林先生の痛快!生きざま大辞典【☆天才棋士・村山聖☆】 2014.08.15

あの天才
はっきり言ってすさまじい生きざまです
難病を抱えても
自らの生きざまにこだわった
その壮絶人生
だって…そのときにあれをやっておけばよかったと言っても遅いですから普通に暮らせる健康な体をもらっているんなら…いや〜すごい人生だな
この番組は
先ほどの収録で明らかにしたんですけれども
(伊達)大丈夫ですか?大丈夫ですフル回転なんですけどね自分では完全に話を聞いてないっていうオーラをバーっと出してくるんでなるほど吉田さん基準で大体二の腕とかマッサージ始めるので無意識です二の腕をね…それでは吉田さんにわかるように説明するというね非常に大きな野望を抱いて大きな野望ですか?今日の番組を始めさせていただきますそれがこちらですご存じですか?いや知らないですね将棋棋士広島県出身で1969年からなのに既にもうこちらに数字が入ってしまっている僕は65年生まれですから自分よりも年下の人間が既にここに数字が入るっていうのは何とも居たたまれないような思いになるんですけれどもその今日は村山さんの生涯を少したどってその中からお願いします
皆さんはこの方をご存じだろうか?
そんな羽生の一つ年上で…
こう呼ばれた天才
それが
1969年広島で生まれた
外で遊ぶのが大好きな
活発な少年でした
しかし5歳のとき
いつものように遊んだ夜
村山少年は突如高熱にうなされました
この高熱が死ぬまで闘うことになる病の始まりだったのです
医師の診断結果は腎臓の機能障害である…
いまだに原因が解明されていない難病
村山少年は運命を変える
それは父が暇つぶし用のゲームの一つとして
買ってきた将棋
簡単なルールしかわからないまま父と初めての将棋を指すと…
その日を境にどんどん
そして彼はつらい病を背負いながら
将棋という道に光を見いだしていくのです
そんな将棋に魅せられ限られた時間を
今回はこの村山さんの生きざまを四つのブロックに分けて順番に振り返っていこうとそう考えております棋士の方を扱うのは実はこの番組2回目でして1回目に森内さんという方扱いましてそのときに僕が将棋を一瞬だけ指すですよねただ将棋ってあれなんですよねあっちは打つで全体には指すなんで気をつけなきゃいけないなと思いますもう大丈夫ですよ
(富澤)あおんなくていいですからではまいりましょうかそれではまず一つ目一体どんなふうに彼が将棋をマスターしまたどんなふうに将棋の道を駆け抜けていったのかこれをまずご紹介したいと思います先ほどVTRにもありましたが腎ネフローゼってどんな病気かご存じですか?初めて聞きました尿にタンパクが出てしまってそのことによって血液の濃度が変わる血液の浸透圧圧力が変わったりして熱は出るしそれからだるいしで非常につらい重い病気ゆっくり休養をとってることぐらいしか抜本的な治療法がないまた状態が元に戻ればある程度普通の生活ができるんですが少し運動が激しかったりとか疲れてしまったりするとまたそういう症状が出るとこれをだからずっと抱えたまま彼は棋士の生活を続けたんですけれどもその病床で将棋に目覚めた村山少年だったんですけれども
ところがこのとき母は間違えて小学1年生の村山には
しかし本を手にした…
当時小学校1年生の村山少年に読めるはずのないような本を渡してしまったんですがしかしそれに対して村山少年は…
(伊達)広島弁ということですね「わかるんじゃ」っていうのは今日は広島の方いないですもんねいないですね僕これすごく大事なことだと思うんですよ大人ってかみ砕いてわかりやすいものを与えようとする傾向が今強すぎます確かに漢字は読めないですよだからこそこの漢字何だろうかと調べるわけですしまた前後の文脈でこうじゃないかなって確かにそうですね今ねホントにねまあ我々もいけないんですけれどもわかりやすく教えすぎますわからないものもっとボンボン与えた方がいいんですよそれからは将棋の本を買ってきてもらってはすばらしいですねそれはそんな入院生活の中で人生を変えるきっかけとなるある出来事が起きますそれは何だったか?これちょっと難しいですね一緒に入院している…相部屋とかになってて子どもながらにどうも思ったようなんですね本当にこの経験をきっかけにして村山少年の将棋人生ってものは本当に大きく変わっていきますスピードがグンと上がりますそれでさえも村山少年にとってはやっぱりわかるんですよねこれ何歳のときの話ですか?6年生でこれを言ってる
