「きらり!えん旅」。
今日の舞台は岩手県大船渡市。
旅をするのは歌手の…大船渡魚市場へやって参りました。
やっぱり何て言うんでしょうか…活気づいてるというか。
中村さん。
おはようございます。
おはようございます。
魚市場で働いて30年…今定置網の船が着船しまして。
今が旬のサバになります。
うわっサバ!うまそう!初めてですか?こんなサバ見るの?こんな大量のサバ見るの生まれて初めてですよ。
サバ好きです。
ものすごく新しい市場ですけどいつぐらいに建ったんですか?これは震災前から着工してたんですけども…津波の被害に遭いながら3年を経てようやく完成した魚市場。
港町大船渡は新たな一歩を踏み出しました。
水揚げ高も震災前の水準まで回復。
市場は活気にあふれています。
震災はあったけれど古いものが新しいものに生まれ変わってね。
復興のシンボルにしたいっていうのはよく分かりますね。
やっぱりあそこが活気があると大船渡全体が活気づくようなそういう感じがすごくしますね。
その町の方々と接してその町を見てその町でおいしいもの食べて…。
いろんなものを感じて帰りたいです。
復興に向けて歩む大船渡を旅する「きらり!えん旅」の始まりです。
岩手県大船渡市は震災によりおよそ4割近い世帯が家屋の全半壊などの被害を受け400人以上が犠牲となりました。
今もなお3,000人以上が仮設住宅などで暮らしています。
三鉄だ三鉄。
盛駅。
藤井フミヤさんがまず訪ねたのは三陸鉄道盛駅。
今年4月ここから釜石まで走る南リアス線が全線開通しました。
何か分かんないけどちょっと「あまちゃん」の香りがするね。
この何かにぎやかしな感じが。
すごい。
文化祭来たみたいだよほら。
町の活性化のために活動するNPO法人…今日は僕は初めて三鉄に乗るんですけれどどういう列車に?今日はね楽しい列車ですよ。
今ホームに入ってきますからね。
来た来た。
今入ってきます。
来ましたね。
いいデザインですね。
ちょっとレトロな感じがして。
おっ何か豪華な…。
お〜満員満員。
(歓声)こんにちは〜。
(拍手)ギター持ってくりゃよかったな。
豪華な内装のレトロな車両。
4人掛けのボックス席が12席あり定員48人の1両編成です。
駅弁列車は震災後に岩城さんが自ら発案しました。
そして本日車内アナウンスを務めるのは…。
本日はご乗車頂きまして誠にありがとうございます。
本日皆様のご案内を務めさせて頂きます大船渡東高校2年の橋本陸でございます。
何で高校生なのにアナウンスやってるんですか?
(発車ベル)ただいま前方の出発信号機が青に変わりました。
それでは列車は出発していきます。
中学生の頃から休みの日には駅舎の掃除などを手伝っていた橋本さん。
今では車内アナウンスを任されるまでになりました。
駅弁列車出発進行!みんなに見送られ釜石駅を目指します。
(橋本)「それでは間もなく列車は盛川を渡ってまいります。
なお今発車致しました盛駅のホーム東日本大震災の時には盛川を逆流してきた津波によって冠水したといわれております」。
あ〜ここを上ってきたんだ。
この辺もすっかり津波でやられた所ですね。
被害に遭った所です。
(橋本)「列車間もなく佐野トンネルに入っていきます。
それでは皆様お待ちかねのお弁当を配りたいと思います」。
ありがとうございます。
ジャン。
お〜!アワビすごいですね。
アワビにホタテカキイクラ…。
高級食材をふんだんに使ったその名も…じゃあこの殻つきのアワビを。
(岩城)殻つきのアワビは高級ですので。
フミヤさんお味は?軟らかくてうまい。
これは肉じゃないんですよね?うまい!サンマのハンバーグうまい。
「右手をご覧下さい。
三陸のきれいな海が広がっております」。
おいしい弁当と三陸の美しい風景。
盛釜石間を往復する駅弁列車は1人2,200円。
月に1度の運行ですがいつも大盛況です。
でもふだんの利用客はというと…。
岩城さんはお客さんを増やすためにほかにもさまざまな特別列車を企画しています。
カラオケ歌い放題の歌声列車やワイン飲み放題のワイン列車などバラエティーに富んだ13種類の特別列車を走らせました。
この1年間で列車の旅を楽しんだのは2,000人に上ります。
(歓声)盛駅を出発して1時間。
製鉄の町釜石が見えてきました。
(橋本)「釜石釜石に到着致します」。
釜石。
釜石到着です。
やっぱりそういう感じがするんだ。
ようやくね…。
陸君です。
帽子がまたね。
これも私物なんですけれども。
そうなんだ。
自分で買い求めまして。
そうです。
身についてるものは全部…。
(橋本)名札は自分で作りました。
陸君なりのコスプレなんだねこれ。
そうですね。
まあお客様に列車の旅をお楽しみ頂ければ。
では間もなく列車の方も盛駅に向かって出発致しますので。
長話は無用でございます。
三陸鉄道南リアス線。
駅弁列車が復興への願いを乗せて走り続けます。
さて次の案内人は?おう!こんにちは。
こんにちは。
お面をかぶって登場した…早速ですがご自慢は?町の北部にある浦浜地区で大切に受け継がれてきたという念仏剣舞。
(一同)こんにちは〜。
こんにちは〜。
念仏剣舞とはどういうものなんですか?お盆の亡くなった方の供養のためにずっと踊り継がれてきた踊りなんです。
初盆っていう事ですか?
