『金曜ロードSHOW!』をご覧の皆さんこんばんは渡辺謙です。
終戦記念日の今夜『硫黄島からの手紙』を放送します。
私は陸軍中将栗林忠道を演じました。
(栗林)我々がこの島を守る一日には意味があるんです!そして同じくハリウッドと日本が手を組んだハリウッド版『ゴジラ』現在公開中です。
日本が世界に誇るゴジラが圧倒的なスケールで生まれ変わりました暴れまくってます。
ぜひ劇場でご覧ください。
それでは…。
(シャッター音)よく掘ったもんだこれだけのトンネルを。
おい交代しよう。
・おい!何か出て来たぞ!・・気をつけろよ慎重にな・何か見つけたらしいぞ。
ゆっくりな。
ゆっくり気をつけろ。
(西郷の声)「花子俺達は掘っている。
一日中ひたすら掘り続ける。
そこで戦いそこで死ぬことになる穴。
花子俺墓穴掘ってんのかな」。
(栗林の声)「本日付で私は自分の兵が待つ任地へと向かう。
国のため忠義を尽くしこの命を捧げようと決意している。
家の整理は大概つけて来たことと思いますがお勝手の下から吹き上げる風を防ぐ措置をして来なかったのは残念です。
何とかしてやるつもりでいてついついそのまま出征してしまって今もって気がかりであるから太郎にでも早速やらせるがよい」。
クソっ!こんな島アメ公にやっちまえばいいんだよ。
何にも生えねえし臭ぇし暑いし虫だらけだよ。
しかも水がねえ。
(樫原)この島は神聖な国土の一部やないか。
どこが神聖なんだよこんな島。
おい西郷おい。
いっそのことこんな島アメリカにくれてやろうぜ!そうすりゃ家に帰れる!
(谷田)貴様!今何と言った!はっ!アメリカ軍に勝てば家に帰れると申し上げました!確かにそう言ったのか?はい!その通りであります!栗林です。
お待ち申しておりました大杉です。
申し訳ないだいぶ待たせたかな。
3時間ほどです。
ご存じのように大本営は山本元帥の一件以来到着予定時刻を報告することを良しとせんようになった。
(大杉)承知しております。
あぁ副官の藤田です。
どうしました?お顔の色があまり優れぬようだが。
大したことはありませんどうもここの水が合わんようです。
それはいけませんな。
官舎へお連れします。
いやいやまず島を一周したいので。
(大杉)それではジープをとってまいりましょう。
いやぁ歩きましょう健康のためにも。
大杉君もそれをせにゃいかんかもな。
あれが摺鉢山ですか。
(谷田)この逆賊めらが!非国民め!
(大杉)・おいやめんか!・立て!何をしている?はっ!この兵卒どもが…非国民のごとき暴言を吐いておりました。
そうか…では君はこの2人を前線から退けてなお余りある兵力は持っているのかな?いえおりません。
では体罰はやめるように。
昼飯を抜きということではどうかな?いい上官はムチだけではなく頭も使わんとなハハハ…。
はっかしこまりました。
ところでこれは何を作っているのかな?これでありますか?塹壕ですが。
なぜここに塹壕を?
(谷田)ここに米軍が上陸すると想定されているからであります。
これはやめさせましょう。
(谷田)はっ閣下ですが…。
それともう一点。
兵隊には十分な休息をとらせるように。
見たまえ彼らをまるで月から来たみたいだな。
栗林閣下に乾杯だ。
ありゃいい司令官じゃねえか。
あ〜…酒よりうめぇ。
(野崎)奴はアメリカに住んだことがあるそうだ。
だから塹壕掘りをさせたくないんだ。
メリケン好きなんじゃないか?バカ!メリケンの勉強をしておられるんだよ。
だからどうやって打ち負かせるかも知ってんだ。
伊藤入ります。
お〜早速で済まないね。
現在使える航空兵力はどのぐらい残っている?戦闘機41機爆撃機13機であります。
それだけか。
サイパンの艦隊を援護するため先日66機出撃いたしました。
やはり連合艦隊が頼みだな。
これは?はい。
陸軍が記されていませんねどこに?
