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(小鳥のさえずり)・
(小室瞳)上…はい右上…。
(患者)瞳先生…一生のお願いだ!もういっぺん考え直してくれないかね?
(瞳)右…。
(患者)先生は俺たちを見捨てる気かい?
(患者)何とか言ってくれよ先生!
(患者たち)先生ったら…!・
(患者たちのざわめき)・
(瞳)うるさーい!!これでは診察になりません!せめて俺の目が治るまではいれくれるよね?自分のことばっかり言ってもう!京都に帰るのさもう少し先に延ばすわけにいかない?最初からここの院長先生の病気が治るまでっていう約束やから…あんなヤブ医者!戻って来てもねぇ…!だったらあのヤブ…湖に沈めちまうか?あっそれいいねぇ!でも白樺湖はまずいぞ!だったらさ諏訪湖!ははは…!ついでに保険金たっぷりかけとけ!いるのよ親戚に保険屋が!いい加減にしなさいっ!!どうしてもダメかね先生?みなさんに引き止めてもらえるのは本当にうれしいし…白樺湖を離れるのもさみしいです…でも…来月京都に帰ります。
そんな…ごめんなさいね。
次の患者さんどうぞ!
(大谷)ハックション!お待たせしました。
その後どうですか?やっぱり目のかゆみと鼻水が…アレルギー検査の結果が出たんやけど…スギの花粉でも…ハックション!ヒノキの花粉でもなかったのよねぇ。
結婚式までに…治りますか?せっかくの花嫁さんが鼻水ズルズルじゃ台無しよね。
失敗は許されないんです!…ハックション!!
(蓼沼さやか)きゃっ…きゃっ…!!きゃっ…!殺してやる…きゃーっ!!きゃっ!…きゃーっ!きゃ!
(フロント係)お帰りなさいませ。
メッセージが届いております。
どうもありがとう。
クマさん危篤…。
亜由美…えっ!?あのクマ…どないしたんやろ?あっ亜由美さん?熊取さん危篤ってホント!?
(水木亜由美)瞳先生!クマさん今夜もつかどうかなんですって!えっ!?何でそんなことに…!?
(亜由美)犯人捕まえようとして逆に犯人にナイフでグサッと…何でそんなドジやのもう…助かる見込みはないの…?瞳先生が来てくれれば助かるかもしれません!
(瞳)そんなこと言うても…今長野の白樺湖よ…
(亜由美)でもクマさんのこと愛してるなら急いで来てあげてください!ちょっとちょっと…何やバカに電話近くない?
(3人)ははは…!何よ!何が危篤なんよ!
(熊取源太)瞳先生やっぱり俺のこと愛してくれてたんですね!熊取源太感激です〜!勝手に感激してなさい!いい部屋ですね!亜由美さんどういうことなんこれは?先生が「遊びに来て」って言うから…そやからてね…これはないでしょ!
(戸村隼人)すいません。
自分のアイディアです!どうせ書くんやったらね「クマさん死す」ぐらい書いてみたら?またまたそんな心にもないことを…!いやぁ〜会えない時間が愛を育てるんやわぁ〜!休暇取って来たかいありましたわ!クマのプッ!何が「プッ!」よ!いらん!
(熊取)プッ!いらん!
(亜由美)うわ〜っ!おいしそう!
(熊取)瞳先生毎日こんなご馳走食べてはるんですか?そらここに住んでんねんから当然でしょ。
いやうらやましいなぁ〜!これもええ…!鶏も…!そこまで!何で!?まだ全然取ってまへんがなカロリーの取りすぎよ!糖尿病の食事療法…全然やってないでしょ?やってますよ!けどたまには…糖尿病網膜症で失明しても知りませんよ!やさしいありがとっ!いえいえ…。
ねぇねぇ…あの2人しばらく見んうちに…そうですね…戸村の奴もう尻にしかれっぱなし!
(亜由美)気持ちぃ〜!そのピアス…新しいね?…ええ!何か報告すること…あるんやないの?あぁ…ドライアイは結構良くなりましたよ!う〜んまたとぼけて!戸村君とどないなってんの?そのピアスかて…戸村君にもらったんでしょ?違いますよ!私の目は節穴やないのよ!白状しなさい!白状するも何も…!プロポーズされたんでしょ?来た時からね亜由美さんの目ず〜っとハートマークやったもんね〜!そんなことないですよ…!「目は口程に物を言う」って昔からよく言うでしょ?もう瞳先生にはホントウソつけないですね!この幸せ者が!やめてくださいよ!ちょっとぐらいわけてよ!ははは…!ねぇお客さん来た時こういうのいいじゃん!すごいきれい!…これ?ちょっと高いね…。
私には高いグラス似合わないよね…?すいません!これください!全部ください!ははは…!もう大好き!
(戸村)これ全部?
(亜由美)全部ください!おばちゃんいつ瞳ちゃん長野から帰ってくるの?
(小室菊枝)来月やて…ええ男でも捕まえて来てくれたらええねやけどな!俺は困るけどなっ!えっ?…いらっしゃい!お母ちゃんただいま!ただいま!あはは…!瞳!?えらい早かったな?東京で学会があるの。
その打ち合わせ!ちょうどええわ!チャーシューとネギミソお願いね!相変わらず人使いあらいなぁ!お母さんお手伝いやったら私も。
ラーメンの味もわからん人には無理です!あははは…!またまたそんなほめて!・誰やこんな時に!もしもし熊取。
何!?…わかったすぐに行くわ!事件ですか?この近くで変死体が見つかったんや。
お母さんすぐに戻って来まっさかい!俺あとでチャーシュー!私も行ってきます!ちょっと私も行ってくるわ!あんた手伝いは?瞳!!ご苦労様です!ご苦労さん!はいここから先はダメダメ!
(亜由美)日東新聞の記者です!新聞記者でもダメだ!この人は医者やからOKやな?日東新聞の看護婦看護婦…!飛び降り自殺か…?まだ若いのになぁ…亜由美さん!?大丈夫?貧血か?よくあるこっちゃ!大丈夫か?そんなことやからな…いつまで経っても事件記者になられへんのや!そういう言い方はないでしょ!亜由美は熊取さんと違ってずっと繊細なんです!何やねん!それやったら俺がえらい鈍感みたいやないの!何でワシが出さなあかんのよこれ!いいじゃないですか600円ぐらい!600円!?635円や!
(亜由美)先生もう大丈夫ですよ。
ありがとうございます。

(戸村)失礼します!どうぞ!
(戸村)どうです?
