団塊スタイル・選「老化防止は口と歯から」 2014.08.15

教室のみんなも相談するよさされるよさについて考えてみよう。
高橋さんの答えのつづきは番組ホームページで。
団塊の世代にとって関心が高い食や健康。
仕事に趣味そして気になるおしゃれなどさまざまな情報をお届けする番組それが「団塊スタイル」。
今回はアンコール放送。
この5月に放送した老化防止につながる口と歯の健康法についてお伝えします。
そんな願いをかなえるために注目すべきなのは口。
そう口を健康に保つ事が全身の健康にもつながるんです。
そんな口にシニアの皆さんはどんな悩みを持っているのでしょうか。
だからうがいをなるべくするようにしてます。
年になってきてせきこむ事が多くなったりとかしてます。
こちらはあるメーカーが行ったアンケート。
60代の女性で歯の隙間に汚れがたまる人は半数近く「ネバネバする」「口臭が気になる」人は5人に1人いました。
実はこれらの症状が出たら早めに対処する事が重要です。
はいじゃかんでみて下さい。
こちらは…口の中の検査で今まで気付かなかった自分の老化が見えてくるのです。
更に最新の研究では歯の状態がアルツハイマー病と関係がある事が分かってきました。
そこで今回は…今からでも遅くない。
口を健康に保つ方法をお伝えします。
お口の話ですよいよいよ。
本当に困ってるんですよ私は。
でもよくおっしゃってますよね。
心配をね。
本当ね歯周病でボロボロ!歯がほっと飛び出しそうになる。
何かでもイメージ違うんですけど。
山の中を元気に歩いてる…。
そう見えるだけなんですけど。
仕事の面でもしこれ以上進んだらもうアナウンサー無理ですよ。
来週から失礼します。
でもそれは困りますから。
本当そうなっちゃいそうです。
今日いろいろ教わりたいですね。
口の中の健康というのは我々の全身の若々しさを保つ秘けつなんだそうです本当に。
え〜知らなかった。
今日のテーマは「口から始める老化防止」という事でゲストをご紹介します。
安藤和津さんです。
(安藤)よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
安藤さんは大丈夫でしょうね?いや私も問題抱えてて。
本当に今日ね食いつきました。
あのね歯がおかしくなってきたのだんだんに。
あら。
1本引っ込んじゃったりして。
それで歯の矯正したらそれが失敗で何かかみ合わせがおかしくなってきて大問題抱えてるんですよ今。
え〜心配。
心配なの!確か同い年でしたよね?違いましたっけ?そうだと思います。
よろしくお願いします。
若いのよ若いのよ。
若いです。
元気です。
そんな事はないかと思っていたら。
さてそこで口に悩みを抱える女性を取材しました。
ご覧下さい。
こんにちは。
神奈川県で夫婦2人暮らしの…10年ほど前から口の悩みが出始めそれ以来毎日の食事は軟らかいものが中心です。
飲み物も欠かせません。
吸い物があってもやっぱり何となくお茶がないと。
そんな藤城さんのお悩みは?お友達と一緒に食べてても友達が終わっても私まだ半分くらい食べてる。
しゃべってないのに…なんですね。
昔は早かったんですよ。
どっちかというと。
早食いの何とかって言われてたぐらいなのに。
最近は誰と食べても大体私が遅いですね。
食べ物もちょっと引っ掛かる事も時々あってむせたりするからやっぱりこの辺の筋肉が弱ってきてるのかなとかは思ってるんですけどね。
このほかにも口臭口が乾くなど年を重ねるごとに悩みは深くなっています。
藤城さんの口の中ではどのような変化が起こっているのでしょうか。
老化度を調べてもらう事にしました。
訪れたのはアンチエイジング外来。
2005年に開設。
検査を通して老化を防ぐための提案を行っています。
失礼します。
こんにちは。
初めまして。
5つの項目を調べてそれぞれの老化度を算出します。
1つ目は…藤城さん口の中が乾くと悩んでいましたが…。
まずリラックスしている時の唾液を量っていきます。
15分間こちらで測定しますので15分間の間何もしないリラックスした状態で自然に唾液が出てきますのでその出てきた唾液を全てこちらの紙コップに吐き出して下さい。