(伊藤)よく存じ上げないのであります。
何せ陸軍は足立大佐が独自に指揮しておりますので。
陸軍と連携をとっていないのか?海軍の軍規では敵上陸まで…。
これは本物の戦なんですよ分かってますよね?ハァ…。
これじゃダメだな全兵力を海岸線に展開している。
武器弾薬は後方に下げましょう。
お言葉ですが閣下先日海岸に下ろしたばかりですが。
だから戻せばいい。
速やかに陸軍と連携をとりなさい。
まず摺鉢山の防御が第一です。
またかよ。
船がある時しか手紙を出せないの知ってるだろ。
大家族なんだよ。
それじゃ何で宛名がみんな奥さんなんだ?う…うるせぇよ。
よし俺がいいことしてやるよ。
さもなきゃお前の手紙は絶対に検閲を通らないからな。
おいちょっと何やってんだ。
異動の前は東京の検閲局で働いてたんだよ。
異動?左遷の間違いだろ?「花子へ我々一兵卒は掘り続ける」。
ダメだダメだこりゃ絶対無理だ。
おいちょっとちょっ…!何やってんだよ!ちょっと…ちょっとおい!ハハハハ…。
ちょっと…お前…。
よ〜しこれで大丈夫だ。
お前も後で俺に感謝すると思うよ。
次!兵隊さん万歳。
万歳!頑張って!兵隊さん頑張れ!藤田。
(藤田)はっ。
なぜこんな所に戦車が?現在使用不能であります閣下。
ただ今部品の到着を待っているとのことです。
いつから?ひと月ほどです。
(栗林の声)「太郎アメリカには自動車がたくさんあります。
道を横切るにはおとうさんは何度も何度も注意せねばならない。
車がたくさん行き交いしているからだよ。
太郎おかあさんの言いつけをちゃんと聞いていい子にしていますか?おとうさんは寂しいです」。
藤田。
(藤田)はっ。
島民は速やかに本土に戻すことにしましょう。
はっかしこまりました。
(西郷の声)「花子この島には偉い人がいる。
オリンピックの馬術で金メダルをとった西中佐って方だ。
戦車第26連隊の連隊長でつい先日東京から着任された」。
(谷田)作業に戻れ!
(西)しかし今となっては連合艦隊の壊滅的打撃は痛恨の極みですね。
戦艦はまだあるにはありますがもはやわが軍には制海権制空権共になきも同然です。
どういうことだ?西君。
やはり先日のマリアナ沖での一件はお耳に入っていらっしゃらないんですね。
小沢提督の空母艦載機はすでに撃退されております。
大本営は国民だけでなく我らも欺くつもりなのか。
正直に申し上げてもよろしいですか閣下。
最も賢明な措置はこの島を海の底に沈めてしまうことだと思います。
それでも君はここへ来た。
ええ私の戦車でもいる時が来るかなと思いましたのでできるだけ担いで来ましたハハハ…。
どうぞ。
大きく作戦を変更します。
元山東山そして摺鉢山一帯にかけて洞窟を掘り地下要塞を構築する。
地下に潜って徹底抗戦だ。
海岸線の守備隊はどうされます?閣下。
いらんだろうな。
(林)ですが閣下水際の塹壕は第一の防衛線です。
海岸での陣地なしでは勝てる戦も勝てません!林君米国が1年間に生産する自動車の台数をご存じか?500万台だよ。
彼らの軍事力と技術力を過小評価してはいかん。
米軍は確実に海岸は突破して来る。
兵をそこで無駄に失っては勝ち目がない。
兵隊が死ぬのは致し方ありません。
ですが島の防衛で海岸を放棄するなど聞いたことがない。
閣下今から洞窟を掘るなど無駄に時間を費やすだけです。
できる限りおびき寄せ空と海から挟み撃ちにするべきです。
私もその意見に賛成です合理的だ。
大杉君海軍は知っているんですよね。
(林)は?マリアナ沖で連合艦隊は壊滅した。
もはやこの島は孤立したも同然だ。
さらに今朝大本営から新たな命令が下された。
残っている戦闘機は全て東京に戻し本土の防衛に就かせるように。
そんなムチャな!どうしろっちゅうんじゃ!
(遠雷)議論の余地はありませんね。
戻ったほうがよさそうだ。
ハァ…。
(清水の声)「母上。
本日から新しい部隊に配属されることになりました。
このたびの異動については今はお伝えすることができません。
ではお元気で」。
あっ新入りだ。
(清水)失礼しますここは第312連隊でしょうか。
ああそうだよ。
俺は野崎あいつは西郷。
清水洋一であります。
清水かここに寝りゃいいよ。
奥のほうが空いてる。
気にすんな。
こいつと仲の良かった樫原って奴が最近逝っちまってな。
ここはそいつの場所だった。
そっちに寝ろ。
どっちみち全員死ぬんだよそういう筋書きなんだろ。
お国のためなら名誉な。
樫原は名誉の赤痢で死んだんだよ。
清水お前出身はどこだ?神奈川であります。
神奈川か。
小川!お前も神奈川だろ?
