疑者は容疑を認めているということです。
(柳田)現状の対策についてもう一度整理しましょう。
御社の現在の資金繰りですが4,500万円の入金は…。
(貴子)ですからねご自身でどうされたいのか決めていただかないとこちらも対処のしようがありませんので。
(婦人)はぁ。
申し訳ありませんが…。
(婦人)そうですか。
お気を付けて。
失礼します。
(ため息)ちょっと。
(大介)はっはい。
相談事ですか?これは何?はぁ?「はぁ?」じゃなくて。
(香織)ホチキスは左上端から1.5センチ幅に留めること。
あっ。
でもあんま変わんない…。
うん?それからわたしが頼んだのは民事訴訟法。
これは刑事訴訟法です。
しっかりしてよ。
すいません。
(ため息)民事民事。
(紀三郎)うん大介君。
(大介)ああ!すいません。
はい。
すいません。
あの…。
うん?今の人相談乗ってあげないんですか?はっ?冷たいな先生。
せっかく先生頼ってきたんだからもうちょっと話聞いてあげてもいいじゃない。
民事と刑事の区別もつかない半人前が依頼のことまで口を挟むんじゃないの。
やり直せばいいんでしょやり直せば!あっ!書類は大切に。
(大介)ったく何が半人前だよ。
こうなったら司法試験1年で絶対受かってやる!なっ。
はい。
・
(貴子)いつまで休憩してんの?
(大介)すいません!うわ!ごめんなさい!すいません!・何度も謝らない!じゃじゃなくて大丈夫ですか?
(亜希子)わたしはね…。
えっ?
(犬の鳴き声)よいしょ。
すいませんでした。
(亜希子)いいんですよ。
そんなのウチで洗いますのに。
(大介)いえ。
これは民法上不法行為。
僕には損害賠償義務がありますので。
あなた法律関係の方?えっ?あっまあ…。
そうよね。
こんな難しそうな本読んで。
(大介)いえこれは…。
ご立派ねまだお若いのに。
いやそれほどでも。
(亜希子)はぁ。
それに比べて…。
どうかされました?わたしの息子なんですけど…。
あっいやでも別に…。
何でも言ってください。
僕まだ見習いあっ…。
助手助手助手ですけどそこら辺の弁護士よりかよっぽど知識はあるんで。
そう?はい!いえ相談ってほどのことでもないんですけど。
わたしの息子ね18で…。
(貴子)悪いんだけどこれあしたの朝イチ速達でお願い。
これ住所。
(香織)はい。
それから今日はもういいから。
お疲れさま。
お疲れさまです。
柳田さん。
うん?あのお話聞かせていただきたいんですけど。
相談料。
高いよ俺。
えっ?いいよ出世払いで。
しないと思うけど。
あっ…。
ハッ。
あの結婚っていくつからできるんですか?結婚!?
(柳田)はっ?何それ?お前何か変なこと考えてる?いえ僕じゃないです。
あのああ…問題集。
問題集に出てたんです。
男18女16。
16歳!
(柳田)ただし未成年の場合は親の同意がいるけどね。
(大介)親の同意?
(柳田)つまり…。
つまり未成年20歳未満の場合は親の同意が結婚には必要なんです。
息子さんが18歳相手の子は16歳。
この2人が結婚したいと言ってると?
(亜希子)そうなの。
ウチの息子悪い女にだまされちゃって。
ああこの場合はですね…。
両方の父親母親どちらか1人でいいんですが「この婚姻に同意します」という署名となつ印相手の女の子若浦さん?その親御さんの署名となつ印そして息子さんの親亜希子さんの署名となつ印それがないと受理されません。
(夏樹)お母さんホントに賛成してくれたの?
(雅人)もちろん。
よし行こう!
