高橋秀樹[放送作家]
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ある日、私はプロデューサーの男に会議室に呼ばれた。2人きりで話したいことがあるとの事だった。男は少し逡巡して話を切り出した。
「みのさんがやってもいいと言っている」
「ただし、問題がある、提示されたギャラは年間◯億円だ」
私はその金額を聞いて言葉を失った。当時大リーグからベイスターズに戻った佐々木主浩なら、3人雇えて、TBSの新入社員なら500人を1年間雇える額だった。私は、男に答えた。
「そのギャラの要求額は法外すぎる。やるとは言っているが、その額は受け入れられないと、みのさん側もわかって言っているのではないか。つまり出演交渉は受けられない、という意味ではないのか」
男も「僕も、そう思う」と答えた。話はそれで終わった。でも男は動きをやめていなかった。
なかなか突出はできないが『ウォッチ!』の視聴率は合格点の範囲で推移している。ある日、男がこんなことを言い出した。「『ウォッチ!』を、『はなまるマーケット』の枠に移して、朝に別の番組という訳にはいかないだろうか」いく訳がないだろう、『はなまるマーケット』だって、好調なのだ。そこで、ふと思った。もしかして……
私はまた会議室に呼ばれた。
「僕では埒が明かないのでみのさんのギャラの件は局の首脳部に投げた。交渉があったらしく提示額は3分の1になった。つまり出演してもいいということだ」
「日テレの番組はどうするのか」
「続けると言っている。こちらへの出演にあたっては日テレの首脳陣を自分が説得すると言っている」
結局『ウォッチ!』は終了し、功労者ラサール石井は夕方のニュース『イブニング・ファイブ』で司会を務めることになった。
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