(小川)ああそうだよ。
でどこで訓練受けたんだよ?もしかして同じ練兵所か?いえ自分は東京でした。
ほう俺も東京だよどこだ?後方勤務要員養成所です。
おい…おい…。
何で俺達の部隊に憲兵隊が来んだよ?知らねえよ。
白い腕章も着けてねえし憲兵じゃねえよ。
でもな憲兵の学校だぞあれは。
追ん出されたんじゃねえのか。
いや…奴の動きは憲兵だね。
見ろ。
小銃兵のようにピストルを持ってる。
奴はスパイだ俺達見張られてんだ。
何で俺達が見張られなきゃいけねえんだよ。
もしかすっとお前が書く手紙じゃねえか。
気をつけたほうがいいぜ。
また雑草汁かよ。
栗林閣下殿が持久戦に備え食料を倹約してるらしい。
奴らが仕掛けて来る前に俺達死んじまうかもな。
今の俺達の働きからすりゃあカステラとかコッペパンとか出てもいいぐらいだ。
何でだよ?俺は昔大宮でパン屋やってたんだよ。
女房と2人で切り盛りした小さなパン屋だったけど砂糖が手に入った頃はあんパンとかカステラとか作って売ってた。
だけどあいつら憲兵隊が来てちょくちょくいろんなもん持って行きやがった。
戦争のため?お国のため?何でパンなんだよ。
うちの店にもそういう輩は来てたな。
洋品店なんだがなぁ。
ハムサンドを置いた途端奴らはそれも持って行きやがった。
肉がなくなってパンだけになってもまだ来やがった。
それで最後には鉄の供出だとか言って道具まで持ってってそれで店はしまいだ。
フッ…漁師になりゃよかったかもな。
嫁さん辛かったろうな。
店と旦那までとられちまって。
もっと持って来る。
・早くこの仕事終わりたいっすよ・・お前らさっさと食えやることはいっぱいあんだぞ・ノック帰ってもらえもう何も残っちゃいねえおめでとうございます召集令状ですありがとうございますお国のため精いっぱいご奉公してまいります武運長久をお祈り申し上げます
(花子)お願いします!私達他に寄るすべがないんです花子もういいでも…西郷さん!そんなご時世じゃないんです!私達も夫や息子を戦争に送っております皆自分の役目は果たさなければなりません花子おめぇがそんなんじゃ飯がうまくねえよあなたがいなくなったら私どうすればいいの?おいおい…俺はまだ棺桶に入っちゃいねえぞだって誰も帰って来ないんだよ1人もだよ絶対帰してもらえないのよ大丈夫だってこの子だって…お〜い聞こえるか?とうちゃんだいいか今から言うことは誰にも言っちゃいけないぞいいな?とうちゃんは…生きて帰って来るからなうん…うん…ばかばかしいこんな洞窟掘りなど全くの時間の無駄だ。
どのみち全員が死ぬというのに。
少なくとも水際のトーチカ築城には妥協してくれましたが。
お呼びでしょうか閣下。
ああ。
1杯やらんかね。
いや。
相変わらずおかげんは良くないのかな?いやぁ着任以来どうもここの水が体に合わんようです。
それはいけませんな。
内地へ戻って養生されたほうがいいでしょう。
海軍司令官の職は市丸君に引き継いでもらうことになりました。
洞窟掘りなど無駄です!閣下艦隊からの援護なしではこの島は5日と持ちません!潔く戦って散るべきです!確かに洞窟にどれほどの効果があるか分かりません。
いやそもそもこの島の防衛自体いやさらにはこの戦自体無理なことなのかもしれません。
しかしだからといって諦めるんですか?我々はこの島を死守せねばなりません!最後の一兵に至るまでです!我々の子供らが日本で一日でも長く安泰に暮らせるなら我々がこの島を守る一日には意味があるんです!大杉君君にもし軍人としての誇りが少しでも残っているのなら頼む!大本営に速やかに支援部隊を送るよう進言してほしい。
いいか敵はここから上陸して来る可能性が高い。
よって交差射撃の配置はここここそしてここだ。
正直なところ米軍のほうが歩兵隊空・海軍からの援護など全てにおいて数の上では圧倒的に有利だ。
だが我々にも大きな利点が1つある。
それが何だか分かるか?
