(富田肇)屋敷さん。
(屋敷一郎)ん?そろそろ自分…結婚しよう思て。
受付のぶどうパンか?ぶどうパン?顔にホクロぎょうさんある奴やろ?そのホクロがええんですわ。
やめとけやめとけお前。
結婚やなんてんなもん…。
屋敷さんかて結婚してはったやないですか?せやから言うとんのや。
自分は屋敷さんとは違います。
嫁はんに逃げられたりしませんから。
わからへんで。
んなもんやってみん事には。
やってみますよ。
地獄見るど〜ハハハハ…。
何がおもろいんすか。
言わへんかったらよかったわ。
戻ったら受付のぶどうパンまじまじ見たろ。
政治家ってもうかるんやなぁ。
(友部清隆)どうぞこちらです。
(清隆)監察医務院の先生方です。
(友部葵)友部の妻でございます。
ここにおりますのが長男次男とその嫁たち。
三男は主人の秘書をしております。
(保坂博)先生…。
あのボーッとした三男がお父さんの地盤継ぐんですかね?なんだかですね。
興味ないわ。
警視庁です。
警視庁がなんのご用かしら?ああ奥さん。
警視庁がわざわざ出向きましたんは友部先生への敬意です。
…毎度。
(葵)さっき警視総監と直接話しましたのよ?ああ聞いてまへんな。
わたくしにそんな口きいて後悔しても知りませんわよ。
崖っぷち歩くんが商売でっさかい。
先生…。
ご遺体さんの奥さん名門なんですよ。
元総理の一人娘ですし…。
だから…。
(印田)始めましょう。
(保坂)はい。
このような時に申し訳ありませんが友部先生がお亡くなりになった時のご様子をお聞かせ頂けませんか?9時くらいに外から戻って気分が悪いと言って横になったんです。
その後私が電話で席をはずして10分ほどで戻ってきた時には静かに眠っているようでした。
それでそのまま寝かせておいたんですがいつまで経っても起きてこないので声をかけてみたら…息をしておりませんでした。
救急車をお呼びにならなかったんですね?ええ。
もう体温も下がっておりましたので。
(富田)はい?それにあなた友部を誰だとお思いですの?え?友部理一郎は当選12回。
日本国の国務大臣も務めた代議士ですよ。
見も知らない救急隊員やどこかの病院の医者にあれこれされるなんてたまりません。
検案はよろしいんでっか?友部に息がない事がわかってすぐ警視総監に電話しましたのよ。
そうしたら検視だけは受け入れるようにと言われましたので致し方ありません。
このご遺体はこの場所で死亡したのではありません。
死斑が体の前面と背面の両方に出ています。
仰向けで寝ていたら背面にだけ死斑が出るはずですがこのご遺体には前面にも死斑があります。
7〜8時間前にうつ伏せで死亡したあと仰向けにしたと思います。
おもろなってきたやんけ。
友部代議士はここで横になって眠るように死んだんやのうてどっかで死んで誰かがここに運んで来たんや。
そうです。
違います。
ここで死んだ事にしてください。
ここで死んでません。
警視総監はわたくしの甥なんですのよ?甥が現場の監察医にここで死んだ事にしてくれと言いなさいあとはこちらで処理するからって申しましたの。
よろしくお願い致します。
ここで死んでません。
中央監察医務院は警視庁ではなく東京都の管轄なんですが…。
ああそれでは都知事にもお電話しておきます。
実は友部女の部屋で死んだんです今朝。
中里ふみって名前からしていやらしい女の家で。
フフ…別にいやらしい名前とも思いませんが。
とにもかくにもこんな事が世間に知れたら主人のこれまでの業績も名誉も地に落ちます。
わたくしの正妻としての立場も貶められます。
あなた方も女性なら…。
おわかり頂けますでしょ?