(熊取)大丈夫か?ただの貧血やね。
ふ〜ん…俺はお前が妊娠させてしもたかと思ったわ!そんなことするわけないじゃないですか!ふ〜ん…ホンマにしてへんのか?・
(瞳)クマさん!はい?そんなこと聞くから…鈍感って言われるのよ!鈍感!?それよりさっきの女の子の身元とかわかった?ええ…長野県下諏訪の高校生でしたわ。
下諏訪のって…白樺湖の近くの?そうなんですわ!よりによって京都で自殺せんかてねぇ〜あの子ホントに自殺だったんですか?
(熊取)うん!それもうまず間違いない!
(熊取)おーこわっ!
(戸村)熊取さんあの子の身元がわれました。
蓼沼さやか。
諏訪やまびこ高等学校2年生ですね。
(熊取)ついでに言うとくけど亜由美君…君…事件記者諦めた方がええなぁ!今担当してる家庭欄の方がむいてるでぇ〜!どうしてこんな時にそんなこと言うんですか?熊取さんの無神経で鈍感なところ直した方がいいと思います!あらら…そないにポンポン…言わんでもええやないの!クマさん!邪魔者は退散しましょ!はい退散!退散!ほれた女の前やからカッコつけて!ホント鈍感ですよ!婚約!?…あの半人前で使いものにならんボンクラ戸村が…亜由美ちゃんと婚約!?クマさんには戸村君から正式に話すやろから知らんぷりしててよ!はいはい…しかしあんなアホのどこがええんやろ…?あっどうも…!亜由美さんね…家族は東京にいるお父さんだけでさみしい思いして頑張ってきたんやから…幸せになってほしいよね。
まぁ確かに亜由美ちゃんには女1人でつっぱってきた気の強さがありますなぁ。
はっ…また先越されたがな…。
は〜っ…!お母ちゃん何か言うた?聞こえてんねやな?結婚は年齢でするもんやないの!そうそう…!お母さんご心配なく!来年あたりには可愛いお孫さん抱かせてあげますからね〜!いやぁ…戸村君たちには…負けられませんなぁ〜!それくらいやったら一生独身通すわ!ねぇ…あの子ホントに自殺だったのかな?状況から見ても間違いないな。
じゃどうして長野の子が京都で自殺なんかしたの?それはこれから調べてみないと何とも言えないよ…ホントに自殺だったのかな?
(戸村)どうぞ…。
(熊取)確認願います。
(蓼沼玲子)はっ!!…間違いありません…さやかです。
行政解剖の結果お嬢さんに不審な点はありませんでした。
つまり警察としては事件性はないものと見てます。
ただお嬢さん…妊娠してはりました…。
…妊娠!?妊娠はご存知なかった?知りませんでした…4ヶ月目に入ってたらしいですわ。
そのへんが自殺の原因ですかね?わかりません…遺書はなかったんでしょうか?見つかってません。
(熊取)他に自殺の原因として考えられるようなことは?最近何か…変わった様子があったとか?昨日家を出る時はどうやったんですか?いつもとまったく同じでした…行ってきます!けど…何で京都なんですかね?誰か京都に知り合いがおるとか?いないと思います。
蒔田さんでしたな?あっはい…。
大変失礼ですが蓼沼さんとはいわゆる内縁関係・・・?いえ正式に籍を入れています。
けど…名字が違いますね?さやかの学校のことがあったものですから…とりあえず名字はそのままに…。
あ〜そうですか…。
ご主人は亡くなったさやかさんとも一緒に住んでたわけですなぁ?ええ…自殺の原因…何か心当たりありませんか?私は時間が不規則なもので…タクシーの運転手をしてるんです。
ですからさやかちゃんとはあまり顔を合わすこともないのでふ〜ん…そうですか。
すいませんなお母さん…辛いときにいろいろ聞いて。
もうこれで結構ですわ。
刑事さん!…はっ?私には…私にはさやかが自殺したとは思えません!
(瞳)ホンマに遠慮せんといてくださいね。
(瞳)白樺湖と下諏訪言うたら隣町も同然でしょ?ひとごととは思われへんね。
遠慮せんと泊まっとくれやす!じゃお言葉に甘えて…。
すいません…。
部屋は2階やからついて来て。
こっちこっち!
(熊取)どうぞどうぞ…汚いとこですけど…。
いやぁ〜瞳先生ホンマ恩にきます!クマさんええとこあるやないの!自分も見直しました。
!昨夜熊取さんのこと無神経って言ったの撤回します。
すんませんでした。
わかった?わかったらええんや!あんな君…これがホンマの男のやさしさっちゅうもんや!なぁ瞳ちゃん?ほめえたらすぐこれや!亜由美さん!?あの子殺されたのかもしれないです…。
どうして?今日あのマンションに住んでる人に聞いて回ったんです。
そしたら…「ドン!」って音が聞こえる前に「キャーッ!」って悲鳴みたいな声が聞こえたような気がするやけど…悲鳴を聞いた人は他にも2人いました!あの子が飛び降りる時に悲鳴を上げたんやないの?自分の意思で飛び降りる時に悲鳴なんか上げますか?そうやね…まず悲鳴は上げへんわな…。
あの子のお袋さんも言ってましたよね?私にはさやかが自殺したとは思えませんって…。
案外母親の勘っていうのは鋭いかもね…。
熊取さんもう1度きちんと洗い直してください!え…えらいマジやな?俺に事件記者やめた方がええ言われたのがよっぽど悔しかったんかいな?当たり前です!熊取さんに言われっぱなしで引き下がれませんから!うん!それやそれ!そのガッツがなかったら事件記者になんかなれんわな!戸村!念のためもういっぺん母親から話聞くで!はい!後悔すんなよ!こんな気の強い女と婚約して!体気をつけてね…!瞳先生…!あっ…。
(玲子)さやかの父親とはさやかが5歳の時に離婚しました。
(瞳)それで実家のある下諏訪に戻ったんですか?
(玲子)ええ…。
この子は…さやかは小さい時から花嫁さんに憧れてて…自分が家庭に恵まれなかったから早く温かい家庭を持ちたかったんでしょうね…。
それなのに…花嫁衣裳さえ着せてやれなくて…親がこんなだから…そんなことないですよ…。

(熊取)瞳先生!あっどうやった?下諏訪にいてるさやかさんのボーイフレンドから話が聞けました。
「さやかさんを妊娠させるようなことは決してしてない」って言うてるんですけど…信じられますか?信じていいと思います。
俺は信じられへんなぁ…どうして?状況が状況や…普通の男やったら自分が妊娠させたとわかっててもさせましたとは言えへんやろ?
