0趣味Do楽 はじめての四国遍路旅 第2回「“遍路ころがし”を歩く」 2014.08.16

(テーマ音楽)四国霊場八十八か所。
弘法大師空海が霊場を開いて今年で1,200年を迎えると言われています。
遍路の礎を築いた空海。
後の弘法大師です。
「空海の足跡を歩いてみたい」。
今多くの人々が四国の地を訪れています。
1,400kmに及ぶ巡拝の道を巡ります。
こんにちは。
益子直美です。
こんにちは。
信田美帆です。
さあ今回も徳島で「八十八か所」巡りましょう。
いい景色だね〜!そうですよね〜。
この後ろに流れてるのは吉野川。
私初めて見ます。
もう水がエメラルドグリーンできれい。
ほんとはちょっと水浴びしたいくらいだね。
今日いい天気ですもんね。
実はね美帆ちゃん今日のお遍路道はちょっと大変そうなの。
山道で結構キツそうで2人だけだと不安だから今日は案内役の方にお願いしてます。
お願いします!どうもはじめまして。
(益子信田)はじめまして。
私が今日案内役でお二人をサポートする石川です。
石川さんは参拝の作法札所やその土地のいわれに詳しい先達といわれる方。
四国八十八ヶ所霊場会から認定を受けお遍路の案内をしています。
今日はこれから徳島の三大難所の一つに数えられる「遍路ころがし」っていう道を歩くんですよ。
「遍路ころがし」?ころがし?はいそうです。
一体どんな道なんですか?「百聞は一見にしかず」ですのでとりあえず頑張って行きましょう。
はい!不安。
はい。
え〜!ころがし〜?「はじめての四国遍路旅」第2回は難所と言われる「遍路ころがし」に挑戦します。
吉野川をスタートし目的地の第12番札所焼山寺までおよそ18kmを一日かけて歩きます。
いや〜のどかですね〜。
見渡すかぎり田んぼですね。
うん。
あ〜!あっそうだ。
そうですねはい。
その「阿波」の語源となったのがここら一帯で作られてた「粟」だと言われてるんですよ。
その土地を知ると歩き遍路もまた楽しくなります。
あの向かいに見える山が四国山地っていうんですけどもその麓に11番の藤井寺があるんですよ。
山の麓。
そうです。
じゃあ手前ですね山の。
うん…でも結構ありますよ。
(笑い声)遠いよ。
確かに遠いですね。
ちょっと狭い一本道ですね。
道というよりここもう橋ですからね。
橋!?あっ川が。
あっ出てきた!ほんとだ橋だ。
ねえ橋でしたね。
でもちょっと危なくないですか?この川が吉野川といって洪水の度にこの橋とかが壊されてしまうので欄干のない橋を造って川の中に沈めちゃおうという事でこの潜水橋ってものが造られたんですよ。
潜水橋!吉野川は日本三大暴れ川の一つ。
潜水橋は暴れ川の激流に耐えるため手すりを付けずあえて水中に沈むような構造になっています。
着いた〜。
いや結構大変だったね。
意外にありましたね。
うん。
吉野川からおよそ1時間半。
第11番札所藤井寺に到着です。
あ〜山門くぐったらひんやり。
風が気持ちいい。
そうですね。
それとこちらの藤棚なんですけどもこの藤はお大師様がお手植えされたという藤です。
藤井寺の名前の由来になった藤の木。
初夏かれんな花で覆われます。
88のお寺には庭にもそれぞれの魅力があります。
四国遍路の礎を築いた弘法大師空海。
空海はこの地で17日間修行し寺に藤の木を植えたと伝えられています。
それでは次の札所まで行きましょう。
はい。
ここからですか?そうですね。
ここからなんです。
え〜!?ハハハ…。
ここがちょうど「遍路ころがし」の登り口ですね。
あ〜…。
ここから遍路道は四国山地に入っていきます。
ここからちょうど山を3つ越えるようになるんですよ。
それを登ったり下りたり登ったり下りたりしますから結構キツイんですけども途中に休憩所もあるしねゆっくり登っていきますから。
次の焼山寺は3つ目の頂。
およそ13km6時間ほどの険しいルートです。
