(3人)こんにちは。
「化学基礎」始まります。
リホです。
ナオです。
カナです。
さて前回は分子でできている物質について学びました。
ナオちゃん覚えてる?うん。
分子でできている物質は有機化合物と無機物質に分ける事ができるんだね。
すごいねナオちゃん。
じゃあ私も自慢しよう。
有機化合物のキーワードは炭素!だよね?カナちゃん。
そのとおり。
2人ともよく覚えていました。
そこで今回はこの分子でできている物質を有機無機ではなくて分子の量という点に注目して探ってみるよ。
はい今日のテーマは…高分子の化合物?え?どういう事?今ナオちゃんが考えてる事当ててみようか。
きっとこれでしょう。
ジャン!
(ナオ)そうこれ!高分子って何が高いの?高分子の「高」は「高い」「低い」の高いっていう意味じゃないんだよ。
じゃあどういう意味?そのヒントになるのが分子の量です。
それをこれから学んでいきましょう。
それではケミストリーの世界に入りましょう。
は〜い。
は〜い。
ねえねえ「高い」「低い」じゃなかったら高分子ってどうなの?どう?最初のコーナーは「高分子化合物って何?」です。
ねえ「高い」「低い」じゃなかったらどういう事なの?カナちゃん改めて聞きます。
高分子化合物って何ですか?はい。
ではこちらで説明しましょう。
これはエチレンという物質の分子の様子を表した図です。
黒い丸が炭素原子。
青い丸が水素原子です。
ナオちゃんエチレンは何個の原子からできていますか?え〜っと黒丸が2青丸が4で6個。
そうだね。
エチレンの場合は分子1つが6個の原子でできています。
でも物質の中には原子が数千個以上もつながった巨大な分子からできている化合物があるんです。
これを高分子化合物と呼んでいます。
巨大な分子でできている化合物?あっつまり…実はそうなんです。
な〜んだそういう事か。
カナちゃんその巨大な分子でできている高分子化合物ってどんなものがあるんですか?はい。
例えば…これはレジ袋なんかに使われている袋でポリエチレンという物質でできているんです。
ポリエチレンは代表的な高分子化合物の一つなんですよ。
ちなみにポリは「たくさんの」という意味なんです。
じゃあ…そのとおり。
ではこちらを見て下さい。
これはエチレンの構造式です。
そしてこっちがポリエチレンの構造式。
エチレンがn個つまりエチレンがたくさんつながっているという意味です。
エチレンがつながるってどういう事?では今度はこちらを見て下さい。
例えばこの一つ一つがエチレンの分子だとします。
エチレンの炭素同士は2つの手でつながっています。
でも…片方の手を放して隣のエチレンと手を結ぶとエチレンの分子がつながるよね。
このようにエチレンが次々に別のエチレンと手をつないで鎖のようにつながったものがポリエチレンなんです。
どう?ナオちゃん分かったかな?うん。
何となくイメージできた…かな。
よかった。
はい。
じゃあここまでをまとめてみましょう。
このコーナーのケミカルポイント!今度は「天然高分子化合物」です。
お魚とかでもよく言うよね天然物って。
つまり天然高分子化合物っていうのは自然にある高分子化合物って意味だね。
ふ〜ん。
その「自然にある」って一体どういう事なの?ではこちらをご覧下さい。
高分子化合物は天然高分子化合物と合成高分子化合物に分けられます。
天然高分子化合物はさっきリホちゃんが言ったように自然に存在するものつまり生き物などが作り出した高分子化合物の事です。
そして合成高分子化合物は人つまり人工的に作り出した高分子化合物の事です。
なるほど。
じゃあ…はい。
代表的な天然高分子化合物の一つはお米や芋などに含まれているデンプンです。
デンプンは植物が光合成によって作り出したものですよね?ああそうか。
そのデンプンの分子式はこうなります。
このCHOをこのように1つの人形だとするとデンプンはこんなふうに人形がたくさんつながったものという事なんです。
