2014年9月9日19時56分
東京電力福島第一原発事故で精神的苦痛や経済的な損害を受けたとして、福島県などから福岡、佐賀、熊本、鹿児島の4県へ避難している10世帯31人が9日、国と東電に1人あたり550万円の損害賠償を求め、福岡地裁に提訴した。請求総額は約1億7千万円。原告弁護団によると、原発事故の避難者による集団提訴は九州では初めてという。
31人は、福島県いわき市、郡山市からの4世帯14人▽宮城県亘理町からの1世帯3人▽茨城、千葉、埼玉県、東京都からの5世帯14人。いずれも自主避難してきたが、「避難指示区域外のため、被害は変わらないのに賠償が十分されていない」と主張。原発事故の責任を明らかにし、すべての被害者が等しく被害回復できるよう求めている。
原告らは3月、国と東電に1人あたり1千万円の損害賠償を求めて催告書を送ったが、「納得のいく回答が得られなかった」として提訴に踏み切った。吉村敏幸弁護団長は「原発事故から逃れてきた人たちは苦しい生活を強いられている。救済されるよう、一緒に闘いたい」と語った。
弁護団によると、国と東電を相手取った同種の訴訟は全国17地裁で争われており、原告数は約2300世帯の約7千人(今年6月現在)。
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