シリーズ世界遺産100「アブメナ〜エジプト〜」 2014.08.15

(テーマ音楽)イスラム教が国教のエジプト。
しかしこの地に4世紀から8世紀にかけて根づいたキリスト教は今でも人々の信仰を集めています。
エジプトの首都カイロの北西に位置するアブメナ。
この遺跡は原始キリスト教の一派コプト教の聖地です。
アブメナには4世紀から8世紀にかけて各地から巡礼者が訪れ大いに栄えました。
宿泊所や教会商店の跡などが残りかつての繁栄ぶりを伝えます。
遺跡のすぐそばに1959年コプト教のアブメナ修道院が建てられました。
現在エジプトではおよそ1割がコプト教徒です。
聖地アブメナにはたくさんの信者が訪れます。
エジプトはピラミッドの時代多神教を信奉していました。
この地にキリスト教が伝わったのは1世紀。
そして2世紀には全土に広がっていました。
ところが3世紀ごろになるとキリスト教はローマ帝国から弾圧を受け始めます。
その弾圧に抵抗したのが聖人メナスです。
キリスト教徒のメナスはローマ軍で高い位にあった将校でした。
彼が19歳の頃時の皇帝によるキリスト教の大弾圧が始まったのです。
メナスは信仰を捨てろと拷問を受けますが決して応じず死刑となりました。
その時メナスは僅か24歳でした。
そしてアブメナの地に葬られたのです。
ここはアブメナで最も重要な場所です。
聖メナス様の墓地です。
遺体は地下5mに埋葬されました。
聖メナスが埋葬された後この場所で奇妙な事が起きました。
墓地から水が湧き出たのです。
周辺では90もの泉が現れたといいます。
この水は不思議な力を持っていました。
水に触れる事で病気が治る人が出てきたのです。
聖メナスの奇跡と呼ばれました。
奇跡の水はキリスト教世界に知れ渡り遠くヨーロッパからも多くの巡礼者が訪れるようになりました。
体に直接つけたり持ち帰って入浴の時に使ったりします。
本人があつい信仰心を持っていれば聖メナス様もその願いを酌んで病気を治してくれるんだ。
聖地として繁栄を誇ったアブメナですが7世紀に廃虚と化します。
アラブ人の進出によってイスラム教徒の支配下に置かれたのです。
破壊されたこの聖地にコプト教徒によって小さな教会が建てられたのはつい最近の事です。
遺跡の小さな教会にエジプト全土から信者がやって来ます。
聖地を破壊され少数派となっても信仰を守り続けてきたコプト教の信者たち。
アブメナはコプト教徒の信仰の礎なのです。
2014/08/15(金) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「アブメナ〜エジプト〜」[字]

エジプトに息づくキリスト教 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
番組内容
エジプトに息づくキリスト教 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

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サンプリングレート : 48kHz

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