天然高分子化合物ってほかにはどんなものがあるんですか?肉や牛乳に含まれている…この一つ一つはアミノ酸という物質のイメージです。
アミノ酸にはいろんな種類があります。
そしてタンパク質はこのようにいろんな種類のアミノ酸の分子がたくさんつながってできてるんです。
なるほど。
私たちが食べている野菜や肉なんかには生物が作り出した天然高分子化合物がいっぱい含まれているんだね。
そうなの。
そして私たちの生活を支えている天然高分子化合物は実は食べ物だけじゃないんですよ。
え?ほかに何かあるの?うん。
私たちの生活衣食住のうちの衣にもとっても関わりが深いんです。
衣つまり着るものですか?そうです。
リホちゃん服に使われている素材で自然の素材といったら何があるかな?え〜っと綿麻ウールあと絹なんかもそうだよね。
そうですね。
ではこちらを見て下さい。
これが木綿の原料綿花。
そしてこちらは麻の原料亜麻という植物です。
これらの植物から作られる繊維はセルロースという天然高分子化合物でできています。
そして動物から作られる繊維ウールは羊の毛ですよね。
ではナオちゃん絹は何からできていますか?え〜何だっけ。
カイコのまゆだよ。
はい!カイコのまゆです。
はい正解です。
羊の毛やまゆなどはタンパク質でできています。
つまりウールや絹も天然高分子化合物でできているんです。
なるほど。
ところで2人は絹がどうやって作られるか見た事ある?見た事ない。
私もない。
じゃあこちらをご覧下さい。
絹のもとマユ。
このマユを作り出すのが…カイコがマユを作る様子を見てみましょう。
カイコが口から細い繊維を吐き出しています。
カイコはこの繊維でマユを作ります。
およそ3日後マユが完成します。
完成したマユの中にはカイコが入っています。
実はカイコはマユの中でサナギに姿を変えるのです。
マユはカイコが成虫になるためのこの重要な時期に外敵から身を守ってくれる大切な場所です。
そのためマユは通気性や保温性に優れているといった特性を備えています。
完成したマユを熱湯の中につけてほぐし繊維を取り出します。
その繊維を束ねて絹の糸が作られるんです。
へえ〜絹ってこうやって作られてたんだね。
うん。
カイコってすごいね。
うん。
じゃあここまでをまとめてみましょう。
このコーナーのケミカルポイント!あっイライラウサギが出てきた。
にんじんお食べ。
あっ。
K!今日の元素はK。
カリカリカリカリカリカリカリウム。
最後は「合成高分子化合物」です。
「合成」っていうのは人が作り出した化合物の事だったね。
カナちゃんどんなものがあるの?はい。
ではこちらを見て下さい。
はい。
これらはみんなプラスチックなんですよ。
え〜プラスチックってこんなに種類があるんだ。
さっき出てきたポリエチレンもプラスチックの一種なんだね。
そうなんです。
プラスチックってどういう意味なの?プラスチックという言葉は「自由な形にできる」という意味があるんですよ。
プラスチックは合成樹脂とも呼ばれていて…そうなんだ。
でもどうしてプラスチックってこんなにいっぱい種類があるの?実はもとになる物質が違うとその物質をつなげて作ったプラスチックも性質が違ってくるんです。
へえ〜どんなふうにですか?では代表的な2種類のプラスチックで比べてみましょう。
はい。
こちらはさっき紹介したエチレンをつなげて作ったポリエチレンです。
ポリエチレンは軽くて軟らかいという性質があります。
そのためこんなポリ袋や食品の容器などによく利用されています。
そして今度こちらはポリエチレンテレフタラートです。
ポリエチレンテレフタラートは比較的高温に強く丈夫なのでこれペットボトルなどに利用されてるんですよ。
なるほど。
プラスチックは利用する目的に合わせて性質の違ういろんな種類のものが作り出されているんですね。
そうなんです。
実はこの2種類のプラスチックほかにも違いがあるんです。
え〜?どんな違いがあるの?じゃあ実験してみましょう。
まずポリエチレンを炎の熱で融かしてみます。
