NEXT:
【全文】「インターネットってどんなもの?」:素朴な疑問から始まるインターネットの実体を巡る旅
- 2014/09/09
- 290views
- 0fav
- 椿 龍之介
あなたは「インターネット」と聞いて、何をイメージしますか?ある人はパソコンの本体をイメージするかもしれませんし、ある人はWi-Fiのルーターなどをイメージするかもしれません。でも、実際のところパソコンもルーターも「インターネット」を表す具体的な実体ではありません。
「インターネットはどんなものだろうか?インターネットの近くには誰がいて、何があるのだろうか?」。ジャーナリストであるアンドリュー・ブルームはこんな疑問を持ち続け、一つの答えを得ました。ここでは、彼の「インターネットをめぐる旅」についてのTEDでの講演を書き起こします。
スピーカー
アンドリュー・ブルーム/ジャーナリスト
見出し一覧
・ブルームの感じた「画面の中と現実世界とのギャップ」
・「インターネットそのもの」を表すものなんてない
・現実として存在するインターネットの世界:ビルと海底ケーブル
・ケーブルの接続現場を見て実感した「インターネットの正体」
動画
ブルームの感じた「画面の中と現実世界とのギャップ」
私はこれまでもっぱら建物のことを執筆してきましたが、ある前提条件が建物についての執筆の根底にあります。建物が建つとそこは「場所」となり、いくつもの建物が建つと「街」になります。場所や街は政治、文化、経済など様々な力が交じり合って形作られ、実際に出かけていって中を歩き回ることができます。匂いに触れ、感触を掴み、その場の雰囲気を経験することができるのです。
しかし、ここ数年で大きく変化したと思うのは、外の世界に触れる機会が徐々に減り、コンピューターの前に座っている時間が増えたということです。特にiPhoneを手にした2007年頃からは、一日中画面の前に座っているだけでなく、画面の前から人は離れ、ポケットに入れて持ち運ぶような小さな画面を見るようになりました。本当に驚くほどあっという間に実世界との接し方が変わってしまったのです。インターネットが普及して15年、常にインターネットを使う状態になってからは5年ほど経ちますが、インターネットによって周囲の環境への接し方が変わってしまいました。注意力が常に分散し、画面の中にあるものと、自分の周囲と両方の世界を眺めているのです。
さらに私が気になったのは、画面の中の世界は実際にあるものだとは思えないことです。インターネットのイメージを探すと、見つかるのはOpte project(インターネットの繋がりを視覚化する取り組み)の有名な画像だけであり、銀河のような無限に広がる空間に私達が属しているとは思えません。インターネットの全体像を捉えることはもはや不可能でしょう。私は、この画像を見る度に、ロケットから撮影された青いビー玉のような地球の写真を思い出します。全体を捉えることは不可能であり、インターネットの広がりの中では我々はちっぽけな存在でしかありません。インターネットの世界とそれを見ることができる画面があって私を取り巻く実世界があっても、インターネットと現実を一緒にすることはできないのです。
「インターネットそのもの」を表すものなんてない
インターネットについて私が考えているうちにある事件が起こりました。インターネット回線が故障し、ケーブル会社の社員が修理にやって来ました。彼はソファの後ろの埃だらけのケーブルを辿り、家の入り口近くから裏庭へと出ると、外壁の前でケーブルがごちゃごちゃになっていました。彼はケーブル沿いに走って逃げるリスを目撃し、「これが原因だ。インターネットがリスにかじられている」と言いました(笑) これは驚くべきことでした。インターネットは超越的な概念であり、買い物やデート方法にまで革命をもたらした通信手段です。言うまでもなく、インターネットはリスがかじることができるものではありません(笑) しかし、ケーブル会社の社員によると、どうやら私のインターネットはリスの歯にやられてしまったようです(笑) 彼が原因を突き止めたとき、ケーブルを壁から引き抜いてそれを辿ったらどこに続いているのだろうか?インターネットは実際に訪れることのできる場所になっているのだろうか?もし訪れることができるのであれば誰に出会い、そして何かが実在するのだろうか?という疑問が当然沸き上がってきました。
誰に聞いても私の問いには「ノー」と答えるでしょう。この画像が「インターネット」です。赤いランプが付いた黒い箱ですね。このデバイスはイギリスのコメディー番組「The IT Crowd」で使われました。2人の社員が「『インターネット』は受信がしやすいようにいつもはビッグベン(イギリスにある時計台)のてっぺんに設置されている。今日は午後の会議で使うため借りてきた。短時間なら借りても大丈夫だ」と技術に無知な同僚をからかうためにウソをつきます。無知な同僚はこの箱を心配そうに眺め、「これがインターネット全体なの?この箱は重いのですか?」と聞きます。すると、「重くなんかないよ。インターネットには重さがなんて存在しない」と答えるのです。
