Hatena::ブログ(Diary)

UEI shi3zの日記 RSSフィード

2014-09-10

ビジネスマンなどにおススメのKindle漫画

 僕としたことがあまりよく考えてなかったんだけど、小中学生とかを対象に仕事をすると、稀にだけれども「ブログのURL教えて下さい」と言われることがあり、とりあえずニコニコchを紹介してみたものの、そっちには書きたいことがうまく書けなくなってしまった。要するにお子様でもご安心してご両親の皆様がお勧めできる素晴らしい内容、いわば文部科学省推薦作品的な立ち位置をイメージした極めて健全で無害で青少年がすくすく育つような内容を別に求められているわけではないとは思いつつも、なんとなく意識してしまうと、これが書けない。

 もう絶望的に書けない。



 というわけで、こちらはまあ薄汚くどす黒い大人達の欲望うごめくはてな村なので、多少の毒・・・いや、かなりの猛毒、致死性の毒であっても、まるで朝ご飯にかけるフリカケのようにサクサク消化してくれるだろう。なにしろこんなインターネットの辺境地帯に良い子もPTAもやってくるわけがない。そう。いわばここはロアナプラ。というわけでKindleでブラックラグーンをさがしたら、最新刊が出てた。

 やはりKindle漫画はいい。

 特に先週はちょっと脳活動が休火山気味の、馬とか鹿とかいわれる方々にはお馴染みのサマータイムコールドをキャッチ、つまり夏風邪をひいてしまって、外に出るのも憚られるので家に引きこもってLittleBitsを弄ったりしていたんだけど、その世界観において、家の外にでかけたり、ヤマトや佐川の配達をとりにいったりしなくてもオンデマンドで無限に買って読めてしまうKindle漫画は、まるで自宅が漫画喫茶になったかのような錯覚に陥るほど。


 特に僕なんかはKindle漫画を読むためだけにiPad mini 128GBを持ち歩いている。もちろん回線付きで。つまりそれはいつでもどこでもKindle漫画を買って読むためにそうしているわけである。


 新宿ゴールデン街の名店「図書室」で新しいマンガの話を聞いてはその場で検索&ダウンロードして鑑賞。もちろん自宅では回線が天井に達しないよう極力WiFiで使うのだけれども、いざというときに回線付きのiPad miniほど頼もしい相棒はいない。


 オンボロのカーナビよりよほど役に立つし、レンタカーであっても映画を再生しながらゴキゲンな長距離ドライブも可能。普段はあまり活躍の場がないSiriもドライブ中には良きアドバイザーとなる。


 というわけで病床につきながら僕が読んでハマった漫画を紹介してみたい。

 おもに三田紀房だけど。


砂の栄冠(1)

砂の栄冠(1)


 まず三田紀房である。

 三田紀房、みたのりふさと読むが、三田紀房ほど読んで楽しい漫画はそうそうない。

 リアリティなど二の次三の次で、とにかくオヤジが読んで「面白い漫画」というのを読ませてくれるのは間違いなく三田紀房だ。


 数ある三田紀房作品の中でも最も注目しているのがこの「砂の栄冠」である。

 なんと高校野球漫画だ。


 どちらかっていうとビジネス漫画とかのイメージが強い三田紀房による高校野球漫画。

 しかしやはりタダの野球漫画ではない。


 ひょんなことから一千万円を手に入れた主人公は、誰にも知られずにその一千万円を運用しながら甲子園優勝を目指すことになる。


 グラウンドに一千万円を埋め、必要に応じて高校生が自分の頭を使ってコーチを雇い、強いチームを作って行く。


 単なる青春ものではない、野球漫画でもない、「甲子園」というイベントを中心としながらも、三田紀房らしいタッチで鋭く抉る。


 僕は根本的に野球とかに興味がないんだけれども、この「砂の栄冠」だけは本当に面白く読めてる。なのでまずこれをお勧めしたい。


マネーの拳(1) (ビッグコミックス)

マネーの拳(1) (ビッグコミックス)


 三田紀房のビジネス漫画を読んだことがない、という人はまず「マネーの拳」を読むべし!

 どこでどうやって取材したのかわからないが、11年経営者をやってきた人間としてもとても頷ける部分の多い、非常にリアルな起業ストーリー漫画だ。


 会社のことで行き詰まったりしたとき、この漫画を読むと勇気が貰える。


 就活マンガ。こういうシビアなところをウンチクっぽいネタをまぜながら奇想天外なストーリーに仕立てるのが三田紀房は本当に上手い。

 就活に悩む学生は読むと勇気をもらえると思う。

 ただ、そんな心の余裕はないかもしれないが

 ドラゴン桜番外編、なのだが実は転職マンガ。

 人材紹介会社に転職した主人公が、ヘンな先輩に洗脳されるストーリー。

 ドラゴン桜の登場人物が多数登場する。

 ドラゴン桜は途中で読むのをやめてしまったけれども、これは最後まで読んだ。



 「ムダヅモ無き改革」の大和田秀樹による「機動戦士ガンダム」創世秘話。

 演出過多な気もするけど、それはまあ完全に大和田タッチなので許せる。

 それよりもメチャクチャカッコ良く演出された富野ヨシユキが本作の主人公。それだけで燃える。

 打ち切りになった苦難、スポンサーとの闘い、そしてアニメファン達の応援と復活。

 伝説とはこうして産まれるのだという見本のような内容。虚実両方あると思うけれども、一読の価値がある。

 「マンガの神様」とまで言われた手塚治虫の凄まじ過ぎる人生模様。

 手塚治虫は幾度となくマンガに登場するが、これほどまでに手塚の人間的な凄まじさを様々な角度から浮き彫りにしようとした作品は珍しいのではないかと思う。

 最終巻で病床の手塚が長年勤めたアシスタントを叱責する場面では思わず涙がこぼれた。



 こんな感じで途中まで読んでたやつもあったんだけど、一気に最新刊まで読んでしまった。

 全部読み終わって多少なりとも回復したら、アレが読みたくなって来てしまった。

 ファウンデーション全シリーズの中でも、やはり金字塔はこの第一巻。これだけ読んでも別にいいと思う。


 なぜこれをビジネスマンにおススメするかというと、戦略というものの本質をこの小説は見事に表現していると思うからだ。


 SF界の巨匠中の巨匠、アシモフだからこそ描ける千年に渡る壮大な叙事詩。

 まだ読んでない人はぜひ読んで欲しい。

 損はしないと思う。


 今回のiPhone6とApple Watchの発表を見て、誰かがこの「ファウンデーション」とスティーブ・ジョブズのパロディをTwitterに流していたけど、未来予想の難しさと考え方の根本を学び取ることができるという点でとても貴重な本だと思う。たとえ絵空事であっても、一読の価値が有る。


 名前はファンタジーで萌え萌えっぽいんだけど、それはフェイク。

 15世紀に中央ヨーロッパで起こった「フス戦争」を鋭く描く衝撃作。人間の醜い部分が全て集約され、グロテスクにえぐられている。

 絵が可愛いだけに死の描写が心に迫る。


 ビジネスとは本質的に戦争である、ということを普段から否応なしに考えざるを得ない僕としては戦争によって失われるものを鋭く描く作品には心を動かされずに居られない。


 しっかし、相当読んだなあ