(大介)お母さんは猛反対されてると?当たり前です。
まだ子供のくせに。
(大介)なら大丈夫です。
同意の署名となつ印がないと役所が受理しませんから。
(亜希子)それを聞いて安心。
やっぱりこういうときは専門家ね。
任せてください。
お母さんとチワワのためだったらいつでもタダで相談乗りますから。
アハハハハ。
(職員)親の同意もありますね。
はい結構です。
受理しました。
(雅人)やった〜!
(夏樹)やった!マー君!フフフ。
フフッ。
あっ写真撮ろう。
よし。
すげえお前口。
そいじゃ。
ハハハハハ…。
(職員)あっあのねあのね君たち君たち。
はいチーズ。
(職員)チーズじゃなくてさ。
後ろつかえてますからねっ。
あっ。
(亜希子)あなた。
ホントにあの子には…。
・
(雅人)ただいま。
おかえり。
俺たち結婚したから。
う〜っ。
はぁ。
・はい間宮貴子法律事務所…。
はい。
ああ本多は出かけたまままだ…。
・
(大介の鼻歌)あっ帰ってきました!僕?はいお電話代わりました。
本多でございます。
・
(亜希子)もしもし!どうしてくださいますの!あっはっはあ?・
(亜希子)結婚してきたって言ってますよ!ウチの息子!結婚!?営業!あのお母さんもうもうちょっとあの落ち着いてください。
落ち着いて。
はいはい。
(亜希子)本多さんを信じたばっかりに…。
終わりです白河家も。
あんな16歳の小娘が嫁だなんて。
お母さんお母さん。
マスカラ。
お恨みします。
えっ?だっ…大丈夫ですよ。
同意書を勝手に書いたっていうことは書類を偽造したってことでしょ。
そういうのは無効にできるんです。
えっ?当た…当たり前じゃないですか。
じゃあ結婚は?オフコース無効です。
(柳田)有効だよ。
嘘。
何で?
(柳田)本人たちに結婚する意志があるんだろ?だったら親が何と言おうが結婚は有効なんだよ。
だって反対してるんですよ親は。
未成年者の婚姻は親の同意がないと。
親の同意がなくて間違って受理されても本人たちが結婚するつもりなら結婚を取り消すことはできない。
あくまでも本人たちの意志が尊重されるってことだな。
最高裁でも判例出てるよ。
そんなそんなバカな!だったら偽造した婚姻届を受け付けた役所の責任どうなるんすか?これは責任重大。
役所に故意過失があるとまでは言えないな。
未成年者の婚姻の条件として親の同意の署名なつ印があることは確認してるし必要な手続きは踏んでる。
だけど…。
親に電話して確認するまでの義務は役所にはないだろう。
訴えても100パー負けるね。
白紙に戻したいなら離婚届出すしかないだろう。
離婚!?
(柳田)お前あんまり変なことに首突っ込むなよ。
出かける。
丸の内ノーリターン。
いってらっしゃい。
(ため息)ごめんなさい。
こうなったらもう離婚させるしか。
離婚!?あの年で離婚!?息子はまだ18なんですよ。
18でバツイチになれって言うんですか?いやもっもうそれしか。
夫が早くに亡くなって女手一つで必死になって育ててきてなのに学校は途中でやめちゃうわバイト先で知り合った女の子にだまされて結婚しちゃうわ。
亡くなった主人に何てわびれば…。
あっちょっちょっとお母さん。
こっこれからのこと考えましょうねっ。
(雅人)勝手に同意の名前書いて籍入れたのは悪かったよ。
でもそうでもしねえと許してくんねえだろ。
その若さで結婚だなんて。
子供のくせに。
(雅人)子供じゃねえよ。
なあ?子供です。
(夏樹)お母さん。
あなたに「お母さん」と呼ばれる筋合いはございません。
(亜希子)私古いかもしれませんけど家風というものはあると思いますの。
(雅人)はぁ。
また始まったよ。
(亜希子)失礼ですけどあなたじゃこの花瓶にそこいらの雑草を生けるようなもんです。
このウチに入ってやっていけるとは思えません。
夏樹。
いつものことだから気にしないでいい。
(亜希子)今は独りでアパートを借りていらっしゃるとか?どうでもいいだろそんなこと!あのウチは家族みんなバラバラなんで…。
(亜希子)だからって息子をだまして結婚っていうのはどうかしら?そりゃあなたにとっては玉の輿ってことかもしれないけれど。
(雅人)もういいかげんにしろよ!家出んだから関係ねえだろ!そんな勝手は許しません!