(葵)ここで死んだ事にしてください。
承知しました。
ここで死んでません。
よろしくお願い致します。
死斑だけでなく左右の踵に生活反応のない表皮剥離がありこれは遺体を動かした証拠です。
失礼します。
ご遺体は死因を詳しく調べるために中央監察医務院で解剖します。
解剖するのは結構ですけど超特急でお願いしますね。
マスコミに騒がれる前に友部の死について公表しないとなりませんので。
それとここで死んだ事にしてください。
ここで死んでません。
(小杉貞夫)
監察医務は人間が受ける最後の医療である
監察医とは正しい死因の究明によって死者の尊厳を守り一人の死を多くの生に繋げる使命を負う者である
(小林保)「まだ友部代議士の家か?」そうですけど。
(小林)引き揚げろ。
警視総監からのお達しでっか?詳しい事は戻ってからだすぐ引き揚げろ。
せやけどまだ遺体検案中でっせ。
「これは命令だ!」なんだったんですか?何があったんですか?遺体を搬送します。
(保坂)えっ?あっ印田先生搬送でよろしいですか?うん。
屋敷さん。
なんや?友部さんはここではない場所で死んだそうです。
中里ふみという人の家です。
(富田)中里ふみって誰っすか?愛人です。
(富田)代議士の…。
遺体の頸部にはかすかな表皮剥脱があり女性の家で殺害された可能性もあります。
えっあっあっ!ちょっと屋敷さん!お前が友部やったんか?友部代議士の遺体まだ到着してないけど帰ろうか?どうせ解剖は明日だし印田先生もついてるもんね。
部長がいたら大物代議士の解剖を喜んだでしょうね。
(中山光則)ミーハーだからね。
女優も大臣もさんざん解剖したくせにな。
ミーハーは一生ミーハーですから。
怖…。
陰では言うんだね中山先生。
じゃあ岩松先生部長が出張の時くらい真っすぐ家に帰りましょう。
そうしましょうそうしましょう。
アタックチャーンス!岩松先生都庁から電話です。
部長が留守だって言ったら代理でもいいって。
(岩松)でもいいって…何番?1番です。
お先で〜す。
君が先に帰るのか?君が。
え?お待たせ致しました。
部長代理の岩松ですが。
友部代議士の解剖は明日になりますが…。
え?それはまたどうしてですか?友部理一郎と何があったんや?ほんまの事言わんとお前が友部殺しの容疑者にされてまうねんぞ。
わしを信じんかい!
(中里ふみ)そっちこそ私が人を殺したりすると思ってるの?そやないねん。
そやないから心配しとるんやないか。
心配?よく言うわね。
なんでうちがわかったのよ。
はがきよこしたんそっちやんけ。
嘘。
去年おかんが死んだ時。
あっそっか…。
バカね私。
友部はお前のとこで死んだんやな?あなたと別れてからもうお金の苦労は嫌だと思って友部さんのお世話になったの。
囲われ者か?そうよ。
囲われ者愛人2号さん。
なんで友部は死んだんや?今朝朝ご飯食べてたら友部さんが来て一緒に卵かけご飯食べて仕事に出かけようと思ったら急に苦しみ出して死んじゃったの。
働いとんか?うん週に4日だけ画廊の受付。
お前急に苦しみ出して死んだ言うけどお前人間そんな簡単に死なへんやろう。
なんで救急車呼ばへんのや?あの人いつも言ってたから。
もし万が一ここで自分が突然死しても絶対に警察に通報してはならない。
救急車も呼ぶな。
秘書で息子の清隆か妻の葵に連絡しろって。
最低な奴やな。
前の夫より優しかったけどね。
でも本音は何かあった時家族に迷惑かけたくなかったんじゃないの?最低な奴よ。
フフフッ…。
ほんで秘書と本妻が引き取りに来たんか?奥さんは来なかった。
事務所の人が3人。
遺体をうつ伏せにしたんはなんでや?答えんかい!すぐ怒鳴るとこ変わってないね。
汗かいてるよ。
