人間が生活するには過酷な環境である乾燥帯。
(田中中田)こんにちは。
今回はですね寒い地域について見ていきたいと思います。
「寒い」って言われるのはね芸人としては非常に嫌な事なんですけど…。
怖いのが生放送ね。
私は面白いかなと思う事言うんですけど意外と「えっ?」とかって友達に言われると精神的に来ますね。
日奈ちゃん今回はねその寒さの話じゃないらしいんですよ。
今回紹介するのはマイナス30度とかマイナス40度の世界です。
あ〜。
極寒という事で。
そんな寒さが当たり前の世界ってどういう風景だと思います?一面白っていうか雪っていうか氷で緑が少ないイメージしかないです。
確かにそうですよね。
では実際はどうなんでしょうか?こちらをご覧下さい。
極に近い場所や標高が高い地域に広がります。
地球上で最も寒い気候区分です。
寒帯は2つの気候に分けられます。
南極大陸やグリーンランドに分布するのが…年間を通じて氷と雪に閉ざされた気候です。
南極大陸では世界で一番の寒さマイナス89.2度を記録。
そんな厳しい自然環境の中でも少数の野生動物がたくましく生きています。
短い夏に気温が0度を超えますがそれ以外の長い期間はマイナス40〜マイナス60度が当たり前の世界です。
大地を覆っているのは永久凍土と呼ばれる一年中凍結している土壌です。
夏の間だけ永久凍土の表面が解けて草やコケが生えます。
ロシアの古い言葉で…こちらのジャコウウシは氷河期から何万年もずっとこのツンドラに住み続けています。
全身を覆う長い毛は冬の寒さに耐えるためのものです。
ツンドラ気候が広がる北極海沿岸地域では極に近いためオーロラを頻繁に見る事ができます。
寒帯の次に寒いのが…亜寒帯も2つの気候に分けられますがまずは亜寒帯の特徴を見ていきましょう。
亜寒帯は一年の気温差が大きいという特徴があります。
例えば東シベリアにあるヤクーツク。
1月の平均気温はマイナス40度ですが夏は30度を超える日もあるのです。
夏に暑くなるため寒帯と違って樹木が育ちます。
タイガと呼ばれる針葉樹林が広がり…その量は地球の大気に変化をもたらすほどです。
ヤクーツクのそばにあるタイガはオーストラリアの面積に匹敵する広さです。
この辺りは亜寒帯の中でも亜寒帯冬季少雨気候と呼ばれる冬に雨が少ない気候です。
年間降水量は200mmほどしかありません。
降水量が少ないのになぜこれだけ広大な森が広がっているのか?その秘密は土壌にありました。
出てきたのは…しま模様のようにキラキラと光って見えるのは凍りついた水分です。
地下に永久凍土があるおかげで地表近くに水が蓄えられ樹木が育つのです。
夏になると永久凍土の表面が解けるため至る所に水たまりが出来あるものが大発生します。
(羽音)この音は蚊の大群です。
タイガの森はさまざまな動植物の命を育んでいるのです。
一方亜寒帯の中で一年を通して降水量が多い気候を…北海道もこの気候に属します。
夏は暑くなるため農業も盛ん。
ヨーロッパやシベリア北アメリカなどに広く分布している気候です。
すごかったですね。
イメージ真っ白い氷だけの世界だって思ってたけどそうじゃなくて亜寒帯なんて夏もあるし30度になったりとか。
差が激しかったですよね。
激しい所もあるみたい。
僕がね人生で一番これ気温的に寒いなと思ったのが冬の秋田で普通に町の路面も全部凍結してて雪すごい積もってて風がすごい吹いてるからもう全部が白いの。
ブワ〜って。
だけどそれでもマイナス5度とかマイナス6度。
私もついこの前まではそういうマイナス何十度という世界が分からなかったんですけど先日ものすごい寒さをこの身をもって体験してきました。
トリプルGが…
私が訪ねたのは名古屋市科学館です
館内は実際に見て触れて確かめる事ができる展示物がいっぱいありました
みんな楽しそうですね
こちらが今回のお目当ての場所極寒ラボというマイナス30度を体験できる施設です。
まずマイナス10度の部屋で体を慣らしてからいよいよ入ります
うお〜ホホホホ。
あ〜寒い。
今回特別に許可を頂き簡単な実験をやってみました
まずは…
水にぬらしてきつく絞った木綿の布を振り回す事およそ30秒