(雅人)もう遅えよ。
行こう。
待ちなさい!
(雅人)俺はバイトだってやってるし貯金だってしてる。
もう一人前なんだよ。
誰の指図も受けねえよ。
(亜希子)雅人!雅人!
(原田)マンションを借りたい?
(雅人)はい。
(原田)ご予算は?
(雅人)月10万ぐらいで。
(原田)10万ねえ。
敷金や礼金何やかんやで最初は60万ぐらいご入り用ですね。
いやでも貯金も100万ほどあるし俺もこいつも働いてるんでそれぐらいは…。
学生さんじゃないの?いえ。
新婚なんです。
結婚されてるの!?その年で。
(雅人)はい。
したばっかで。
ヘヘヘ。
なあ。
あっそう結婚されてるんですか。
どうぞどうぞお座りください。
(雅人)失礼します。
(原田)でしたら賃貸よりも購入物件でお薦めのものありますけどね。
あっはい。
(原田)このマンションはまさにうってつけです。
築20年なんですが内装はきちんとリフォームされてますし何よりも1DKで都心でこの価格は破格です。
悪くないね。
(原田)頭金100万用意されてるそうなんであとの300万はこちらでローンを組ませていただいて…。
ちょっと。
何だよ?借りるんじゃなかったの?お前説明聞いてなかったの?今は借りるより買うほうが得なの。
でも…。
賃貸だといつまでたっても自分の物にはなりませんが購入されると自分の財産になるんですよ奥さん。
あのでも安すぎないですか?400万って。
おっしゃるとおり。
売り出し価格は690万。
それをご主人の熱意に負けて大幅に勉強させていただきました。
いやこっちも必死ですから。
まあ何とかこいつをボロアパートから出してあげたくて。
ご立派ですよ。
はい。
マー君。
はい。
えっマンション!?2人の?おっお金は?
(雅人)いいじゃねえかよ。
このマンション。
掘り出しもんだよ。
グズグズしてるとほかのヤツに取られちゃうよ。
(夏樹)でも…。
(雅人)夏樹も度胸ねえな。
人生思い切りが必要だよ。
お母さんショック受けてたし。
どうせ何言ったって反対すんだからいいのいいの。
それよりこの年で家が持てんだぜ。
2人だけの城が。
フッ。
おおカメラ撮ろうぜ。
カメラ。
えっ?
(雅人)よしいくぞ。
はいチーズ。
(柳田)マンションを買う!?未成年が?しーっ!はい。
無理だよ。
(大介)やっぱり?
(柳田)未成年者の場合は親などの法定代理人の同意がなければ法律行為つまり不動産契約などはあとから簡単に取り消せる。
本人でも親でも。
とということは?あとから取り消せる契約を誰がするかってこと。
売ったはいいが「やっぱりやめます」って言われたらバカみたいだろ?だと思った俺も。
(柳田)もういいだろ。
俺忙しいんだ。
しっしっ!ちょっと!
