きょうの健康 見逃すな!危ない不整脈「突然死を食い止める」 2014.08.14

(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立つ確かな情報をお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週は…今日はまずこんな数字からご紹介します。
心臓の異常が原因で突然死をする人が年間で6万人にも上りますがその大半は実は心室細動という不整脈によるものなんです。
本当にあっという間に命が奪われる非常に危険な不整脈ですよね。
そこで今日のテーマはこちら。
心室細動を防ぐ対策をお伝えしていきます。
今日も専門家をお迎えしています。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
循環器内科特に不整脈の診断治療がご専門です。
今日もどうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
昨日は心房細動という不整脈について教えて頂きました。
今日は心室細動ですね。
1字違う訳ですがこれはどういうタイプでしょうか?心臓の上の部屋は心房です。
下の部屋が心室です。
全身やあるいは肺に血液を送り出しているのは心室です。
この心室がけいれんのように震える状態が心室細動です。
心電図を比較して見ても全く心室細動と正常では異なりますね。
これが正常で…違いますね。
正常では一定のリズムで心室が収縮して血液を送り出しているんですが心室細動ではこの血液を送り出すポンプの役割を全く果たせなくなります。
つまり心停止という状態になるんです。
こうなりますと体は一体どうなってしまうんでしょうか?脳に血液が流れなくなるのが一番の問題です。
6秒で失神し3分で脳に重いダメージを来し死に至るとされています。
3分で。
本当に急速な変化ですね。
ではここから心室細動のリスクをどう知るのか更に心室細動の治療法そして心室細動が起こったらという事でAEDの使い方も実習していきます。
それではまずリスクを知るという事ですがそのリスクつまり心室細動を起こしやすい人はどういう人なんでしょうか?重い心臓病の人が最も危険です。
特に重症の心不全や心筋梗塞にかかった事がある方。
こういう方はそもそも心臓の働きが低下していて心室細動になりやすいんです。
なお心筋梗塞を発症した直後に心室細動になる方もいます。
例えばスポーツ中に倒れるケースなどです。
それから心筋症で心臓の筋肉が弱ったり肥大している人も心室細動のリスクがあります。
このほかまれですが遺伝性の心臓病が原因になる事もあります。
この心室細動には前兆はないんでしょうか?この心室細動はほかの不整脈と違って1回起こって即死という場合が多いんです。
ただし心室細動の前に心室頻拍という不整脈からその直後にあるいは後日心室細動を起こす事があります。
そういう意味で言うと心室頻拍が前兆となるかもしれないです。
なおこの心室頻拍も実は心臓のポンプ機能がゼロという訳ではないんですが動悸やめまい失神を来してこの心室頻拍自体で死亡する事もある重症の不整脈なんです。
しかしこの心室細動はお話のように1回起きると死に至る事が多いという大変な病変だという事ですがそうしますとあらかじめ検査で分かるという事ではないという事ですか?そうですね。
例えば心室細動が起こる時の心電図を事前の検査でそのまま捉える事はできません。
しかし心電図で重症の心臓病を発見する事で心室細動のリスクが把握できます。
特にリスクが高いと判断されれば超音波検査で心臓の働き収縮の度合いを調べたりあるいは心臓にカテーテルを進めて電気刺激で心室細動を誘発するという電気生理検査も行われています。
リスクのある方が心室細動を起こさないようにするための手だてというか何かないんでしょうか?最も確実な方法はこの植込み型除細動器による治療です。
これが現物です。
ペースメーカと同じく体に埋め込む医療器具ですがペースメーカより少し大きめです。
これが心室細動が起こったら直ちに止めてくれるんです。
それをどのように体内に入れますか?ペースメーカと同じように鎖骨の下の皮膚を切開してそして皮膚と筋肉の間に埋め込みます。