(熊取)ひょっとしたら自分が妊娠させたことが原因で自殺したのかもしれへんのやで…それ考えたら誰かて認めとうはないわなぁ。
クマさんが言うように仮にそのボーイフレンドが…さやかさんを妊娠させて悩んでたとしてよ…どうしてわざわざ京都まで来て自殺しなあかんかったのか…?そら京都が憧れの土地やったからと違いますか?憧れの土地ねぇ…それって結構当たりかも!でしょ!でしょ!…さやかさんから…京都に憧れてるとか京都に会いたい人がいるとか聞いたことありません?さぁ…?どっちにしても何で京都に来たのか?・ちょっと失礼!はいもしもし熊取。
うん…マンションに?
(熊取)何や呼び出して?勤務中にデートかいな?
(戸村)熊取さんあの子本当にここから飛び降りたんですかね?
(熊取)アホ!お前かて見たやろ?あの子の靴とバッグがここにちゃんとそろえてあったん!靴もバッグもあの子がここに置いたとは限りませんよ!
(亜由美)この真下に彼女が落ちていたということは…この下の階のベランダから誰かに突き落された可能性がありますよね?犯人はどこかのベランダからあの子を突き落した後に…ここに靴とバッグを置いた…。
だからあの子は突き落される時に悲鳴を上げた…きっとそうですよ。
(熊取)戸村!下の部屋片っ端から当たるぞ!
(戸村)はい!・
(ピンポーンピンポーン…)・表札も出てへんし空部屋やろか?・
(ピンポーンピンポーン…)・お邪魔してます。
あっこんにちは。
あとでまた出直しますか?そやなぁ…。
あっ…あのちょっと失礼します。
私京都東署の熊取ですけどちょっとよろしい?あぁ警察の方…ご苦労さんどす。
隣の503の人何ちゅう人ですか?さぁ…?さぁって…隣の人の名前ぐらいわかりまっしゃろ?わかる時もあればわからん時もありまんがな!そないな冗談言うてんとちゃんと教えてぇな〜!冗談なんか言うてまへんがな!この階はマンスリーマンションやさかい人の出入りがはげしくて名前なんかいちいち覚えてまへん!マンスリーマンションって1ヶ月単位で部屋を貸すあれですよね?そうです。
名前はともかく…隣にどんな人が住んでるかわかりませんか?私は全然目が見えんもんでね…声だけでもいいんですけど何か聞いたことありませんか?つい最近…つい最近やったら…隣の部屋に入って行く人とここですれ違ったな。
それっていつですか?あの日どすわ。
ここで飛び降り自殺があった日…すれ違ったのは何人ですか?足音は2人やったな。
それとそのうち1人は女や…化粧の匂いがしたさかい。
ここのマンスリーマンションってどこの不動産屋が扱ってるんですか?川端二条の不動産屋です。
川端二条…行きましょう!おおきにおおきに!ご苦労さんどす。
先生エレベーター来てますよ!
(担当者)契約書を探しまっさかいちょっと待ってくださいね!
(熊取)それ?もう全部貸して!
(不動産屋)あきませんて!
(不動産屋)お客さんのプライバシーがあるんやから!
(亜由美)いいじゃないですか!
(不動産屋)ええことないです!
(熊取)ええズボンつりしてるな!
(不動産屋)サスペンダーです!あきまへんって…!あった!これや!誰があの部屋借りてます?…蒔田武雄亡くなったさやかちゃんの義理の父親だ!あの野郎!
(蒔田)あの部屋は確かに私が借りました…。
ほんで…あの子をあの部屋のベランダから突き落したっちゅうわけやな?まさか!そんなことするわけないでしょ!頼まれただけですよ!頼まれた?さやかちゃんから自分は未成年で借りられないから代わりに部屋を借りてくれって…彼女が家を出たがってたっちゅうことか?ええ…何で出たがったんや?それは…聞いても…教えてくれませんでした…。
ほな何で京都なんや?それも教えてくれませんでした…ふ〜ん…で…借りた思ったらすぐに自殺してしもたっちゅうわけやね?そうなんですよ…!ですから私も何が何だか?どうしてそのことを今まで黙ってたんですか?それはあの…さやかちゃんに誰にも言わないでって口止めされてたしそれに…何か私が疑われるような気がしてね・・・あ〜やっぱりやましいところがあるんや!?ありませんよ!だいたい借りたマンションの部屋にさえ私入ったことないんですから!ホンマに?ホントですよ!念のために聞くけど…まさかあんたが…さやかちゃんのお腹にいた子供の父親ってことはないね?まさか!?たった2年ですけどね…義理とは言え父親ですよ!本当の父親のつもりでそれなりにやってきてたのにいくら刑事さんでもそんな言われ方したら気分悪いです!いや悪かったね…。
(菊枝)ウチはねいつまでいてもろてもええんです!
(玲子)いえもうこれ以上は…
(瞳)さやかちゃんのことこのままでええんですか?
(玲子)さやかはやっぱり自殺したんです…。
ダメな母親に抗議するために…この子自殺したんです…。
そんなことないと思いますけど…お待たせ!ホントにお世話になりました。
いいえ…。
じゃ…。
お母さんどうも〜!ねぇこのまま蒔田さん帰してもええの?マンションのあの部屋から何も出ませんでしたわ…。
あの部屋に蒔田さんが入ったかどうかは証明できないってこと?まぁそういうことですわな…目撃者も全くいてないしね…
(熊取)もう気が済んだやろ?行こか?あの子は…ここから突き落されたのよ…。
ねぇあの人捕まえて!早く!すいません!ちょっと待って!その声は昨日の警察の方?ええ。
何でそんなことするんですか?ええから言われた通りにして。
すみませんお忙しいところ。
あなたも刑事さん?いやこちらは有名な…捜査1課の小室と申します。
昨日もうかがったんですが…お2人がすれ違った正確な時間覚えてはりますか?いやぁ〜正確な時間言われたら…危ないな!何やってるんだよ?私が亜由美さんに頼んだの!先生が?今まばたきしましたよね?えっ…え…?確かにまばたきしました!目がご不自由のなのにペンを突きつけた瞬間どうして…まばたきなさったんですか?先生さっきから何言うてるんですか?まだわからへんの?ほらっ!今まばたきしたでしょ?そらしまんがなぁ!人間は今みたいな時本能的に目を守るためにまばたきするように出来てるの。
もちろんそれは目が見える人に限っての話ですけどね!ってことは…あんたホントは目が見えてんのか!?あんたら何ちゅうこと言うんでっか!みんなで寄ってたかって障害者いじめてええんでっか!?あなたが本当に視覚障害者なら問題ですけどあなたは間違いなく偽の視覚障害者「詐盲」です!何なら私が徹底的に精密検査しましょうか?あんたも詐盲やってんなら世界的名眼科医小室瞳の名前知ってるやろ?そんなん知らんって…このお方がその小室瞳大先生や!…参りました!ウッソ!あの日2人が部屋に入って行くの見たんですね?見ました…。
この2人ですか?そうです…。
やっぱり蒔田があの子を突き落としたのよ…。

(熊取)さすが名眼科医!すごい眼力ですなぁ〜!いやぁ〜熊取源太!ほとほと感服いたしました!あの人何で目が見えないなんてウソついてたんですかね?多分保険金狙いやない?とんでもない奴やな!ホンマに目が不自由な人が大勢いるっちゅうのに!そんな奴絶対に許せんわ!汚いね!ペッペペッペツバ飛ばさんといて!もう亜由美ちゃんの車で一緒に行動したらええやないですか!えっ何言うてんの?戸村君と亜由美ちゃんと一緒なのはいいの!クマさんと一緒なのは嫌なの!あららっ!またまた心にもないこと言っちゃって!自分も一般人と同じの車で捜査するのはまずいと思います!あらっ生意気なこと…!亜由美ちゃんと一緒ならええって顔に書いてあるぞお前!