(大介)はい。
澤田さんの不動産登記取ってきたの?あっすぐ行ってきます。
今大事な仕事の話してるんでちょっと…。
仕事?ねえ何か聞いてる?もめてるらしいですよ。
もめてる?どうして?今までの話を総合するとこうなります。
本多さんは16歳の女と結婚した。
ところが実は前々からその母親ともできていて激怒した母親に無理やり離婚させられた。
おまけにその慰謝料にマンションまで買わされかかっている。
そんなことがこの2、3日のうちで!?昼メロみたいな展開ですよね。
案外激しい人生ね彼。
(原田)こちらが契約書です。
こちらにご住所とお名前この丸印に印鑑押してください。
(雅人)はい。
(原田)それでこれが重要事項説明書です。
あの物件について書かれてますので。
どうぞ。
あっはあ。
(原田)あっ。
ちょっと失礼。
もしもし。
はいどうもお世話になっております。
ええいかがですか?この間の物件は。
大丈夫かな?
(雅人)えっ?何かやっぱりいくら何でも話うまくいきすぎじゃない?何だよ。
だまされたって言うの?そうじゃないけど…。
お母さん何て?いいんだよ。
関係ねえよ。
何かこれも何書いてるかさっぱり分からないし。
そんなのは付録みてえなもんだよ。
ローンの金利だってちゃんと調べたんだ。
全然高くなかったよ。
(雅人)よし。
(原田)どうもすいませんでした。
はい。
どうですか?確認させていただきます。
名前もオーケー印鑑もオーケー。
大丈夫ですね。
はい。
(原田)それいいですか?あっ。
(原田)ご主人。
すいません。
こちらにもご住所お名前そして印鑑お願いします。
(雅人)はい。
(原田)では頭金100万円確認させていただきます。
確認します。
(雅人)はい。
はい大丈夫ですね。
ではこれで完了です。
どうもありがとうございました。
いいえ。
こちらこそお世話になっちゃって。
なっ。
(原田)いやでもあの物件はね絶対お買い得ですよ。
新婚さんが2人で暮らすにはもってこいですね。
はい。
母親です。
まだ続いてんの?できちゃった!?子供!?展開早すぎ。
(大介)契約できちゃったっていうんですか?そんなはずは…。
大丈夫だって言ったじゃないですか。
(大介)そうですよ。
全然大丈夫です。
ええ未成年者の場合は親などの法定代理人の同意がなければ…。
だって荷物ももう運んでいってるんですよ。
それは勝手にやってるだけですよ。
契約は取り消し…。
もうよろしいです!事務所の弁護士さんお願いします。
分かりました。
とにかくこちらでその業者に行って責任持って契約取り消してきますから。
(大介)取り消せない!?どういうことですか!未成年の場合は親の同意のない法律行為は取り消せるでしょ!未成年ならね。
だから未成年。
18と16ですよ。
彼らは結婚してるでしょ。
ええ。
でもそれが?
(大介)成年擬制?
(紀三郎)そう。
えー「民法第753条未成年が婚姻をしたことによって成年に達したと見なす」これが成年擬制。
まっ結婚をしたことによって一足先に大人になったと見なされるというわけだな法律上。
そっそんな!じゃあお酒もタバコもオーケーなんですか?いやいやあくまでも民法の範囲内だけだ。
選挙権はないし養子が取れるとかそういうことだけだな。
じゃあ不動産の契約なんてできるわけないですよね。
(紀三郎)うんできるよ。
えっ?どうしたの?
(香織)真っ青です。
当然です。
(香織)おもしろすぎる。
バカだバカだと思ってたけどここまでバカ…。
(たたく音)ねえ。
(雅人)うん?何かこのマンション様子変なんだけど?何?
(夏樹)いる。
何がだよ?
(大介)暴力団ばかりのマンション!?
(亜希子)とんでもない物件よ。
でもよかった。
お宅の弁護士さん無効にしてくれたんでしょう?まさか?
(大介)すいません!
(雅人)どういうことですか?あのマンションに暴力団がいるなんてひと言も言わなかったじゃないすか。
ちゃんとお話しましたよ。
お渡しした重要事項説明書にも書いてあったでしょ?もらってない!見ただけ!
