きょうの健康 夏のレジャー 安全健康術「食中毒を防ぐ」 2014.08.14

(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康と安全に役立つ確かな情報をお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら…真夏のレジャーのさまざまな場面の安全についていろいろお伝えしてきましたが今日まだあるんですね更に。
実はアウトドアでの食中毒にも注意して頂きたいんです。
こちらご覧下さい。
まずはキャンプやバーベキューなど外で調理をするような場合です。
暑い時期は肉や魚なま物はやっぱり注意が必要だという事がありますよね。
そして更にこちらお弁当おにぎり。
こういったものも注意が必要なんですね。
おにぎりなどはなま物じゃないから傷みにくいかなと思ってますけどね。
ところがおにぎりが原因で食中毒になってしまう事もあるんです。
という事で今日のテーマこちらです。
夏に起こりやすい食中毒の対処法についてお伝えしていきます。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすく食中毒について教えて頂きましょう。
感染症の診断と治療がご専門ですが今日は特に食中毒について教えて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
さて夏の食中毒の特徴的な事はありますか?食中毒は年間を通して起こっておりますが冬はノロウイルスなどが多くて夏はここにお示ししますように細菌性の食中毒が多くなってきます。
中でも代表的なのは例えば腸管出血性大腸菌のO−157のようなものですとかあるいはサルモネラ菌それ以外の菌も食中毒としてはいろんな菌が起こします。
さてどれぐらい起きているかグラフを示しますがこちら。
これは昨年の食中毒の発生件数ですがここでお示ししますようにやはり夏の時期高温多湿の時期ですね。
6月から9月の時期が特に多いという傾向が認められます。
細菌によるものはこういう季節的な傾向がはっきりありますね。
それでは食中毒を起こす原因となる細菌はどういった食品についている事があるのか久田さんからお示ししましょう。
食中毒の原因となる細菌は主に肉や魚についているんです。
そうした細菌は私たちが食べている動物の体の中に住み着いている事があるからなんです。
例えばこちら牛肉にはO−157などの腸管出血性大腸菌。
また鶏肉にはカンピロバクターやサルモネラ菌。
そして卵にもサルモネラ菌がついている事があります。
更に魚には腸炎ビブリオがついている事があります。
そしてもう一種類実は人の体に住み着いている細菌が食中毒の原因となる事もあるんです。
それは黄色ブドウ球菌です。
大体20〜30%の人が持っていると考えられています。
ではこれらの菌によって食中毒が起こりますとどんな症状が出るのかですが細菌は腸の中で増えて腸の炎症を起こします。
その結果腹痛下痢吐き気やおう吐発熱そして血便などの症状が起こってきます。
黄色ブドウ球菌の場合は食品の中で増殖して毒素を作り出しその毒素によって発熱はないんですがそれ以外の症状が起こってきます。
食中毒のこうした症状ですが原因となる細菌がついたものが体に入ってから症状はどれぐらいの時間で出てくるものですか?食中毒はそれぞれここに挙げましたような代表的な菌で起こってきますがそれぞれ菌によって食べたあと症状が現れてくるまでの時間が異なってきます。
いろいろですね。
先ほどご説明があった黄色ブドウ球菌ですがこれは毒素によって起こりますので食べたらそのあと本当に短時間で症状が出てきます。
それ以外の腸炎ビブリオサルモネラカンピロバクター腸管出血性大腸菌は腸の中で増えてその上で症状が出ますので多少遅れてきまして半日から1日のものもありますがカンピロバクター腸管出血性大腸菌は数日あるいは1週間程度あとで症状が出る場合もあります。
これ1週間や10日あととなりますと何が原因だったってちょっと思い出せない可能性もありますね。