(熊取)ほな先生!あっ!ええ車やないの!じゃ気を付けてね!
(戸村)亜由美もな!イチャイチャするな!一緒に並んで走るのに!
(熊取)レッツラゴー!
(戸村)レッツラゴー…
(戸村)すいません蓼沼玲子さんのお宅ご存知ですか?玲子さんは秋宮の方行きましたよ。
(戸村)どうもすいません。
ありがとうございます。
(熊取)二手に別れて探そう!おまえらあっちや!先生!
(熊取)蓼沼さん!何か…?探してたんですよ。
蒔田さんはどこですか?夕方から仕事に出るって…タクシー会社の名前は?個人タクシーなんです。
いつもは下諏訪の駅前にいますけど…
(熊取)戸村わかった。
行くぞ!駅前や!蒔田さんがさやかちゃんのために借りたマンションの部屋に2人が入って行くところを見た人がいたんです…。
警察は蒔田がさやかを突き落としたと思ってるんですか?その可能性が強いと見てます。
まさか…!?本当にそう思ってますか?玲子さん何か隠してませんか?今回のさやちゃんのことで何か心当たりがあるんやないですか?その手どうしました…?さやかちゃんのこと妊娠させたの蒔田じゃないですか?そのこと気づいてたんじゃないんですか?まさか…
(戸村)運転手さん!すいません蒔田さんはどちらに?いねぇよ!お客さん乗せてどこか行ってるの?休みだよ休み!ここんとこ休んでばっかよ!もっとも本業で稼いでるからよ!タクシーが本業とちゃうの?タクシーはサイドビジネス!また今晩あたり東京だろ?
(戸村)別の仕事で東京に行ってるんですか?違うよ!女だよ女!じゃっ…こっちの方もすごいの?あれでマメで優しかったりするからこれがもてたりするんだな!酒が入ると女殴ってるぜ。
女の方もよくついて来るよ!クマさんたち本当に東京に行ったのかしら?そうみたいですね。
先生相変わらずミステリー好きですね?戸村君がおらんでさみしかったら貸してあげるよ!ご心配なく。
もうすぐ多分かかってきますから!・ほら来た!戸村君も大変やな?このまま部屋に戻りますからおやすみなさ〜い!おやすみ〜!ちょっとうらやましかったりして・
(瞳)おはよ!おはようございます。
(亜由美)何かいいですね。
こんな景色のいい所で朝食なんて夢みたい。
ええとこでしょ?どうしたん?目赤いね?朝起きたら涙目になってて…ちょっと見せて…花粉症やろか…?まさか…。
私花粉症なんてないですよ。
京都の杉林とか歩いても何ともならないですもん。
何やろうね…?あっお疲れさま!
(熊取)いやもう参りましたわ!東京まで行ったの?そう結局ムダ足…。
けど昨夜から長野県警も動いてくれてるから蒔田が見つかるのも時間の問題やろ!
(瞳)それ私の!どうした…?ちょっと行って来ます!瞳先生!亜由美ちゃんやっぱり…これでんな!そうみたいね!間違いないわね…仕事の遅い奴に限って手が早い!もしかして亜由美さん…すいませんご心配かけて。
キウイ食べたら急に口の中がかゆくなっちゃって…口の中…?おい戸村正直に言え!出来たんやろ?俺の目はごまかせん!東京行くって…アホ!今東京から帰ってきたとこやないの!彼女ですよ…亜由美さん…?急に東京本社へ転勤が決まったからって…。
向こうで社会部に移れるらしいんです。
ほう!事件記者の夢がかのうてめでたい話やな!自分どうしたらいいんですかね…婚約も解消してほしいって…何でだよ…
(瞳)亜由美さんわたしも東京に乗せてって!学会…明日からじゃなかったんですか?うん…でも1人で行くのさみしいやないの。
トランク開けて!後ろまだ乗りますよ。
亜由美さん!…なんで婚約まで解消せなあかんの?東京行ったらまたいつ京都に戻って来れるかわからないんです。
そない言うたかて…中途半端にしたくないんです!せっかくのチャンスを…大事にしたいんです!それ以上に…彼のことを大事にしたいんです。
大事にしたいんです!…お疲れです…早よ東京行って来い!朝までに帰ってきたらええから…余計な気ぃ回さないでください。
亜由美ちゃんのことしか頭にないくせに!そんな奴と一緒に捜査なんかやってられるか!そんなことありませんよ!…僕だって刑事ですから。
…風呂行ってきます。
…無理しやがって!
(司会者)「続きましては北海道札幌北病院院長梶原初男先生の報告です『北海道における白樺花粉症の現状と症例』」白樺の花粉症…?やっぱりこぅ…目のかゆみと鼻水が!…もしかして!お隣よろしいでしょうか?あぁ!どうぞ!このお弁当美味しいですよ!ほんとだ美味しそうだ!先ほどの発表とても興味深く聞かせていただきました!ありがとうございます。
例えばなんですけど北海道以外の地域でも白樺の花粉症の患者が出ることは考えられるんでしょうか?そうですね…白樺が多いところであれば当然考えられますね!そうですか!やっぱりね…・
(パトカーのサイレン)・
(パトカーのサイレン)間違いない蒔田や…!