(原田)ハハハハ。
おかしいですね。
だって取り上げたじゃん!とにかくあなたが署名なつ印した契約書はほらここにこうしてちゃんとあるわけですから。
何だったら出るとこ出ますか?
(亜希子)よくこのウチに帰ってこれましたね。
でもあいつらが悪いんだよ!詐欺だったんだよ詐欺!お黙り!大人の世界に子供が首を突っ込むからそういうことになるんです!子供じゃねえよ。
わたしが知り合いの弁護士さんに頼んで何とかします。
お金も出すわ。
その代わり条件があります。
離婚しなさい。
(雅人)離婚!?何で離婚なんかしなきゃいけねえんだよ!それとこれとは関係ねえだろ!勝手なこと言ってんなよ!うざってえな!勝手なこと…。
(夏樹)そのお金はマー君が必死でバイトしてためたお金なんです。
わたしが今のアパート出たいって言ったから無理してマンション探して。
お願いです!取り返してください!
(夏樹)じゃないと離婚しなきゃいけなくなるんです。
(大介)ごめん。
(大介)もう俺じゃどうしようもできない。
ごめん。
何?子供の認知問題?そう。
で?何とかその2人を助けてもらえませんか?どう考えても悪徳不動産屋で…。
何で?えっ?何でわたしが?あっいやだって…。
あなたの依頼人でしょ?ならあなたが責任持ってやりなさい。
だからそれができない…。
話は終わりね。
さあ帰ろう。
そっそんな!よっ。
(ドアチャイム)何のご用?これでマー君…雅人君のお金を取り戻してください。
分かりました。
あとはこちらで何とかします。
お願いします。
ちょっと。
随分物分かりがいいのね。
どうして?わたし家の中がもめるのを見るの嫌なんです。
自分んちケンカばっかりだったから。
じゃあお先に。
お疲れさまでした。
(紀三郎)おっこれは。
(山岡)ああどうも。
(紀三郎)どうもお疲れさまでした。
ご苦労さまです。
あれ?貴子は?帰っちゃった?どうした?
(奈津子)そう。
でも間宮先生もちょっと冷たいわね。
当たり前じゃないかな。
えっ?弁護士は慈善事業じゃないよ。
だけど…。
仕事を請け負うってことはとてつもなく重い責任も請け負うってことだ。
それがプロだよ。
でも僕もどうにか力になりたくて。
自分で責任も取れないのに力になろうなんてのはそれはただの自己満足だよ。
そこまで言わなくても…。
あいつは…間宮貴子はプロだ。
できない仕事は引き受けない。
その代わりいったん引き受けたら必ずやり遂げる。
言い訳も愚痴もない。
自分がしたことには責任を持つ。
いいことも悪いことも。
そうやって生きてるよ彼女はね。
(職員)はい結構ですよ。
ちょっと。
はい。
向きが逆。
よく見てからとじて。
すいません。
しっかりしてよもう。
・
(ドアの開く音)
(香織)いらっしゃいませ。
(亜希子)あの…。
(大介)白河さん。
正式にご依頼に参りましたの。
こちらの先生に。
(大介)あのウチの先生は受けてくれるかどうか…。
えっ?お通しして。
わたしにご依頼に来られたんでしょ?ならわたしの依頼人。
わたしが責任を持って対応させてもらうわ。
はじめまして。
間宮貴子です。
(亜希子)残り300万用意しました。
もうその不動産屋に支払ってすべて終わりにしたいんです。
お話は分かりました。
でも明らかにこの契約には問題があります。
みすみす払う必要はないと思いますが。
そうですけどややこしい話は嫌なんで。
こちらに一任させてもらえませんか?不動産屋と話してきます。
分かりました。
お願いします。
(大介)あの成年擬制を知ってて契約してるから相当なワルだと思いますよ。
あの不動産屋。
ねえ?
