2011年(平成23年)[1-12月] 全国企業倒産状況
| 倒産件数 | 1万2,734件 |
|---|---|
| 負債総額 | 3兆5,929億2,000万円 |
| 前年比(件数) | -4.4% (1万3,321件) |
| 前年比(負債) | -49.8% (7兆1,607億7,300万円) |
(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)
倒産件数が前年比4.4%減の1万2,734件 負債総額は21年ぶりの5兆円割れ
2011年(平成23年)の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は1万2,734件、負債総額が3兆5,929億2,000万円となった。
倒産件数は、前年比4.4%減。3年連続で前年を下回り、2005年(1万2,998件)以来、6年ぶりに1万3,000件を割り込んだ。水準としては戦後31番目。減少要因としては、中小企業金融円滑化法やセーフティネット保証(5号)のほか、「東日本大震災復興緊急保証」などの政府の資金繰り支援の下支え効果が挙げられる。
負債総額は、前年比49.8%減。1990年(1兆9,958億5,500万円)以来、21年ぶりに5兆円を下回り、戦後24番目の規模となった。負債1億円未満の倒産が約7割(構成比68.4%)を占め、小規模企業を中心に推移した。
「東日本大震災」関連倒産は年間543件に達した。1995年の「阪神・淡路大震災」の同期間(129件)と比べ、4.2倍のハイペース。また、中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予を活用したものの倒産に至ったケースは、年間149件を数え前年(49件)の3倍となった。これは業績回復が伴わない中小企業の息切れが多いことを浮き彫りにしている。
産業別
産業別倒産件数、10産業のうち8産業で前年比減少
減少は、金融・保険業22.8%減(70→54件)、運輸業14.1%減(482→414件)、製造業9.2%減(2,095→1,901件)、情報通信業8.3%減(561→514件)、卸売業5.8%減(1,743→1,641件)、不動産業4.7%減(441→420件)、建設業3.7%減(3,523→3,391件)、小売業1.7%減(1,515→1,489件)の順。
これに対し増加は、農・林・漁・鉱業の5.3%増(93→98件)とサービス業他0.5%増(2,798→2,812件)の2産業だった。
| 産業別分類 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 農・林・漁・鉱業 | 98 | 490,034 |
| 建設業 | 3,391 | 481,647 |
| 製造業 | 1,901 | 660,782 |
| 卸売業 | 1,641 | 413,230 |
| 小売業 | 1,489 | 209,530 |
| 金融・保険業 | 54 | 280,521 |
| 不動産業 | 420 | 235,930 |
| 運輸業 | 414 | 90,971 |
| 情報通信業 | 514 | 79,827 |
| サービス業他 | 2,812 | 650,448 |
| 合計 | 12,734 | 3,592,920 |
※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。
地区別
地区別倒産件数、9地区のうち5地区で前年比減少
減少したのは、東北25.2%減(605→452件)のほか、四国15.3%減(313→265件)、関東7.6%減(5,121→4,727件)、近畿6.7%減(3,706→3,456件)、北陸1.5%減(332→327件)の5地区。
これに対し、増加は、中国19.5%増(434→519件)、中部8.5%増(1,513→1,642件)、九州4.0%増(857→892件)、北海道3.1%増(440→454件)の4地区。
・北海道:件数が3年ぶりに前年を上回る。
・東北:全体の件数が、21年ぶりに500件を下回る。県別件数では、全県で前年比減少。
・関東:全体の件数が、4年ぶりに5,000件を下回る。県別件数では、新潟のみ前年比増加。
・中部北陸:全体の件数が、中部は2年ぶりに前年を上回る。北陸は2年連続で前年を下回る。県別件数では、長野、岐阜、静岡、愛知、福井で前年比増加。
・近畿:全体の件数が、2年連続で前年を下回る。県別件数では、奈良のみ前年比増加。
・中国:全体の件数が3年ぶりに前年を上回る。県別件数では、鳥取、島根、岡山、広島で前年比増加。