友部の死体には死斑が前面と背面の両面にあった。
本宅では友部は布団に仰向けに寝かされとったからお前のとこではうつ伏せになっとったはずや。
うん…。
なんでうつ伏せにしたんや?あの人うつ伏せで寝る人だったから。
それがあの人らしいかなって思って。
ほんでわざわざうつ伏せにしたんか?うん。
(舌打ち)あっあっ…。
お疲れさま。
(岩松)あの…松本君は?解剖室じゃない?勝手に残業しないようにお願いします。
解剖は明日よ。
あ…よかった。
それと印田先生のお耳にも届いているかもしれませんが警察の捜査に事件性がないのであれば死因は心不全でさりげなくというお達しが各方面のお偉いさんから来ておりますが…。
知ってます。
でも松本が納得しないから心不全というわけにはいかないわね。
その辺りは印田先生のご判断で各方面によろしきよう。
(岩松)ではお先。
お先に。
お先でーす。
(岩松)松本が突っ込み出したら誰も止められないな。
やばいな部長の留守に。
部長がいても同じですよ。
(児玉)とりあえず僕らは早く帰っちゃったほうが…。
保坂さん。
(保坂)はい。
悪いけど2人にしてくれる?あ…はい。
何度も言うけど死者の無念と同じように残された者にもいろんな思いがあるの。
それはあなたにだってわかるでしょ?だから真実を暴けばいいってもんじゃない。
そうよ。
わかってきたじゃない。
お金を受け取ったのはなぜですか?それはあなたに見せたかったの。
世の中にはたまげるような現実があるって事を。
そういう事も想像出来なきゃ本当の事は見えてこないわ。
あなたの大好きな本当の事もね。
詭弁です。
ねえ詭弁なんて日本語知ってるんだ。
すごい。
今から解剖します。
明日になったら妨害が入りそうだから?そうです。
あんたはそうやって事を大きくするところが子供なの。
明日堂々とやればいいのよ堂々と。
コソコソするのやめなさい。
屋敷さんどこ行ってはったんですか?電話にも出はらへんし。
(小林)お前が何を調べてきたかは知らないが友部代議士の死について警視庁はこれ以上の捜査はしない。
お前も二度と中里ふみには近づくな。
中里ふみの家は見張られてるんだよ。
友部夫人に何もかも。
(富田)中里ふみ…。
あっ友部代議士の愛人や。
愛人に事情聞きに行くんやったら俺置いていく事ないやないですか。
2人がよかったんじゃないか。
(富田)え?友部の愛人はその昔屋敷の女房だったんだ。
二度と動くな。
わかったな。
(蹴る音)
(印田)では…。
(印田・真央)よろしくお願いします。
(岩松)印田先生頼みますよ。
心不全。
心不全。
心不全。
(印田)やるだけやらせないと彼女は止まりませんから。
(岩松)そんな…部長の留守に司法解剖に変更なんて勘弁してくださいよ。
頸部に表皮剥脱あり。
(印田)うんやっぱりそうね。
シワのように見えるけどひも状のもので絞められたか首をつったか。
(岩松)心不全。
(中山)心不全。
心不全。
保坂さん。
(保坂)はい。
頸部索溝にある付着物を検査科に出してください。
(保坂)直ちに。
左右上腕外側に皮下出血と思われる紫赤色調の皮膚変色。
左右大腿前面と外側面にも皮膚変色が散在。
保坂です。
松本先生からです。
頸部の皮膚の付着物を調べてください。
そこに置いといて。
急いでお願いしたいという事です。
保坂さん松本先生と仲良しになって人格変わりましたね。
(保坂)えっ私の人格?この年で人格変わらないと思いますけど。
(佃)そんな偉そうな人じゃなかったですよ絶対に。
えっ?そうでしょうか…?左右肺は蒼白色調で収縮し肺動脈内に血栓が充満しています。
(印田)肺動脈血栓ね。
エコノミークラス症候群か。
肺動脈血栓ってなんすか?