(雅人)大丈夫?あんたで。
何かすげえヤバそうだけど。
ねっ。
黙ってて。
ここからは大人の出番だから。
弁護士先生ねえ。
契約には何の問題もないと思うんですけどね。
依頼者は暴力団がいるとは全然聞いていないと言っています。
ちゃんと説明しましたよ。
証拠はあるんですか?証拠ねえ。
(原田)これでよろしいですか?ちゃんと書いてあるでしょ?「302号403号502号に暴力団が入居しています」特記事項として。
しかもこれ渡しましたよ。
宅建取引業法で決められてるじゃないですか。
あっあの子たちチラシと間違えて捨てちゃったのかなあ。
こんなの嘘ですよ絶対!これコピーしてもよろしいですか?ええどうぞ。
先生。
マー君。
これデジカメの写真プリントアウトしたヤツ。
嘘ついてるのは向こうですよ絶対。
黙って。
13分か。
えっ?この説明書全部読まなきゃいけないのよ。
急いで読んでもあの子たちなら13分。
説明を受けながら読んだら20分。
契約にかかった時間は?これ見せられただけですぐに取り上げられたって。
それだけでも説明を怠ったことは明らかね。
じゃあ…。
でも証拠がない。
(貴子)そうか。
やっぱり説明書受け取ってないか。
はい。
明らかに向こうが嘘を…。
分かってる。
でもそれが説明できない以上言った言わないの水掛け論。
一応免許を持ってる不動産業者とこの子たち裁判官はどっちを信用すると思う?ねえ中身覚えてない?いやあいつが見てたんで…。
でも細かい字でびっしり書いてありました。
(雅人)ああそれは関係ないです。
ウチらの写真です。
どうした?これ。
(貴子)「松丘町五丁目3番地中野パレス601号の売買契約は詐欺を理由に取り消し無効とします。
売買代金100万円の返還および賠償金100万円を要求しまた300万円のローンに関しても無効とします」何言ってるんですか?契約の際買い主が暴力団の件について知れば契約を締結しないということを十分分かっていながら故意に説明を怠っています。
本来ならば詐欺罪として刑事告訴宅地建物取引業法により業務停止等の行政処分を求めるところですが依頼者の事情もあり特別に賠償金100万円で手を打とうってことです。
はあ?どこに詐欺が?証拠は?
(大介)依頼者の女の子が撮ったものです。
読んでもよく分からなかったので念のためデジカメで撮っておいたそうです。
ここにはこの間ここで見せられたような説明書にあったように暴力団云々の1行がありません。
つまりあなたは買い主に一切暴力団の件を説明していないだけでなく文書偽造の罪に問われる可能性もあります。
バカバカしい。
こんな物が証拠になると思ってるの?さあ。
でも出るとこ出るっていうのならとことんやりますよウチも。
お宅のほかの取り引きも徹底的に調べ上げます。
全力で闘いますよ。
それでも大丈夫ですか?
(原田)はい100万。
それと登記簿の名義を換えるための書類。
これでいいでしょ。
確かに。
あ〜あしかしいいね。
泣きつけば助けてもらえるんだから子供は。
たかが100万ぐらいでピーピー言うなっつんだよな。
フン。
大体そんなはした金で都心のマンションなんか買えるわけないでしょ。
考えりゃ分かるだろうに。
バカじゃないの。
あなたね!ちょっ…!ふざけんなよてめえ。
夏樹ちゃん。
何言ってんだよ!それがどんな金だと思ってんだよ!マー君が必死で働いてためてくれたお金なんだよ!わたしをアパートから出そうとして必死でためてくれたお金なんだよ!そんなお金なんだよ!それだまし取ろうとしたくせに何デカい口利いてんだよ!
(大介)ああもういいから。
(夏樹)相手になるよ!かかって来いよ!
(大介)夏樹ちゃん!夏樹!いいよ!いいよ!
(夏樹)来いよ!