(清水)米兵は意志が弱く日本兵に劣るところであります。
その通りだ清水。
それは何ゆえだ?米国軍は規律がなく自分の感情に負けてしまう腰抜けの集団だからであります。
(谷田)その通りだ。
閣下少しよろしいですか。
ああいいよ。
林少将には十分ご注意ください。
ご懸念感謝するよ西君だがね我々はもはやくだらんことをガタガタ言ってる場合ではないのだ。
我々がやるべきことをやるそれだけだ。
おぉ市丸君。
市丸ただ今到着しました。
失礼いたしました。
突然ですがよろしくお願いしますよ。
かしこまりました。
(サイレン)・敵機襲来!急げ!・
(サイレン)・早くしろ!・・敵襲!敵襲!・
(サイレン)ああ〜っ!・ひるむな!・・あ〜っ!・おい。
おい。
山崎。
そんなとこで座ってねえでちょっとお前手伝…。
(藤田)・閣下・米国艦隊がサイパンを出ました。
出ましたか。
総員配置に就け。
はっ!諸君いよいよ我らの真価が問われる時が来た。
日本帝国軍の一員として誇りを持って戦ってくれることと信ずる。
この硫黄島は日本における最重要拠点だ。
もしこの島が敵の手に渡ればここは爆撃の拠点となり敵はこの地から本土へと攻撃せしめんとする。
本土のため祖国のため我々は最後の一兵になろうともこの島で敵を食いとどめることが責務である。
おのおの…。
10人の敵を倒すまで死ぬことは禁ずる!生きて再び祖国の地を踏めることなきものと覚悟せよ。
予は常に諸子の先頭にあり!天皇陛下万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!万歳!島ごと沈めるつもりか。
頭が痛ぇ。
敵さん何隻ぐらいで攻めてんだろうな。
少なくとも30…いや50隻はいるだろうな。
かなり近いな。
便所行って来る。
下水管には近寄るなよあそこには赤痢って敵がいる。
じゃどこですりゃいいんだよ?奥に用足し用の便器がある。
(砲撃音)おい!便器がクソだらけだぞ誰か捨てて来い!
(谷田)西郷!はっ!あの便器にもしものことがあったら明日からはみんなのクソをお前が手で運び出すことになるからな。
はっ!臭っせぇ!あっ…。
(砲撃音)勘弁してくれよ。
何でいつも俺だけ…。
(砲撃音)
(砲撃音)攻撃は開始しますか?待て。
皆攻撃開始を望んでいます。
総員待機。
(市丸)総員待機。
(市丸)総員待機!抵抗しなければあっという間に海岸を取られてしまう。
浜を埋め尽くすまで待て。
行きましょう。
攻撃開始!攻撃開始。
(市丸)攻撃開始!撃て〜!
(兵士)弾だ弾を持って来い!
(銃撃音)早く早く!早く!撃て〜!うわ〜っ!あ〜っ!ああ〜っ!
(銃声)
(藤田)キタコウタイ砲台は壊滅。
海岸のトーチカも全て壊滅または占拠。
ですが他の部隊は全て損害ありません。
敵の死者は1000人以上と推定。
残念ながらトーチカは致し方ない初戦としては上出来だ。
摺鉢山はどうだ?持ちこたえているか?はっ健在であります。
よし…敵状況は?敵兵力はおよそ2万名戦車は80台と推定されます。
いやもっといるはずだ船上に待機している部隊がいる。
現在のところ敵進出方面は摺鉢山最深部南波止場千鳥飛行場南部にまで延びております。
やはりな。
摺鉢山元山飛行場に対しふた手に分かれて攻撃を仕掛けるつもりだ。
あそこだ!撃て!・どうした!・弾がない!弾がない!・撃て〜!・ああっ!
(足立)閣下摺鉢山は陥落です2100に玉砕の許可を頂きたい。
ダメだ玉砕は許さん。
何としても生き抜いて北の複郭陣地に合流してくれ。
(足立)ですが閣下我々は摺鉢山を守りきれませんでした何とぞ…。
武士の本懐を。
ダメだ。
これは命令だ!足立?足立!谷田大尉が機関銃の補給を要請しております。
終わりだ。
は?自決だそれしかない。
ですが…。
これを上官に渡せ。
大尉私は栗林閣下が足立大佐に退却の命令を…。
黙れ!!退却など卑怯者のすることだ。
座れ!!いいか。
我らは陛下の栄えある皇軍である!そのことを忘れてはならん。
(谷田)残された道はただ1つ潔い死にざまである!これが定めと靖国に御霊となって帰ることを。
靖国で会おう。
天皇陛下!万歳!万歳!万歳!万歳!