(熊取)一昨日京都から下諏訪へ帰ったんが午後1時過ぎ。
でまっすぐ家に戻ったんか?…はい。
蒔田がまた出かけたのは何時ごろや?あれは確か…2時半位だったと思います。
その時は仕事に行く言うて出掛けたんやねぇ?そうです。
でその後蒔田とは会うてない?…会ってません!一昨日の夜はずっと家にいてました?…いえ。
どこにおったん!?言えへんところ?友達のところに…女の友達?…いえ。
男のお友達!その男のお友達のところ行ったん何時ごろや?12時ごろです。
で…そのまま泊まった?…はい。
その男のお友達の名前教えてもらえまへんか?まさか殺されてたやなんて…蒔田さんはここで殺されたの?いや。
別の場所で殺されておろらく車でここまで運ばれたんでっしゃろ。
死亡推定時刻は?一昨日の午前2時前後です。
ということは京都から帰って来た日の夜中やね?そうです。
ちなみに死因は失血死です。
包丁で左胸を…一突きですわ!
(瞳)花が咲いてる!
(熊取)えっ?…どこ?あれよ!これが白樺の花なんですか?そう。
地味な花やなぁ!みの虫かと思もたわ。
(熊取)蒔田はまず間違いなく蓼沼さやかを殺していた。
それに気づいた母親の玲子が娘の仇とばかり蒔田を殺害した。
動機としては…考えられるわね。
(熊取)ただ玲子には…完璧なアリバイがあるんですわ。
(戸村)彼女は蒔田が殺害された時刻に別の男の部屋に泊まってたんですよ。
別の男!?蒔田の他に男がおったんですわ。
玲子は随分以前から蒔田に愛想を尽かしていたみたいでね。
だいたい蒔田ちゅう男は…酒にバクチに女。
そのうえ暴力をふるうわでとにかく最低な男やったみたいですわ。
暴力…?タクシー運転手ってのは表向きの顔で実際は運転手仲間相手に競馬のノミ屋やって結構稼いでたらしいです競馬のノミ屋…その関係であちこちから相当恨みをかってたみたいです。
今そっちの怨恨の線からも捜査を進めてます。
さやかちゃんはそんな男と…2年間も一緒に暮らしてたんやね…。
おい車取って来てくれ。
はい。
亜由美ちゃんまだ東京ですか?別れるときとにかくもう一度きちんと戸村君と話するように言っといた。
今晩あたり…戻って来ると思うけど…
(熊取)せっかく信州まで来たのにそば食うの忘れてましたな!お待たせしました!
(熊取)おっ来た来た!
(瞳)美味しそう〜!先生!そばやったら糖尿にもええでしょ?おそばと日本酒ってメッチャクチャ合うんやってね!ほなっちょこっとだけ行きますか?ダーメ!ダメですよ!何でお前にまで言われなあかんねん!?エラそうに!ねぇ!蒔田さんはね…さっき言うてたけど包丁で胸を一突きされたって言うてたよね?そうです!うまいわこれは!!どんな感じで?包丁とは断定されてないんですけど鋭利な刃物でちょうど先生から見て左30度位から刺されてました。
もみ合うた感じ?いえ。
蒔田はまったくなんの抵抗も逃げもしなかったと思われます。
それと蒔田の衣服に醤油やアルコールが大量に付着してたので食事中に刺されたんじゃないかなっと…食事中に!?お姉さん!大ざる追加!クマさんそれって変やないの?大ざる追加変ですか?違うって!蒔田さんは食事中にやや斜めとは言えほとんど真正面から刺されたわけでしょ?普通やったら気づいて逃げるとか反抗するとかするんちがうの?エイッ!オォッ!!あっゴメンゴメン!なんちゅう事しまんにゃ〜!!でも視野に刃物が入って来たら今クマさんがしたみたいに反応するのが普通でしょ?どうせテレビでも見てたんちゃいますか!まっ確かにねテレビか何かに夢中で気が付かなかった可能性もある!でもなんか引っかかる…まさかあんたが蓼沼玲子の男やったとはなぁ!また玲子のアリバイのことですか?いや今日は別のことやぁ?蒔田さん最近目の調子が悪いて言うてませんでした?あんた女の刑事さん?質問に答えてもらえますか?お兄ちゃん感じ悪いよ!急いでんのや!!そういえば…最近競馬新聞が見づらくなったって言ってたかな…やっぱり!「ひ」「と」「み」「す」「き」?これが蒔田さんのカルテです来たのはちょうど1月前ですね。
蒔田さん「半盲」だったんですね?そうです。
(看護婦)先生ちょっと!ちょっと失礼…「ハンモウ」ってどういうことですか?「半分盲目」ってことよ。
蒔田さんの場合…自分から見て左半分がまったく見えなかったの。
だから刃物が見えなかったんだ!左半分が見えへんなんてこと実際あるんですか?例えば脳腫瘍とか脳梗塞っていう脳の病気聞いたことあるでしょ?その場合に視野が半分になったりすることがあるの。
この眼底なら脳出血とか脳梗塞起こしても不思議やないね。
視野が半分?なんやピンと来いへんな!クマさん…ちょっと左目閉じてみて!左目?…ん。
それから左手で右目の半分をかくして!ん?…こうですか?蒔田さんにはこういう風にしか見えてなかったの。
だから犯人が蒔田さんの左30度からこうすると…ブスッ!ホンマや!!全然見えへんかった!半盲だと分かったとき蒔田さんと随分もめましてねぇ。
もめた?脳外科で精密検査を受けるように勧めたら怒り出しましてねぇ。
おまけにどうしても車運転して帰るって言うもんですから私が奥さんに迎えに来てくれって電話したんですよ!とてもじゃないけど運転なんて危ないですからねぇ。
奥さんって蓼沼玲子さんですね?えぇ。
結局タクシー呼んで帰ってもらったんですけど誰かに言いふらしたらぶっ殺すぞって脅されましてね…タクシーの運転手だから半盲がバレたらまずいのは分かるけど…結局脳外科にも行かなかったみたいですねぇ。
と言うことは…半盲はそのままやね…。
蒔田さんを刺したのは…玲子さんね。
玲子さんは…蒔田さんが左半分まったく見えなかったのを知っていたのよ。
だからその死角を狙って…ブスッ!さっきの先生の話からしても蒔田さんが半盲やということを他の人は知ってるとは思われへんし…そやけど蓼沼玲子にはアリバイがあるんですわ。
蒔田さんの死亡推定時刻は午前2時前後やね?そうです。
その2時間前から蓼沼玲子はさっき会うた志賀の部屋におったんです。
その時刻に近くのコンビニでも2人の姿目撃されてますから。
これはまず確かですわ!蒔田さんが亡くなったのは午前2時頃かもしれんけど刺されたのがもっと前やったとしたら?…そうか!蒔田は刺されてもすぐには死ななんだ!まだ生きている状態であの白樺林にすてられてその後息を引き取ったんや!それなら志賀っていう人の部屋に行く前に玲子さんにも犯行は可能やったはずや!でっしゃろ!でっしゃろ!それは不可能です。
(2人)何で?蓼沼玲子は車の運転が出来ないんです。
車がなければあの白樺林に蒔田を運ぶことは絶対できません分かった!ほんなら志賀も共犯や!蓼沼玲子が蒔田を刺したあと志賀が自分の車で蒔田を運んでやったんや!なぁ!…ん!?よし解決や!!さぁ行くで!