融けたポリエチレンを引っ張ってみると…。
あっ切れちゃった。
では今度はこちらのポリエチレンテレフタラートでやってみましょう。
これはペットボトルから取った板です。
これを融かして…。
引っ張ってみます。
うわ〜どんどん伸びていく。
細い!ポリエチレンテレフタラートは糸のように細くよく伸びる性質があるんです。
だからポリエチレンテレフタラートで作ったペットボトルはリサイクルする事で繊維にして服に作り替える事ができるんです。
へえ〜そうなんだ。
合成高分子化合物ってほかにはどんなところに使われているんだろう。
知りたいね。
先生こんにちは。
こんにちは。
先生教えて下さい。
私たちの身の回りで…合成高分子化合物がないと私たちは快適な生活を送る事が難しいといってもいいくらい身の回りのいろんなところに使われているんですよ。
どういうところですか?例えばここにあるコップ。
これもプラスチックです。
そのほかほとんどの…なるほど。
合成高分子化合物はほかにはどんなものがあるんですか?はい。
これもそうです。
このストールの品質表示を見てみるとポリエステルと書かれてますよね。
うん。
これは合成繊維で合成高分子化合物なんですよ。
じゃあナイロンも合成高分子化合物なんですか?そのとおりです。
そのほかにも最近では合成高分子化合物にいろんな機能を持たせた機能性高分子と呼ばれるものが開発されてます。
機能性高分子。
それはどういうものなんですか?いろいろあるんですけれども例えばこんなものもあるんです。
ただの白い粉じゃないですよね?どんな機能を持ってるんですか?これは高吸水つまり水をよく吸収する素材なんですよ。
すっごく水を吸うって事ですか?はい。
ではどのくらい水を吸うのか実験をしてみましょう。
はい。
ではスプーンにたった2杯分ですけどもコップに入れます。
これでどれくらいの水を吸収できると思います?う〜んどうなんでしょうか。
ではここのコップの水全部入れちゃいますよ。
さあどうでしょう。
え?水が流れてこない!吸っちゃったって事ですか?そうなんです。
この高吸水性樹脂を利用した製品がいろいろ開発されています。
こちらです。
また植物の保水剤にも使えるので砂漠の緑地化にも利用されてるんですよ。
へえ〜。
合成高分子化合物ってどんどん進化してるんですね。
はい。
先生ありがとうございました。
はい。
今日は…高分子化合物の事分かったかな?はい。
今日は自然と人両方のすごさが分かったね。
うん。
私も新しい高分子化合物作ってみたい。
へえ〜。
どんな高分子化合物なの?食べられる繊維でできている服っていうのはどう?おなかがすいた時に食べるの。
え〜。
それおいしくなくちゃ駄目だよ。
うん。
じゃあチョコレート味は?あっイチゴ味もいいんじゃない?私は抹茶味がいいな。
え?抹茶味?カナちゃん渋いね。
例えば…2014/09/10(水) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 化学基礎「分子でできている物質〜高分子化合物〜」[字]
化学基礎は平成24年度から新たに設けられた科目で、中学校から高校への橋渡しの役目をする内容です。基礎をしっかり学んで、本格的な化学の学習に役立ててください。
詳細情報
番組内容
物質の中には,分子からなるものがいろいろある。前回した有機化合物もその一例。また,分子でできているものの中には,原子がたくさん連なり合って分子量が大きくなった状態で存在する「高分子化合物」がある。高分子化合物の分子量は,およそ1万以上にもなる。高分子化合物は身の回りにもたくさん存在する。今回はこの,「高分子化合物」について詳しく学ぶ。
出演者
【解説】東京学芸大学附属高等学校教諭…岩藤英司,【出演】高田里穂,吉田奈央,横畠加奈子,【語り】伊倉一恵
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