19回目を迎えた…障害のある人の詩と著名人のアートを組み合わせた展覧会です。
今回紹介する詩を書いたのはダウン症候群の村上有香さん中学3年生です。
明るく元気な有香さん。
実はハート展に4回も入選しています。
みんなを笑顔にする有香さんの詩の世界を紹介します。
こんばんは。
「ハートネットTV」です。
今日と明日の2日間は今回で19回目を迎えたNHKハート展の入選作品をご紹介します。
NHKハート展は障害のある人が書いた詩にさまざまな分野で活躍する著名人がアート作品を寄せるという心と心のコラボレーションです。
今回の詩の応募総数は4,085編。
その中から50編が入選しました。
ではその作品を一緒に味わっていくゲストの方ご紹介します。
映画コメンテーターのLiLiCoさんです。
よろしくお願い致します。
楽しみにして来ました。
LiLiCoさん今回のハート展ではアート作品寄せて頂きましたけども参加してみていかがでした?ハート展はもうずっと前から知ってたのですごい参加したいなと思ってプラスハートが一番好きな形であって…。
そうですか。
そう。
…で詩をもらって一生懸命考えて味わってどうしようかなって。
すっごい温かい空気がこう向かってきたので。
私の心の中に…。
だからフェルトを使って一生懸命作りました。
いろんなイメージを駆使して…。
誰かと一緒に何かを生み出したいというのが大好きなので夢のような気分です。
今回もたくさんのコラボレーションが生まれたんですが今日特にご紹介する作品はこちらです。
兵庫県に住むダウン症候群の村上有香さん中学校3年生の作品です。
タイトルは「弱い」。
「私はお父さんに強い今まで一度も怒られたことがない」。
かわいいですね。
自分の弱みってあまり言いたくないから。
でもこの言う勇気とかあとお会いした事ないのにこの家族の在り方がすごい伝わってきますよね。
すばらしい。
ではこの作品どのようにして生まれたんでしょうか。
有香さんの日常を追いました。
よいしょ!村上有香さんは両親と3人で暮らしています。
今のお気に入りは恐竜図鑑を読む事です。
隣で見守るのは…弁理士事務所を経営しています。
数少ない休みはできる限り有香さんと一緒に過ごします。
う〜ん…。
(取材者)どうした?ハハハ。
どんなとこ好き?有香さんにとってお父さんは遊び相手。
ではお母さんはというと…。
有香さんは村上さん夫婦が結婚10年目でようやく授かった子どもでした。
しかし生まれた直後医師からダウン症だと告げられます。
ほかの子と比べると娘の成長は明らかにゆっくりでした。
喜美子さんは医師の助言を受けながら有香さんの成長の助けになる事は何でも取り組みました。
こちらのおもちゃはその一つ。
遊びが成長につながればと全て喜美子さんが作りました。
その種類は60にも及びます。
これ?ペットボトルをいじるのが大好きだった1歳の時に作ったおもちゃです。
中にはビーズが入っています。
これは何のために作ったのでしょうか。
こちらはもう少し複雑。
垂直に立つ棒に輪をくぐらせて遊びます。
2歳の時に作りました。
こうした事を積み重ね有香さんはゆっくりではあるものの着実に成長していきました。
遊びながら学ぶ。
それは今も続いています。
この日は大好きな料理の手伝いをしながら苦手な算数の勉強です。
これが有香ちゃん。
お母さんは…?お父さんは…?今夜のメニューは有香さんが好きな豚肉のオーブン焼きです。
出来ました。
はい。
見て下さい。
ジャガイモを半分…。
…ね?気を付けましょう。
はい。
(鼻歌)
(啓吾)おなかすいた?うん。
自分で作れば苦手な野菜もこのとおり。
食べられるようになってきました。
お父さんとお母さんの愛情を一身に受けて育ってきた有香さん。
そしてこの詩が生まれました。
うわ〜。
もう何かハート展らしくハートがいっぱいあふれてる家族ですね。
お母さんが怒る係でお父さんは優しくっていうのがちゃんと夫婦でも話し合ってどういうふうに育てていくというのはすごい大事な事であってみんなにやってほしい事なんですよね。
もしかしたら家庭からどんどんなくなる…。
みんなどういうふうに自分の子どもを育てればいいか分からないとよく相談受けたりとかするんですよ実は私。
だからすごく見ていてちゃんと立場が分かれていてお母さんがたまに怒るんだけど有香ちゃんもちゃんと「私が悪い事をしたら怒られる」と。
だから怒る事ってその向こう側に愛があるから怒る訳でよくなってほしいから注意したりとかするのですごく何か幸せな家族だなって。
お母さんのいろんな手作りのおもちゃとかどうやってあのチューブをペットボトルに入れたのかがもう天才的な…。
