(シエル・ファントムハイヴ)はぁはぁはぁ…。
(回想)誰か…ねえいないの?あっ!お父様お母様…はぁはぁはぁ…助けて!はぁはぁ誰か助けて!はぁはぁはぁはぁ…誰か!おおっこれは!これは2人分以上の価値があるぞうわぁ〜〜!!
(心の声)≪なぜ…どうして僕たちが≫≪誰も助けてくれない≫≪神なんていない≫≪こいつらをこいつらをこいつらをこいつらをこいつらをこいつらをこいつらを!≫
(セバスチャン・ミカエリス)おやこれはこれは随分と小さなご主人様だあなたは私を呼び出してしまったその事実は永遠に変わらず払われた犠牲は二度と戻らないさあ選んで僕は…
(ウィリアム)どこへ行くのです?飼い主なしでうろつくなと言ったはずです。
残念ながら我が主は身動きがとれませんので私が代わりにお使いに。
(ウィリアム)今すぐテントに戻りなさい。
単独行動を許すわけにはいきません。
小さなミスが大きな残業につながるのだから。
ザシュ!申し訳ありません。
私にも執事としての義務があります。
主人の眠りを妨げることを許すわけにはいきません。
あなただってここで騒ぎを起こすのは本意ではないでしょう?どうです?私と取り引きしませんか?たった1時間私を自由にしてくださればあなたの担当地区で今後一切魂を食べないと誓いましょう。
たった1時間ですよ。
お断りです。
甘言で獲物を惑わし闇へと引きずり込む悪魔の常套句じゃないですか。
やっぱりダメですか。
しかたありません。
別の方法を考えるとしましょう。
・タッタッタッ
(足音)
(先生)ん?
(ドール)はぁはぁはぁ!先生スマイルは?
(先生)眠ったよ。
少しうなされているようだが。
はぁはぁはぁ…んん…。
ザァーー
(雨音)
(マダム・レッド)どうしてなの?あんたには裏社会の番犬以外にも生きていく道があったはずだわあんたのお母さんもそう望んでいたはず。
なのに…僕のためだ敵を討ったとしても死人がよみがえるわけでも喜ぶわけでもないただファントムハイヴを裏切り汚した人間に僕と同じ屈辱を痛みを味わわせてやりたいだけだ残念ねシエル。
私のかわいい甥っ子気付かなければまた一緒にチェスが打てたのにぐはっ!
(マダム・レッド)あんたなんか生まれてこなければよかったのよ!はっ!やめろセバスチャン!
(マダム・レッド)やっぱりダメ…。
私にはこの子は殺せない…ブシュ!一瞬でも迷えば命取りになるチェスと一緒だ彼女は迷い次の一手を見失ったそれだけのことだから僕は迷わないそうでなくてはねいつでもあなたは駒を上手に使い生き残ればいいのです私もマダムも利用してその玉座の下に駒の亡骸が積み上がろうと決して倒れてはいけない王が倒れればこのゲームは終わりなのだから僕は立ち止まらない踏み出した一歩に後悔もしない。
だから…命令だ。
お前だけは僕を裏切るな僕のそばを離れるな絶対にイエスマイロードあっ…セバスチャン?あっ…。
そうかシールリングの男を割り出すよう命じたんだったな。
んん…。
今更。
(ビースト)ジョーカー。
(ジョーカー)ん?どないした?眠れへんのか?
(ビースト)もうやめよう。
(ビースト)私たちにはこのサーカスがある。
きっとやっていけるよ。
だからもうあんなことから足を洗って父さんの目の届かない所に逃げよう。
丘を越えて彼方へ…か?それは無理や。
今はそない話をしとる暇ない。
(ビースト)待ってよ!あっ…。
(ジョーカー)どないしたんお前らしうもない。
これは俺たちで決めたことやろ?俺たちは俺たちの大事なもん守ろうって決めた。
そのためにはなんでもするって。
(ビースト)でも…でも私はあんたがこれ以上苦しむ顔見てらんないよ。
だって私は!