(岩松)血栓が血液に乗って流れていき肺動脈に詰まったという事です。
(印田)死因は肺動脈血栓塞栓症による窒息死。
肺動脈血栓塞栓症である事がわかればそれでいいですよね?印田先生。
死亡も公表しないで遺族は待ってるんですから速やかに遺体を返しましょう。
横向きにしてください。
せーの…。
あっ!何をする!
(中山)ヒラメ筋切り開いちゃったよ。
(岩松)勝手な事をするな!ふくらはぎに血栓があります。
保坂さん。
(保坂)はい。
血栓の割面を印田先生に見てもらってください。
(保坂)はい。
お願いします。
(保坂)先生。
私人格変わりました?
(児玉)血栓白いですね。
白っぽくなってるという事は古い血栓です。
わかってます。
血栓内のヘモグロビンがヘモジデリンに変化し一部が器質化してる。
ヘモグロビンがヘモジデリンに変化するのは5日から1週間かかります。
友部さんは5日から1週間前にふくらはぎになんらかの外圧を受け血管が傷ついて血栓が出来その血栓が血液中を伝って肺に流れていき肺動脈を詰まらせた。
そのために窒息したんです。
ふくらはぎが原因の肺動脈血栓塞栓症。
死因はさっきと同じです。
おい頸部の表皮剥脱はどないなっとんねん。
誰かに首絞められとるちゃうんか?その関係性はまだわかりません。
もう死因は特定出来たんですから頸部の表皮剥脱は調べる事はない。
ですよね?印田先生。
うん…。
ひととおり残りの臓器を調べたら友部さんの解剖は終わります。
おい待てや。
首が気になるやんけ。
(電話)
(保坂)はい出ます!
(電話)はい解剖室です。
友部さんの頸部表皮剥脱部分の付着物はナイロンの繊維でそこに人の皮膚が付着していました。
(保坂)どうもありがとうございました。
松本先生。
友部さんの頸部表皮剥脱の付着物はナイロン繊維と人の皮膚だそうです。
人の皮膚…?
(保坂)はい。
これ友部の愛人のハンカチや。
汗かいてるよ。
DNA鑑定してくれ。
友部と愛人の間に何があったかわかるかもしれへん。
わかりました。
余計な事はやめなさい!そうそうそう…。
ちょっと止めなさいよ誰か!えっ僕ですか?あ〜のど痛いな。
飴ちゃん持ってない?飴ちゃん。
持ってないです。
じゃあリップ貸してよ。
友部さんの頸部表皮剥脱に付着していた人の皮膚このハンカチの持ち主とDNAが一致するのか調べてください。
急ぎでお願いします。
あんたらは「急ぎでやれ」しかセリフはないのか?急ぎでお願いします。
嫌な女…。
急いでやるぞ。
(印田)あのハンカチは一体なんなの?警視総監トップダウンで捜査止められてるんでしょ?俺友部の愛人消されるんちゃうか思うねん。
あのババアだったらやりかねへん。
友部夫人ね…。
友部の愛人俺の元嫁や。
いっちゃんの元嫁やるもんだね!はあ?だってあんなジジイと寝られるなんて女として肝の据わり方が半端じゃないじゃん。
はあ〜…お金もらって立派なマンションに住まわせてもらってるんでしょ?ハハ…いい気なもんだけどへえ〜どこかあっぱれ。
一応画廊で週4で働いとんねや。
えっかばってるの?そうやないけど…。
(ため息)全部わしのせいや。
はあ?いや出会うた頃あいつまともな銀行員やってん。
それがあんなジジイのお前…愛人やなんて。
俺と別れへんかったら…。
(笑い声)あ〜あ…。
男って女の過去の歴史の中で自分が最高の男だったって思いたいんだよね。
うん…。
泉澤部長もそうだったけど。