一定の時間にどのぐらいの量の唾液が出るのかを調べます。
リラックスした状態とガムをかんだ状態などで唾液量を量ります。
藤城さんの唾液量はこちら。
年齢ごとの平均値から唾液年齢が分かります。
唾液中のカンジダ菌の数も調べます。
カンジダ菌は口の中にあるカビの一種で増え過ぎると痛みや粘膜に炎症を起こす原因になります。
2つ目は…上の歯と下の歯の間に私がこれを入れ込みます。
しっかりかんで頂きます。
ではまず右側からいきます。
藤城さんのかむ力は0.221キロニュートン。
果たして十分な力があるのでしょうか?3つ目は…医師が喉に手を当て30秒間で何回唾が飲み込めるのかを数えます。
はい終了です。
ただ飲むだけだと思ったんですけどすごい難しいですねこれね。
そうなんです。
なかなかね。
あまりゴクンと飲む事を意識されてないのでいざ飲んで下さいと言われてもゴクンと飲む事が難しくなってくるんですね。
藤城さんの場合30秒間で3回唾を飲み込みました。
4つ目は…そして5つ目は歯周ポケットの状態。
およそ1時間かけて検査は終了しました。
(取材者)今おいくつでしたっけ?今70です。
あ〜嫌だ。
ウフフフ…怖いです。
ね〜怖いよな。
怖いです。
藤城さん…どうです?藤城さんと全く一緒で喉は渇いてないのに口が乾く感じがするんですね。
だからねバッグの中にいつもガムとかあめちゃんとかペットボトルのお水とか持って歩いてて。
でも分かる気がします。
口が乾きやすい?そうなんです。
でもアンチエイジング外来というのがあるっていう。
私初めて聞きました。
ねっお口の中の…。
歯科でねこれが設けられたのは9年ほど前。
今は全国的にあるようなんですけどね。
ここでゲストの方専門の方をお呼びしております。
鶴見大学歯学部の斎藤一郎教授にお越し頂きました。
よろしくお願いします。
斎藤さんは若さを保つ秘けつは口からとおっしゃっていますけども。
そうですね。
今口の中の病気と全身の病気って非常に関係があるという事が医学的に分かってきまして。
普通の方は関係ないんじゃないかって思ってる方多いんですが実はすごく密接な関係があって特に超高齢社会では重要だと我々考えてます。
そんなに関係があったんですね。
そういう意識ありました?私ね母の介護をしていて母がものを食べられなくなったんですね。
経管栄養になって。
あっという間に「8020」で表彰されてたぐらいの歯だったのにガタガタになってすごく認知症が進んじゃったんですよ。
だからその時から口の中の事はすごく大事だと思って。
それで私歯を治そうと思ったら私は失敗しちゃったんです。
急激に…それまでお元気で8020だから80歳でも20本以上歯があって。
(安藤)はいあったんです。
あったんですけども自分でかむ事を…。
誤えん性の肺炎になって経管栄養にしたらもう本当に歯並びは悪くなってもう呼びかけても何か…。
食べられなくなって…。
なってから1か月ちょっとでそうなりましたねやっぱり。
認知症が進んだっていう…。
そう。
だからすごく自分でも気になってるんですその辺が。
これは口と心と言っていいか…脳も体も関係してくるんですね。
この老化速度と言っていいのか…。
(斎藤)歯が抜けたり歯周病になったり口臭があったり口が乾くとどうも若い時と違うなと老化を感じる方はたくさんいらっしゃる。
藤城さんちょっと気になりますよね。
お若い感じじゃないかと思ったんですけどね。
70歳で…。
では藤城さんの検査どうなったか見てみましょうか。
検査結果はおよそ1か月後に出ます。
お知らせしたいと思います。
まずご心配されていた唾液の年齢ですけれども…藤城さんが心配していた唾液量は55歳の人の平均値でした。
こちらが藤城さんの5項目全ての検査結果です。
唾液年齢以外は全て実年齢を上回る結果になりました。
口臭も実は歯周病でご自身の歯茎からうみが出ていてそれが臭うのじゃないかなという事が考えられます。
歯周病を食い止める正しいブラッシング方法を教えてもらいます。