特に危険な食中毒はどれなんでしょうか?中でも例えばお子さんの場合はサルモネラ菌ですとか腸管出血性大腸菌による感染症で特に重症化する場合がありますのでこれらは特に要注意だと思います。
それでは食中毒を防ぐために何が大事なのかというお話をして頂きましょう。
まず食中毒予防の3原則はここにお示ししましたように…この3つがポイントになります。
一つずつ内容を教えて頂きます。
つけないこれは?まずつけないですけども食品に菌をつけないという事なので当然手ですとかあるいは食品そのものを洗ったりまな板包丁などもしっかり洗う事が大切だと思います。
細菌をしっかり洗い落とすという事ですね。
生鮮食品とありますが例えばお肉なども洗った方がいいんですか?まあ肉も例えば塊のようなもので表面に菌がついていますのでそれを洗う事で多少は菌を減らす事は可能だと思います。
そしてやっつける。
これはどういう事でしょうか?細菌は加熱する事で死滅します。
なので十分に加熱する。
特に生肉とか生魚に対しては菌が表面についている可能性が高いので加熱が大事です。
十分に火を通す事を心掛ければいい訳ですよね。
そして増やさないというこの内容は…。
例えば調理をしてそのあとすぐに食べてしまえば菌が増える時間がありませんのでそういう意味では作ったらすぐ食べましょう。
十分に加熱したものをすぐに食べる。
もしそれができない場合その場合はやはり菌が増えにくい条件は低い温度ですので例えば冷蔵庫とか冷凍庫の中で保管できるのであれば冷やしておく事が大事だと思います。
常温でずっと置いておくのはよくないと。
増やしている事になる訳ですね。
こうした注意を屋外のレジャーではどうやって守っていけばよいのかという事がありますよね。
そのポイントを久田さんからです。
アウトドアでの調理のポイントをこちらで見ていきましょう。
まず大事なのが食材の温度管理です。
肉魚などの食材はできれば冷凍してこちらのようなクーラーボックスに入れて持っていきましょう。
また冷凍できない場合はこちらの中の…このように袋に入った氷をたくさん入れてそしてこの中に入れるという事で低温で持ち運ぶようにしましょう。
続いて手洗いですがまず目に見える汚れは手洗いで全部落としていきます。
水道がない場合にはこちらのようなウェットティッシュを準備していきます。
こういったもので汚れを落とします。
川の水には有害な菌がいる事がありますので使用しないで下さい。
更に目に見えない細菌はこちらのような消毒薬を使います。
このようなシートタイプ。
更に液体のタイプ。
さまざまなタイプが売られています。
使う時には指先から手首までまんべんなく消毒していきましょう。
そして調理ですが肉や魚を切るまな板包丁そして野菜を切るまな板包丁は別に準備するといいんです。
同じまな板や包丁で全てを調理するという時にはまず野菜から調理して下さい。
これは肉や魚についている菌が野菜につかないようにするためです。
そして肉や魚を焼く箸と食べるための箸は分けて持っていきましょう。
更に調理したものは置いておかず必ずすぐ食べるようにして下さい。
こうした注意をよく守るとしてあと非常によくあるケースはお弁当を持っていく事はもちろんあると思いますが冒頭も話題にしましたがおにぎりも入っていると。
それも危ない事があるよという事がありますね。
これはどういう事ですか?おにぎりの原因になるのは黄色ブドウ球菌なんです。
これは誰でも実は人は手に持っている可能性がありましてその時おにぎりを作って菌がおにぎりについてそのあと温度も湿度もいい環境に保たれますのでその中で増えてそして今度毒素を産生してしまうという事で食中毒の原因になりやすいんです。
おにぎりの表面で増えちゃうんですね。
どれぐらいの時間常温で…。
条件が整えば3〜4時間でももう十分食中毒を起こす事ができる状態になります。
朝作りますよね。
お弁当にすると…。
4〜5時間6時間たってますよね。
これはいけませんね。
どうしたらいいですか?これを予防するためにはおにぎりに菌をつけない事がまず大前提ですので例えばこのラップのフィルムなんかを使っておにぎりを握るという事が大事ですし特に注意して頂きたいのは手に傷がある方の場合です。