あっという間に凍って…。
ほらたなびくマフラーの出来上がり
じゃあいきます。
今度はシャボン玉
おっ!わっすごい凍った。
わ〜すごいこのままの形で凍りました。
割れたあともすごい凍ってますよ。
わ〜すごいきれいです。
シャボン玉はまるで薄いガラス玉みたいです。
壊れても消えないシャボン玉なんて初めて見ました
今私がいるこのマイナス30度の世界はふだんの生活とはもう全然違う別世界でした。
このシャボン玉がこんなに凍っちゃうぐらいなんでもうすっごく寒いです。
そんな寒さが冬は当たり前の地域。
一体どんな暮らしなのでしょうか?ここはヤクーツクから北東へ800kmの所にあるオイミャコンという村です。
北半球の最低気温マイナス71.2度を観測し…冬場の平均気温はマイナス50度近くにまで下がります。
釣り上げたばかりの魚も…。
僅か数十秒で凍ってしまいました。
村には水道はありません。
寒さで水道管が凍ってしまうからです。
水は川からくんできます。
寒さで川が凍結する事はないのでしょうか?実はこの辺りは温泉が湧いていて冬でも川が完全に凍る事はないのです。
地元の人たちはこの凍らない水を恵みの水と呼んでいます。
給水車で何度もくみ上げて各家庭に配ります。
料理から洗濯まで全てこの水を使います。
水道が欲しいと思った事はないのでしょうか?こちらはシベリアの一番端北極海に面しているチュコト半島です。
マイナス40度を下回る時期が12〜3月まで続きます。
このツンドラの大地で昔ながらの伝統を守りトナカイと共に遊牧生活をする人々がいます。
少数民族の…男たちは24時間交代でトナカイの世話をして過ごします。
チュクチ族は衣食住をトナカイに頼っています。
住まいはヤランガと呼ばれるトナカイの皮で作られたテントです。
ヤランガの内側についた霜を落とす事は女性たちの毎日欠かせない仕事です。
ヤランガの中には毛皮を張って作られた箱のようなものが…。
寝室です。
室内の温度は20度以上。
明かりはアザラシの脂を使ったランプです。
外に出る時はトナカイの毛皮で作ったズボンとコートが欠かせません。
これがあれば気温がどんなに下がっても大丈夫。
トナカイは雪をかき分けて餌のコケや草を探します。
餌がなくなったら家族全員で引っ越し。
ヤランガを畳んで新たな放牧地を目指します。
トナカイと共に生きてきたチュクチ族の伝統的な暮らしには厳しい自然と共に生きる知恵がたくさん詰まっています。
いろんな暮らししてますね。
でも大変ですねあれは。
そんなまだまだ知りたい寒帯と亜寒帯。
自然や文化に詳しい先生が今日いらっしゃってますんでいろいろ教えて頂きましょう。
関啓子先生お願い致します。
よろしくお願いします。
(関)よろしくお願い致します。
寒帯とか亜寒帯にはさまざまな少数民族の人たちが自然と共に暮らしています。
少数民族はたくさんいると?ええ。
今日はですねお二人に見て頂こうと思って2つアクセサリーをお持ち致しました。
あっかわいい。
こちら側のアクセサリーはナナイ族が作ったこれ動物の毛と皮で出来ています。
そうなんだ。
すごい外の毛気持ちいい。
あ〜本当だ。
ナナイの人たちっていうのはハバロフスクの近郊とかそれからアムール川の流域に住んでいてお魚を取ったりしてるんですね。
でも狩りもするのでそういった民芸品が作られてるんです。
もう一つはですねこれはウデゲ族の作っているブレスレットですね。
白樺の皮で出来ています。
ウデゲ族はナナイよりももうちょっと南の地域に住んでいて森に生きる狩猟民族なんですね。
そこで作られているアクセサリーからもこういうとこで生活してるんだなってうかがえる訳ですか?そうなんです。
自然のものを使って…。
先ほど見て頂いたようにかなり厳しい気候なんですけどもその中でも楽しく豊かに暮らすようなそういう知恵を少数民族の人たちは育んできました。
その豊かな暮らしが今危機にひんしてる所もあるんですか?そうなんです。
今までずっと安定してきた自然の状態がここのところ危機にひんしています。
ではその辺りの事をですね詳しく見てみたいと思います。
シベリアの大地を覆っているタイガの森には草原と湖が点在しています。