歯ブラシをしっかりそれから定期的に歯医者さんに通って専門的なケアを受けて頂くという事が必要となりますのでよろしくお願い致します。
かむ力についてのアドバイスは…。
しっかりかめればこの年齢はもう少し若く戻るという事ができるんですね。
どうしても軟らかいものを召し上がっている傾向があると思うんですね。
かむというのは習慣になってきてしまっているんです。
軟らかいものばかり召し上がってるとしっかりかむという習慣を忘れてしまうんですね。
そうするとベタッとひっついてしまうとそこは虫歯になりやすい歯茎の病気になりやすいという事になってくるんですね。
分かりました。
なのでそういうところも気を付けられた方がいいと思います。
一回り口の中が老化してるって事なんですよね。
だからもうショックですね。
どうしても自分が食べやすいように軟らかいものを食べてたんですけども駄目だっていう事なんで少し繊維のあるものとか少し食材も大きめに切ったりとかちょっと意識して食べるものを替えていこうと思います。
意外な結果でしたね。
自覚してらっしゃる事と違う結果がいろいろ出てきましたね。
乾くと言ってたけど唾液量は多かった。
55歳くらい。
あれはどういう事だったんですかね?唾液の分泌量が正常なんですけどもご本人が乾くというのにはいろいろ原因があるんですが例えば口呼吸になっていてですね鼻からスムーズに…。
普通我々こうやって口を閉じて鼻から息を吸っている訳ですけど例えば鼻がアレルギーで今の時期花粉症で詰まってらっしゃるとかそういうような方はどうしても口から息をしてしまう。
その結果として唾液は出てくるんだけども蒸発して口が乾くという方がいらっしゃいますね。
なるほど。
いろんなヒントにはなるって事ですよね。
こういう結果が出れば…。
何か改善していけばアンチエイジングにつながるって事ですよね。
こういうアンチエイジングの検査というのは自分の弱点を知ってそれを改善するためのさまざまな提案を我々側からすると。
検査してみないと自分の弱点って分からないじゃないですか。
それはお口でも全身でも一応老化度の検査をして…。
健康診断とはまたちょっと違うんですけれども。
そこで5項目の検査の表をちょっとまとめてみたんですが。
それぞれ…例えば唾液量が少なかった場合にどんな影響が出るのかどんな症状が出るのかという事。
まず唾液量ですね。
これが少ないと…。
(斎藤)口の中を洗浄する作用が唾液にはありますので口臭の原因は細菌の腐敗臭ですから当然その洗い流す作用が…唾液量が低下する事によって洗い流す作用が悪くなると当然そのばい菌が繁殖して口臭になるという事ですね。
感染症は風邪だとかインフルエンザ感染症ってよくいわれますけど外から帰ってきたら口ゆすぎなさいっていうじゃないですか。
口をゆすぎなさいというのはこういう所にあるいろんなウイルスとか細菌は口を介して体の中に入ってくる。
それが唾液量唾液で補って洗い流している訳ですけどもそれが低下すれば感染症になりやすいという。
次はかむ力ですがかむ力が弱いと…。
顎の関節ってやっぱりかむ事によって関節が維持されてる訳ですけれどもこれがかむ力が歯が衰えてきてそれでいろいろな関節こういう顎の関節に負担がかかれば当然がく関節症にもなりやすいという事になります。
だからリンゴを丸いまんま若い頃はサクッ。
それができればいいんですけどね。
さて次は飲み込み能力ですね。
これが低下してくると…。
同じように誤えん性肺炎。
これ怖いですね。
危険ですよね。
いろんな死につながる。
そうですね肺炎で亡くなる方結構多いですよね。
そうですね。
高齢者の死因の上位に誤えん性肺炎がありますね。
年を重ねるとともに食べ物を捉えて飲み込む筋力こういうものがだんだん萎えて落ちてくるとですね普通口の中の食べ物とか唾液はゴクンと飲み込めばその中に少しは細菌とかウイルスが入っていても胃酸で殺される訳ですけどもゴクンと飲み込む能力が乏しくなってくるとやはり誤って肺に入ってしまう。
その事で口の中にいた雑菌が原因となって肺炎を起こしてしまうというのが誤えん性肺炎の原因になるんですね。
若いうちは間違って入っちゃっても出す力があるんですかね?
