<木曜劇場>昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜 #05【悪女誕生!一線を越える日】 2014.08.14

(紗和)
一瞬でいい。
この胸に抱き締められたい
それだけでいい
それ以上のことは何も望まない
ずっとそう思っていました
なのに抱き寄せられた瞬間私は彼の腕にしがみついていました
もっと彼を深く知りたいと思いました
私の中には私の知らない私がいます
(紗和)赤いね。
(北野)えっ?
(紗和)夕焼け。
(北野)ああ。
(北野)飲む?
(紗和)ありがとう。
(紗和)夕焼けが赤いのは当たり前か。
(北野)いや。
火星では夕日は青いんだ。
嘘。
ホント。
地球は空気中の粒子の関係で昼間は空が青く日没に近づくにつれて赤くなるんだけど火星は粒子の色が逆だから昼間は空が赤くて夕日は青いんだ。
ふーん。
知らなかった。
でも夕日が青いと帰る時間分からなくなっちゃいそうだね。
もう少ししたら帰ろう。
後悔してる?ただこれ以上進むと後戻りできなくなる。
今なら後戻りできるんだ?私はもう後戻りできないから。
同じだよ。
でも君を傷つけてしまいそうで。
ださっ。
ここまできてそういうこと言うんだ?もう30過ぎた大人なのに。
大人だから迷ってるんじゃないか。
ねえ。
賭けしない?賭け?何?賭けって。
次にあの道の…。
ほら。
あの白いボードを通過したのが女の人だったら友達のままでいる。
男の人だったら結ばれる。
不真面目で言ってるんじゃないの。
決められないから。
じゃあ通ったのが火星人だったら?えっ?フフフ。
二度と会わない。
(利佳子)やめてよねえ。
お願い。
許して。
(智也)許さないよ。
でもそんな悲しい顔すんなよ。
俺は利佳子を愛してるんだ。
利佳子を幸せにしたいだけだ。
(利佳子)私を抱きたいだけなんじゃないの?だったらとっとと済ませなさいよ。
私が結婚してるのは承知の上で付き合ってたんじゃない…。
(智也)そんなんじゃない!旦那のことは我慢するよ。
けど他の男なんて許せない。
さっき電話かかってきた男に別れるって言えよ。
(利佳子)やめてよ。
さっきの人は関係ないの!
(加藤)ハァ…。
(バイブレーターの音)もしもし。
お騒がせしてごめんなさい。
私ね今昔の彼にホテルに監禁されてるの。
(加藤)忙しいから切るぞ。
待って。
嘘じゃないの。
彼は独占欲が強くて私とあなたができてると思ってるの。
関係ないって言って。
(智也)おい。
どうなんだよ?
(智也)おい!いいか?
(智也)利佳子に二度と手出すんじゃねえぞ。
(加藤)他人に指図される覚えないね。
(智也)何だとこら!
(加藤)利佳子は俺の女だ。
(智也)てめえ。
今何つった?ハァ…。
なかなか誰も通らないね。
(北野)だね。
よいしょ。
あっ。
(北野)うん?女?
(北野)女どっちだっけ?友達のまま。
えっ?ちょっ…。
あっ。
(北野)あっ。
男。
やった。
えっ?うん?来い来い来い来い。
(北野)あれ?ナンパ?ナンパ?
(北野)あっ。
自転車男が。
男。
いいぞいいぞ。
こっち来い。
こっちこっちこっちこっち…。
早く。
こっちこっちこっち…。
(北野)抜いた。
抜いた。
抜いた。
うーん。
来い来い来い来い。
抜いた。
行け行け。
すごいすごい。
(北野)あれ?止まった。
何だよ。
早く。
あれ?ナンパ終わった。
振られてんじゃん。
(北野)振られた。
自転車。
しゃべってない?ねっ。
知り合い?あっ。
ねえ。
女…。
うん?あっ。
火星人だったね。
雄かな?えっ?雌かな?ちょっと聞いてくる。
ねえ。
もうどっちでもいいよ。
ねえ。
どうしてかな?あなたのことよく知らないのに。
こんなに好きになっちゃった。
だったら嫌えば?えっ?「お前なんか最低だ」って。
そうだよね。
ホントは最低男だもんね。
最低。
不良。
エロ教師。
優柔不断。
意気地なし。
洋服ださいし話つまらない。
でも火星人の話はウケてた。
あれはかわいそうだったから。
私たぶんすぐあなたになんか飽きる。
きっと出会ったことすごく後悔する。
死ぬほど後悔する。
もう一生男の人に愛されることはないと思っていました
ずっとこんなふうに好きな人に求められたかった
ごめんなさい。
神様。