(古水)そのお宅を回ります。
お墓参りをして仏さんを拝むという。
早速自慢の舞いを見せて頂く事に。
江戸時代から伝わってきたとされる浦浜念仏剣舞。
鬼のような形相のお面は亡くなった人の霊魂を表すとされ踊りながら焼香する事でその魂を鎮めます。
お焼香してる。
踊り手も故人をしのびながらお面の下で涙を流す事もあるといいます。
上は12歳から下は5歳まで。
子どもたちも大人と共に供養の舞いに参加します。
そして刀を振りかざして踊ります。
この事から剣の舞いという字が当てられるようになりました。
おおっ!
(拍手)これ覚えるの大変だろうな。
踊りね。
よく頑張ったねみんな。
震災の時とかもこれみんなで踊ったんですか?震災の年は最初は自粛ムードで祭りをやめろ。
やめる。
そういった感じが全国的に広まったんですけれど逆に私らはやっぱり供養するというそのための踊りだというのでがれきの中を行進しながら供養をしたんです。
震災の年のお盆。
古水さんたちは亡くなった人たちを供養するために仮設住宅など50軒余りの家々を回りました。
2日間で20時間以上踊り続けたといいます。
これは昔から子どもたちも一緒に踊るんですか?子どもたちも一緒です。
供養の踊りだという事を小さいうちから慣れさしてそういう伝統を次の世代につないでいきたいという意味もありましてですね子どもを連れたまま踊り継いでいるというところです。
案内人の石川さんのお子さんたちも参加しています。
(石川)この子が去年デビューしたばっかりなんですけどこの剣舞を見ててやりたいと言って。
上がやってるから下もやるっていう。
何か本当にサッカーとかと同じみたいな感じですね。
上がやってるからそれを見てやりたいと。
足とか痛くない?わらじとか。
(子どもたち)痛い。
痛いよね。
いつもスニーカーしか履いてないもんね。
頑張ってねみんな。
君たちの子どもが出来たらまた教えなきゃいけないんだからね。
君たちが。
夕暮れ時フミヤさんが訪ねたのは町の新たな人気スポット。
大船渡屋台村です。
及川さん。
初めまして及川です。
屋台村の発起人の一人…何軒ぐらい?いっぱいありますね。
(及川)大船渡屋台村全部で今20店舗で営業しております。
20店舗もあるんだ。
どうぞご案内致します。
何か楽しそうですね既に。
はしごしたくなっちゃいますね。
はしごしてもらうためにちっちゃいお店にしたんですよ。
震災の年の暮れにオープンした屋台村。
1か所でさまざまな飲食店を楽しめる事が人気を呼びこれまで20万人を超える人たちがここを訪れました。
店を営むのは皆津波の被害に遭った人たちです。
失礼しま〜す。
(笑い声)ビックリ。
まず案内されたのはおすし屋さん。
大将の佐々木さんは津波によってオープンしたばかりの店を僅か5か月で失いました。
災難でしたねそれは本当に。
でもね結局5か月で流されたでしょ借金があったんですよね。
すぐやれるとこがないかって言ってちょうど…大将今日のお薦めは?今日はねウニがおいしいですよ。
ウニ!じゃあまずウニから。
佐々木さんは地元で知られた腕利きのすし職人。
大船渡の食材の味を最大限に生かします。
(及川)ここのウニの特徴はですねのりで巻かないの。
塩で食べる。
(佐々木)しょうゆだとごまかしが利くんでね。
そのままで。
どうです?うん!今が旬です。
本当に旬っていうのが分かる。
本当に飲みたくなるね。
(佐々木)焼酎ですか?お次は沖縄料理のお店。
(客)おお〜!藤井フミヤさん連れてきました。
(拍手と歓声)こんな調子です。
にぎやかやね。
(笑い声)すいません。
すごい!東北にあって沖縄?