あいつと一緒にせんといてくれお前…。
(泉澤郁夫)パリエスフェアシュコクジュビア。
ハハハハ…。
ヤコンベレンドドゥモアイハビヨン。
イルモサンブージェエンビー。
ダムネンモンシュボードレドクトルインデン。
サンテ。
(男性たち)サンテ。
(印田)最悪だったわよ泉澤なんか。
だから元嫁もいっちゃんの事最低って思ってるって。
けどあいつが友部の首絞めとったら…。
やっぱ俺のせいや。
だから絞めたとしても死因じゃないから問題ないって。
ねえSM趣味だったんじゃないの?パシッパシッ…。
やっぱり俺のせいや。
何気取ってるのよアホ!アホやな〜わし!はあ…。
コーヒーお飲みになりたい方。
(印田・中山)はーい。
(秋山)保坂さんそういうのやめてもらえます?保坂さんがいない時私に振られても困りますので。
(保坂)あのね秋山さん。
こういうのは気持ちですから。
はい。
ありがとうございます。
DNA一致しましたよ。
(佃)友部さんの頸部索溝に付着していた皮膚はこのハンカチの持ち主のものでした。
急いでやりましたよ急いで。
ありがとうございました。
それもうどうでもよくなっちゃったんだよね。
えっ?
(児玉)友部さんの死因は下肢深部静脈炎による肺動脈血栓塞栓症だったんだ。
それいつわかったんですか?
(中山)昨日。
どうでもよい事ならなぜ急いでやれと言ったんだ!頸部の表皮剥脱の事は何も解決していません。
いい加減にしろよ!
(岩松)立場をわきまえなさい。
(岩松)検査技師は我々解剖医の指示に従って検査をするものだろう。
急いでやるのが当たり前だ。
君が解剖医に今のような口をきくのはお門違いもいいところだ!お門違い?代理のくせにどうしちゃったの?頸部の表皮剥脱と下肢静脈血栓症の因果関係はこれから明らかにしなければなりません。
下肢への外圧がどのように加わったのかこれから調べます。
お邪魔しました。
友部さんの首に付着していた皮膚とハンカチの持ち主のDNAが一致しました。
俺に隠してる事あるやろ。
ちょっと待て。
友部が死んだ日何があったんや?やめて。
やめてよ!公務執行妨害の現行犯で逮捕する。
はあ?
(ふみ)なんでこんなところに連れてこられないとならないんですか?
(富田)友部さんが亡くなった日の事で隠してる事ありますよね?
(富田)「ではもう一度整理しましょう」「あなたは友部さんとどこで知り合いましたか?」
(富田)「黙秘されるのはいいですけど長引きますよ」
(富田)「画廊にはいつからお勤めですか?」「そんな事画廊に聞いたらわかるでしょ」逮捕したってどういう事だ?友部の事件を表沙汰にするかどうかはどうでもええんです。
警視総監がアカンやったらそれでも構へん。
けど警察はホンマの事知っとかなアカンでしょ。
いい女だね別れた奥さん。
なんちゅうても友部の首を絞めたかもしれへん女は調べなあきまへん。
(保坂)お疲れさまでしたね。
これで立派なお宅にお帰りになれますよ。
頸部の表皮剥脱とふくらはぎにどんな外圧がかかったか解明出来ませんでした。
中央監察医務院の役目は果たしたわ。
大層なご香典をありがとうございました。
ささやかで申し訳ございません。
「1か月くらい前に友部さんといるところを週刊誌に撮られたんです」
(ふみの声)写真は掲載されないように友部さんの奥さんが力尽くで止めたんですけど…。
それから毎晩あの人奥さんに家で殴られてたらしいんです。
(富田)それはDVという事ですか?