ああいうのを発売したらよろしいじゃないですか。
作り方を教えてほしいですよね。
教えてほしいですし違う部屋にいても…お母さんがキッチンにいて有香ちゃんが一生懸命料理をねジャガイモとか切ってる所でお互いが見えてないけどちゃんと言葉でコミュニケーションをとってるというのが非常に大事な事なのですごい私こういう家族…いつか出来た時にこういうふうにやりたいなと思いましたね。
反射的に「油断?」「大敵!」という。
そうそうそう!あの「トカゲの尻尾は生えてくる。
私の指切ったら?」「おしまい」という。
ユーモアがいっぱいありますね。
だからこそ有香さんが自分の思った事を素直に表現できるのかな。
安心できる場所なんでしょうね。
やっぱり何でも映画もそうなんですけども分かりやすさっていうのがとっても大事なんですよね。
だから「オェーとなる」とかなかなか使わない言葉かもしれないけど非常に分かりやすかったからここの家族から生まれたんだなってすごい見えてますね。
いろいろ…。
今回その有香さんの詩に絵を寄せてくれたのはこの方なんですね。
6月のハートネットTV「ブレイクスルー」にも出演しました。
絵を描くのが好きなキンタロー。
さん。
テーマにしたのは…この白いクマは有香さんをイメージしているそうで家族の愛情に包まれていつか野菜を好きになってほしいという願いを込めたそうです。
有香ちゃ〜ん!元気ですか〜?とてもある意味シンプルな絵なんですけれども温かみがすごいですね。
ええ。
キンタロー。
ちゃんとよくごはん食べるんですよ。
私のおうちに来るんです。
この才能知りませんでした。
ハハハ…!絵をよく描くそうですけれどもね。
社交ダンスとかいろんな感性を持ってますのでよく有香ちゃんの事を考えて彼女にはこういうふうに伝わってきたんですね。
野菜があまり好きじゃないというのでニンジンを抱きかかえている。
いつかそうなってほしいというキンタロー。
さんの愛情も感じられますしね。
クマさんを有香ちゃんをイメージしてあんな大きな…。
あのニンジンどれだけ大きいんでしょうね。
クマがニンジンを…。
このぐらい大きい。
ハハハ…!でもそういう想像力もファンタジーみたいなね。
ファンタジーと本当の生活が一緒になったっていうのが何かすごくいっぱい愛があふれてますね。
そのハートに包まれた有香さんへの…。
詩を書くのが本当に得意なんですけどもほかにもこんな作品があるんです。
ご紹介しましょう。
「えんぴつ」というタイトルです。
…という。
フフフ…!私これ使わせて頂いていいかな?よく間違えるので。
えんぴつの…ペンのアホ!「ペンのアホ」って言いたいです。
お前が悪い。
生放送とかでかんじゃったりしてね。
この舌は一体どうなってるんだ!という事で「舌のアホ」っていうね。
とてもユニークですよね。
そう。
ユニークでユーモアがいっぱいあって。
そして一番最初のVTRの中で詩から流れてくる音。
楽しいメロディーっておっしゃった時に私「うわ!この感性全く私にないな」って思いましたね。
いろんな事を感じてるんでしょうね。
そうでしょうね。
そうやって詩で自分を表現する有香さんですけども詩との出会いは実は有香さんにとって大きな転機でした。
(取材者)おはようございます。
おはようございま〜す。
有香さんは特別支援学校の中学部に通っています。
3年生になった4月から自ら立候補し学級委員を務めています。
礼。
(一同)おはようございます。
今でこそ何にでも積極的に挑戦していますが小学生の頃は違っていました。
有香さんは地元の小学校の普通学級に入学しました。
しかし学年が進むにつれ周りの友達と学力に差が出てきます。
なんとか追いつこうと帰宅してからも毎日3時間は机に向かいました。
しかし3年生になると授業についていけなくなってしまいました。
有香さんは自信を失い度々学校に行けなくなるほど落ち込みました。
中でも文章を書くのは苦手でした。
これは有香さんが小学4年生の時の絵日記。
これを見た母親の喜美子さんは「もっと素直に自分の気持ちを書いてみたら?」と勧めました。
文章は短くテーマは好きな事にしました。
すると有香さんに変化が起きます。
机に向かう事さえ嫌がっていた有香さんが進んで詩を書くようになったのです。
そこには豊かな世界が広がっていました。
有香さんは3日に1度新作を書きました。
そして少しずつ自信を取り戻していきました。
5年前初めて応募したハート展で見事に入選を果たします。
友達の幼い妹の事を書いた詩でした。
詩の入選は学校でも表彰され友達からも「すごいね」と言われました。