(及川)そう。
兄弟で営むこのお店。
2人は地元大船渡の出身なんですが…。
また何で沖縄料理にしたの?沖縄の雰囲気が好きで…何か明るくね。
みんなよく来んの?ここは。
もう来ますね。
年中?毎週?毎週。
週5って来過ぎ。
働いた方がいいよ。
(笑い声)そうなんだ。
顔なじみなんだみんなね。
でもみんな他人ですからね最初は。
ここで知り合ったの?そうです。
へえ〜そうなんだ。
ここで知り合って!?だから焼けてんだ。
そうです。
狭いからこそ見知らぬお客さん同士の輪が生まれる。
これも屋台村の魅力の一つです。
飲も〜う!フミヤさんもすっかり溶け込んでしまいました。
おめでとう!ありがとうございます!及川さんどうしてもフミヤさんに会わせたい人がいると言うのでもう一軒。
なんと89歳の看板娘。
おおっ89歳!こんばんは〜。
えっ!89歳なの?おかあさん。
ようこそいらっしゃいました。
羨ましいね〜。
屋台村最年長の高橋コウさん。
飲食店の経験はなかったのですが娘の恵美さんに誘われこの店を始めました。
私も年も考えずあ〜そういう事をやるのもいいかなと思ってね。
元気になるよおかあさんいたら。
じゃあおかあさんのお薦め料理は?ひっつみ。
ひっつみ汁。
コウさんの得意料理ひっつみ汁は岩手県を代表する郷土料理。
練った小麦粉を引きちぎって鍋に入れる事からひっつみ汁というのだそうです。
(恵美コウ)お待たせ致しました。
お〜なるほどね。
頂きます。
お〜いいおだしで。
それでひっつみ汁が一番手っとり早くていいんでないかなと思って考えたんですよ。
それでひっつみ汁出したんだ。
おいしいこの引きちぎっただんごが。
だんごっていうか…。
実はこの屋台村仮設のため2017年までに全ての店が立ち退かなければなりません。
しかし及川さんは新たな場所で屋台村を続けたいと考えています。
屋台村を壊してしまうのはもったいないっていう声がいっぱいあるので…。
そうでしょうねやっぱり。
だから新しい商店街区というか新しいエリアにまたこういうスタイルのものを建てて…1週間ぐらい毎晩ここでもいいかなって思う。
(笑い声)だって飽きないでしょ?こんだけ店あったらね。
旅の終わり。
大船渡の人たちを招いて藤井フミヤさんはミニコンサートを開きました。
(拍手)この「きらり!えん旅」という番組ですけど実は僕2回目でして。
1回目宮城県の石巻の方にお邪魔しましてまあ沿岸部とかはですねまだがれきの山がたくさんある頃でどうやって励ましゃいいんだろうなという感じでしたけれど…。
どうせ歌うなら何か新しい曲をですね作って披露したいなと思って作った曲がありましてその歌を歌いたいと思います。
(拍手)
(拍手)東北に来るとですね本当に…逆に元気をもらう事が多いんですけれど。
今回は震災後いろんな人とのつながりが出来たという人がやっぱり多かったですね。
だからそういうつながりというものがすごく強くやっぱり震災のあとは出来て広がってるんだなというのが今回旅をして一つ思った事であり勇気をもらった事でもありました。
今日こうやって皆さんにお会いできたのも何かのご縁かと思うので今日という日があった事に感謝しつつ…。
(拍手)
(拍手)本当に温かい笑顔に包まれですね気持ちもおなかもいっぱいになって東京に戻ります。
それではありがとう!
(拍手)
(3人)また来てけらい〜ん。
2014/09/10(水) 03:24〜03:53
NHK総合1・神戸
きらり!えん旅〜藤井フミヤ 岩手・大船渡市へ〜[字]
歌手の藤井フミヤさんが岩手県大船渡市を訪ねた。4月に全線で運転再開した南リアス線の貸し切り列車で駅弁と車窓の景色を楽しみ、浦浜地区では伝統の念仏剣舞を見学した。
詳細情報
番組内容
岩手県大船渡市を訪れた歌手の藤井フミヤさん。今年4月に全線で運転再開した三陸鉄道南リアス線の貸し切り列車に乗り込み、海の幸がたっぷり入った特製の駅弁と車窓の景色を楽しんだ。浦浜地区では亡くなった人を供養する伝統の念仏剣舞を見学、屋台村では89歳で現役のおかみさんが作ったひっつみ汁をごちそうになった。旅の終わりに藤井フミヤさんはミニコンサートを開き、ヒット曲を熱唱しみんなを元気付けた。
出演者
【出演】藤井フミヤ,【リポーター】冨永みーな
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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