(伊達)へえ〜すごいそんなある日村山少年の運命を突き動かすある事件が将棋界に起きますそれはこちらですこの方はご存じないですか?すみませんわからないですああそうですか
将棋界の新時代を切り開いた天才
なんと
天才が集う将棋界の頂点10名しか在籍できない
A級に上り詰めると…
最高峰タイトルの名人位を獲得
豊富な経験が必要な
そして
ですからこのニュースを聞いて自分も頑張れば若くして名人になれるんじゃないかという希望を持ち小学校中学校のとき何かこういうものになりたいこいつを倒してやるってそれ大事ですもんねそしてこの谷川さんが21歳で名人になったとこのニュースが飛び込んでくるこれを聞いて村山少年は自分も名人になるとそれがこちらです将棋のプロになるにはまず奨励会というところに入ってそこでまたすごい勝率で勝ち上がっていかなきゃいけないでもすごく強い同士ですからその中で勝ち上がっていくのは大変なことなんですよすごいですね中学1年生ですよところがこんなことが起きます心配ですもんね
(伊達)すごく和やかな…実際にはそんなもんではなかったですよねしょっちゅう寝込んでるような学校も行けなくなるような状況ですよなのに1人で行くとこういうわけですそこで村山少年を説得してもらうために親族を集めて一族で彼を説得しようとしたんですところが…結果的にはですねみんなが大阪行きなさいというような流れになるんですがその一言を皆さんにお答えいただきたい難しいですね大反対してたのが流れが変わるんですもんね一言でガラッと変わる要するにだから察したんじゃないですか今しかできないんだみたいなことを…そうですそうですかなりいいですねもうちょっとまとめていただけますかあれじゃない?正解ですかっこいいな〜13歳ではあ〜すごい!既にこの一言で中学1年の少年がみんなを黙らせたんですよ今しかないんじゃ!とこういう強い意志というか高い志というかちょっと書いちゃいましょうかまあそういう高い志ですねこれは支配するっていうか統帥の「帥」ですから人間の気を集めてくる何かやるってことで気合いが乗ってきて一つのことができるんだという孟子の言葉です僕はこの箇所を読んだときにこの言葉が頭に浮かびましたグ〜ッと気が集まってきてそういう人間は何かができるまだ13歳だからまだ中1だから違いますちょっと書いてみましたこれはでもいい言葉ですね確かにいよいよこういう会議を経て大阪行きを認められましたそして本格的にプロを目指すことになります続いて紹介する村山さんの生きざまはこちらです一体どんな師匠だったのか?心を育んだ師匠との生活まずはこちらをご覧ください
そのとき知人の紹介で出会ったのは…
その後村山の人生において
掛けがえのない存在となる
競輪とマージャンをこよなく愛し
見るからにさえない風貌で
これが口癖の自由人
森は村山少年と会い…
その理由は
森にとっても初めての弟子だった村山
古ぼけたアパートでの
住み込みです森さんのところに今もありましたが森さんにとっても最初の弟子森さん非常にキャラも濃いヒゲも濃いんですけれども1週間に1回ぐらいでいいと最近の人間は清潔すぎるからダメだみたいなこともおっしゃってたそうですそういうところ結構よかったみたいですかえってこの共同生活の中で2人はどんどん絆を深めていきましてどんなことをやってあげていたのかというと…あんまり髪も切りに行かないところがあったもんですから結構伸び放題でもそれを洗いもしないでちゃんとさすがに汚いぞっつって洗ってあげたとあの汚い師匠がですかまあ汚い師匠…洗濯してあげたってことですね自転車乗れなかったんですよ食事も作ってあげたただ食事に関しては作ってこれはまずいなっていうことでそうなんですねできなかったとだからホントにもう完全に今ホランさんおっしゃったように親子でいつも同じ食堂に行っていたと更科食堂という名前だそうですけれどもただ近所の人から見るとどう考えてもあれは…髪の伸び方とか何となく汚さがいかにも親子だという雰囲気を出していたんだそうですホントに普段の生活だけではなくそれまで学校と病院の往復生活だった村山少年森師匠からさまざまなことを学びました当時のことを振り返って村山さんはこう語っています先ほどおっしゃったように父親のように面倒を見てくれるいないですね普通弟子がやるようなことを逆に弟子が身の回りの世話をするなんて基本ですよね森さんも相当な覚悟だったでしょうね病気の弟子を迎え入れるっていう時点で普通の弟子を迎え入れる以上の覚悟や責任があるわけででも勝負師の勘として…そんなこと関係なく…と思ったんじゃないですかね実は今回担当ディレクターが森師匠に会いにいっていろんなお話を伺ったんですけどそのインタビューの途中で当時のことを思い出して何度もストップして涙ぐまれるようなもう亡くなってから16年たってるんですけれどもまだ森さんにとっては村山さんのことはそんな過ぎ去った話ではない