(友部)またうちの奴が暴れちゃって…。
ここへ乗り込んでくるかもしれないなあいつ。
えっ…。
(友部)やっぱりここらで別れないとふみちゃんの生活の安全だって守れないし…。
別れたくないなぁ…。
だけど女房の人脈がないと俺は政治家としてやってけないし…。
ああ〜どうしよう…。
ごめんな。
(ふみ)「そんな事が続いて…」あの人板挟みになっちゃったんじゃないんでしょうか。
「一昨日はあの人珍しく前の晩から泊まっていったんです」で朝一緒に朝ご飯食べて画廊に出かけました。
そしたら雨がポツポツきて傘を取りに戻ったんです。
(ふみ)雨が降ってきちゃってさ…。
何やってんの!?友部さん!友部さん!
(友部)ああ…。
(ふみ)大丈夫?
(ふみ)友部さん!あっ…うぅ…。
どうしたの?うぅ…。
(ふみ)救急車呼ぶわ。
(友部)待て…!うぅ…あぁ…。
友部さん?友部さん!?「死ぬまで奥さんに気使ってた」だから私もあの人の気持ちを立てて前から言われてたように119番や110番しないで奥さんに電話したんです。
首の痕と愛人の皮膚謎が解けたわ。
これで終わりやな。
終わってません。
えっ?まだ解明していない事があります。
秘書さんこれは…。
(清隆)えーっと…。
枕花です。
中入れていいですね?
(清隆)えっ…どうしよっかな…。
友部清隆さんですね?先日はどうも。
警視庁です。
(清隆)警視庁!?友部さん亡くなる1週間前足ケガされてませんですか?えっ…足?右側のふくらはぎです。
1週間前の事なんて覚えてないな…。
思い出さんかい!いつも一緒におった秘書やろ!そそんな横暴な…。
母に言いつけてやる。
はいはいはい…。
ほなまた来ますんで。
よう思い出しとけ。
あっ…。
なんや?思い出したんか?えっと…ちょうど1週間ほど前父の携帯を見た母がキレて暴れまくって…。
われ「まくる」て何したんや?いつも割と殴ったり蹴ったりするんですけど1週間前はいつもよかすごくって…。
それです。
(清隆)それ?友部さんは奥さんにふくらはぎを蹴られた。
その時ヒラメ筋が挫滅し深部静脈に血栓が出来た。
その血栓は最初はヒラメ筋の静脈の中にとどまっていたが1週間目に血液の流れに乗って動きだし肺に流れついた。
そして肺動脈に詰まって友部さんは窒息した。
原因はカミさんの蹴りや。
そうです。
これで全てがわかりました。
刑事さん母には私が喋ったと言わないでください。
わかっとるがな。
私はこれで失礼します。
ちょっと待て。
あんたも来なはれ。
友部さんが死んだんは奥さんがふくらはぎを蹴ったのが原因です。
蹴りましたやろ1週間前。
見なさいよこのメール!いいよ。
よくありません!
(葵)「愛してるよ。
ふみに会いたいよ」。
「うちの奥さんは恐ろしいけどふみは優しいからな」ってなんなのよ!これこれこれこれをしっかり見ろーっ!なんで暗証番号わかったの?あなたの事は全部わかるんです!
(葵)ああー!
(友部)ああっ!
(葵)くーっ!うわっ…。
(葵)ああー!
(友部)ああっ…!わたくしは夫に手など上げた事はございません。
奥様は友部さんの浮気に悩まされとった。
(葵)浮気?わたくしどもは政界のおしどり夫婦と言われておりましたのよ?浮気なんてありえませんわ。
そうですか。
ほな奥さんは中里ふみゆう女は全く知らへんのですな?ええ全く存じません。
昔も今もこの先も一切知らへんのですな?
(葵)ええ知りません。
生涯その方と関わる事はございません。
ホンマやな?お約束致します。
(富田)ご苦労さまでした。
これでお帰り頂けます。
屋敷警部補が私を殺人犯だと疑ったんですね?それ…違うんですよ。
え?