(斎藤)そうですねむせて…。
気管支に引っ掛かってむせるような…ありますよね。
あれも筋力じゃないですか。
戻すというのも筋力ですけども筋力が衰えてくると戻せなくなってそのまま受け入れてしまう。
ですからそういう筋力の低下というのがやはり原因になるって事になる訳ですけども。
さてさてじゃ次はですね歯の本数です。
え〜?これは?栄養障害まで。
(安藤)食べられるもの限るから。
限られてきちゃうからそうなっちゃうんですかね。
人間の生命維持って事を考えるとやはり口から食べて栄養を補給してる訳ですからそれをしっかりとそしゃくして体の栄養とするためにやっぱり必要な歯というのはそしゃくだとか消化とかという事にはとても重要ですよね。
ですから8020運動って「80歳になっても20本の歯を」という運動をしてなるべく年を重ねてもご自身の歯を維持しましょう。
その事で口から食事を頂くという事をやはり前提に歯の本数をなるべく減らさないようにしましょうという運動をしてる訳ですけども。
大切だ。
次がですね歯周ポケット。
これですね。
私にちょっと関係ありますけど。
歯周ポケットは歯周病と考えていいんですか?そうですね歯周病。
歯を支えている周りの組織に歯の周りにポケットがあってそこから細菌が入って歯を失う原因になる訳ですけども歯周病が糖尿病や動脈硬化と関連があるという事が最近の研究で分かってきたんですね。
怖いですね。
(斎藤)血管とつながってますから。
歯を支えている周りの組織なんですけどもこれって手のひらの大きさぐらいあるんですね。
ここが炎症が起きる訳ですけどもこのぐらいの炎症の組織が体の中にあるとすると炎症に関わる成分が体中を巡る訳ですね。
そうすると例えば糖尿病で…。
すい臓でインシュリンを作ってる訳ですけどもすい臓に対してインシュリンを作る細胞に悪影響を与えたりその結果として糖尿病が悪化するという事も考えられています。
引き金になっちゃうって事ですね。
(斎藤)そうですね。
じゃあ動脈硬化も全身に血液を通じて炎症の中の物質が影響してるという意味?そうですね。
そういうメカニズムもありますし動脈硬化層…血管が肥厚して動脈硬化層が出来る訳ですけどそういうところから歯周病原菌が検出されたりまた動脈硬化層を作るのにさまざまな炎症性の物質が歯周病から送られてその結果として動脈硬化になるというような事も今想定されています。
もうお口が全身につながってると考えていいですね。
そうですね。
体の一部分ですから血管もありますし神経もありますしそういうところで全身と交通している連携をしていると言えると思います。
例えば唾液量が少ないからって必ずしも誤えん性肺炎になっちゃうとか歯周ポケットの場合もすぐ糖尿病になるとか動脈硬化になるという事ではないですよね。
そうですね。
そういう可能性つまりリスクが高くなるのでなるべくご自身でもケアをされてまたは歯科医院に行かれてですね予防的な処置をして頂くのがとても重要な事だと思います。
最近唾液量が少なくてですね口が乾くこの「ドライマウス」。
マウス。
マウスよ。
乾いたネズミじゃないですよ。
口で悩む方が多いようです。
ちょっとご覧頂きましょうか。
2年半前この女性はドライマウスと診断されました。
現在75歳。
一体どんな症状だったのでしょうか。
そのうち徐々に徐々に…それで自分で「あ〜痛い痛い…」と口に出して言ってましたね。
病院は何か所か渡り歩きました。
初め。
でも結果は同じなんです。
頭MRI胸血液検査心臓全部やって頂いて「何も悪くないからうちは来ないで下さい」と言われました。