(伊達)一番弟子ですよねそうですねホントに親子だったのかもしれないですねそして村山少年は17歳になりいよいよプロの世界に飛び込みますそこからの活躍をVTRにまとめましたのでご覧ください
四段に上がり奨励会を卒業
ついに
奨励会入会からプロ入りまでの期間
ライバル心を燃やしていたあの…
ハンディはあったものの
病んだ体に残るエネルギーを全てつぎ込み…
天才・羽生に並び称されるほどの実力で
将棋界にその名をとどろかせたのです
そしてこの…
ホントに早いんです2年11ヵ月ですけどその途中も病気でちょっと中断してるんですよそうですよねきっとホントにもう勝ちまくってあっという間にプロになったんですそれが…あんなに好きな将棋を辞めたい?対局後に高熱を出すこともたびたびあり体力の温存のためにペットボトルを枕元に置いてトイレさえ行かずだからペットボトルを枕元に置いといてそこで用を足してるんです大変ですねしかも…だから精神的なものも大きいわけでして自分の命を削りながらやっているような思いですからその世界から抜けたいと名人になって目標達成すればもう辞められる本当にそういうことですねよく「命がけ」って言葉を軽く使いますけれども彼を見ていると我々に使う資格はあるのかなって考えさせられますねそして次で三つ目のポイントで村山さんの一生を振り返っていきますわずか29年でこの世を去りましたかといってやっぱり人間やはりどこかで生活に潤いを求めるものでしてもちろん…それがこちらです
(一同)え〜そうなんですよマージャン覚えて1週間後には徹夜マージャンを打つお酒は一晩でワイン3本空けるほどワインお好きだったそうです
(伊達)ですよねきっと腎臓の病気…酔いつぶれるまで飲んでじゃなぜ今…確かによくないことですね体に二つともワインも飲みすぎだし徹夜よくないですよじゃ何でこんなことに打ち込んだのかそれにもやっぱり理由がありまして
(伊達)なるほどね〜これちょっと重い言葉だなと思うんですけど「普通」「当たり前」普通だったり当たり前の人はこのこと意識しないんですよだから意識しないでいられることがもう幸せなんですよ
(伊達)なるほどやはり小さな頃から病院で周りの人間が子どもたちが死んでいくのを見て何度も申し上げますけど本当に体調が悪くなったら歩くことさえできないそういう中で体調がいいときにせめてできるだけ人と同じことをしたいという思いここでもっと節制していればもしかしたらもう少し命が長かったでもそういうふうにして…そこは第三者にはよくわからないところだと思うんですけど友人であったプロ棋士の先崎学さんが飲んでいるときにこんなことがありましたこれは2人の会話ですそれに対して先崎さんが…先崎さん自分に恋人もいらっしゃったとこれに対して村山さんは…これはもういきなりいきますへえ〜なるほどね〜これをどこで書かれたか実はこれはある文の一部ですここに用意してありますこれは村山さんが亡くなったときに先崎さんが…ものすごく文章お上手ですこれも将棋のファンの間でも名文だと誉れ高い文章ですけれども普通だとねこの「死ぬまでに女を抱いてみたい」と死んだ人が亡くなった方が言ってたと書かないですよねでもあえて書いた先崎さんだから急性アルコール中毒で倒れた村山さんを2回送ってるんですよ病院へ病院で点滴してる彼の横で彼の持ってた推理小説をずっと読みながら待ったと村山さんを本当に理解していた人だからこそしかも…この言葉どうこう解釈しない方がいいかなとも思うんですけど自分の死をどこかで意識しているだからこそ…確かに恋愛をして恋愛をすれば女性とそういうこともなるごく普通のことですよねでもそのごく普通のことを声を震わせて願うそういう切迫した生き方しかしそういうものはなかなかかないそうもない中でとにかくそういう生き方をされた
しかし
どこまで…では最後のブロックにまいりましょうこれホント文字どおりですねよく子どものとき安っぽく命懸けませんでした?懸けてましたしょっちゅうそういうのとは全然次元が違うわけでしてその後の村山さんは病気と闘いながら名人を目指しましたそんなある日なんと…
(ホラン)さらに?腎ネフローゼだけでも大変なのにホントに神様は容赦しないというかそういうところなんですかね一体何の病気だったか