(熊取)あんたの部屋に蓼沼玲子が行ったん何時頃や?だから12時頃だってぇ〜あんたそれまでず〜っと自分の部屋におったん?おったん!おったん!!
(ふざけた笑い)何やってたん?酒飲みながらテレビ見てたね!どんな番組やった?ニュースと深夜映画!!エライまともやなぁその日の新聞探して来い。
はい。
あんたもほんとに感じ悪いっすよ…!あんた借金あるねぇ?そんなこと刑事さんに関係ないだろ!!死んだ蒔田は競馬のノミ屋やった。
あんたもその客やった。
なんぼ借りがあったんや?蒔田がつけてた帳簿によると約200万!!結構な額やなぁ!正直…ホッとしたやろ?蒔田が死んでくれて!なるほど…!・
(ドンドンドンドン!)
(ドンドンドンドン!)瞳先生!?起きてはりますか!?熊取さん声が大きいですよ!夜中やねんから熊みたいに吠えたらあかん!せっかくええ報せ持って来たのにな!
(ゴンッ)あら〜〜〜〜!でその…志賀って人自供したん?まだ吐いてませんけどねぇまず蓼沼玲子と志賀の共犯に間違いないですわ!明日中には2人とも吐かせてみせます!なっ!?そう…お疲れさん!であの…あっちの方はどないなりました?「あっち」?何ですかあっちって?いやあのアッチッチの…アッ!亜由美さんもう戻って来てるわよ!ほら!何グズグズしとんねん早う行って来んかい!すいません!早よ行け!早よ行け!これで2人っきりや!ハハハハッ!クマさんお酒飲んでるわね?えっ!?あの…事件解決の前祝いにちょこっとだけ!私がいない間に糖尿病の診察うけてないね?ですから瞳先生が京都に帰って来はったら1年分まとめてなんて…明日1番で診察所に来なさい!はいおやすみなさい!今からでもいいんですが…いい夢見てくださいね〜バイバーイ!
(戸村)待ってるよ…亜由美が…一人前の事件記者になって京都に戻って来るまで…俺待ってるから!…困る。
どうして?重すぎるもの…何が?…隼人の気持ち。
迷惑なのか?…俺が待ってるの迷惑なのか?何で黙ってんだよ?…はっきり言って迷惑!2人で…結婚式場あっちこっち見に行ったよな?新婚旅行のパンフレットだっていっぱい集めたし…2人で住むマンションだって!…あれは?…あれは何だったんだよ?勝手にしろよ!
(瞳)糖尿病網膜症が進んでるわよ!
(熊取)へっ!!この眼底写真のほらっ黒いところが細い血管が詰まってしまったところへっ!?…もう詰まってしまってるんですか?そう!ほっとくと確実に失明やね!そ・そ・そそんな…!大丈夫。
今ならレーザーで網膜を焼いておけば何とかなりそうよ!ホンマですか!?神様・仏様・瞳様…すぐやってください!焼いてくださいお願いします!ハイハイ。
そこにあごを乗せて!ここに?こ…こうですか?そうよ〜左目でこの赤いランプ見て!目動かさないで!は…はい…ヒェー!!動くな!!網膜の大事なところに当たったら失明するわよ!そ…そやけど!目…目に火の玉が!!ヒエーッ!ヒェ!フッ!ヒェ!ヒィ!フーーー!!はい!おしまい!ハァハァハァ…アワワワ…これに懲りたらちゃーんと治療すんのよ!先生すいません!大谷さんが来てるんですけどちょっと様子が…中に入ってもらって!
(大谷)ゼェゼェ…アックシッ!!ゼェゼェ…どうしました?急に口の中が…かゆくなって耳の穴もそれから息も詰まる感じで苦しくて!いつから?朝ご飯食べてから!何食べました?え〜っと!ご飯に味噌汁・納豆・焼のり・アジの開き・サラダにそんなに?あとデザートにも…桃!アックシュン!!あっそれや!!大谷さんあなたおそらく白樺の花粉症!白樺!?…白樺の花粉症なんてあるんですか?このあたりでは少ないんだけど白樺の花粉症ってあるんよ!しかも白樺の花粉症の場合ねまれにだけど果物を食べた場合に口の中がかゆくなることがあるのわかりましたからとにかくこのかゆいの何とかして下さい!こんなんじゃダーリンとも…ヘクシッ!キスもできない!すぐにブッチューとできるようにしたげるからね〜!はいいくよ〜!はい気持ちいい気持ちいい気持ちいい〜…あっ!キゥイ食べてたら急に口の中かゆくなっちゃって…亜由美さんも…?どうやった?今のところ蒔田につながるようなものは出てません。
血液反応は?まだ見つかってないんですよ。
そんなはずないやろ!?だいたいホンマに志賀の車なんか?それは間違いありませんよホラッ!…気合入れて調べや!気合入れて!…はい。
戸村…はい?夕べ…亜由美ちゃんとはちゃんと話はできたんか?今仕事中ですよ…!・はい戸村です。
仕事中ごめんなさいね今大丈夫?・
(戸村)少しでしたら…亜由美さん…どこ行ったか知らない?いえ自分は…何か?
(瞳)花粉症のことでねちょっと聞きたいことがあるの。
亜由美さんて京都に来る前はずっと東京?だったと思いますけど…あ!子供の頃どこか地方にいたって言ってたかな?だったら亜由美さんのお父さんに聞いてみる。
お父さんに聞くのが一番確かよね?