コンプレックスが自信に変わった瞬間でした。
今有香さんは新たな挑戦を始めています。
英語の勉強です。
最近では覚えたての単語で英語の詩も書いています。
いつか詩を通して世界中の人とつながりたい。
大きな夢が広がります。
笑顔にしてくれてます。
一番人が似合う表情はやっぱり笑顔だと私はいつも思っています。
もう十分有香ちゃん本当にいろんな詩どれを見てもね。
英語の詩もびっくりしました。
すごい英語も学んで詩も書けるなんてすごいかわいくて素直で…。
またいろんな音をとっても大切にしてるんだなって思いましたね。
私もすごくそういうふうに思うんですね。
よくみんな音楽聴いたりとか外歩いてても…。
自分の世界を作るのがとても好きな時代にはなってしまってるんですけれども私がすごい大事にするのはその町の音ってあると思うんですよね。
あと朝の音とか昼の音と夜の音とかだからできるだけこのまま何もしないで歩いてその町の音を聞くようにしてるんですね。
朝はこのお店がいろいろボトルを積んだりとか。
そしたらカランカランっていったりとか。
だって水辺歩いて「ジャパーン」って…。
波「ジャパーン」って聞こえませんですもんね。
私たちなんて。
だから本当にすばらしい発想力ですね。
感性豊かですが「ワンダフル!」って…。
そういうような詩をなかなか書けないですよね。
多分有香さんは「そういう形で表現していいんだ。
そうやってみんなが喜んでくれるんだ」っていう自信になってるんですよね。
そうですね。
もちろん詩にはルールはないんですけれども新しい扉をみんなのために開いてくれてるんじゃないかなって思いますね。
実は有香さん小学校時代の作品でこんな作品もあるんです。
ご紹介しましょうね。
「私は一人でむずかしい勉強したいがんばってみよう」というね。
今のVTRにもあったんですがなかなかみんなと周りと比べたら自分は勉強ができないんではないかというような気持ちがあってその時に書いた詩なんですけどもこの詩教室の掲示板に張り出されました。
すると友達からこんなコメントが寄せられたんですね。
そう取れないですもんね。
だからいいんだよってね。
それからね…。
…という友達もちゃんと分かってくれて。
みんなに元気と勇気をくれてますからね。
私もすごい何か今見ててやっぱりもっとやろう頑張ろう。
そして何が有香ちゃんのいいところかと言うとその第一歩を踏み出す勇気とやる気と元気。
やっぱり自分がやらないと誰もやってくれませんからね。
それは誰に対してでも同じ事なんですよね。
だからやってみようっていうこの頑張り精神というのがすごい今日いっぱいもらった気がしますね。
多分有香さんは詩と出会った事というのは本当に大きかったと思うんですよね。
全部100点なんて取らなくてもいいですし全部できる人間なんていませんからね。
だから自分の好きな事自分が「あっこれできるかもしれない」っていうところを伸ばしていけばいいんじゃないかな。
その感性を持ってこれからもどんどん成長してほしいなと。
見習います。
さて明日もハート展の入選作品をご紹介します。
どんな作品なんでしょうか。
どうぞお楽しみに。
今日はLiLiCoさんどうもありがとうございました。
(テーマ音楽)2014/09/10(水) 13:05〜13:35
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV NHKハート展(5)「弱い」[解][字][再]
兵庫県に住む村上有香さん(14歳・ダウン症候群)の作品「弱い」を、映画コメンテーターのLiLiCoさんと詩のイラストを描いたお笑い芸人のキンタロー。さんと味わう
詳細情報
番組内容
兵庫県に住む村上有香さん(14歳・ダウン症候群)の作品「弱い」を紹介。教育熱心なお母さん、そして、遊び相手のお父さんに愛情一杯に育まれた有香さん。大好きな家族のことを詩で表現しました。かつては感情を文章に表現するのが苦手だった有香さん。しかし、詩と出会ったことで、その豊かな感性を皆に伝えられるようになった。イラストを寄せてくれたキンタロー。さん。映画コメンテーターのLiLiCoさんと共に味わう。
出演者
【出演】LiLiCo,キンタロー。,【司会】山田賢治
ジャンル :
福祉 – 障害者
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 会話・語学
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:23791(0x5CEF)