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【昭和天皇実録公表】全国巡幸3万3千キロの8年半 戦後復興、国民とともに 「四万人御身辺に押し寄せ」
2014.9.9 14:18
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被爆地も訪ねた。22年12月に広島、24年5月に長崎へ。広島では「自動車にて原子爆弾の被災中心地に向かわれ」「車窓より平和の塔越しに元広島産業奨励館(原爆ドーム)を臨まれる」。当時はまだ原爆投下から2年ほど。被爆した人や戦災孤児らも慰問した。
「戦災者の簡易住宅に眼をとめられ、戦災者の耐乏生活等につき御下問」したり、時には「雨後泥濘(でいねい)の畦道」を歩いたりと、国民に寄り添った。収録された御製(ぎょせい、和歌)には、国民への深い思いがにじむ。
わざはひをわすれてわれを出むかふる民の心をうれしとぞ思ふ(21年)
国民(くにたみ)とともにこころをいためつつ帰りこぬ人をただ待ちに待つ(24年)
20年11月29日、謁見した弟宮らに対し、伊勢神宮への終戦報告のため三重、奈良、京都を訪問(同月12~15日)したことで「国民との近接を図り得たと感じる」との趣旨を述べている。巡幸はこの体験が原点となったものとみられる。
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