(谷田)万歳!
(一同)万歳!諸君!さらばだ!
(爆発音)あ〜っ!!
(爆発音)・さらばだ!・
(爆発音)・万歳!・
(爆発音)・万歳!・
(爆発音)
(泣き声)
(爆発音)クッ…!クッ…。
(銃声)
(清水)止まれ!誇りある軍人として自決すべきだ!聞け清水!俺達はまだ北の洞窟にいる部隊と合流できる。
俺達の使命はここを死ぬまで守ることだ!栗林閣下がそう言ってた!確かにそう聞いた。
無線でだ。
本当だ。
ここでこのまま死ぬのと生きて戦い続けることと…どっちが陛下の御為になる?あぁ?どっちだ!?
(砲撃音)どこまで行くんだ?元山の近くまでは行けるはずだ。
(砲撃音)後退命令が出たのか?
(橋本)他の奴らは?全員戦死。
こっちもだ。
シッ!この辺りに出口があるはずなんだが。
・静かに…!・うわっ!ああ〜〜っ!!橋本!ああ〜〜っ!!逃げろ!
(爆発音)1人捕まえた!それとも生きたまま焼き殺そうって魂胆だったのか!俺達を吹っ飛ばすつもりだったのか?それとも生きたまま焼き殺そうって魂胆だったのか!?あ〜っ!!伝令はどうした?
(藤田)いまだ。
私が行く。
元山の無線はまだ生きております。
閣下まずそちらのほうに向かってみては。
摺鉢山から退却した兵であります。
何だと?312連隊西郷。
同じく清水。
摺鉢山から逃げて来たのか。
はっ。
この愚か者めが!!死んでも山から離れるなという命令だったはずだ。
貴様らは部隊と共に死なねばならぬのだ。
この…恥さらしめが。
ひざまずけ。
ですが…。
ひざまずけと言っとるんだ!!・私の兵をむやみに殺してもらいたくないな・刀を下ろしなさい。
下ろしなさい!!何があったんだ?こいつらは摺鉢山から逃走して来たのであります。
生き残った者達は北部方面に合流するように命令を下したのはこの私だ。
申し訳ありません閣下。
しかし摺鉢山は…落ちました。
(砲撃音)こうなったら敵は全兵力を挙げて摺鉢山に殺到するな。
指令部壕を北部に移動しなければ。
伊藤。
すでに散って行った仲間達のためにも最後まで戦ってくれ。
(上官)起きろ!林少将が総攻撃を指揮する我々もそこに合流するんだ。
だが…栗林閣下は洞窟で待機するようにと。
栗林閣下は腰抜けでアメリカの腰巾着だと伊藤中尉は言っておられる。
ハァ…。
林少将はどちらだ?存じません。
(伊藤)ここの指揮官は誰だ?
(兵士)よく分からないのであります。
(伊藤)作戦決定まで全員ここで待機。
(兵士)万歳!
(銃声)
(兵士)進め〜!
(兵士)行け行け〜!
(銃撃音)もうダメだ。
(銃撃音)引け!引け引け!引け!援軍を待つんだ!
(銃撃音)
(伊藤)引け〜!
(銃撃音)
(伊藤)おい!引け!何をしておる!おい!
(銃撃音)貴様ら…。
なぜ突撃に加わらなかった?あぁ?ドブネズミじゃあるまいし!穴蔵から出て戦わんかおい!司令官誰だ?司令官。
司令官誰だ!?攻撃指令は出ていない。
(伊藤)何?林旅団長の指令は届かなかったのか?栗林閣下がその命令を撤回された攻撃は中止と。
摺鉢山を奪還する栗林の思惑など知ったことか。
すでに攻撃は始まっているんださっさと支度しろ。
自分の立場をわきまえろ!!それは上官に対する反逆だ。
そのために兵士が無駄死にしているのが分からんのか!すぐに持ち場に帰るかでなければ貴様の部隊は私が引き継がせてもらう。
もういい我々だけでやる。
(伊藤)来い!!