(ジョーカー)忘れたんか!俺たちはもう引き返せへん。
夜更かしは体に悪いで。
ジョーカー。
おやすみ。
(ビースト)うぅ…。
・おやおや。
(ビースト)はっ。
泣いているのですか?あんたには関係ないだろ。
とっととうせな!無理だと思いますけどねぇ。
彼のような人は求めるだけ無駄ですよ。
なっ!気持ちには応えられないからせめて優しくする。
その方がつらくなると知りながら。
残酷ですね。
一体あなたはいつから続けているのです?こんな不幸な涙と感傷しか生み出さない関係を。
あんたに何が分かるっての!?まだ何も。
(ビースト)くっ!ただ知っていることもあります。
いっときだけその痛みから解放される方法なら。
はっ…ふざけるな!放せ!ふざけてなどいませんよ。
そんなにつらい思いばかり積み上げて一体なんになるというんです?あっ…。
その重みで前にも後にも進めない。
必死に叫んでも彼が振り返ることはない。
かわいそうに…。
うぅ…。
つらいんでしょう?忘れてしまいたいんでしょう?優しくてひどい彼のことを。
(ビースト)私は…。
だったら今夜だけでも全て忘れてしまえばいいじゃないですか。
享楽に溺れ甘い毒を肺腑の奥まで吸い込んで。
(ウィリアム)獲物を甘い言葉で誘惑し闇に引きずり込む。
その後ろに隠した獣の顔を気取られぬように巧みに甘美にひそやかに
(ビースト)悪魔のささやきだな。
私はただ知りたいのです。
あなたの奥にある秘密の場所をね。
昔からずっとそう。
欲しい言葉だけは絶対にくれない。
お父様にノアの方舟を任されてから私たちともっと距離を置くようになった。
お父様?私たちのパトロン。
義肢開発にも援助してくれて私たちに新しい体をくれた。
ではこの刻印はお父様の?そう。
私たちはみんなお父様のもの。
お名前はなんとおっしゃるのです?なんでそんなこと…。
お名前を知らなくてはご挨拶もできない。
もう浅い仲というわけでもありませんし。
(ビースト)ああっ!教えてくれてもいいでしょう?お父様は…。
ふっ。
チュンチュン…
(鳥の鳴き声)んん…チャン?おはようございます。
ああ。
ん?だいぶ熱は下がられたようですね。
≪もう朝食に行ったのか≫お加減はいかがです?よくないが…ごほっ昨日よりましだ。
ごほごほごほっ…。
お水をどうぞ。
ああ。
ん?手袋はどうした?爪も契約印も丸見えだぞ。
ああ…少々汚してしまいまして。
そんなことより僕のお使いはちゃんとできたんだろうな?ごほっ。
ええもちろん。
もうここにいる必要はありません。
皆さんがお食事をなさっている間に参りましょう。
そうそう坊ちゃんが女性と同衾していたことは婚約者のエリザベス様には秘密にしておいてさしあげますのでご安心ください。
あっ!なっ…ごほごほっ!お話は帰ってからゆっくりと。
セバ…ごほごほごほっ!私どもは用事が済みましたのでお先に失礼します。
(ウィリアム)飼い主付きであればどこへ行こうが関係ありません。
どうぞご自由に。
これで私もやっと安心して移動できます。
(ソーマ)シエル!お前は俺になんの連絡もなしに2日もどこへ行ってたんだ!?
(アグニ)おかえりなさいませ。
お前には関係ない。
ごほごほっ。
(ソーマ)どうした?お前顔色悪いぞ?大したことはない。
放っておけ。
大したことなくはないだろう。
お前絶対風邪をひいてるぞ!熱があるんじゃ…。
ない。
平熱だ。
うそつけ!ついてない。
(ソーマ)シエル!んん〜!ふふっ。
確かに坊ちゃんはうそや秘密が多くていらっしゃいますよね。
はぁ〜。
坊ちゃんが幼少のみぎりから持病をお持ちとは私も存じ上げませんでした。
なぜお話しくださらなかったのですか?聞かれなかったから答えなかっただけだ。
それにもう治ってる。
さようでございますか。
しかし気をつけるにこしたことはありません。
今後喘息についての医療書を読んでおくとしましょう。
それも美学か?どんな事態にも対応できてこそ執事ですから。
ふん。
そんなことより紋章院で調べてきたことを早く報告しろ。
あの刻印にあった紋章はケルヴィン男爵のものでした。
ケルヴィン?ご存じなんですか?僕は慈善活動家とやらは好かないから直接の知り合いではないが確か先代に連れられて行ったパーティーで挨拶くらいはしたような…。
まあいい。
名前さえ分かれば十分だ。
出かけるぞ。
イエスマイロード。
えっ?
(ソーマ)ふふふ〜。
甘いぞシエル!俺の守っているタウンハウスから簡単に出られると思うなよ!
(ソーマ)お前は絶対に風邪をひいている。
それをこの屋敷の総督でありお前の親友である俺が見過ごすわけにはいかん!誰が親友だ!ふざけたことを言うな!
(ソーマ)あっ…。
アグニ絶対にシエルを通すな!
(アグニ)ジョー・アーギャー。
いいかお前ら僕には仕事がある!お前らの遊びにつきあっている暇はない!ごほごほっごほっ。
そこをどけ!病人はベッドで看病されるのが仕事だ。
僕はお前らとは違う。
これくらい…ごほごほごほっ!シエル様!どうかベッドにお戻りください。
その様子は喘息特有のもの。
大丈夫なはずがありません。
気安く僕に触るな!セバスチャンこいつらをどかさせろ!ごほっ…。
かしこまりました。
(アグニ)んん…。
セバスチャン殿もセバスチャン殿です!それでもシエル様のカーンサマーですか!えっ?