(益子信田)お待たせしました〜。
どうでしょうか?いいじゃないですか。
山ガール風に変身してまいりました。
やっぱりその方が通気性もいいし汗も吸収してくれるし速乾性もあるので…歩きやすいと思いますよ。
ちょっと身軽になりましたね。
最近ではこのような山ガールスタイルで遍路を楽しむ女性も増えています。
これから登るんですけどねその前に一番大切な事があるんですけどもやっぱり地図ですね。
地図で道をしっかり確認しとかないとなかなかこう…想像がつかないと思うんですよ。
山を登る前に必ずルートを確認しましょう。
地図は必要なページだけ用意して荷物を軽くする事が大切です。
それじゃあ行きますね。
はい。
頑張ろう!はい。
気合い入れていきます。
あらかじめ当日の天気予報を確認し無理な計画は立てない事。
雨の日は土砂崩れの危険もあります。
うわ〜上見ないようにしよう。
最初はですねやっぱりゆっくり歩いて心臓や肺に負担をかけないようにしないといけないんですよ。
じゃあやっぱりスタートの時ほどゆっくりと…。
体がある程度慣れるまでゆっくり歩いた方がいいですね。
(沢の水音)あ〜川が。
ちょっと涼しげになるねこの音が。
しばらくは沢に沿った緩やかな山道が続きます。
「マムシ注意」。
気を付けよう。
気を付けて下さい。
山には蚊や蜂ムカデや蛇など注意を払わなければいけない生き物がたくさんいます。
周りを十分見て進みましょう。
ちょいちょいと頑張ります。
うわっ階段だ。
また少し…アハハ!「遍路ころがし」…。
これからちょっとキツイですよ。
はい。
ゆっくり行きます。
「遍路ころがし」とはお遍路さんがころがりそうになるほど急な坂道の事。
石川さんに坂道を登るコツを教えて頂きました。
まあこういった坂道はなるべく足に負担がかからないようにちょっと前のめりになって歩いてこういった杖なんかはなるべく身近な方について頂くような形ですね。
あとは少し下めを持つとかそんな感じですね。
それと登る時に斜めに…ジグザグに登ったり私なんかは体を斜めにして上がったりする事もありますし。
足の筋肉だけで登ると足に全部負担がかかりますからそこんとこバランス良く杖とかストックを使ってゆっくり登っていって下さい。
じゃあ行きます。
ちょっと気を付けないとね。
スポーツ選手だったのでついつい足の筋肉だけで…。
私じゃあ斜めで行く。
早い。
もう習ってすぐですね。
もう温存温存。
いやそうですよね。
うん温存。
なるべく…。
ジグザグ。
足の力だけで登るとすぐ疲れてしまいます。
杖を使ったりジグザグに登ったりと工夫して登る事が大切です。
あ〜…若かったな〜。
あと20年若ければな〜。
はぁ…。
益子さん無言になっちゃいます。
いいよ。
もうしゃべれない。
道が沢から離れると勾配は更にキツくなります。
急がず自分のペースを守って登りましょう。
お〜!あ〜!すてきな景色ですよ〜!こんな登ってきたの?はい。
すご〜い一望できますね。
ほんとだ。
いや〜気持ちいい。
眼下に広がるのは徳島平野。
「遍路ころがし」にはこうした絶景ポイントがいくつもあります。
あれっ川流れてますよね?あっほんとだ。
あれ先ほど渡った吉野川ですね。
(益子信田)あ〜!あんな遠くに。
こっちの方見ましたよね私たち。
「まずは麓」って言って。
登ってきたんですよ。
あの山か!そうです。
さあここで休憩しましょうか。
はい。
登り始めておよそ1km30分。
こまめな休憩を取るのも忘れないで下さい。
歩き遍路で一番重要なのは絶対に無理をしない事です。
水分補給も大切。
一気に飲まず少しずつとっていきましょう。
はぁ〜。
おいしい〜。
あ〜生き返る。
やっぱさ塩分が欲しくなるね汗かくと。
私じゃあ甘いもの食べよう。
バナナやチョコレートなどは体力の消耗を補ってくれます。
