東北地方(太平洋側)に今年戻ってくる秋サケの数が、前年度より4割減る可能性がある。独立行政法人水産総合研究センターが9日、発表した。東日本大震災の影響で、被災地に経済的な打撃が出るとみられる。イクラの価格にも響きそうだ。

 サケの稚魚の放流事業は主に東北と北海道でしていて、稚魚の多くは毎年、春の放流から約3年半後に地元の川に戻る。今秋に戻るはずの稚魚の放流は大震災の年にあたり、大きな影響を受けた。岩手や宮城、福島の河口にある孵化(ふか)場が被害を受け、多くの稚魚が死んでしまったからだ。

 センターの推計では、今年度に東北に戻るサケは、条件が悪いと530万匹程度になる可能性がある。前年度の890万匹から4割減る。11年度に4割減った時以来の落ち込み幅になる。