知人に勧められ大学の歯学部付属病院に行ったところようやく原因が判明。
ドライマウスと診断されたのです。
唾液を出すための漢方薬を処方され唾液を増やすための体操を教えてもらいました。
その体操がこちら。
口の中で舌を回します。
右回り左回り20回ずつ繰り返します。
それで何となくここをこう…ここマッサージするといいって教わりました。
更に頬を押します。
こうすると口の中の唾液腺が刺激されます。
体操は時間を見つけて毎日行っています。
その結果1年ほど前から薬をのまなくてもよくなりました。
毎日の食事にも気を付けるようになりました。
唾液が出るよう1日1個は梅干しを食べています。
酸っぱいですけど…。
全然違いますね。
75歳の今でもお肉は週3日。
かみ応えのある厚めのステーキも大好きです。
かむ回数を多くするようにはしました。
あんまりすぐ飲み込まないでできるだけかみ砕いてって感じ。
セロリなんかも大きく切ってバリバリ音させながら食べています。
2年間で唾液量は2.5倍になり正常な数値に戻りました。
一番いい事は舌痛が少し少なくなってきた。
全く痛みが取れた訳じゃないんですけども。
それがなくなって。
今こうやってお話ししててもね唾液いっぱい出てますから。
自分で治そうって気がないと。
病気って何でもそう。
もちろん手術とかね虫歯になるとかこれは別ですけどもやっぱりそのあとの事は自分で治さなくちゃって思いましたね。
自分で治さなくちゃっておっしゃってましたよ。
でもすごい努力の積み重ねでね。
すごいですねこの回復力。
先ほどの…唾液の量もだいぶ増えて。
あの体操で舌をこうグルグル…。
ああいう唾液を増やす方法ってほかにあるんですか?唾液腺というのは筋肉に裏打ちされていますので筋力が萎えてきますと唾液の分泌量が低下するという事があります。
え〜!筋力が萎えてくる。
私梅干し見てればそれで唾液が出るもんだと思ってたけどそうじゃないんですね。
筋肉が影響してたんですね。
ドライマウスというのは増えてるんですか?大体中高年の女性を中心にですねある統計では800万人くらい。
またはある論文では人口の25%。
随分多いんですね。
4人に1人がドライマウスを介して何らかの症状を持ってらっしゃるというような報告があります。
何か見逃しがちですけどもやっぱりもうちょっと気を付けなきゃいけないですね。
口の中の唾液の量とか。
そうですね。
何か不快感があるとかネバネバ感があるとか口臭が気になるとかそういう口の不快感を持った方はドライマウスを疑ってみるのも大事ですし。
でも加齢とともに筋力って衰えるから当然そういう唾液に影響が出てもおかしくはないですよね。
自然にね。
唾液はゴクンと飲んでしまうので唾液について自覚してる方少ないんですけれども一日1.5出るんです。
大きなペットボトル1本分出るんですよ。
それが枯渇してなくなる訳ですからそうすると体にさまざまな悪影響を及ぼすというのが我々の認識なんですけど。
唾液そのものがどれだけ重要なものなのかちょっと教えてもらいたいんですが。
はい。
唾液の役割なんですけども唾液の中にアミラーゼという消化酵素がある訳ですけどもよくかむ事によって消化酵素を混ぜて胃の負担を軽くするという事も分かっていますし唾液中には抗菌物質ラクトフェリンだとかさまざまな抗菌物質が入っていますので菌の増殖を防いでくれるというような事も。
擦りむき傷作るとよく「唾つけて治しときなさい」って子どもの頃よく言われてた。
犬でも猫でも教えてないのになめてますからね。
生物の本能なのかもしれないですけども。
