くらし☆解説「デング熱 感染を防ぐには」 2014.09.10

生字幕放送でお伝えします岩渕⇒先月突然、東京都心にある代々木公園で熱帯の感染症であるデング熱の流行が確認されました。
原因はデングウイルス。
ウイルスを媒介するのは木陰などに潜むヒトスジシマカ。
つまり、ヤブ蚊です。
ほかの公園などでも蚊の駆除が行われています。
どうやって防いだらいいのでしょうか。
こんにちは。
きょうは、デング熱感染を防ぐにはです。
担当は谷田部雅嗣解説委員です。
谷田部さん、代々木公園で見つかったわけですけれど現在どういう状況ですか?谷田部⇒きのうまでのデータで88人の方がデング熱患者ということで確認されました。
そもそも騒ぎが始まった先月27日、東京の代々木公園で最初の方が見つかりました。
代々木公園周辺で蚊に刺されて感染したのではないかという方が85人いらっしゃってそれから新宿の中央公園、そして外濠公園神宮外苑のどちらかでという方が1人います。
この方々の感染したウイルスを調べてみますと遺伝子的には同じだということでここから広がったことが確認されました。
きのう新たに千葉の方が感染しているということが分かりました。
この方の場合には、こういった代々木公園など東京に来たことがないし自宅の周辺しか最近は歩いていないということですのでこの方の周辺にいる蚊がウイルスを持っていて感染したのかもしれないわけです。
今この方の感染したウイルスの遺伝子分析をしているんですけれどウイルスの遺伝子がこちらのウイルスと違っている新たな感染例が生まれたということで、これは千葉ですけれど全国ほかの地域でもこういったことが起きるということを示しています。
結果が重要なんです。
そもそもどうして代々木公園でたくさんの患者が出たんでしょうか。
海外から入ってきたということですけれどヒトから入ってきたということです。
世界では100以上の国でデング熱が流行しています。
熱帯地方中心なんですけれどこういったところでウイルスに感染して日本に帰ってきたりしている日本の国内で、デング熱になる発病するということが起きるわけです。
その方々が、今年々増えていまして200人を超えています。
この方たちはウイルスも一緒に実は日本に運んできているということになります。
このウイルスを媒介するヒトスジシマカがほかの人にうつしたということが代々木公園で起きたということなんです。
ヒトスジシマカはどういう蚊ですか。
普通家などで夜に飛んでくる蚊は、アカイエカと言います。
夜に行動して屋内で行動します。
ヒトスジシマカはヤブ蚊で昼に行動して木陰や草むらにいます。
大きな特徴はアカイエカとかほかにも種類の蚊がいますけれどデングウイルスは体の中で増えません。
ところがこちらのヒトスジシマカだけは体の中でどんどんウイルスが増えていくというそういう特徴があります。
ヒトスジシマカはそもそも木陰や草むらにいて私たちを待って、吸血する。
吸うのはメスだけです。
卵を成熟するためなんですけれど4、5m以内に近づくとヤブ蚊が集中して刺されてしまいます何か所も刺されることもあります。
感染はどのようにして起こりますか。
ここが代々木公園だとします。
感染者の方が来たとします。
ウイルスが増えて、症状が出る直前ぐらいから体中の血液にウイルスがたくさん入り込んできます。
こういった状態で、やぶにきてヒトスジシマカが吸血します。
そうするとヒトスジシマカの中にデングウイルスがたくさん入っていますのでヒトスジシマカの体の中でどんどん増えてそして、飛んでいきます。
この方が、何か所も歩いたりするとそれぞれ刺されて長時間滞在するとこういった蚊が増えていきます。
一度でもこの蚊に刺されると感染してしまいます。
大体寿命が30日から40日ぐらいと言われていますけれど繰り返し感染を広げていくということが、より怖い病気のではないかということなんです。
デング熱はどんな病気ですか。
特徴的にはすごく傷みが、耐えきれないほどの痛みがあるということなんです。
これにかかった方、皆さんおっしゃいます。
治療薬やワクチンは現在ありません。
潜伏期間があって、大体感染してから3日から7日ぐらいです。
症状がそれぐらいで出てきます。
かかった方全部がこういった症状が出るわけではなくて1割が2割ぐらいなんです。
突然熱が出ます40度前後の高い熱です。
インフルエンザとはこういったところが似ていますけれど、激しい頭痛や、耐えきれないような関節痛や筋肉痛で苦しむ、ということなんです。
食欲不振があって水も飲めなくなってしまうということもあります。
デング熱ということはすぐに分かりますか。
異常な痛みですので大体皆さんびっくりしたというぐらいです。
大体分かると思うんですけれどこういったことがあったら医療機関に行くということが大事です。
そして、デング熱かどうかをまず確認してもらうということです。
血液検査を受けることです。
血液検査をすることによってデングウイルスが体の中にいるかどうかデング熱というふうに確認できるそれで治療の目安がたちますので必ず受けていただいて、そして重症化する場合もあるんですけれど入院して点滴を受けたりして看護していただけば、命の危険はそれほどありません。
心配することはないんですが、ただ症状が激しいので、びっくりするということがあります。
かからないように私たちができる対策はありますか。
媒介するのはヒトスジシマカですからこれに刺されないようにするということ。
そのためにまず肌の露出を避けるということです。
外を歩いて広々としたところは大丈夫ですけれど草むらがあったりというようなところは長袖、長ズボンそれから虫よけ剤を出ているところにつけるということです。
これも目に入るとあまりよくありませんので、手につけてから顔につける耳の周りや、首筋なんかにもきますのでそういったところもケアしていただくことが大事です。
いつごろまで、この先警戒しなくてはいけませんか?南の沖縄などを除くとヒトスジシマカが成虫して飛んでいるのは10月下旬ぐらいまでということです。
あと1か月ちょっとですね。
流行が広がったとしても10月下旬に収まるということです。
蚊が突然病原体を持っていることがあるということが分かったということになりますと、これまで気にならなかったことが気になってきますね。
全部がウイルスを持っているということでもありませんけれど、できれば身の回りから、蚊を減らすということもありますしデング熱の流行を避けるということにもなります。
効果的なのは幼虫の駆除ということで産卵場所をなくすということなんです。
ヒトスジシマカはプールみたいなところではなくて小さな水たまり、例えば缶とかお弁当の空き箱とか植木鉢の皿の部分とか、雨水ますのようなところ、小さな水たまりに卵を産みます。
ですから水をためないようにするということ。
雨水ますの場合、水をためないわけにいかないのできちんと掃除をしたり時々駆除剤を入れるというようなことをして幼虫の発生を防ぐことです。
個人個人がやってもあまり効果はありませんので地域がまとまって取り組むということ対策を取ることが大事です。
日本ではこうして収まったとしても海外では流行していますよね。
一年中流行していると考えていただいたほうがいいんですけれど自分が行く地域にどんな感染症がはやっているのかデング熱の場合でしたら蚊に刺されないように注意して虫よけ剤を持っていくとかかからないようにすること。
とにかく海外でかかったらまた大変ですし、持ち帰ってきても困ります。
気をつけていただきたいと思います。
谷田部雅嗣解説委員でした。
次回は出川展恒解説委員と共にお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
2014/09/10(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「デング熱 感染を防ぐには」[字]

NHK解説委員…谷田部雅嗣,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…谷田部雅嗣,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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