突然のケガや体調不良に備え医薬品を用意しておくのも忘れないで下さいね。
昔ってきっともっと険しい道だったじゃないですか。
でもどうしてこんな険しい道をわざわざ歩いたりするんですかね。
それは…お大師さんが四国で修行されましたよね。
そのお大師さんのお弟子さんとかお大師さんをお慕いするいろいろな修行僧の方が山の中また海辺の道がなかった所を荒行の一つとして歩かれていた道を我々も同じような形で体験しようという事で歩いてるわけなんです。
やっぱり最後までたどりつけない方とかもいますよね?そうです。
白衣は冥土に行く装束ですね。
それでこの金剛杖はいつどこで倒れてもいいようにこれを墓標にしてもらうんです。
それとあとこの菅笠ですね。
これは棺桶代わりです。
へえ〜。
じゃあ死ぬ格好して歩いてる…修行してるって事なんですね。
そうです。
それだけ険しい…。
突然ですがここで…戦前「お遍路」といえば専ら歩き遍路でした。
道は整備されておらず険しい山道が続く「遍路ころがし」のような難所が数多く残っていました。
お遍路さんの白い衣装が死に装束だったというのも分かるような気がします。
昭和30年ごろになるとバスで「八十八か所」を巡る遍路バスが登場します。
・「月が出た出た」・「月が出たヨイヨイ」マイク片手に熱唱!皆さん楽しそうですね。
このころからドライブを楽しみながらバスでお遍路する人たちが急増。
お遍路のスタイルが徐々に変わっていったのです。
以上「お遍路ミニ情報」でした。
益子さんたち3人は1つ目の山頂を目指し山登り再開。
ここから下り道です。
ちょっと急なんで気を付けて下さいね。
うわ〜ほんとだ。
ジグザグジグザグ。
すごいですね。
あの正面が柳水庵です。
やっと着きましたよ。
やった〜!じゃあ行きますね。
1つ目の山頂は柳水庵というお堂が目印。
ここまでおよそ6kmの道のりです。
それではお昼にしましょう。
やった〜!おなかすきましたね。
おなかすいた〜。
(3人)いただきま〜す。
お昼ご飯は石川さんが用意して下さったおにぎりです。
おいしい。
この塩分がねおにぎりの。
いいですね。
欲してましたね。
これどれくらいまで来たんですか?今。
大体半分ですよ。
ええ〜!?半分!?まだ半分!?じゃあ時間もあるしあんまりのんびりはしてられないですね。
そうですね。
テンポ良くいった方がいいですね。
いいですか?もう休憩は。
いやいやもう少しお願いします。
もうちょっとだけ。
はい。
しっかり休憩を取り2つ目の山頂を目指します。
ここからは杉林の中をおよそ2km歩きます。
2つ目の山頂。
目印は空海の銅像です。
空海は焼山寺に向かう途中「一本杉庵」と呼ばれるこの場所で木の根を枕にして仮眠したと言われています。
焼山寺まであと400m。
予定を少しオーバーしておよそ7時間歩き第12番札所の焼山寺に到着です。
いや〜石川さん速い!余裕ですよきっと。
ここゴールですよ。
はいどうもお疲れさんでした。
あ〜!足が…ヨレヨレ。
大丈夫ですか?ハハハ…。
あ〜到着ですね。
はぁ〜。
はぁ〜。
(3人の読経)一息ついたあと本堂と大師堂に参拝。
参拝後副住職にお寺に伝わる伝説を伺いました。
焼山寺…「焼く山の寺」…。
すごい名前ですね。
そうですね。
実はお大師様がこの山に登られる途中にちょうど向かいの山に一本杉という所があるんですがそこの所でお休みになっておられましたら阿弥陀さんが出てこられたそうです。
そこで「これは何事か」という事でお大師様が目を覚まされますとこちらのお寺の方の山が炎に包まれておると。
そうしましたら途中に大きな蛇がおりましてその蛇がお大師様の行く手を阻んでおったと。
それをどんどんお力によって山の方に追い詰めていきましてそして今の大きな岩がある所…その岩の中に封じ込めたと言われている。