許してくれなんて言いません
今だけ彼を私に下さい
もしもし。
(電子音声)もしもし?
(電子音声)ねえ。
何か変。
(電子音声)
(北野の電子音声)あっ。
ごめん。
(北野)うん?こんな時間になっちゃった。
ああ…。
どうしたの?知らない番号。
今火星人の夢見ちゃった。
出るね。
うん。
もしもし。
(滝川)突然申し訳ありません。
滝川です。
あっ。
利佳子さんの。
(滝川)はい。
あのう。
今どちらですか?どちらって…。
あのう。
何か?
(滝川)あっいえ。
利佳子がおりませんで。
(滝川)あいつ娘が帰る時間には必ず家にいるのにどうしたのかなって。
携帯も出ないし。
紗和さん。
何かご存じありませんか?《メルキュールホテルだから》《万が一私が行方不明にでもなったとしたら助けに来てちょうだい》あっ。
あのう。
(滝川)ご存じなんですか?利佳子がどこにいるのか。
ええ。
まあ。
すみません。
すぐにかけ直します。
(智也)あっ。
誰?
(智也)知らねえよ。
こっち座ってろよ。
(智也)何やってんだよ?利佳子さんに何かあったのかもしれない。
ホテルに行ってみる。
(北野)行くよ一緒に。
大丈夫。
一人で行く。
でも何か危険な目に巻き込まれたら…。
もしそうだったら余計に一緒に行けない。
2人でいたことが分かってしまう。
じゃあね。
不良教師。
利佳子さんかも。
じゃあ。
うん。
もしもし。
(俊介)ママどこ?もう帰ってるの?・ごめん。
ちょっと利佳子さんが。
すぐ帰るから。
(通話の切れる音)
(俊介)もう。
腹減ってんのに。
(従業員)申し訳ございません。
滝川さまというお名前でのご予約はございませんが。
えっ。
そうですか。
(従業員)はい。
ありがとうございます。
あのう。
利佳子さんちでお会いした方ですよね?
(智也)何で?何やってんの?智也君。
(智也)あんたには関係ないよ。
(加藤)やっぱりがきか。
(智也)何?
(加藤)利佳子連れて一緒に帰れ。
後は俺が話つける。
(智也)待てよ。
お前誰なんだよ?
(加藤)誰でもないよ。
ただお前より利佳子のことをよく知ってる。
利佳子も俺を愛してる。
(智也)勝手なこと言うな。
ちょっと。
やめてよ。
(智也)こいつとは何でもないって言ったんじゃないのかよ!智也君。
(加藤)じたばたしてんじゃねえよ。
女は別れた男の元には戻らない。
それぐらい学べ。
(智也)うるせえぞおっさん。
やっ。
(智也)うっ。
ううっ!やめなよ智也君。
みっともないよ。
カッコ悪過ぎ。
これ以上嫌われたくなかったら利佳子さんに謝って出ていきなさい。
自分がうまくいかないこと女にぶつけないの。
あんたはね利佳子さんが好きなんじゃなくてただ寂しいだけなんだよ。
(智也のすすり泣く声)
(加藤)大丈夫か?こいつ。
(智也のすすり泣く声)
(智也)うるさい。
寄ってたかってうるせえよ!
(智也)利佳子。
ごめんなさい。
自分で後始末できないんじゃ不倫する資格ないわね。
しばらくおとなしくします。
(加藤)反省してる暇あったらさっさと帰れ。
旦那が目を光らせてるぞ。
主人が?来たときロビーにいたよ。
見られたの?まさか。
主人。
私が携帯に出なかったって言ったの?はい。
電話なんてかかってきてないわ。
えっ?あの人らしいわね。
直接聞かないで外堀から固めてくの。
でもホントに利佳子さんのこと心配してる様子でした。
まさか。
あの人は美しい妻といい母親が必要なだけよ。
心配だとしたら面倒なことになって自分が恥をかくこと。
だったら完全犯罪にしなくちゃいけないですね。
完全犯罪?利佳子さんと私はこのホテルにケーキバイキングに行った。
でも利佳子さんが携帯を落としてしまってはぐれてしまった。
その後やっと会えて落とした携帯を取りに行っていたらこんな時間になってしまった。
珍しいわね。
私に協力してくれるの?私もあなたと一緒にいたことにしてほしいから。
もしかしてあなたあの先生と?へえー。
そういうこと。
で感想は?幸せ。
今までで一番。
怖いわね。
あなたみたいに真面目な人の方が。
すみません。
謝っちゃ駄目よ。
足を踏み入れた以上悪女にならなきゃ。
下手に罪悪感なんか持ったらバレるわよ。
不倫はねすることの罪よりもバレることの罪の方が大きいの。
悪女。
ご主人に電話しなさい。