(瞳)北海道!?…亜由美さん北海道に住んでたんですか。

(亜由美の父)確か…亜由美が中学1年の時までです。
そうだったんですかこれではっきりしました!何がですか?亜由美さんおそらく白樺の花粉症やと思います。
北海道に住んでいる時に花粉症になって東京に引っ越してからはおさまってたんでしょうね…そうですか…白樺の花粉症なんてあったんですねぇ。
でも何でまた今頃出たんでしょう?そう言えばそうですよね…どうもお忙しいところすいませんでした。
それでは!・
(亜由美の父)あの…!はい?亜由美…落ち込んでませんか?どうしてですか?いやあんなことがあったから…先生に亜由美…お話してないんでしょうか?何のことでしょう?私は何も…はい…えっ!?…私も最初耳疑ごうたわ…。
けど…けどまさかそんな!…私だってそんなこと信じたくないそら俺かて!…きっと…きっと私の思い過ごしよそうであってほしい…。
とにかく蓼沼玲子さんを蒔田さんが遺棄されていた場所に連れて来てください。
わかりました!きっとこの白樺が真犯人を教えてくれる…。

(亜由美)白樺の花粉症?私がですか?…そうだいたい白樺の花粉症なんてあるんですか?白樺湖にたまに遊びに来るような人は白樺の花粉症なんてならへんのよ。
少なくとも10年以上白樺の近くで生活していて初めてなるんやて…。
実際白樺の多い北海道ではごく普通の花粉症なんよ。
亜由美さんも中1の時まで北海道に住んでたんでしょう?先生にも話しましたっけ?おそらくその時亜由美さんの体の中で白樺の花粉に反応する抗体が作られたんよ。
でもここにも白樺ありますけど別に何もならないですよ。
ここは標高が高いからまだ花が咲いてないでしょ?ちょうど花が咲いてるもっと標高の低い白樺林に行ってみよ。
そしたら本当に白樺の花粉症かどうかはっきりするわ…。
えぇ…
(熊取)何度も申し訳ありませんなどうぞ!はい昨夜亜由美ちゃんとはどんな話したんや?何ですか?朝から何度も…結婚の話はどないなった?仕事中じゃないですかいい加減にしてください!お前はええ行かんでもええ!仕事は仕事でちゃんとやりますから信用してください!
(亜由美)どこまで行くんですか?
(瞳)そこ右に入って!ここなら白樺の花が咲いてるわ…降りて少し歩きましょ!ほらあそこ…どう?亜由美さん…目が充血してるね涙も…亜由美さんあなたやっぱり…白樺の花粉症よ!そうなんですか!?全然気がつかなかったです!北海道を離れて東京・京都と白樺のないところでずっと生活してたから抗体が低下したんやね…。
それが久しぶりに白樺林に入って花粉症が目覚めてしまったんよ。
そうなんですか……亜由美さんこの林に来たの…今日が初めて?
(ガサガサ…)クマさん…どうやった?そう…亜由美さん…さっきの質問に答えて!この白樺林に来たのは今日が初めて?違うわよね?何日か前にも一度ここに来たことがあるわよね?蒔田竹雄を運んできてここに遺棄したのは亜由美さん…あなたよね?悪いけど亜由美ちゃんの車調べさせてもろた…。
(熊取)トランクから血液反応が出た…。
蒔田と同じO型の血液やった…。
亜由美なんとか言ってくれよ!…これは何かの間違いだって言ってくれよ!…亜由美なんとか言ってくれよ!…これは何かの間違いだって言ってくれよ!…間違いじゃないです…私が蒔田を刺して…ここにすてました。
違います!あたしがやったんです!全部あたしがやったんです!玲子さん落ち着いて!…亜由美さんがどこで生まれ育ったのか知りたくて東京にいる亜由美さんのお父さんに電話したんです。
その時偶然聞いてしまったの。
亜由美さんと玲子さんが実の親子やいうことを…。

(亜由美の父)先生に亜由美お話ししてないんでしょうか?何のことでしょう?・
(亜由美の父)実はつい最近…京都で亜由美の妹が自殺したんですよ…えっ!?…妹さんて蓼沼さやかさんのことですか?さやかさんとは小さい頃からとても仲が良かったそうね?さやかさんの亡くなった場所に絶えずお花を供えていたのは亜由美さんでしょう?ご両親が離婚して離ればなれになってからもずっと連絡取りあってたそうね。
ついこの間の17歳のさやかの誕生日にも会いました。
こういうの欲しかったんだ!ほらおそろいなんだよ!うれしい!今つけていい?いいよつけたげる!ありがとう!どう?すっごくかわいい!似合ってる!お姉ちゃんも!
(2人)ウフフ!フフフフ…!
(熊取)あの子の遺体を見た時なんで亜由美ちゃんが貧血なんか起こしたんかこれでわかったわ…。
(熊取)まだ若いのにな〜…さやかちゃんが京都に来たのもきっと蒔田のいる家から逃げ出して亜由美さんのことを頼って来たのよね…。
そのことに気がついてたんでしょ?何で妹だってすぐ教えてくれなかったんだよ?教えてくれてたらこんなことにはならなかったんだよ!・
(玲子)亜由美?すっかり女らしくなって…これじゃ街ですれ違ってもきっとわからないわね!なんで呼び出したりしたのよ?あなたは死んだことになってんだから…不倫が原因で離婚して母は家を出ましたなんて恥ずかしくて言えるわけないじゃない!!亜由美…あの蒔田って男がさやかのことを殺したのよ!そんなことない!それだけは絶対にないわよ!!男にだらしないあなたにあの男の何がわかるっていうのよそんなに母さんをいじめないでよ!…さやかがあんなふうに死んじゃって母さんだって!…さやかを殺したヤツは許さないどんなヤツだって絶対許さない
(戸村)お母さんのことでウソついてたから…さやかちゃんが妹だって言えなかったのか?そんなウソどうでもいいだろ!そんなことで俺の気持ちが変わるはずないだろ!…バカだよ亜由美!…亜由美は悪くないの!全部私が悪いんです!…今さら母親ぶらないでよ!…私のことすてたくせに!!
(亜由美)あなたとお父さんが別れた時当然私も連れてってくれるもんだと思ってた…。
でもあなたは…私のことだけ置いて家を出て行ったのよ!