実はこの草原と湖が年々大きくなっているというのです。
この地形は…アラースはどのようにして出来たものなのでしょうか?落雷や山火事によって木々が焼き払われると地面が露出します。
そこに夏の強い日ざしが降り注ぎ大地を暖めます。
すると永久凍土が解け始めるのです。
やがて地面は陥没。
雪解け水や永久凍土が解けた水によって湖が生まれます。
永久凍土が一旦解けると徐々にその範囲は広がりついには湖と草原が広がるアラースが形づくられるのです。
近年では森林の伐採やたき火の不始末など人間の活動によってタイガの森に多くのアラースが生まれているそうです。
一度アラースが出来ると熱による侵食で湖の面積は広がり続けます。
湖が出来た場所を再び樹木が育つ環境に戻す事は容易ではありません。
こうした自然破壊は森林の生態系の頂点にあるアムールトラに大きな影響を与えています。
野生のアムールトラは現在地球上に僅か450頭ほど。
森林の破壊や密猟などによって絶滅の危機を迎えているのです。
トラの危機を救おうとロシア政府も立ち上がりました。
けがをしたトラや親を亡くしたトラを保護し野生に戻す取り組みを行っています。
タイガの森の豊かな生態系を守る事が緊急の課題として私たちに突きつけられています。
アラースの湖あったじゃないですか。
一見するときれいなのどかな雰囲気を醸し出してたんですがそれを裏から見ると自然破壊が原因でああいうのが出来てしまったっていうのがすごい衝撃的な感じでしたね。
一見するときれいな風景だもんね。
先生。
先生はアムールトラあのトラの保護施設まで行かれた事があるという。
ちょうど私が行った時は重篤なけがの状態が厳しいトラの治療が行われていました。
それでとてもお金がかかる訳ですね。
そうしたら子供小学校中学校高校の生徒さんたちがトラを救えキャンペーンをしまして市民たちがそれに応えて善意が寄せられて命が救われたっていう事があります。
じゃあそのロシアの人たち一丸になって…。
タイガの森林はですね日本が随分輸入をしてお世話になってきたんですね。
違う国の話という事ではなくて我々もそこには関わってるし我々も大切に思うべきだという事を忘れちゃいけない…。
人間を含むいろんな動植物が調和して生きていけるようにしたいですね。
そのためには森をみんなで大事にしたいなと思います。
先生貴重なお話ありがとうございました。
ありがとうございます。
日奈ちゃん今日はどうでした?1か所だけの問題が実は地球規模の問題だったっていうのもあったしマイナス30度マイナス40度の世界で普通に人が生活してるっていうのがすごい驚きでした。
寒帯とか亜寒帯なんて氷しかない世界だっていうさ完全な誤解と偏見だもんね。
そうですよね。
実は全然違うっていう。
そこに豊かな自然と豊かな生活があって更にそこに我々も関わってたってなると我々不勉強であってはいけないなと。
勉強する事でアムールトラ守りましょ。
そうですね。
一緒に守りましょう。
それでは次回も世界中のあんな事…。
こんな事…。
(2人)いろいろ知っちゃおう!寒帯は地球上で最も寒い気候区分です。
夏に…2014/08/15(金) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地理「亜寒帯と寒帯の気候とは」[字]
人・モノ・情報が地球規模で行き交う現代。国や地域を越え、多様な社会や文化を理解し合うことが不可欠。“世界の今”を読み解く「地理」は、未来を切り開く力となる。
詳細情報
番組内容
世界各地を旅しながら「亜寒帯と寒帯の気候とは〜タイガとツンドラの暮らし〜」について学ぼう! <学習の3ポイント>(1)亜寒帯・寒帯ってどんなところ? (2)厳しい自然と共生する人々 (3)豊かな自然を守るために
出演者
【講師】一橋大学名誉教授…関啓子,【出演】中田敦彦,田中日奈子,【語り】安元洋貴
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験
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