(エレベーターの到着音)一緒に携帯を捜してくれたお礼に私がごちそうするって言ってるって。
これからですか?初めての情事の後は何かとぼろが出やすいの。
一緒にいた方がいいわ。
私も今日は夫と一対一で向き合いたくないから。

(エレベーターの到着音)さあ笑って。
もっと笑って。
・ごめんね。
迷惑掛けちゃって。
・ホントですよ。
せっかくのバイキング食べそびれちゃったじゃないですか。
何でなまるの。
・おわびにディナーはうちでごちそうするから。
・ハハッ。
真菜ちゃんたち心配してるだろうな。

(トイレの水を流す音)
(乃里子)おかえり。
(北野)ただいま。
(乃里子)どうしたの?
(北野)シャワー浴びようと思って。
(北野)汗かいたから。
(乃里子)どうだった?
(北野)何が?
(乃里子)昆虫採集。
(北野)タマムシとかいた。
(北野)うん?
(においを嗅ぐ音)
(北野)何?
(乃里子)汗臭っ。
(北野)しょうがないじゃんか。
(滝川)逆によかったよ。
お前が携帯落としたおかげでにぎやかな食事会ができて。
(俊介)ハハハ。
でも残念だった。
せっかくのケーキバイキング私ほとんど食べられなかったのよ。
ねえ。
(俊介)あら。
(滝川)ああ。
そんなのは今度俺が連れてってやるよ。
優しいんですね。
(滝川)うん。
だって世界で一番大事な女房なんですもん。
(俊介)うわ。
うわ。
(真菜)私と陽菜は一番じゃないの?
(滝川)はい。
だってさお前らはいずれお嫁さんにいくだろ?お父さんとお母さんは一生一緒なんだもん。
(陽菜)はいはい。
ごちそうさまでした。
(滝川)あれ?怒った。
今のしゃれじゃないよ。
(陽菜)紗和ちゃんからもらった花火やっていい?ああ。
そうだった。
いいよ。
ねえ。
火に気を付けてね。
どうぞ。
真菜。
ほら。
手伝ってあげて。
(真菜)はい。
ごちそうさまでした。
はーい。
(滝川)水用意しろ。
バケツにな。
(真菜)はい。
(俊介)しかしさすがマスコミの方ですね。
僕は女房が一番なんてなかなか言えないな。
えーっ。
(俊介)ハハハ。
(滝川)そんなこと言ってたら紗和さん昼顔妻になっちゃいますよ。
ねっ?えっ?
(滝川)昼顔妻っていうのは怖いですよ。
虫も殺さないような顔して不倫に溺れてるんですから。
(俊介)ああ。
うちは大丈夫です。
そうよ。
紗和ちゃんに限ってそんなことないわ。
(滝川)はい。
そうです。
私は分からないけど。
告白しましょうか?実はね私今日のお昼は若い男性とデートしてたの。
なーんて嘘よ。
そんな度胸あるわけないじゃない。
(滝川)分かってますよ。
昼顔妻がうらやましいぐらい。
ねえ。
紗和ちゃん。
(俊介)うん?もう。
ご主人に焼きもち焼かせようとしちゃって。
バレました?いや。
私も嘘は苦手なんで不倫なんてね無理ですよ。
(俊介)だよな?すぐ顔に出るもんな。
(滝川)それはこっちも一緒。
利佳子も…。
慣れない嘘に背中が冷たくなりました
ごちそうの味なんて分かりませんでした
でも嘘つきにならなければ彼には会えないのです
(北野)ごめんね。
(北野)どうしたの?どうぞ。
空いてますよ。