(富田)屋敷さんは中里さんを守りたかったんです。
(ふみ)「守りたかった?」
(富田)「友部夫人が中里さんに…」
(富田)危害を加えるかもしれないと屋敷さんは思ったんです。
マンションにいるより警察にいたほうが絶対に安全ですから。
まさかそれで私を逮捕したの?
(富田)「そうです」思い上がった男。
最低!結婚なんかせんほうがええで。
大丈夫です。
振られましたから。
あのぶどうパンお前振ったん?はい。
ホンマかいな?身の程知らずの女やな。
暑っ!女の気持ちてわかりませんね。
男はなんにも見えてへんのやな…。
車出せ!お前早よ。
(リポーター)「民真党の友部理一郎衆議院議員が昨日東京都世田谷区の自宅で亡くなりました」「68歳でした」「通夜告別式は近親者のみで執り行い後日お別れ会が開かれる予定です」
(岩松)全て丸く収まったって事か。
「…清隆氏が友部氏の地盤を引き継ぐものと見られています」
監察医務は人間が受ける最後の医療である
監察医とは正しい死因の究明によって死者の尊厳を守り一人の死を多くの生に繋げる使命を負う者である
岩松先生泉澤部長から電話です。
2番です。
はいもしもし岩松ですが。
ボンジュールムッシュ〜。
サヴァ?いやあもうフランス人ですね!最後の夜だからさ90年のル・パン飲んじゃった!
(岩松)「いいですね〜!」留守中何もなかった?はいもう退屈なくらい淡々と。
トレビア〜ン!どうかお気をつけてお帰りください。
部長がお留守だと皆心細いですから。
「ウィウィ!」オーボア〜!
(ため息)やかましい声だな。
丸聞こえでしたよ。
フフフフ…。
いいなあフランス。
君が印田君か。
はじめまして。
(小杉)美人だね。
真央君以外の女性に会うのは久しぶりだよ。
(印田)松本真央が休みがある度にあなたに会いにここに来ている事はわかってましたけど彼女なんのためにそんな事してるんでしょう?依存症だね。
人は皆埋められない穴を持ってる。
君だってそうだろ?そうかもしれません。
でも私は平気です。
松本真央とは違って私は上手に穴とも付き合いながら生きてますから。
強いね。
フフ…。
それより8年前君はどうして真央君に嘘をついた?あの子あんな偏った人間にしたのは君だろ?あなたは松本真央のために3人も男殺したんですか?こちらの質問が先だよ。
『ゼロの真実〜監察医・松本真央〜』の主題歌湘南乃風が歌う『パズル』のCDをプレゼントします
近づかないでください!青酸中毒の可能性があります。
明らかな他殺の形跡は見当たりません。
女は殺されてへん。
無理心中かも知れへんな。
全ては松本真央のためだ。
2014/08/14(木) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
ゼロの真実〜監察医・松本真央〜 #5[字]
監察医務院を舞台に大石静が描く新たな法医学ミステリー!話題の第5話!愛人宅で死亡した代議士…愛人は屋敷の元妻!?正妻vs元妻!嘘をつく女達に真央が解剖で挑む!
詳細情報
◇番組内容
自宅で死亡した代議士(浜田晃)。しかし検案の結果“嘘”が発覚。実際は愛人宅で死亡し、自宅に運び込まれたことが分かる。愛人の存在が許せない正妻(木野花)は世間体を守るため、夫は自宅で死んだことにすると言う。一方、捜査のため屋敷(佐々木蔵之介)は愛人(堀内敬子)の部屋を訪ねていくが…実は屋敷の別れた妻だったことが判明!さらに真央(武井咲)が解剖した結果、屋敷の元妻に殺人容疑が…!?
◇出演者
武井咲、佐々木蔵之介、生瀬勝久、和田正人、六角精児、小松和重、水沢エレナ、宮