(清水)軍規違反だ。
首をはねようとした上官だ何とも思っちゃいねえ。
ハァ…。
もう後には引けん。
洞窟での戦はもうたくさんだ。
貴様らは西の連隊に合流しろ。
(伊藤)戦車の下に潜り込んで…奴らのオモチャを道連れにしてやる。
どうすんだよ。
いいかげんにしてくれよ。
チキショ〜。
まったくやってらんねえぜ。
千鳥飛行場への夜間切り込みで1000名が戦死しました。
なぜだ玉砕はならんと厳命したはずだ。
林少将への撤回命令が全師団に届かなかったもようです。
林…バカ者が!敵進行状況は?はっ一個大隊が北へ前進中。
西の尾根沿いで食いとどめています。
よし西の尾根を越えたら最後三方から包囲ができる。
閣下これが。
読んでくれ。
大本営からです。
「戦局ここに至りては友軍を硫黄島に派遣すること困難極まれり。
小笠原兵団は最後まで敢闘し悠久の大義に生くべし」。
撃て!うあっ!
(大久保)中佐!運べ!はい。
おい運んで来い。
はっ!とどめは?刺しますか?いや手当てだ。
しかし中佐…。
大久保お前だったらそうしてほしいだろ?遠藤手当てだ。
(遠藤)モルヒネがもう残りわずかです。
奴らは負傷した日本兵の手当てなどしません!若造お前はアメリカ人に会ったことがあるのか?手当てしろ。
貴様らの戦車はどこ行った!来るなら来い!!遠藤。
(遠藤)はっ。
捕虜の容体は?起きております。
情報が欲しい話をしてみよう。
(英語)もういい。
もうたくさんだ。
俺は投降する。
捕まえてみろよ。
それがお前の任務だろ?そのためにお前ここに来たんだろ?反逆的思想の摘発とか言ってよ!ここに送り込まれたのは憲兵隊をクビになったからだ。
クビ?ああ。
配属されて5日目だった。
(岩崎)清水俺達は常に毅然としていなければならんのだ情けはいらん情けをかけたらナメられるだけだ
(清水)はい!非国民だ話をつけて来い清水はい!なぜこの家では日章旗を掲げておらん申し訳ありません主人が出征してしまってからは自分1人で揚げられなかったものですから日の丸を掲揚せんのは非国民だはいお助けがあればすぐにでもやります犬の吠え声
(岩崎)こいつを黙らせろ!何と言われましたか?目障りだこの犬は軍部の通信を妨害している本当に申し訳ありません五郎!シッ!シッ!お黙り!シッ!ほらお黙り!清水あの犬を始末しろ我々の重要な指令をあの犬ごときに邪魔されてはならんはい犬を裏手に連れて行けただの犬です!もうこのようなことが二度とないようにしますから裏に連れて行け!子供らを家の中に早くしろ銃声家の中で静かにさせておけはい絶対に外に出すなはいありがとうございます完了しました!よし犬の吠え声銃声
(母親)あ〜っ!母親の泣き声俺をコケにしおって!この!犬も撃てぬような奴がアカが撃てると思うか!非国民が!
(岩崎)立て!上官への反抗罪で除隊になりここに配属された。
そうか。
まっ少なくともここじゃ敵以外から恨まれることはねえ。
フッ。
犬が悪いんじゃない。
(栗林の声)「太郎今夜はおとうさんのお別れの宴会がありました。
婦人が同席するので大変だよ。
座ったと思ったらまた立って挨拶。
まったくゆっくりごはんも食べられません」。
グラスを鳴らす音拍手♪〜ヘイ。
敵の戦略か何か…。
いやただの手紙だ。
母親からの手紙だ。
「サムへ何冊か本を送ります。
気に入ればいいけど。
昨日犬達が穴を掘ってフェンスをくぐってしまいました。
犬達は近所中走り回って私達が見つけた時にはハリソンさんのところの鶏が震え上がっていました。
私達のことは心配しないで。
自分の体だけ気をつけてちゃんと帰って来てね。
そしてかあさんの言ったこと忘れないで。
正義を貫けばそれは正義になる。
戦争が一日も早く終わりあなたが無事に戻って来ますように。
母より」。
(兵士)敵襲!爆弾だ!銃を取れ!中佐!中佐!
(大久保)おい!中佐が!遠藤!遠藤!中佐!申し訳ありません中佐薬が…。
俺に構うな他の奴を診てやれ。
行け!行け!
(大久保)行け!行け!
(大久保)中佐!