(アグニ)同じカーンサマーとして…いえ友人として言わさせていただきます。
ご主人様のお体こそ第一!今回はたとえ命令違反だとしてもシエル様の体調を思いお止めするべきだと思いませんか!?ご主人様はいつも朗らかで健やかでいただく。
そのために命を懸ける!それが執事の美学というものではないのですか!?主人の望みをかなえるのが私の役目だと思っているのですが確かにそのような考えも一理あるかもしれません。
お前!何を納得している!僕の命令が…。
そうと決まれば病人は寝ろ!うわっ!なっ?俺がじきじきに看病してやる。
ありがたく思え。
アグニ粥と薬湯だ。
(アグニ)かしこまりました。
勝手に…。
(ソーマ)シエルのカーンサマーは寝巻きを出せ。
あと氷枕もだ。
はい。
おい!
(ソーマ)よ〜しこれでひと安心だな。
(アグニ)はい。
僕は忙しいと言ってるのに。
バタン
(ドアの音)いろいろと分かってきたことですし彼らの言うとおり今日くらいお休みになられてもよろしいのでは?ああ…熱がこんなに。
全ては明日にいたしましょう。
パシン!
(頬をたたく音)ううっ!
(ピーター)あれほど他人を信じるなって言ったのに!ででもあいつまだ子供だしほかに行くとこないって言うから…。
それにあいつ俺と約束したんだ!
(ピーター)だからお前はガキだっていうんだ!
(ジャンボ)ピーターにいさん。
(ピーター)ジャンボ…。
(ジャンボ)消えたのはスマイルだけではありません。
スーツとブラックもです。
(ジャンボ)彼らがヤードの手の者だとすればここに長居するのは危険です。
(ダガー)どうしよう。
先輩はお父様のところに…。
(ピーター)そんなときのために決めておいただろ!ジョーカー抜きでもやるって!
(ジャンボ)今回のターゲットは特別だとお父様はおっしゃってました。
失敗すればお怒りになるに違いありません。
(ピーター)ジャンボの言うとおりだ。
今回の坊やの家は近くに街もないしロンドンにいるうちにやっちまわないと。
けどこれから行っても夜が明けちまう。
しかたねぇ。
決行は明日の夜だ。
(ピーター)とりあえずこのことをジョーカーに報告しねぇと。
(ビースト)私が行くよ。
(ウェンディ)あんたが抜けたらもしものときの戦闘力に欠ける。
ドールあんたが行きな。
分かった。
(ビースト)ついてきな馬出してやるから。
ヒヒンブルルル…ごめん姉貴。
俺のせいで…。
あんたは悪くない。
えっ?なんでもない。
早くジョーカーのところへ。
うん。
くっ!ヒヒーン!
(ウィリアム)さてもともと同期によるミスの尻拭い。
しかも管理課の私には管轄外の業務ですし。
(ウィリアム)更に公務員にあるまじき1か月強の過酷な宿直を強いるとはまったく…。
(ウィリアム)しかし明日で全てが終わる。
全ては明日。
明日で終わりにしてしまいましょう。
アグニさんご忠告痛み入りました。
(アグニ)いえ私ごときが僭越な。
(ソーマ)いやまだ足りんぞ。
もっといたわれ!
(アグニ)では子守歌などいかがですか?なるほど。
いいかもしれません。
(アグニ)ではご一緒に。
さんはい!
(セバスチャンアグニ)・ね〜…2014/08/15(金) 02:29〜02:59
MBS毎日放送
黒執事 Book of Circus #06[字]
「その執事、交渉」▽黒執事“サーカス編”がアニメイズム枠で放送開始!
詳細情報
お知らせ
──19世紀英国。
“悪の貴族”と呼ばれる少年の側には、必ず一人の“執事”がいた。
名門貴族・ファントムハイヴ家の執事・セバスチャン。
彼は、知識・教養・品位・料理・武術…全てにおいて完璧。わがままな13歳の主人・シエルを相手に、今日も漆黒の燕尾服姿で華麗に執務をこなす。あくまで、執事ですから。
番組内容
無理がたたって倒れてしまったシエル。
身動きの取れない主人に代わって、調査に出るセバスチャンだったが、その前にウィリアムが立ちはだかる。サーカス団の外に出ることを阻まれたセバスチャンは、傷心のビーストに近づき…。
出演者
【声の出演】
(セバスチャン・ミカエリス)小野大輔
(シエル・ファントムハイヴ)坂本真綾
(ジョーカー)宮野真守
(ドール)高垣彩陽
(ビースト)甲斐田裕子
(ダガー)岡本信彦
(スネーク)寺島拓篤ほか
原作・脚本
【原作】
枢やな(月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊 掲載)
【脚本】
吉野弘幸
大河内一楼
宮田由佳
監督・演出
【監督】
阿部記之
【シリーズ構成】
吉野弘幸
【キャラクターデザイン・総作画監督】
芝美奈子
音楽
【オープニングテーマ】
シド「ENAMEL」
【エンディングテーマ】
AKIRA「蒼き月満ちて」
【音楽】
光田康典
制作
【アニメーション制作】A−1 Pictures
【製作】黒執事Project
【番組HP】
http://www.kuroshitsuji.tv/
【Twitter】@kuroshitsuji2
https://twitter.com/kuroshitsuji2
ハッシュタグ「#kuroshitsuji」
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
福祉 – 文字(字幕)
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