(生徒)先生。
お疲れっした。

(生徒)お疲れっした。
(北野)お疲れさま。
すいません。
ありがとうございます。
誰かに見られたら困るでしょう?他人。
(北野)うん。
昨日大丈夫だった。
心配してくれてるといけないと思って。
(北野)よかった。
こっち見ちゃ駄目。
他人。
電話しようかと思ったんだけどそばに奥さんいたらいけないから。
(北野)こっちも。
メールならしても大丈夫?
(北野)うん。
じゃあルール決めよう。
電話はしない。
来たメールはすぐに消す。
それからお互い返信がなかったらそれ以上は送らない。
そっちの家庭を壊すつもりはないから。
見ないで。
また会えるよね?
彼は会いたいとは言ってくれませんでした
禁じられた関係だからでしょうか?
それともたった一度で私に飽きてしまったのでしょうか?
(バイブレーターの音)
(美鈴)「課長応接室に来て」
(俊介)「どうしたの?」
(美鈴)「誰もいないの。
早く来て。
キスして。
あん」突然すいません。
(俊介)いえ。
あのう。
どうして?
(滝川)いや。
近くまで来たもんで。
(俊介)ああ。

(ノック)
(美鈴)失礼します。
(滝川)でね今日はいつもお付き合いをしていただいているお礼にと思いまして。
よかったらどうですか?
(俊介)花火大会。
(美鈴)うわぁ!
(滝川)うちの出版社が協賛でお金を出してるんです。
ですからいい席が用意できますよ。
ご一緒にいかがですか?
(俊介)えっ?
(美鈴)やったー!
(俊介)いや。
君。
あのう。
ちょっと待ってください。
(滝川)こういう機会に部下にサービスしておくといいですよ。
私も行きますからぜひ。
(美鈴)はい。
(滝川・美鈴)ねっ。
ねっ。
(俊介)いや。
でも利佳子さんの前であのう…。
(真菜)やった。
行きたかったんだ。
(陽菜)私も行きたかった。
(滝川)真菜陽菜お父さん。
3人で行こうな。
(陽菜)えっ?お母さんは?
(滝川)うん?ほら見て。
お母さんさいつも家事で大変だろ?
(陽菜)うん。
(滝川)たまには自由時間あげよう。
ゆっくりさせてあげようよ。
あら。
いいの?
(滝川)俺たちさ夕食済ましてくるから外で。
お前も外食してこいよ。
あっ。
そうそう。
笹本さんとこのさ旦那さんも誘ったんだ。
だからさ紗和さんもきっと予定ないんじゃないかな。
こないだ食べそびれたホテルのバイキング。
誘ってあげたら?そうなんですか?主人。
私の浮気を疑って機嫌を取ってるのかもしれないわね。
週末に夜まで気兼ねなく出掛けられるなんてめったにないんだから。
ゆっくりしましょう。
もちろん分かってるわよね?それは建前で。
分かりました。
メールしてみます。
じゃあ土曜日に。