(鳥の鳴き声)大久保よく聞け。
この連隊はお前に預ける。
は?中佐…。
ここはもう限界だ。
残りの兵をかき集めて北部へと移動しろ。
ここにある全ての食料と弾薬は持って行け。
中佐はどうされるんですか?この洞窟でお前達と暮らすのは飽き飽きした。
これからは俺1人で使わせてもらうよ。
何をおっしゃってるんですか中佐!大久保いいかお前の最初の任務は水の確保だ。
諸君最善を尽くせ。
そして正しいと思う道を行ってくれ。
それが己の正義なんだ。
いいな?
(兵士達)はい!薬と食料を必ず届けさせます。
西連隊長ご一緒できて光栄でした!行くぞ。
大久保。
はい。
ライフルをくれ。
すまんな大久保。
(銃声)なぜ報告が入らんのだ市丸からは何も言って来んのか?
(藤田)何も。
西は?林からは?伝令を送れ!何度も送っております閣下。
しかし誰一人戻ってまいりません。
これでは作戦の立てようがない!
(清水)西郷西中佐のおっしゃったことを考えてみた。
その通りだ。
俺は敵のことを何ひとつ知らない。
アメリカ人は腰抜けだと思ってた。
だがあいつらは違った。
鬼畜米英という言葉を俺はうのみにしていた。
だがあの米兵。
あいつの母親の文面は私の母のと同じだった。
私は閣下のためお国のために任務を全うしたい。
だが無駄死にはしたくない。
西郷。
お前はどう思う?なぁ清水。
お前は何かがもったいねえって思うほど…まだ生きちゃいねえんじゃねぇか?西郷…。
一緒に投降してくれないか。
気ぃつけろ。
一緒に離れたらすぐバレる。
まずお前が行け俺が適当に言っとくから。
しばらくしたら様子を見に行くって俺も出てく。
気づいた頃には俺達はもういねえ。
よしじゃあ赤痢のフリしてみろ。
病人らしく見せんだよほら。
まぁそんなとこだ。
よし行け行け…。
おいどこ行く?赤痢のようなんです。
投降する気だろ?しょうがないな俺も行く!こんな戦争もうたくさんだ。
(上官)おいそこの2人どこに行くんだ?気分が悪いと言っていました赤痢なのかもしれません。
止まれ。
おい!おい!止まれ!あの…何かに驚いただけかも。
(銃声)三浦見張りにつけ!これ以上脱走兵を出すな!ハァハァ…。
どこにいた?東山の…314だ。
聞いたか?飯食えるって話だぜ。
飯か。
いいなぁ。
俺も横浜なんだ。
今度遊びに来いよ。
(銃声)
(銃声)中尉殿。
・おいあれ見ろよ・・どうした?・・死んでるぞ…・・何てことしやがんだ…・捕虜がどうなるか肝に銘じておけ。
(泣き声)
(銃撃音)この前線を抜けなければ北部にたどり着いて前方の味方に合流できない。
いいかまずあの洞窟に向かってそこから前進する。
(銃撃音)弾を無駄にするな!1発もだ!軽々に発砲するなよ。
(大久保)行け!
(銃撃音)行け!
(銃撃音)ああっ!
(銃撃音)走れ〜!走れ〜!走れ〜!ああ〜っ!!