粘膜の保護作用。
硬いものでもおせんべいでもとがったものでも揚げ物でも唾液でくるんで飲み込めば喉とか食道を傷つけないようになってますよね。
ですから唾液の量が少ない方はやはりこういう消化酵素も乏しくなるのでひどいドライマウスの方は萎縮性胃炎胃炎にもなるといわれているんですね。
胃の炎症が起きるというふうにもいわれています。
あと歯に対してももちろん歯の石灰化に唾液は非常に重要ですしこれだけじゃなくてですねさまざまな役割があるんですけども唾液というのが健康のバロメーターとして考えて頂きたいというふうに僕らは考えています。
イメージで言えばものを食べたいと何か唾液が出てくるという積極的に関わりたいというような欲望といいますかね。
そういうものと唾液って関係しててそういうものがなくなってくるのはよくないと。
そうですよね。
人間の本質ですから。
アンチエイジング的に考えればですね人生の最後まで維持したいというのは口の役割だと僕ら考えてるんですね。
いろんな欲望ってなくなってくるじゃないですか年を重ねるとともに。
だけども年を重ねても最後までおいしいものを食べたい。
食欲というのは満たしたいじゃないですか。
それにはやはりこうやって唾液の分泌を促して口の機能を維持するのがとても重要だと思っています。
じゃ食欲があるっていう事はいい事なんですね。
食いしん坊は生きる力ですね。
(斎藤)大事ですね。
何も食べたくなくなっちゃったって時が怖いよな。
怖いですね。
それが痴呆にもつながってるかもしれないしね。
まだ意欲ありますね。
大丈夫です大丈夫です。
さて年を取っていくとかむ力がどうしても衰えてきますけどもちゃんとかむ事に対してこんな最新研究が出ています。
2011年アルツハイマー病とかみ合わせに関する研究結果が発表されました。
岡山大学で長年予防歯科の研究に携わってきた…森田教授が注目したのはアミロイドβという物質です。
これは脳の神経細胞。
アミロイドβとは脳の中に徐々に蓄積されていくタンパク質です。
アミロイドβが脳にたまると神経細胞のシナプスという場所を傷つけます。
やがて神経細胞を死滅させアルツハイマー病を引き起こすと考えられています。
森田教授はラットでかみ合わせとアミロイドβの関係を調べました。
ラットの奥歯なんですがラットの奥歯のかみ合わせを全く触っていない群。
これはかみ合わせを壊した群ですね。
かみ合わせができなくなった群。
ちょっと見づらいんですけど上半分がないと。
まずは奥歯の上半分を削り取りかみ合わせ異常のラットを用意しました。
正常なかみ合わせのラットと共に8週間飼育を続け脳内の状態を調べました。
するとかみ合わせ異常のラットは脳の中にたまったアミロイドβが3倍になったのです。
またかみ合わせ異常のラットを4週間飼育した後に正常に戻し更に4週間飼育しました。
脳を調べるとアミロイドβは正常なラットと同じ量でした。
かみ合わせを直した事でアミロイドβの蓄積が減っていたのです。
これを人の世界に当てはめたらの話であろうかと思いますが…もし不幸にもかみ合わせが少しよくない人かむ力が少し弱っている人そういう人たちがちゃんと歯科治療をしてかみ合わせをちゃんとする事で…大事な事ですねかみ合わせって。
驚きましたね。
何か恐ろしくなってきました。
かむ刺激というのが直接脳を活性化するという事で記憶とか学習能力とかみ合わせかむ力というのが関連があるだろうと昔からいわれていますけどもそういうのが今いろんな科学で証明されてきてるという事なんじゃないかなと思います。
大丈夫ですか?アミロイドβ。