そしてここからリードを静脈を伝って右心房そして右心室に進めてそして固定します。
これは心室細動をどのように止めるんでしょうか?この機械は実は心臓の拍動を常時監視していまして心室細動が起こったらこのリードを介してこれを感知します。
そしてリードのこの部分と本体との間で電気ショックを流します。
そして正常に戻すというものです。
いわばAEDを体の中に入れているようなものです。
この植込み型除細動器が特に必要な方はどういう方になりますか?まず心室細動を起こして一命を取り留めた方。
あるいはその一歩手前の心室頻拍を起こした方が適用になります。
またこれらを起こしていない場合でも心臓のポンプの働きが低下している人。
こういう方は心室細動のリスクが高いと判断されますので予防的に治療する場合があります。
この植込み型除細動器を実際使っている方はどれぐらいの数ですか?最近では年間約6,000人ぐらいの方が使い始めておられます。
このうち心室細動や心室頻拍を既に起こして再発予防のために手術を受けている人が4,000人程度。
起こした事はないんですがリスクがあるために予防のために受ける方が2,000人程度です。
この除細動器は何か新しいタイプのものが登場という事はありますか?最近植込み型ではなく肌にピッタリ着用するジャケットタイプの除細動器も今は登場しています。
このような形で装着するんですね。
体調などからすぐに手術ができない場合あるいは手術が必要かどうか見極めるまでの期間一時的な治療として有用とされています。
さて心室細動がいざ起きた場合どのようにして命を救うのか久田さんからです。
こちらAEDという機器を目にする事も増えているかと思います。
心室細動で倒れた人の心臓に電気ショックを与えて命を救うための医療機器です。
ではこのAEDどのように使うのか救急救命士の佐々木亮さんに教えて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
今日はこちらの人形を使っていきますがこのように倒れている人がいた場合まず何をしていけばいいんでしょうか?まずは周囲の安全を確認してから近づきます。
安全を確認して近づきます。
そして意識の確認をします。
肩をたたきながら耳元で「分かりますか?分かりますか?分かりますか?」と確認します。
そして反応がなければ意識なしと判断します。
意識がないという場合どうしていきますか?周りに助けを求めます。
そして周りに人がいれば具体的に「あなた119番通報をお願いします。
あなたAEDを持ってきて下さい」というように具体的に指示を出します。
では周りに人がいない場合はどうしますか?自分1人で行います。
では自分1人で次はどういうふうにしていきますか?次に呼吸の有無を確認します。
胸が上に上がっているかおなかが上に上がっているかふだんどおりの呼吸をしているかどうかを確認します。
そして呼吸がなければ胸骨圧迫いわゆる心臓マッサージを行います。
心臓マッサージですね。
どのように行っていきますか?胸の真ん中に手のひらの手掌という硬い部分をあて手を重ね行います。
それでは始めます。
12345。
このように肘を伸ばし三角形を作るような姿勢で行います。
ここが三角形という事ですね。
リズムなんですが1分間に100回以上のリズムで強さは5cm程度沈むような強さで行います。
かなり速いリズムで5cm沈むという事でやはり体重をかける感じでしょうか?そうですね。
この間人工呼吸はどうするんですか?胸骨圧迫の方を30回終わりましたら続いて人工呼吸を行います。
人さし指と中指を顎にあて顎をそらし上に上げた状態で人工呼吸を行います。
その際忘れてはならないのが反対の人さし指と親指で鼻をつまみ人工呼吸を2回1回1秒かけて2回行います。
息を吹き込むんですね。
抵抗がある方は人工呼吸は行わず先ほどの胸骨圧迫心臓マッサージの方を続けて下さい。
じゃあ心臓マッサージはずっと続けていく事が大切なんですね。
さあこうしている時にAEDが到着しました。
ではAEDどう使っていきますか?AEDの操作に移ります。
まずはこのバッグを開けます。
バッグを開けた時点で電源が入るようなAEDの機種もありますがこのタイプでは電源を押すと起動します。
(音声ガイド)「パッドを胸に装着して下さい」。