(爆発音)
(兵士)閣下西中佐の連隊そして摺鉢山の生き残りです。
士官はおらんのか?ハァ…よくここまでたどり着いてくれた。
藤田水。
藤田。
申し訳ありませんもうここには…。
すまんな。
ゆっくり休んでくれ。
君は見覚えがあるな。
あぁ首を切られそうになった…。
あ…はい。
ですがあの時助けていただいたのは二度目でした。
ん?一度目は閣下がこの島に到着された日のことであります。
あぁそうだったか。
二度あることは三度ある…かもな。
(西郷の声)「花子この手紙が届くことはないだろう。
でも書いてるってだけでホッとするんだ。
もう5日も飲まず食わずだ。
ただ生きるってためだけに信じられねえことまでする。
もう逃げらんねえ。
でもお前と赤ん坊のことだけが気がかりだ」。
(藤田)・おい・ミミズを取って来い。
はっ。
(栗林の声)「戦局最後の関頭に直面せり。
今や弾丸尽き水枯れ全員反撃し最後の敢闘を行わんとするにあたりひたすら皇国の必勝と安泰とを祈念しつつとこしえにお別れ申し上ぐ。
国のため重きつとめを果たし得で矢弾尽き果て散るぞ悲しき」。
君は摺鉢山からだったかな?随分大変な道のりだったろう。
はっ…あ…いえ。
フッ…立派な軍人だ。
私はただのパン屋であります。
そうかパン屋だったのか。
はい。
家族は?大宮に家内と去年の夏生まれた娘がいます。
まだ顔は見てませんが。
不思議なもんだな。
家族のために死ぬまでここで戦い抜くと誓ったのに家族がいるから死ぬことをためらう自分がいる。
(藤田)閣下本土から無線が。
(アナウンサー)栗林兵団長以下硫黄島で祖国のために勇敢に戦っている兵隊さん達のため栗林閣下の故郷である長野県の子供達がこの歌を送ります。
(子供達)♪〜太平洋の波の上♪〜帝都の南千余キロ♪〜浮かぶ小さな一孤島♪〜今日本の興廃を♪〜決する要衝硫黄島♪〜われらこの地にある限り♪〜皇土は安し永遠に♪〜日本男児の名を賭して♪〜苦難に克ちて護り抜く♪〜誉れも高き硫黄島頼みがある。
この書類全てと私の軍用行李を燃やしてほしい。
二度あることは三度あるんだ。
今より総攻撃をかける。
日本は戦に敗れたりといえどもいつの日か国民が諸君らの勲功をたたえ諸君らの霊に涙し黙とうを捧げる日が必ずや来るであろう!靖んじて国に殉ずるべし!予は常に諸子の先頭にあり。
かかれ〜!!天皇陛下万歳!
(銃撃音)
(銃撃音)閣下!
(銃撃音)閣下。
(銃撃音)う〜…。
(銃撃音)
(藤田)あ〜っ!あ〜っ!もういい…。
もういい…。
ハァハァ…。
ご苦労だったな。
命令だ。
(泣き声)切れ。
(銃声)うっ!閣下。
あぁ…お前か。
もう一つだけ…頼みがある。
埋めてくれ誰にも見つからんようにな。
(栗林の声)「太郎もうすぐ帰ります。
日本に帰れるのは嬉しいですが友人達とお別れするのは少し悲しく思います。
運転して帰りました。
でも独りぼっちのドライブは寂しいもんです」。
ここはまだ日本か?はい。
日本であります。
(銃声)うわ〜〜っ!!あ〜っ!!うあ〜っ!!あ〜っ!!あ〜っ!!う〜っ!!うわ〜っ!!あ〜っ!!慎重にな。
はい。
気をつけろよ。
分かってます。
ゆっくりゆっくり。
(兵士達の声)「父さん天皇陛下のため…」。
「ジュンコ日本帝国のために…」。
「少しですが生活の足しに…」。
「命は捨てる覚悟です」。
「この兄のこともたまには思い出してくれ」。
「立派な最期を遂げてみせます」。
「火事の心配がないような所に逃げるんだぞ」。
(碇)僕が乗ります。
(サッシャ:朴)
エヴァまつり開催
(朴)
テレビ初登場!
(サッシャ:朴)
皆さんご期待ください!
2014/08/15(金) 21:00〜23:09
読売テレビ1
金曜ロードSHOW!「硫黄島からの手紙」渡辺謙主演 家族に届けたかった想い…[字][デ]
5日で終わるとされた戦いを36日間戦い抜いた男たち。家族のために届けたかった想いとは…。名匠、クリント・イーストウッドが描く真実の物語。
詳細情報
おしらせ
・《公式ホームページ》企画で遊んで「スタンリー」グッズをゲット!
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番組内容
戦況が悪化の一途をたどる1944年。本土防衛の最後の砦と言われる硫黄島に、アメリカでの留学経験を持つ栗林中将(渡辺謙)が派遣された。日米の力の差を誰よりも知る栗林は、米軍の上陸を阻止することに全てを賭けるという作戦を見直し、島全体に地下トンネルを張り籠城するという奇策を提案。それは、愛する家族が暮らす本土を空襲から守る為に1日でも長く米軍を足止めさせる最後の手段だった…。(2006年 アメリカ)
出演者
渡辺謙(栗林忠道中将)
二宮和也(西郷)
伊原剛志(バロン西)
加瀬亮(清水)
中村獅童(伊藤中尉)
裕木奈江(花子)
監督・演出
【監督・製作・音楽】
クリント・イーストウッド
ジャンル :
映画 – 洋画
映画 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
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