいわけ?
(理沙)もう違うよ。
ちょっと雅美。
雅美。
ねえ?お願いだから聞いて。
(雅美)雅美雅美って気安く呼ばないでよ。
私は負けてあんたが勝った。
ただそれだけでしょ?えっ?
(雅美)今回のプロジェクトだって私が出したアイデアそのまんま使っただけじゃない。
(理沙)えっ?いや。
確かに雅美には相談したけど。
あんたってさ学生んときからそう。
いいところは全部自分で持ってってさ。
悪いけど私あんたみたいな人間が一番嫌いなんだよね。
そんな。
バカみたい。
(雅美)《雅美雅美って気安く呼ばないでよ》《私は負けてあんたが勝った。
ただそれだけでしょ?》《私が出したアイデアそのまんま使っただけじゃない》《悪いけどあんたみたいな人間が一番嫌いなんだよね》《バカみたい》
(理沙)ああ。
はっ!?何?何なの?雅美?雅美なんでしょ?何なの?もう十分でしょ。
雅美。
やめて。
やめて。
えっ?あなた誰?・ちょうだい。
(理沙)えっ?・右腕。
・ちょうだい。
右腕ちょうだい。
嫌っ。
・誰でもいいの。
誰でもいいの。
(理沙)来ないで。
・ちょうだい。
右腕ちょうだい。

あの女は雅美ではありませんでした
ただ私は恐怖のあまりつい言ってしまったのです

(社員)大変だ!中川が階段から。
(理沙)えっ!?
(雅美)あっ。
ううー。
うっ。
(隊員)はい。
通ります。
(理沙)雅美!?雅美。
雅美。
雅美。
雅美。
(雅美)うっ。

(真由香)大丈夫ですか?
(理沙)どうしよう?
(真由香)滝本さん?
(理沙)どうしよう?
(真由香)どうしましたか?
(理沙)どうしよう?ああ。
どうしよう?
(真由香)大丈夫ですか?
(理沙)どうしよう?
(真由香)滝本さん?
私は全てを話しました
(真由香)あの。
(真由香)このビルに変な噂があるのを知ってますか?
(理沙)変な噂?
(真由香)かなり昔の話らしいんですけど。
ある女性社員が事件に巻き込まれて。
損傷が激しかったらしくて。
その。
右腕だけが見つからなかったって。
そんな。
(真由香)その霊が右腕を捜していまだにさまよってるらしいって。
・《誰でもいいの。
右腕ちょうだい》
(理沙)《あげる。
雅美の右腕あげる》やっぱり私のせいだ。
(真由香)滝本さん。
私が雅美の名前をつい言ってしまったから。
だから。
(真由香)滝本さんのせいじゃないですよ。
(真由香)誰にでもそういう気持ちになるときはありますから。
滝本さんだけじゃありません。
(真由香)それに中川さん大したケガじゃなかったみたいだし。
ただの偶然ですから。
(真由香)命に別条なかったんですよ?
(真由香)しっかりしてください。

あの女性の霊はいったい何だったのでしょうか?
それはいまだに分かりません
ただあの霊がきっかけとなりもう一度雅美としっかり向き合ってみよう
そう思ったのです
(ノック)怖っ。
(子供)怖かった。
どういうことなんだろうね?もしさ腕をちょうだいとか霊に言われたら。
そんなどうする?嫌でしょ?
(北斗)僕だったらいつか返してくれるんだったらいいよって言うよ。
(子供たち)えー!
(行雄)そんなに遠くまでホントにいいんですか?
この後最も不気味な心霊体験が
(絶叫)
(千尋)嫌!
(行雄)
これはタクシードライバーの私が体験した話です
そのときの私はこの仕事に就いてまだ日が浅いころでした

(電子音)
(従業員)今日も安全運転でいってらっしゃい。
(行雄)いってきます。

(行雄)ウツミさんですか?
(ウツミ)はい。
よろしくお願いします。
(行雄)こちらの方運んでおきますんで。
(ウツミ)お願いします。
(行雄)お乗りください。
(ウツミ)すいません。
(行雄)頭お気を付けください。
(ウツミ)はい。