(伊達)あらがんだ進行性の膀胱がんが見つかりましたしかし子どもがつくれなくなるそれだけが理由じゃないでしょうけどまずは嫌だと手術を拒否しますしかし周りの人師匠であるとか家族とかがきちんと説明して手術をしなければ本当に命が危ないということでところがその1ヵ月後には1ヵ月ですよそしてその翌年2月病と闘いながらも名人戦への挑戦権が与えられるすげえな
拒み続けた…
名人戦の挑戦権が与えられる
在籍数わずか10名のA級に
病み上がりの中再び上り詰める
こうして命を懸けて挑み求め続けた…
いよいよこのA級にもう一回復帰しました一回入って体調が悪くて落ちてそれでもう一回戻ったんですいよいよこの中で勝ち抜いて復帰したんですよ「よしここからだ」そのために本当は嫌だった手術も受けて膀胱も切除しましたところが…
(一同)え〜!?そのときに「あれをやっておけばよかった」と言っても遅いので本当は嫌だった手術も受けて膀胱も切除しましたところが…
(一同)え〜!?あら〜やっぱりがんはなかなか難しいんですよね
(一同)う〜んう〜ん…
(伊達)ホントですねホントネフローゼだけでも大変な苦労されてた上にそういう決断をして先ほどの二つの夢のうちの一つももう諦めただったらせめて少し神よ力を貸してあげてほしいと思うんですが結局…治療に専念すると発表してしかしその年の8月に病院で息を引き取られました
(伊達)あッそうなんですかもう肝臓にも転移しててもう手の施しようがなかった実はその年の正月の将棋雑誌のインタビューにはこう答えているんですよこれ普通の人が書いたら「何を?」ってなりますけど村山さんですからやっぱ切実な思い彼一流のジョークだったのかもしれない逆に生きられると思ってたから言ったのかもしれないですよ目標ですからねまさかそんなその年の8月に自分の命に終わりが来るとはでもその一方で「土に還る。
」とも言っているどこかでやっぱりこうなるんじゃないかと思いつつでもやっぱり生きたいと思うからかといって現実も見えているだからこそ相反する思いをこの別々の二つの言葉で表したんじゃないですか死後直接関わった方たちが村山さんへの追悼文でこんなことを言っています「身体さえ万全なら何回もタイトルを取っていた」そうかもしれないし逆にこの体だったからこのスピードで上り詰めあの熱意で打ち込めたのかもしれないだからわからないですよねそこはねそうですねでもやっぱりこういう言葉をすごい名人の方々がおっしゃってるのを見ると……ていう気持ちもありますよね確かにねそうですね僕は体が丈夫だったら普通だったらということはあまり考えないですそれはもうその中でやるしかないただ病ゆえにかもしれませんがこの部分というのは誰もがそして…どこか自分でたるんでるどこかで「明日でいいや」どこかで「今でしょ!」って言ってるヤツいたなと思いつつついついいろんなことを先送りしてる自分を見いだして彼を見てだって…そのときに「あれをやっておけばよかった」と言っても遅いわけですからそうでないんなら普通に暮らせる健康な体をもらっているんならそんなふうに考えています
次週は…
どんな仕事も断らず
生きざま大公開
そして
2014/08/15(金) 01:09〜01:54
MBS毎日放送
林先生の痛快!生きざま大辞典[字]【☆天才棋士・村山聖☆】

29年という限られた時間を必死で生きた村山聖。「東の羽生(善治)、西の村山」と言われ、将棋界で伝説的な存在だった村山の鬼気迫る生きざまを紹介!

詳細情報
お知らせ
この番組は2014年8月5日に関東地方で放送されたものです。
番組内容
人々の心に名を刻む「偉人」たち。華やかなエピソードだけではない彼らの人生。時に無様に…、時にもがき苦しみ…、それでも諦めなかったからこそ成功を掴んだのです。
そんな「生きざま」を持つ人物たちを林先生が徹底的に分析。独自の視点と選び抜いた言葉で、分かりやすく解説します!日々何かと闘う皆様へ、林先生があなたのヤル気に火を付けます!
出演者
【MC】
林修先生

【ゲスト】
サンドウィッチマン、ホラン千秋
※50音順

【進行】
吉田明世(TBSアナウンサー)

ジャンル :
バラエティ – トークバラエティ
バラエティ – クイズ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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