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 理化学研究所などが取り組むiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床研究について、厚生労働省の「ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会」(委員長=永井良三自治医大学長)が8日夜に開かれ、移植に使う細胞の品質などに特に問題がないと判断した。これを受け、理研などのチームは今月中にも、移植手術を始める見通し。

 臨床研究は、iPS細胞からつくった網膜色素上皮細胞を加齢黄斑変性の患者6人に移植し、治療するもの。この日、患者の皮膚細胞からつくったiPS細胞と、iPS細胞からつくった網膜色素上皮細胞の解析結果について、理研から委託を受けた京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長や、臨床研究に取り組む理研の高橋政代プロジェクトリーダーらが説明した。

 加齢黄斑変性は、網膜の中心部にある「黄斑」で色素上皮という層に余計な血管が生え、網膜を圧迫して視野がゆがむなどする難病で、失明する場合もある。