私もちょっと危ないなって…。
かむ力を鍛える体操運動があるようです。
それをやってみたいと思います。
VTRを見ましょうか。
まずはかむために必要な筋肉を鍛えます。
口をい〜っと開き奥歯をかみしめると頬とこめかみに力が入ります。
するとご覧のように筋肉が動くのが分かります。
筋肉の動きを意識するのがポイント。
次は口の周りの筋肉。
口の周りに順番に空気を入れます。
上唇下唇左頬右頬。
順番に思い切り空気を入れ膨らませていきます。
最後は舌の筋肉。
舌の先を上の前歯の裏側の少し後ろに置きそのまま舌全体を上顎に吸い上げます。
そして舌を舌打ちする要領でポンとはじきます。
できる人はそれぞれの体操を一日20回ずつ行うといいですよ。
フフフ…アハハハ!みんなおかしい。
いい音でしたよ今。
はいやりましょうか。
飲む力もつくね。
舌打ちする。
いい音ですよね。
大丈夫ですか?大きな音が出ればいいんじゃないでしょうか。
小さい音はもっと練習した方がいいって事ですね?音が大きいという事はよく筋肉を使ってるって事ですよね。
確かに今やっただけで疲れてきました頬の辺りがね。
(斎藤)疲れるぐらいがいいですよ。
なるほど疲れるぐらいがね。
かむ力をつけるためにほかにどういう方法がありますかね?毎日の事ですので毎日の事がとても大事なんですけどかみ応えのあるお食事をするというのが重要ですね。
どうしてもちゃんとかめないとですねついつい軟らかいものを毎日召し上がってしまう。
その結果として筋力が萎えてまいりますのでまずはかめる環境を整えて…歯科医院を受診してかめる環境を整えてその上でかみ応えのあるお食事を毎日召し上がるというのが基本的な生活習慣としてはいいと思います。
ものを飲み込む前にたくさんかむ事も大事ですね。
そうですね。
硬いものも含めて。
セロリをあえて大きく切ってポリポリかむっておっしゃってましたけどそれはやっぱり正しい事なんですね。
食材でも軟らかいものばかりではなくてですねかみ応えのあるいろんな食材を選ぶというのが重要だと思います。
例えば入れ歯でもよくかめば出てくるもんですか?唾液も出てくるしかむ力もまたつくんですかね?もちろんです。
体の中のいろんな筋肉もそうですけども鍛えれば筋力っていくつになってもいくら年を重ねても使って鍛えれば必ず筋力ってついてくるんですね。
ですから今なくても決して諦めないで鍛えて頂ければ筋力はついてくると思います。
さあ入れ歯の人頑張りましょう。
団塊の世代の方にアンケートをとると若い時にやっといた方がよかったというのはやはり口の…歯の管理とか口の機能の維持だという事でね…。
年を取って失ってみるとやはりかむとか味わうという消化器としての口の役割味わうという感覚器としての役割とあと表情を作るというのもそうですよね。
筋肉って急にはつかないのでやはり毎日毎日口を正しく使うという事が重要なんじゃないかなというふうに思ってます。
人間ってものをおいしく食べると生きる力が湧いてくるじゃないですか。
だからものをおいしく頂いて前向きに生きるっていう…。
私たちオーバー60世代はやっぱりこの辺を頑張ってちっちゃい努力の積み重ねでいい一日を少しでも長生きしたいなと…。
安藤さんそう思いました?思いました。
じ〜っと見ながら言ってます。
今日は本当にありがとうございました。
安藤さんありがとうございました。
勉強になりました。
ありがとうございました。
さて今日は何のお茶でしょうか。
今日は安吉白茶。
白茶?浙江省の釜炒り緑茶なんですけど。
お茶の色がちょっと透明…色がないですね。