・四国:全体の件数が、21年ぶりに300件を下回る。県別件数では、香川、高知が前年比増加。
・九州:全体の件数が、3年ぶりに前年を上回る。県別件数では、福岡、長崎、沖縄で前年比増加。
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 北海道 | 454 | 107,807 |
| 東北 | 452 | 154,715 |
| 青森 | 73 | 34,830 |
| 岩手 | 60 | 14,748 |
| 宮城 | 92 | 44,084 |
| 秋田 | 68 | 12,855 |
| 山形 | 60 | 8,629 |
| 福島 | 99 | 39,569 |
| 関東 | 4,727 | 1,704,986 |
| 茨城 | 188 | 70,964 |
| 栃木 | 111 | 470,045 |
| 群馬 | 152 | 89,951 |
| 埼玉 | 563 | 70,551 |
| 千葉 | 347 | 64,276 |
| 東京 | 2,506 | 589,592 |
| 神奈川 | 668 | 269,883 |
| 新潟 | 142 | 65,866 |
| 山梨 | 50 | 13,858 |
| 中部 | 1,642 | 399,077 |
| 長野 | 155 | 45,855 |
| 岐阜 | 197 | 33,503 |
| 静岡 | 309 | 100,387 |
| 愛知 | 876 | 157,434 |
| 三重 | 105 | 61,898 |
| 北陸 | 327 | 83,455 |
| 富山 | 94 | 26,685 |
| 石川 | 140 | 40,124 |
| 福井 | 93 | 16,646 |
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 近畿 | 3,456 | 492,215 |
| 滋賀 | 118 | 17,843 |
| 京都 | 394 | 56,912 |
| 大阪 | 2,029 | 295,310 |
| 兵庫 | 626 | 93,717 |
| 奈良 | 147 | 12,526 |
| 和歌山 | 142 | 15,907 |
| 中国 | 519 | 372,022 |
| 鳥取 | 46 | 14,574 |
| 島根 | 47 | 7,423 |
| 岡山 | 149 | 309,111 |
| 広島 | 209 | 28,073 |
| 山口 | 68 | 12,841 |
| 四国 | 265 | 65,294 |
| 徳島 | 46 | 7,811 |
| 香川 | 77 | 19,875 |
| 愛媛 | 90 | 28,380 |
| 高知 | 52 | 9,228 |
| 九州 | 892 | 213,349 |
| 福岡 | 390 | 97,142 |
| 佐賀 | 45 | 18,003 |
| 長崎 | 78 | 14,861 |
| 熊本 | 110 | 20,133 |
| 大分 | 66 | 14,376 |
| 宮崎 | 57 | 17,507 |
| 鹿児島 | 64 | 13,953 |
| 沖縄 | 82 | 17,374 |
| 合計 | 12,734 | 3,592,920 |
※地区の範囲は以下に定義している。
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
◎形態別:法的倒産の構成比が過去最高の81.1%(前年78.5%)を占めた。
◎従業員数構成比:5人未満が過去20年間で最高の66.9%
◎資本金別:1億円以上が191件で14年ぶりに200件を下回る
◎「円高」関連倒産は年間58件(前年77件)
◎原因別:既往のシワ寄せ(赤字累積)が前年比3.5%増
◎業種別件数:飲食業が過去20年間で最多の800件
◎上場企業倒産は前年比6件減の4件、2007年(6件)以来の1ケタ
◎中小企業倒産(中小企業基本法に基く):前年比4.2%減の1万2,687件
当年の主な倒産
(株)安愚楽牧場/栃木/和牛畜産、和牛オーナー制度運営/4,330億8,300万円/民事再生法
(株)SFコーポレーション/神奈川/消費者金融業/1,897億円/破産
(株)林原/岡山/食品原料、医薬・試薬品等製造/1,322億7,100万円/会社更生法
(株)林原生物化学研究所/岡山/食品・医薬品・化粧品原料等研究開発/636億6,500万円/会社更生法
太陽殖産(株)/岡山/不動産業他/417億5,800万円/会社更生法
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