パッドはこちらなんですが取り出して装着します。
その際に服を脱がせます。
こうやって音声が教えてくれる訳ですね。
汗をかいているようであればタオル等で拭ってあげて下さい。
パッドの方ですがこちらになります。
絵が描いてありますので分かりやすくなっております。
右の胸の方にこのとおりに貼っていきます。
イラストのとおりに貼ります。
しっかり貼ります。
続いてもう一つの方ですね。
左の脇腹の方に貼っていきます。
これもイラストどおり貼りました。
そして音声のとおり…。
(音声ガイド)「コネクターを…」。
このコネクターを本体の方にしっかり接続します。
(音声ガイド)「心電図を解析中です。
体に触れないで下さい」。
今AEDが心電図の方を解析しております。
(音声ガイド)「ショックが必要です」。
触れないように離れていて下さい。
(音声ガイド)「充電中です」。
今ショックが必要という事でAEDが判断しました。
離れていて下さい。
(音声ガイド)「ショックを実行します。
オレンジボタンを押して下さい」。
ショックですがこのオレンジ色に光った部分を押せばショックが流れます。
では押します。
(音声ガイド)「ショックが完了しました。
一時中断中です」。
これでもうショックは完了?そうですね。
(音声ガイド)「胸骨圧迫と人工呼吸をして下さい」。
AEDの方から指示がありましたとおり胸骨圧迫と人工呼吸の方を行って下さいという指示が流れましたのでそのとおりに従って下さい。
では電気ショックのあとにどうしたらいいかという事もこの機械が教えてくれるという事なんですね。
ありがとうございました。
お立ち下さい。
今日教えて頂きましたのはまず胸骨圧迫心臓マッサージをずっと続けるという事。
そしてAEDは本当に音声のガイドに従ってやっていけばきちんとできるという事なんですね。
でも実際の場面ではAEDを使ったらいいのかしらどうかしらというふうに迷ってしまう人もいるかもしれませんね。
AEDを使うべきかどうか分からない場合でもあまり迷わずAEDを使ってほしいと思います。
心室細動かどうかは機械が判断し必要がなければボタンを押しても電気は流れないので心配はいりません。
まず倒れている方を見かけたら勇気を持って駆け寄って下さい。
そして迷ったら使う事が大切なんですね。
ありがとうございました。
さあ実際の使い方こうして覚えましたが倒れている人がいる。
心室細動を起こしている。
その人のためにAEDを是非ともすぐに使いたいですね。
AEDはできるだけ素早く実施してほしいと思います。
心室細動はまさに1分1秒を争う不整脈です。
倒れてから3分くらいまでが生死をはっきり分けるからです。
しかしこの大変だという場で心掛けとして最も大事な事はどういう事でしょうか?それはためらわず勇気を持って処置にあたるという事です。
大きな声を出す事も大事ですね。
「AEDを持ってきて下さい!」ですよね。
そのとおりです。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
2014/08/14(木) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 見逃すな!危ない不整脈「突然死を食い止める」[解][字]

心室がけいれんのように震え心臓が血液をまったく送り出せなくなる心室細動は死に至ることが。体内に留置する植込み型除細動器やAEDによる電気ショックで救命したい。

詳細情報
番組内容
心室がけいれんのように震え心臓が血液をまったく送り出せなくなる不整脈・心室細動。脳が血液不足になり6秒で失神、そのままでは突然死に至る。慢性心不全・心筋梗塞・心筋症などの人はリスクが高いため、植込み型除細動器を体内に留置する治療が検討される。心室細動が起こった人に電気ショックを与えて救命するAEDも紹介。音声ガイドに従えば一人でも使える。心室細動かどうかは器機が判断し必要がなければ電気は流れない。
出演者
【講師】弘前大学大学院教授…奥村謙,東京消防庁救急救命士…佐々木亮,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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