こういう話を書けばひと様に馬鹿と思われることを承知してはいるのだが、今日とてもいいことがあったので記録したい。
明け方、夫がトイレに行ったので私もぼんやりと目を覚ました。とはいえまだまだ眠いので寝がえりを打ってすぐに寝ようとしたのだが、そこに夫が戻ってきた。
ふらふらしながら布団にもぐりこむと夫は後ろから私の両肩を掴み、呂律も回らない状態で何かを呟き始めた。寝ぼけているようだ。
この人が寝言なんて珍しいな、と思いながら私は耳を澄ました。
「つま、がんばれ、つま、がんばれ。つま、だいじ。つま、とてもだいじ。いいつま。とてもいいつま。つま、がんばれ、ちょうがんばれ」
私はびっくりしてしまって、しばらく身動きもできなかった。
やっと動けるようになってから夫の手に触れて「ありがとう」と言おうとしたが、声がうまく出せなくてかすれてしまったし、夫は眠りの中に戻ってしまった。
私はなんだか急に涙が出てきたのでちょっとだけ泣き、それからまた眠った。
目が覚めたら夫はいつも通りで、私が彼のほうを見ると
などと素っ気ない口調で言うのだった。
なのでもう今更もう一度ありがとうは言えないというか、たぶん夫は自分の寝言を覚えてないだろうし、
「それ妻のでっちあげじゃないの」
などと言い出しそうな気がするので、私は自分の深い感動を誰かに伝えたいのにその相手がいないのだ。
「ていうかノロケとかマジうぜー」
妊婦でその日記って死亡フラグじゃん