その時に山が焼けてしまったものですから焼け山の寺…「焼山寺」というふうになったとそういうふうに伝えられております。
火を吐き山を火の海にしていた大蛇を閉じ込めたという岩が今も焼山寺の裏にあります。
空海が大蛇を閉じ込めてからこの辺りでは災いがなくなったと言われています。
やった〜頂きました〜。
もらってきました〜。
うわ〜。
ジャン。
ちょうど12か寺目ですね。
よかったですね。
修行した証しです。
歩いてきたかいがありましたね。
こうやって増えていくとまた楽しいですね。
そうですね。
励みにもなりますね。
でも今回はほんとに石川さんがいて下さったおかげで何とか乗り切る事ができました。
いえいえ皆さんの頑張りで何とかたどりつけましたので。
どうもお疲れさまでした。
(信田益子)ありがとうございました。
またキツイ所でお願いします。
いつでもまた声かけて下さい。
旅の最後。
地元料理を頂きました。
麓に下りた2人が川で見つけたもの。
それは…?美帆ちゃん見て。
やっぱりここの川にもいた釣りしてる人。
ほんとだ。
してますね。
行ってみますかね。
何が釣れるんだろうね。
釣れたものを見せて頂くと…。
う〜わ〜!うわ〜!ハハハ…。
鮎です。
見て下さいこの生きの良さ。
この川の名前は鮎喰川といいます。
漢字で書くと「鮎を喰う川」。
昔から名前に「鮎」が付いとるぐらいだから天然遡上…もうものすごかったんですよ。
何十万何百万何千万と。
鮎喰川いうんはやっぱり一番おいしい土地に入ってます。
鮎のブランドですか?僕はそう思ってるんですけどね。
うわっ食べたい!ね〜!はい。
塩焼きにして頂きます。
初夏の鮎はまだ骨が軟らかいそうで頭からガブリ!どうです?おいしい。
いただきま〜す。
「頭から食べるなんて初めて!」という信田さんは…。
うん!うんうん…おいしい。
やっぱ天然だからかな?そうだよ。
内臓は苦みがちょうどいい。
いいでしょ。
すごい今日のご褒美ですね。
うん。
あのきれいな川で。
いや〜今日キツかったね〜。
キツかったですね〜。
「遍路ころがし」歩いてみてどうだった?覚悟はしてたんですけどその覚悟を登ってすぐ超えました。
アハハ…。
分かる。
高い所から見る景色ですごくいろんな事を考える事ができたので行ってよかったなと思いました。
やっぱり今バスとか車で全部回ってしまう方が多いけど難所と言われてる所を1か所でも自分の足で歩くとすごく思い出にもなるしなんかこうありがたみが増すっていうか自信にもつながるし達成感もあるしいいよね。
はい。
やった方がいいと思う。
こちらのテキストでは四国遍路の旅の情報を詳しく紹介しています。
「一日お遍路まっぷ」も付いていますよ。
夜更けのキッチンに漂うのは温かい思い出のにおい。
2014/08/16(土) 16:00〜16:25
NHKEテレ1大阪
趣味Do楽 はじめての四国遍路旅 第2回「“遍路ころがし”を歩く」[解][字]

タレントの益子直美さんと信田美帆さんが四国八十八か所霊場を巡る旅。8回シリーズ。第2回は「遍路ころがし」と呼ばれる険しい山道に挑む。

詳細情報
番組内容
第2回は11番札所藤井寺から12番札所焼山寺まで「遍路ころがし」と呼ばれる険しい山道を歩く。旅人の益子直美さんと信田美帆さんを案内するのは先達の石川達司さん。「遍路ころがし」を歩くときは山ガールスタイルがいちばん。山道を登るコツや注意すべき点を教えてもらう。焼山寺では寺に伝わる弘法大師ゆかりの伝説を聞く。旅の楽しみのご当地グルメは「あゆ」。
出演者
【出演】NPO四国路おへんろ倶楽部代表…石川達司,益子直美,信田美帆

ジャンル :
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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