これが白茶の特徴です。
そしてこの葉っぱもきれいですよね。
きれいですね。
何か松葉みたいですけどこれが鳳凰の羽根に似ているという事で…。
葉脈がしっかり見えるけど葉っぱが薄い感じしますよね。
葉脈まで見えますねこれ。
どうぞ。
はい。
じゃ頂きます。
まず香り。
どうでしょう?あっ緑茶の香りですね。
あっいい香りですね。
う〜んおいしい。
こんなに色が薄いのに。
香りがすごい強いですね。
お味もちゃんと出てますね。
はい出てます。
あ〜何かかわいい。
エプロンの前に歯が。
「子育てが一段落した20年ほど前手芸の教室を始めました。
その時に子育てママから子どもが野菜を食べないちゃんとかまないという悩みを聞き手芸で教材を作ってみました」。
「かむいや君」と「かむかむ君」。
「かむといいよ〜」というのと「嫌だとこんな事が起こるよ」というのを教えてらっしゃるみたいですね。
今日のテーマにもちょっと通じますよね。
「今では食育をテーマに保育園や小学校子育てママなどから依頼を受けて食育指導をしています」。
あ〜げんき号で。
黄色と赤と青の食材を…。
「高齢になっても自分でできる事をできる範囲で取り組み人に喜ばれる事で自分も元気になっています」。
あ〜本当だ子どもさんこんなにたくさんいるわ。
板良敷さんもお元気で…。
でも後ろのものはみんな手作りなんですね。
それを考えるとすごいいい授業ですね。
楽しくて…。
わあ〜。
ありがとうございました。
「私の団塊スタイル」のコーナーでは皆さんからお手紙と写真を募集しております。
仕事趣味何でも結構です。
輝いてる姿をお寄せ下さい。
皆様からのご投稿をお待ちしています。
今日のテーマは…。
意外でしたねいろんな事に影響してるという事は…。
もしかしたらリスクになってるというね。
やっぱり歯のケアをもっとしとけばよかったというお声があるっていうの分かりますね。
昔あんなふうにアンチエイジングという言葉が浸透してない時はそういう認識もなかったですよね。
そうですね。
歯が欠けたり抜けたりという事だけが年だなという事で終わってたんですけど今日の話は全身の健康とものすごく結び付いてるというから。
今からでも遅くない。
今からでも間に合う。
筋肉だって鍛えられるし唾も出せるって事が今日分かりましたもんね。
歯のケア大事ですよ。
本当ですね。
2014/08/15(金) 20:00〜20:45
NHKEテレ1大阪
団塊スタイル・選「老化防止は口と歯から」[解][字]

団塊スタイルでは、好評だった放送回を「団塊スタイル選」としてアンコール放送。今回は2014年5月23日に放送した「老化防止は口と歯から」をお伝えする。

詳細情報
番組内容
団塊スタイルでは、好評だった放送回を「団塊スタイル選」としてアンコール放送。今回は2014年5月23日に放送した「老化防止は口と歯から」。シニアになると増える口の悩み。そんな悩みを解消しようと「口の老化度」検査をうけた女性を紹介。そこから見えてきたこととは? さらに中高年に増えているドライマウスの症状とは? かむ力を鍛える体操や、最新の研究も交えながら、口を健康に保つ方法をお伝えする。
出演者
【出演】エッセイスト…安藤和津,【解説】鶴見大学歯学部教授…斎藤一郎,岡山大学歯学部教授…森田学,【司会】風吹ジュン,国井雅比古,【語り】秀島史香

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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