昔母がくれたお守りです
私は家族を支えるために必死に働きました
ですがその日はお客さまが少なくノルマに届きそうもなかったのです
そんなときでした
えっ?そんなに遠くまでホントにいいんですか?かしこまりました。
ああ。
ただ私この仕事に就いてまだ日が浅いもんで住所カーナビに入れちゃいますね。
ちょっとお待ちください。
お見舞いですか?あっ。
もしかして看護師さん?こんな時間までお仕事大変ですね。
私も夜勤明けは休みなんですけど結局寝て起きたら夕方でいつもかみさんに文句言われてます。
うちの娘もお客さんと同じぐらいの年ごろで…。
あっ。
すいませんでした。
きっと疲れていて話し掛けられたくないのだと思いました
ルートガイドを…。
間もなく左方向です。
ホントにこっちの道でいいんですか?カーナビだと左の方になってますけど。
左方向です。
本当にこの道で正しいのだろうか?
私は次第に不安になってきました
お客さま。
何度もすいません。
ホントにこの道で大丈夫ですよね?
私はますます不安になってきました
ですが…
その不安は道が間違っているということではなくもしかしたらこの女性は…

どうやら近道だったようです
間もなく左方向です。
目的地です。
お客さま。
着きましたよ。
お客さま。
お客さま?
眠ってしまったのだと思いました
参ったな。
(チャイム)・
(浩介)はい。
(行雄)夜分遅くに大変申し訳ございません。
東京の病院から娘さんにご乗車いただいたんですが眠ってしまったようで。
(浩介)そうですか。
(里美)娘は車に?
(行雄)はい。
(浩介)母さん。
(浩介)あのう。
(行雄)はい。
(浩介)これで足りますか?
(行雄)あっ。
ありがとうございます。
今お釣りお持ちします。
(浩介)ああ。
(行雄)あれ?あのう。
娘さんは?
(浩介)いつもこうなんですよ。
皆さん病院から娘を乗せてここまで連れてきたと言ってくださる。
(行雄)「ここまで連れてきたと言ってくださる」?
(行雄)いや。
(行雄)いや。
そんなバカな。
いや。
だってここに座ってたんですよ。
東京からずっとここに…。
(浩介)ありがとう。
(行雄)いや。
「ありがとう」とかじゃなくて。
ホントに。
確かにここにいたんですって。
(浩介)仁美といいます。
一人娘でした。
1年前にあの病院で。
どうやら娘はあなたのような優しい方に頼ってしまうようです。
本当にご迷惑をお掛けしました。
いえ。
タクシーは色々な人を乗せますから。
それに親を思う気持ちは私にも分かります。
亡くなった母がくれたんです。
じゃあ。

彼女はきっと両親に会いたかったのでしょう
私が乗せたのは彼女の思いでした
不思議と怖いと感じることはなくどこか温かい気持ちになりました
ああ。
墓参り行っておふくろに会わないとな。
私が会わせてあげる。
(絶叫)だってさいい話だったよね?途中まで。
(子供)すごいいい話。
何でさ最後…。
ではこよい最後の恐怖幽便を読んでみよう。
くるみ君。
(くるみ)はい。
吾郎さん。
「今日は私の話を聞いてください」
(千尋)
今日は私の話を聞いてください

(井本)いやぁ。
来てくれてよかった。
人手不足なのよ。
金属部品メーカーで働く私は配置換えによって今日からこの工場で働くことになりました
(井本)よいしょ。
痛たた。
ところがこの工場は…

昔から私は見えなくてもいいものが見えてしまうのです
(井本)今日からここで働いてもらうことになった森川さん。
森川さん?
(千尋)えっ?あっ。
(千尋)森川です。
よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
どうやらこの工場は霊がたまりやすい場所のようで…
幸いにもここにいる霊たちはただいるだけでした
しかし…
(井本)長島さん。
(多恵子)はい。
(井本)今日から入った森川さん。
森川です。
よろしくお願いします。
(多恵子)長島です。
てんてこ舞いだったから助かります。
(千尋)はっ!?
この男の霊は明らかに他の霊とは違う何かを感じました
どうかした?何でもないです。
すいません。
男はこの長島多恵子さんという女性に取りついているように思えました
そして数日後
大丈夫ですか?疲れてるように見えますけど。
大丈夫大丈夫。
さあ頑張ろう。
明らかに霊の影響だと思いました

