アングル:年内110円の声、米利上げ視野に台頭するドル先高観
[東京 9日 ロイター] - ドル/円JPY=EBSが5年11カ月ぶりに106円台へと上昇した。8月後半の102円台からわずか3週間で4円の変動には、ペースの速さが目立つ。
米国の利上げを見通したドル先高観は根強く、市場ではようやく機能しつつあるドル高を待望する声も多く、年内110円の声も出始めた。ただ、米長期金利の予想外の急騰によるリスクオフや、利上げ時期の先送りがあれば、ドルが急落するリスクも残されている。
<材料視されたFRB論文>
米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を来週に控え、ドル高の勢いが増すとの期待感が高まってきている。
米連邦準備理事会(FRB)は前日発表した論文で「市場参加者らは、フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げ時期や引き締めペースを含め、現時点で(FRB当局者の)予想中間値よりも低めの道筋を織り込みつつある」と指摘。これをタカ派的と捉えた市場は、FRBの利上げ想定をより前倒し方向に修正し始めている。
金融緩和を終了し利上げに向かう米国と、金融緩和を進めている日本との政策の差からドル高/円安のトレンドは、年初から意識されてきた。それでもドル/円は、米長期金利が上昇しない中で長らくレンジ相場に落ち込んでいた。「ようやくシナリオに沿う動きが出始めた」(邦銀)との期待感が出ている。
みずほ証券・チーフFXストラテジストの鈴木健吾氏は、相場は来週のFOMCに備えた準備段階にあり、ドルは上値を模索する展開となるとみている。節目らしい節目もないなか、FOMCまでに107円に挑む可能性もあるとみている。
リーマン・ショック直前の水準108円付近を年内に回復するとみる市場関係者は多い。シティバンク銀行・シニアFXマーケットアナリストの尾河眞樹氏は、年内のドル上値を108─110円と予想。106円より上は107円後半まで、チャート上の目立ったテクニカルポイントがなく、そこから先も110円まで節目が見当たらない。尾河氏は「米利上げが実現していく中で、来年には112─115円を試すだろう」とも指摘している。 続く...