(亜由美)お母さん!さやか〜!お姉ちゃ〜ん!さやかー!!おねぇ…お姉ちゃーん!お姉ちゃん!お姉ちゃーん!私がどれだけ!…それだけじゃない…あなたはさやかのことだって守ってやれなかったじゃない!あなたは母親なんかじゃない!ただのふしだらな女よ!!亜由美さん実はお母さんは蒔田からずっと暴力を振るわれてたのよ…。
そんなお母さんの辛さも…わかってあげて…!さっき亜由美さん蒔田を刺したって言うたけど蒔田を刺したのはあなたやないわ!あなたは蒔田が「半盲」だったってことを知らなかったでしょ?…ハンモウ?蒔田は自分から見て左半分が全く見えなかったの。
そのことを玲子さんは知っていた。
だからあんなふうに蒔田の胸を刺せたんでしょ?そうです!…
(玲子)さやかが妊娠してた子供まさかあんたの子じゃないわよね?だったらなんなんだよ〜ん?そうなの!?んなわけねぇだろ!あんたさやか殺したりしてないわよね?…あのさ保険金っていくら入るんだよ?いくらかかけてたろ?聞いたことに答えてよ!早くお前手続きしてさ金もらって来いよ〜!聞いたことに答えなさいよ!うるせんだよさっきから!!
(ガタン!パリーン!!)ビール!!
(玲子)あの時さやかを妊娠させたのも殺したのも蒔田だって直感したんです!…違う!…妊娠させたことはもっと前からわかってたのかもしれない…。
この人でなし…!あぁっ!?…
(ガシャーン!パリーン!)もっと早くあの男を殺しとくんだった!…そしたらさやかは!…そうよ…あなたがあんな男と一緒にならなかったらさやかは殺されずにすんだのよ!あなたがさやかのこと殺したのよ!!亜由美さん!…蒔田を刺してから我に返ったあなたは亜由美さんに助けを求めたのよね?あの時戸村君からかかって来たと思った電話がその電話だったんでしょ?・ほらかかって来た!戸村君も大変やね!おやすみなさい!もしもし!
(玲子)亜由美助けて!電話なんてして来ないでよ!
(玲子)蒔田を刺しちゃったの!包丁で刺しちゃったの!どうしたらいい?な…何言ってんのよ?知らないわよそんなの!
(玲子)そんなこと言わないで助けてちょうだい!お願いよ〜ねぇ…
(蒔田のあえぎ声)
(玲子)亜由美!来てくれたの?
(玲子)どうしよう?病院連れてった方がいいかしら?連れてっても多分助からないわ…
(玲子)じゃどうするの?
(玲子)ねぇどうするの?どう?
(玲子)ねぇどうするのよ?すてましょう…す…すてるって?見つからない場所にすてに行くのよ…
(玲子)えぇっ!?…車に乗せるの手伝って!早くボーッとしてないで手伝ってよ!!それから…虫の息のあった蒔田を2人で亜由美ちゃんの車のトランクに入れた。
その足であんたは志賀の部屋に行ったんやね?志賀の部屋に着いたのは12時頃やった?一方亜由美ちゃんは1人でここまで車を走らせたんや?…そのまま病院に行ってれば…そうしてればこんな罪を犯さずにすんだんだぞ!…バカだよバカ!!あいつを…どうしても許すことができなかったの!ハァハァハァ…さやかを妊娠させたのあなたなんでしょ?さやかを殺したのもあなたなんでしょ?助けてくれぇ…あいつは必死に助けを求めてた…でも殺されたさやかのこと考えたら…
(パシッ!)もう二度とこの部屋には来ないで!来ないでだ?ハハハ!来ないでか!へぇ〜!おい誰のおかげでよこのアパート借りられたと思ってんだよ?人のこと妊娠させておいて偉そうなこと言わないでよ!人が優しくしてあげりゃこのぉ!変なことしたら私をレイプしたこと警察に訴えるからね!ふざけんなよ!えぇ!?もう一回言ってみろよ!もう一回言ってみろよ!!生意気なことをよ!もう一回言ってみろよ!
(蒔田)このまま落としてやろうか?落としてやろうかって言ってんだよ!うっ!?このやろぉ!!キャーーーッ!?さやかのことを考えれば考えるほど…あいつのことを許すことはできなかった!…
(蒔田のあえぎ声)17歳になったばっかりのさやかが…どんなに悔しい思いをして死んで行ったか…ベランダから突き落とされてどんだけ怖い思いして死んでいったか…あんたも味わえばいいのよ!!亜由美さん…あなたの気持ちはわからないではないわ…だけど蒔田には生きてきちんと罪を償わせるべきやったんやないかしら?瞳先生は大事な人を殺されたことがないからそんなきれいごとが言ってられるんですよ!大事な人を殺されたらこの手でそいつを殺してやりたい!何度殺しても殺し足りないんですよ!そうかもしれない…だけどあなたにはそんなふうに思ってほしくないのだって私にとって亜由美さんはとても大切な人やもの!…俺もだよ!…亜由美さんには憎しみは似合わへん…似合うのは笑顔よ!さやかさんとおそろいのそのピアスにも笑顔が一番似合う!やめてくださいよ!あぁっ!?やめてください!全部ください!ウフフ!フフフフ…!先生…!亜由美ゴメンね!…ゴメンね亜由美…!もういいよ…お母さんもういいよ!……戸村きちんと罪をつぐなってくれ…隼人に迷惑かけてゴメンね…迷惑なんて言うなよ!俺ら夫婦になるんだろ?待ってるから!…よっ!元気〜!!・
(熊取)先生!瞳先生ー!クマさん!クマさんあれから全然治療に来てないやないの!糖尿病網膜症で失明するのも時間の問題ですわ!そやから今日検診に来たんやないですか!そんなことよりね2人がキャンセルした結婚式場あれえらいキャンセル料取られるらしいんですわ!そう…事情が事情やねんからね何とかならないのかしらね?そこで私熊取源太2人のために一肌脱ごうと思いまして。
あらっクマさんが?ええとこあるやないの!そら私かて2人のために何とか力になりたいって考えてましたがな!そう言うことやったら私もお手伝いさせていただきたいわ!うわ〜!ホンマに?そらそうよ!亜由美さんと戸村君のためやないの!ヤッター!ヤッターー?結婚式のキャンセル料2人で立てかえてあげるっていう話じゃないの?何言うてまんねん!誰がそんなもったいないことしますかいな!2人が式挙げられへんかったら私と先生が式挙げたらええやないの?式って何を?結婚式!もう!クマさん…眼科と内科に行く前に脳の精密検査受けなさい!あ〜そうですね結婚する前にはちゃんと精密検査受けろ言いますもんね!思い込みもここまで来たら芸術もんやね!他にどこの精密検査したらよろしい?やっぱり泌尿器科とかいやいやそれは大丈夫なんですわそれはいたって健康!立派そのものですよ!ここでお見せしましょうか?いらん!そんな照れんでもいいやないの!晴れて夫婦になるんやもん瞳〜!うぉ〜っ!?瞳!瞳!瞳先生!先生!待ってください!瞳〜!2014/09/10(水) 13:05〜14:56
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