男のことを伝えようかと迷いましたがきっと信じてもらえないでしょう
ところが…
今度は私のところにも現れるようになり…
(墨田)大丈夫?
(千尋)あっ。
すいません。
何?嫌。
嫌。
あっ!?やめて。
(千尋)やめて。
来ないで。
やめて。
来ないで。
来ないで。
ああ!?・
(多恵子)森川さん?
(多恵子)どうかした?
(千尋)いえ。
何も。
(吉岡)お疲れさまです。
(墨田)お疲れさまです。
(吉岡)何が?
(墨田)別れちゃったんだって。
(吉岡)えっ?夏なのに。
ちょっとスクープ。
あれ?森川さん。
顔色悪いですよ。
(千尋)あっ。
いえ。
大丈夫です。
(墨田)顔色といえば長島さん大丈夫なのかな?
(吉岡)そうですよね。
あんなに働きづめじゃ体壊しちゃうと思うんですけど。
少し休めばいいのに。
(墨田)やっぱり長島さんあんなことあったから。
(千尋)あんなこと?
(多恵子)あら。
お疲れさま。
(千尋)お疲れさまです。
(千尋)あのう。
多恵子さん。
あのですね。
例えばなんですが誰かがそばにいるようなそんな気配を感じたことありませんか?別に感じないわよ。
(千尋)ああ。
そうですか。
森川さん。
さっきから変よ。
ああすいません。
(多恵子)じゃあお疲れさま。
(千尋)あっ。
でもやっぱりちょっと待ってください。
あのう。
信じてもらえないかもしれませんが実は多恵子さんのそばに息子さんがいるんです。
何言ってるの。
(千尋)いや。
そう言われるの当然だと思います。
でもホントにいつもそばにいて何かを伝えたそうにしているんです。
多恵子さん。
二度とそういう冗談やめて。
(千尋)多恵子さん。
やっぱり話を聞いてください。
(多恵子)いいかげんに…。
(千尋)多恵子さん!?えっ?多恵子さん?多恵子さん!
私は多恵子さんを自宅へと送りました

(鈴の音)・
(多恵子)透っていうの。
女手一つで育てた息子でねホントに私にとっては生きがいだったの。
あの日もいつもどおり元気に出掛けていって。
それなのに…。
(千尋)多恵子さん。
多恵子さん。
透さんが持っているこの黒いかばんまだありますか?
(多恵子)かばん?透さんにとってこの黒いかばん大事なものなんじゃないですか?
(多恵子)就職祝いに私が買ってあげたかばん。
透すごく喜んでくれて。
(千尋)そうだったんですか。
だからこのかばん見てるともうつらくて…。
あのう。
多恵子さん。
これ開けてみてもいいですか?
(多恵子)ええ。
(千尋)多恵子さん。
これ。
そういえばあの子初任給入ったら何かプレゼントするって。

(多恵子)「母さんへ」
(透)「直接伝えるのは恥ずかしいから手紙にしました」
(透)「社会人になり毎日働くという当たり前のことがこんなにも大変で責任があることなのだと初めて分かりました」
(透)「母さんはその当たり前で大変なことをしながら僕を育ててくれたのですね」
(透)「それがどれだけすごいことか今とても実感しています」「母さん。
これからもずっと元気で長生きしてください。
透」
(墨田)ああー飯だ。
多恵子さんはすっかり回復し職場に復帰しました
(千尋)いい写真。
何が一番怖かった?
(一同)トイレ。
トイレの。
あとタクシーのやつ最後怖かったね。
(くるみ)ああ。
タクシーの最後が怖い。
(玲菜)全然怖くないって言っといて。
何何?もう1回言って。
(玲菜)草さんに全然怖くないよって。
草君に?よし。
あのおまじないいこう。
おまじない。
(一同)はい。
吾郎さん。
イワコデジマイワコデジマほん怖五字切り!皆!
(晃佑)祷!
(瑠)怖!
(玲菜)憮!弱気退散!
(一同)喝!
あなたからの恐怖幽便お待ちしてます
(渚)
憧れのカス高に転校してきた熱血ヤンキー稲葉尚弥。
ところが転校早々カス高が廃校に?
2014/08/16(土) 21:00〜23:10
関西テレビ1
土曜プレミアム・ほんとにあった怖い話15周年スペシャル[字]

15周年記念実録心霊ドラマ7本!▽怪奇!悪霊タクシー▽工場に霊の大群▽犯人見える女▽ボットン便所の呪い▽廃銅山のたたり▽止まぬ心霊着信▽腕をちょうだい

詳細情報
番組内容
『犯人は誰だ』
課長に昇進した三沢健太(草