傷口の所で黄色ブドウ球菌が増えている可能性がありますのでその方は特にこういった対処が必要かと思います。
そして次にしっかり加熱せよと。
これはもちろんそうだろうなと思いますが特に…。
特にハンバーグですとか卵の料理こういったものは決して表面だけじゃなくて中にも菌がいる可能性がありますのでそういう意味ではちゃんと中までしっかりと加熱する事が大事です。
しっかり火が通ったかどうか…。
切ってみて卵焼きとかハンバーグとかそれで中まで通ってるかどうか確認するといいですよね。
更にいろいろ出ましたが冷ましてからフタをしなさい。
これは?基本的には作った時は結構温かい状態だと思いますが湿気を飛ばしてそしてそのあとフタをしてそのあと保冷剤ですとか凍らせたペットボトルなどをそばに置いてある程度温度を下げた状態で保つ事ができると比較的いいと思います。
低温を保つ事が大事な訳ですね。
室温のまま置いておくとこれですね。
こんな時間。
こういった事がもしできないでもし菌がついた状態で室温のままに置いておきますと3〜6時間たつと比較的もう十分菌が増える事ができますので注意が必要かと思います。
こうした低温管理が難しい場合は…。
もしそういった事が難しい場合はある程度レジャーの現地でそういったお弁当などを調達する事も一つの手段かと思います。
現地で調達ね。
もし食中毒を起こしてしまった場合ですがすぐに受診した方がいいんでしょうか?症状が軽ければ必ずしもすぐ受診する必要はないと思うんですがただ意識障害ですとかけいれんあるいは尿が出ないとかこういう場合はむしろすぐに救急車を呼ぶぐらいの注意が必要かと思います。
確かに重大な症状だと思いますが尿が出なくなるような事が起きますか。
これは特に高度の脱水の場合です。
それとか例えばO−157による腎障害が起こってきますと尿が出なくなりますのでその場合は救急車を呼んで早めに対処して頂ければと思います。
小さいお子さんなど心配ですよね。
そして血便が出る事がありますね。
O−157あるいはカンピロバクターなどは血便が出る可能性が結構あります。
下痢が止まらない場合は脱水に注意という事ですね。
受診するほどの症状ではないという時なんですが自宅で様子を見る時は市販の下痢止めなどを使ってもいいんですか?たくさん売られてますものね。
下痢は実は腸の中にたまっている悪いものを吐き出すための生理的な反応なんです。
なので下痢止めを使ってしまいますと腸の動きが止まってしまいます。
という事は逆に悪いものを出せなくなってしまいますのでこれはむしろ逆にやらない方がいいと思います。
それではもう一度夏の食中毒を抑えるためのポイントを押さえて頂きましょう。
食中毒予防の3原則つけないやっつける増やさないという事で特にこの夏の時期は目に見えない菌が明らかに増えやすい条件が整いますので十分気を付けて頂ければと思います。
用心しましょうね。
どうもお話ありがとうございました。
2014/08/14(木) 13:40〜13:55
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 夏のレジャー 安全健康術「食中毒を防ぐ」[解][字]

素手でおにぎりを握ると、皮膚についている黄色ブドウ球菌がおにぎりの中で増えて毒素を出し食中毒を起こす危険性がある。これを防ぐにはラップフィルムや手袋で握る。

詳細情報
番組内容
細菌性の食中毒が多発する夏。キャンプやバーベキューでは肉や卵や魚に付いた細菌が食中毒を起こすことがある。腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌や腸炎ビブリオなどが原因菌。肉・魚を低温に保つことや、肉や魚を焼く箸と食べる箸を分けるなどの対策が必要。また、素手でおにぎりを握ると、皮膚についている黄色ブドウ球菌がおにぎりの中で増えて毒素を出し食中毒を起こす危険性がある。これを防ぐにはラップフィルムや手袋で握る。
出演者
【講師】東京医科大学教授…松本哲哉,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:1087(0x043F)