被災地からの声「福島県田村市」 2014.09.10

皆さんこんにちは。
「被災地からの声」です。
この時間は被災地にお住まいの方々の声をお伝えしています。
今日は福島県の声ですが今回も今置かれている状況に必死に向き合いつつでも会話している時は決して笑顔も忘れないそんな福島県の方々とたくさんお会いしました。
そうした皆さんの声をぜひ聞いて頂ければと思います。
今日は福島県田村市の声です。
中でも今日は市の東部にあります都路町という所の声をお伝えいたします。
この都路町の一部は福島第一原発から20キロ圏内にあります。
この20キロ圏内の地域121世帯には国から「避難指示解除準備区域」という避難指示が出ました。
日中の出入りはできても住んではいけないという地域です。
その後国による除染が完了するなどしまして今年の4月にこの避難指示が解除されました。
要するに以前のように住んでもよい地域になりました。
福島県で避難指示が解除されたのはここ田村市の都路町が初めてです。
それから時間がたってまもなく8月という事になりますが市によりますと戻って住んでいるのは121世帯のうちの23世帯。
以前の2割に満たない数という事になっています。
まずはその避難指示が解除された場所で住んでいる方々の声です。
(金づちで打つ音)
(取材者)すいません失礼します。
皆さんお集まりだなって事でのぞいてみたんですけど…。
今そこ大工さんやってっから。
(取材者)まだ3日だと思いますけどどうですか?違いますか?
(取材者)ご近所がいないって事でやっぱりここで生活する上でいろいろ不都合とかもあるんですか?う〜んやっぱり…
(取材者)例えばどんな?お祭り。
ちょっと暮らしてみて…きれいになったうちで畑も何もかも。
ハハハッ。
この辺は大工さん全部直してくれたんですか?そうだ。
(取材者)「自給自足が出来ないので」ってありますけども…。
(ミツ)そうです。
ほんとに…。
ちょっと今見かけて通りかかったんですが…。
用水堀のちょっと。
用水堀?ちょっと水がな。
田んぼ始まるんですか?今度ここで。
来年から始まるのに。
ああ〜。
そうそうそう。
あんまり誰もまだ帰ってきてない所に自分が先頭切って帰るのは不安じゃなかったんですか?そういう事なんです。
うん。
小山さんは2〜3年しても集落が成り立たないのであれば結局自分もまた中心部に住むと言いました。
そして坪井さんは自分の家に住むのはいいんだけれども自給自足が心配だと言いました。
自分で食べる米や野菜を自分で作るという生活スタイルは原発事故前の都路本来の生活を意味しています。
つまりこれらの声から分かるのは原発事故前に戻るという場合に住民が家に戻るという単なる物理的な人間の移動と生活が戻るという住民が願っている事とは全く次元が違うという事です。
それでも誰かが先頭に立って戻らなければいつまでたっても地域は変わらないと言うのが農家の渡辺さんでした。
来年からの米作りを決めたそうですがその米が売れるかどうかという不安とも闘いつつ今戻って暮らしています。
この避難指示の解除は都路が福島県では初めてです。
他の市町村も解除のその後というのを注目しています。
今回の声はどれも思いを率直に語った言葉でした。
同じ立場の県民にもいろんな示唆を与えた声だろうと思います。
さて次は同じ都路町の中でも今お伝えしました4月まで避難指示が出ていた原発から20キロ圏内とは別の外側にある地域の声をお伝えします。
そもそもこの原発事故の直後田村市の独自の判断で都路町全域に避難の指示を出しまして住民は地域を離れました。
その後原発から20キロ圏に入っていない黄色い部分は事故から半年余りたった後には市や国の指示も解除されて生活に特段の規制がない地域となりまして除染も進められてまいりました。
市によれば20キロ圏に入っていない部分の生活圏の除染は終わったそうですが住んでいる人の数は原発事故前にはまだまだ及びません。
原発から20キロ圏の外にいらっしゃる方々の声をお伝えいたします。
この白い砂利はあとから全部敷いたやつ。
ずっと下げちまったから…。
ここに行くと今0.5ぐらい。
ここだと0.5。
(取材者)0.5。
大体1mぐらいですね腰の辺りだから。
こうやっていつも測ってるの。
だからここの辺はこれくらい。
(取材者)家の中に行ったらもうちょっと下がるんですか?家の中は当時は…。
(取材者)全体的に高いんだこの辺は。
そうそう。
あえて俺は…
(取材者)ほんのちょっとでも気になる人は気になるし。
そうそう。
安全だか安全じゃないかどこのラインだか分からないって事ですね。
おとうさんなんか江戸の職人みたいですね。
てやんだい!
(笑い声)皆さん大変でしょうがお体を大事に。
おかあさんしゃべった。
フフフフッ。
今はみんな大体ここに戻ってきてっけどね震災後はもうバラバラだったから1年に1回ここの草刈りすんのがやっとだったもんね。
(取材者)でもそうすると結構久しぶりなんですか?みんながちゃんと集まるのは。
(取材者)ここに戻ってこない理由一番大きいのは何ですかね?
(取材者)どの程度戻ってくるとかそんな話とかはあったりするんですか?
(歓声)
(取材者)お母さん見てお母さんより元気あるの?
(取材者)ありすぎる?ハハハッ。
こっちに戻ってきてお母さんの感じとか変わったりした?見てて。
変わんない?
(取材者)ずっとパワフルなの?
(取材者)今試合は…。
決勝戦です。
(取材者)試合決勝戦?決勝戦やってます。
頑張ってます!初めの中島さんの話を要約すれば線量を測った結果ここが高いとかあそこが低いというのは事実であるけれども本質ではないという事です。
本質はこの数値まで安全だという境目を国なりがしっかり示してくれればあとは線量の大小にしたがって生活や人生の判断もできるという事です。
しかし低線量被ばくに関する評価は大きく分かれておりまして今も多くの福島県民が大変な戸惑いを強いられています。
では「被災地からの声」今日はこの辺で失礼いたします。
2014/09/10(水) 02:36〜02:59
NHK総合1・神戸
被災地からの声「福島県田村市」[字]

被災地で出会った方々に、「いま一番言いたいこと」をうかがい、その思いを放送しています。今回は、福島県田村市でお聞きした声をお届けします。

詳細情報
番組内容
被災地で出会った方々に、「いま一番言いたいこと」をうかがい、その思いをスケッチブックに書いてもらった上で、思いの丈を語っていただきます。今回は、福島県田村市でお聞きした声をお届けします。
出演者
【出演】津田喜章

ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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