(トイレの水を流す音)
(慶子)いやぁ。
こないだは余計なこと言って悪かったなと思って。
何でしたっけ?
(慶子)セックス…。
いえ。
子供ができないことよ。
女としてつらい目に遭ってんのはあなたなのに責めるようなことばっかり言っちゃって。
別にいいですよ。
(慶子)あれ?怒ってない?いまさら怒りません。
あっ。
お母さん。
ご飯食べて帰られますよね?今日はマーボーなすですけどいいですか?いいの?どうぞ。
ゆっくりしてってください。
紗和さん。
はい。
いえ。
化粧品変えた?えっ?・
(ドアの開く音)・
(俊介)ただいま。
あっ。
おかえり。
お母さんみえてるよ。
(俊介)ああ。
よく来るね最近。
先にシャワー浴びたら?ビール冷えてるけど。
(慶子)ハムスターがかわいくなっちゃって。
フフッ。
はい。
何なの?「みはむ」って名前。
ホント適当なんだから。
(俊介)ああ。
あのさ。
うん。
(俊介)土曜の夜って何してる?何で?
(俊介)いや。
俺滝川さんに花火大会呼んでもらったんで部下連れて行ってきてもいいかな?どうぞ。
面白そうじゃん。
(慶子)俊ちゃん。
そういうのは紗和さんと行ってくればいいじゃないの。
(俊介)えっ?
(慶子)だって仕事じゃないんでしょ?
(俊介)いや。
仕事じゃないわけじゃなくて。
(慶子)たまには紗和さんにサービスしないと。
いえいえ。
いいんですお母さん。
私は。
(慶子)だって。
楽しんできて。
ああ。
ありがとう。
じゃあ先にご飯にしようかな。
おなかすいちゃった。
あっ。
そっか。
(慶子)花火は刺激なのよあなた。
非日常なの。
2人でどかんと。
(俊介)うるさいよもう。
何言ってんの?
(俊介)ママ。
風呂入るね。
うん。
(メールの着信音)はい。
どうぞ。
わお。
パイナップル。
《電話はしない。
来たメールはすぐに消す》《返信がなかったらそれ以上は送らない》《電話はしない。
来たメールはすぐに消す》
(北野)ベッドで寝たら?《返信がなかったらそれ以上は送らない》《電話はしない》《返信がなかったらそれ以上は送らない》《返信がなかったら…》
彼からの返信はまだありません
でも不倫の関係は相手を責めることも誰かに悩みを相談することもできません
私は携帯を抱き締めて眠りました
夫はそんな私に気付きもしませんでした
(北野)洗濯してくれたんだ?
(乃里子)たまにはね。
論文終わったから。
教授に送ったら「次の学会で発表しないか?」って。
(北野)へえー。
よかったな?
(乃里子)爽快。
ああそうかい。
(乃里子)あっ。
(北野)《火星人だったら?》《フフフ》《二度と会わない》
(乃里子)ねえ?裕一郎。
今日花火大会行かない?
(北野)うん?いつも休みも仕事で申し訳ないなって思って。
花火見ておすし行こうよ。
(北野)でも今日補習の教科打ち合わせあるからさ。
(乃里子)休めないの?今日じゃなくてもいいんでしょ。
(北野)友達と行ってきなよ。
俺も帰り遅くなるかもしんないからさ。
(乃里子)いいけどさ。
何か最近冷たい。
(北野)そんなことないでしょ。
まさか浮気なんかしてないよね?
(北野)何言ってんの?そんなことしたら私殺すからね。
裕一郎じゃなくて相手の女。
(北野)えっ?
(乃里子)ちょっと。
冗談だよ。