(大介)こんなヤツほっとけ。
行こう。
ふざけんなよ!いいから。
(雅人)いいから。
もういいよなっ。
ふざけんなよ!もういいよなっ。
部屋帰って荷物取ってくるわ。
(亜希子)結婚っていうのはね家と家との結び付きなの。
(亜希子)ウチのような家に嫁ぐのはホントに大変なの。
どれだけ苦労するか。
分かってます。
だからもういいんです。
すいませんでした。
結婚っていうのはね家と家との結び付き。
でもホントに大事なのは本人同士よ。
さっきはありがとう。
雅人をよろしくお願いします。
本多さん。
うん?お客さまです。
(大介)おお!よかったじゃん。
お母さん許してくれたんだって?はい。
じゃあ次は再婚か?
(2人)はい。
ハハハ…。
ダメだ。
えっ?女は離婚して半年たたないと結婚できないんだった。
はっ?マジっすか!?それは違う相手と結婚する場合。
同じ相手となら今すぐにでも結婚できるわ。
ホントですか!じゃ同意のサインもらってこなきゃ。
それももう必要ない。
今度は同意なしで結婚できるの。
一度結婚したら成年擬制のままだから。
今度こそ大人としてちゃんと婚姻届出してらっしゃい。
(2人)はい!あのこの間は生意気な口利いてすいませんでした。
ごめんなさい。
嘘…。
あなた。
やっぱり血は争えないわね。
あんな子を選ぶなんて。
フッ。
あなたと同じ。
(職員)はい受理しました。
やった〜!マー君!う〜ん。
あっ写真撮ろう。
写真撮ろう。
写真撮ろう。
よし。
あっあのもしよかったら職員さんも1枚。
(雅人)そう。
ええ後ろがつっ…かえてないか。
ヘヘヘ。
よし撮ろうぜ。
(夏樹)撮ろう撮ろう。
(雅人)よしいくよ!はいチーズ!
(シャッター音)
(大介)先生。
コピーです。
ちゃんとドキュメントもとじておきました。
左上左右1.5センチの所にホチキス。
完ぺきですね。
(柳田)これぐらいから勉強したほうがいいよ素人は。
ありがとうございます。
俺も付きまとわれるの嫌だからな。
フッ。
あーっ!よし!負けてらんねえよ俺も。
(香織)何か猛烈に勉強してますよ。
あっそう。
また新たな展開かな。
さて。
・『心の旅人』2014/09/10(水) 14:57〜15:53
関西テレビ1
離婚弁護士 #04[再][字]【天海祐希 玉山鉄二 ミムラ 佐々木蔵之介 津川雅彦ほか】
「16才と18才の離婚」
詳細情報
番組内容
ホチキスの止め方が悪いと注意され、仕事に口を挟んでは怒られる…。大介(玉山鉄二)にとって、それはこれから起こるとんでもないトラブルのプロローグに過ぎなかった!? 貴子(天海祐希)の下で事務員のアルバイトをする大学生・大介は、弁護士を目指すと公言しているものの、法律に関する知識はほとんどゼロ。
番組内容2
民法と刑法の区別がつかないどころか、未成年者でも親の同意があれば男は18歳、女は16歳で結婚することが出来る、なんて法律も知らなかったりするのだ。にもかかわらず、未成年の息子の結婚話に悩む婦人の相談役を引き受けてしまった大介の運命は…。斉藤祥太、邑野未亜らをゲストに迎えておくる第4話!
出演者
天海祐希
玉山鉄二
ミムラ
佐々木蔵之介
久我陽子
津川雅彦
斉藤祥太
邑野未亜 ほか
原作・脚本
【脚本】
田渕久美子
林宏司
監督・演出
【演出】
光野道夫
田島大輔
【プロデュース】
長部聡介
瀧山麻土香
音楽
井上鑑
【主題歌】
「心の旅人」hitomi
【挿入歌】
「ホワット・アム・アイ・トゥ・ユー」N・ジョーンズ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:16940(0x422C)