(俊介)じゃあ行ってくるから。
ママ。
はむすけ。
みはむ。
行ってくるからね。
やっぱり私も行こうかな?たまには同僚たちの顔も見たいし。
えっ?うん?あっいや。
紗和の知ってる連中はほとんどいないかな。
ほら。
高島仕事辞めちゃったし。
あれ一番仲良かったの誰だっけな?えっ?いってらっしゃい。
(陽菜・真菜)いってきます。

(チャイム)お待たせ。
ねえ?約束何時?私一人バイキングしてるんでホテルで降ろしてください。
あら。
デートじゃないの?メールしたんですけど返信なくて。
そんな落ち込むことないじゃない。
男は一度抱いた後は誰でも冷静になったりするものよ。
もう終わったんだと思います。
そう決め付けるのはちょっと早いんじゃない?私なんて振られたのにまた口説こうとしちゃってるのよ。
返信がなかったらそれ以上は送らないっていうルールを決めたんです。
ルールね。
不倫なんてきっと怖くなったんだと思います。
真面目な人だし教師という立場もあるし。
臆病な男はいるけど真面目な男なんていないわよ。
現実を見なさいよ。
立場があるから恋にのめりこめないとしたらそれはあなたに立場を超えさせるだけの魅力がなかったのよ。
確かめてみたら?そうだ。
お庭にお水あげなきゃ。
(北野)補習対象者は9名。
1週間終えて欠席は…。
(バイブレーターの音)
(北野)すいません。
(バイブレーターの音)
(バイブレーターの音)
(教師)電話どうぞ。
(北野)いえ。
(バイブレーターの音)
(北野)えー。
欠席は2名。
(バイブレーターの音)
(北野)いずれも体調不良…。
(バイブレーターの音)
(北野)やっぱすいません。
(バイブレーターの音)
(バイブレーターの音)
(北野)もしもし。
ごめんなさい。
いきなりルール破っちゃった。
(北野)いや。
こっちも返信してなくて。
今日忙しい?そういうわけじゃないけど。
あっ。
でも嫌だったら断って。
迷ってた。
電話も自由にできない。
危ない目に遭うかもしれないときに助けられない。
(北野)そんな関係にのめりこむのが怖かった。
(北野)でも…。
会いたい。
(北野)3時からなら体空くから。
冷てっ。
(北野)どうしたの?じゃあ3時に。
ねえ?待ち合わせどこ?動物園。
へえー。
中学生みたいなデートね。
いいじゃないですか。
喜ばない。
えっ?期待しない。
あしたを見ない。
どういうことですか?不倫も独身の普通のカップルと同じようにときめいて恥じらってずっと一緒にいたいと思う。
でもゴールはない以上必ず別れはくる。
それを理解して付き合わないとぼろぼろになるわよ。
喜ばない。
期待しない。
あしたを見ない。
(滝川)チッ。
ハァー。
(美鈴)はい。
あーん。
(俊介)君やめなさいよ。
こんなところで。
(美鈴)じゃどんなところだったらいいんですか?
(俊介)どんなところ…。
・・
(口笛)
(滝川)笹本さん。
あのう。
突然で申し訳ないんですけどしばらく娘たちと一緒にいてやってもらえませんかね?
(俊介)えっ?
(滝川)原稿にミスが出たってさっき連絡があって急きょ会社に戻らなきゃいけなくなったんです。
(美鈴)いいですよ。
私がお相手します。
ねえ。
(滝川)ホントっすか。
うわ。
助かる。
お前ら。
行儀よくしてなさいよ。
ねっ。
すぐ戻りますから。
お願いします。
いってきます。
(俊介)大変なんだね。
お父さん。
(陽菜)大変なんですよ。
(美鈴)フフッ。
(俊介)ああー。
(滝川)頼むな。
どうも。
ありがとうございました。
じゃあ帰りの時間は連絡取り合って決めましょ。
はい。
無理よね。
今は。
そういうこと。
身を焦がすような恋
そんなものははかない妄想だと思っていました
でも気付いたら前も後ろも分からない泥沼にはまっていた私
(合図花火の音)
(俊介)いや。
僕じゃなくてあっち。
(美鈴)うん?「うん?」じゃなくてもうあっち。
もう。

(合図花火の音)
誰かを傷つけたいわけじゃない
裏切りたいわけじゃない
お願いします。

(従業員)いらっしゃいませ。
(滝川)車出して。
(運転手)はっ?
(滝川)いいから。
次はこの青いのを追っ掛けて。
(運転手)はい。
そんなもの恋じゃない
ただの欲望じゃないかと言われるかもしれない。
でも…
ああー。
痛い。
しばらくおとなしくしてんじゃなかったのか?今日はこの手で自由を勝ち取ったの。
ねえ?幸せ。
今までで一番。
もしもし?
(俊介)あっ。
ごめん。
僕だけど。
ああ。
今夜なんだけどさ滝川さんがご飯も予約してくれてて食べて帰ろうと思うんだけど。
ちょっと遅くなるけどいい?うん。
いいよ。
たまにはゆっくりしておいでよ。
こっちはねケーキバイキングでおなかぱんぱん。
(俊介)そっか。
じゃあ遠慮なく。
利佳子さん来たから切るね。
もうたった一度の過ちという言い訳はできなくなってしまう
何もかも失ってしまうかもしれない
「引き返しなさい」最後の声が聞こえました
(北野)ごめん。
遅くなって。
待った?全然。
午後3時
(北野)行こっか。
私は悪女になりました
2014/08/14(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
<木曜劇場>昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜 #05[字]【悪女誕生!一線を越える日】

海辺のホテルに入る紗和と北野だが求める気持ちとは裏腹に一線を越えることができず、紗和は賭けを持ちかける。智也に軟禁された利佳子は加藤に電話をするが…

詳細情報
番組内容
 森林公園で出会った紗和(上戸彩)と北野(斎藤工)は、海辺の小さなホテルに入る。しかし、お互いを求める気持ちとは裏腹に一線を越えることができないふたり。北野は、これ以上進んだら後戻りできなくなるから帰ろうと紗和に告げる。紗和は、そんな北野に賭けを持ちかけた。窓下に見える道を次に通るのが女性だったら友だちのままでいる、男性だったら結ばれると・・・。
 同じころ、利佳子(吉瀬美智子)は、智也
番組内容2
(淵上泰史)とともにホテルの一室にいた。利佳子への思いを抑えることができなかった智也は、彼女が利用している出会い系サイトを使って誘い出したのだ。智也は、旦那のことは我慢できるが他の男とは許せないと言うと、電話をしてきた相手・加藤(北村一輝)と別れるよう命じる。智也から、加藤にリダイヤルした携帯電話を手渡された利佳子は、ホテルに監禁されていることを打ち明け、自分とは関係ないことを説明してほしいと
番組内容3
加藤に頼む。すると加藤は、利佳子は自分の女だと智也に言い放ち、いまから会って話をつけようと提案する。
 そんな中、紗和のもとに利佳子の夫・滝川(木下ほうか)から電話が入る。自宅に電話した際に利佳子がまだ帰宅していないことを知ったらしい。利佳子に何かあったのではないかと心配になった紗和は、一緒に行くという北野の申し出を断り、利佳子から聞いたホテルへと向かうが・・・。
出演者
笹本紗和: 上戸彩 
滝川利佳子: 吉瀬美智子 
北野裕一郎: 斎藤工 
北野乃里子: 伊藤歩 
長谷川美鈴: 木南晴夏 
滝川徹: 木下ほうか 
萩原智也: 淵上泰史 
笹本俊介: 鈴木浩介 
笹本慶子: 高畑淳子 
加藤修: 北村一輝 

ほか
スタッフ
【脚本】
井上由美子 

【プロデュース】
三竿玲子 
清水一幸 

【演出】
西谷弘