恥ずかしいことに、私が探していたインターネットも形があるものだったのです。人が聞いたら笑われてしまうかもしれませんね。私が探していたのはブヨブヨしていて形が定まらない物体だとか、赤いランプがピカピカする黒い箱でした。「インターネットそのもの」を表すものなんて存在しないんです。
現実として存在するインターネットの世界:ビルと海底ケーブル
しかし実際問題として現実のインターネットの世界は存在します。私は2年間に渡り、様々な「インターネットの場」を訪ねて廻りました。人が住んでいる街と同等の電力を使う大規模なデータセンターやニューヨークの「60 Hudson Street」というビルにも行きました。
「60 Hudson Street」は世界で最も大きなビルの1つであり、世界中のどこよりもたくさんのネットワークが接続されている場所です。接続は明らかに物理的に行われており、FacebookやGoogle、B.T(イギリスで大手の通信事業者)、コムキャスト(アメリカで最大手のケーブルテレビ会社)、タイムワーナー(CNNやワーナー・ブラザーズを自社に持つメディア企業)などのネットワークを結ぶルーター同士が、光ファイバーのケーブルで天井伝いに繋がれています。それは間違いなく物理的に見ることができ、親密さも感じることができます。このようなネットワークが集まっている場所は他にも数十ヶ所あり、ランクが1つ下の建物と比べると、10倍ものネットワークが繋がり合っています。多くのネットワークが集まる場所はほんのわずかしかありません。60 Hudson Streetが特別なのは、世界でも5本の指に入るほど重要なネットワークの拠点になっていることです。ネットワークは海底ケーブルを通してヨーロッパとアメリカを繋ぎ、そして私達全員を繋いでいます。
次はネットワークを結ぶケーブルについて考えてみましょう。インターネットがグローバルな現象だとか、国境のない狭い世界に住むようになったと感じるとしたら、海底ケーブルのおかげです。
海底ケーブルは驚くほど細く、片手で握ることができます。まるで庭のホースのようです。しかし、とても広範囲に海底ケーブルは広がっています。海を横断して広がっており、その長さは1万キロ以上にも及びます。ケーブルに関する科学や計算がすごく複雑なのに比べ、ケーブルの基本的な物理プロセスは驚くほど単純です。光が一方から入って来て、他方に出ていきます。通常、光は沿岸部に目立たないようひっそりと建てられた「ランディングステーション」と呼ばれる建物から出てきます。光は海底にある増幅器にかけられ、80キロごとに信号が増幅されます。通信速度は信じられないくらい速いのです。基本単位は10Gbpsとなっています。これはきっと皆さんのネット回線の1000倍も速く、1万本のビデオをストリーミングできます。それに留まらず、1本の光ファイバーでは1つでなく数種類の色が異なる光を送ることができます。1本のケーブルには8本の光ファイバーがあり、4本ずつそれぞれの方向に信号を送っています。光ファイバーはとても細く、髪の毛ほどの太さしかありません。
ケーブルはこのようなマンホールの中で陸地に繋がっています。8000キロにも及ぶ海底ケーブルがここで陸地と繋がっているのです。このマンホールはハリファックス(カナダの都市)にあるのですが、ここからアイルランドまでケーブルは伸びています。
1本のケーブルで国を繋ぐ状況は変わりつつあります。3年前にケーブルの調査を始めた頃、アフリカ大陸の西海岸沿いのケーブルは1本でした。地図に細い黒線で示されています。現在は6本のケーブルが東西の海岸に3本ずつあり、さらに増設される予定です。どの国も世界につながるようになると、ケーブルが1本では足りないと感じるのです。海底ケーブルの力で産業を発展させるつもりであるならば、安定していて途切れることのない通信回線が必要になります。もしケーブルが切断したら、船を出してフックのついた機材を投げ込み、切れた両端を引き上げて接続したあと海に戻すとてもたいへんな作業が待ち構えているからです。
ケーブルの接続現場を見て実感した「インターネットの正体」
こちらの写真に写っているのは私の友人のサイモン・クーパーです。彼はつい最近までインドの巨大財閥である「タタ」の通信部門を担っている「タタ・コミュニケーションズ」という会社で働いていました。直接会ったことはなく、いつも会議電話の中で会話をしていたせいか、彼のことを「インターネットの中の人」だといつも思っていました(笑)彼はイギリス人です。海底ケーブル産業で働く人は圧倒的にイギリス人が多いんです。しかも全員42歳に見えます(笑) 皆が42歳ぐらいに見えるのはキャリアを20年前のブーム到来と同時にスタートしたからです。
タタの通信事業は2本の海底ケーブルを買ったときにスタートしました。購入したケーブルは1本は大西洋、もう1本は太平洋を横断するものでした。タタはその後もケーブルの増設を続け、世界中に皆さんのデータ送っています。文字通り「光のビーム」を世界中に飛ばしているのです。たとえケーブルが太平洋で切断したとしても、逆方向へ送ることが可能です。タタは太平洋と大西洋ではなく、次の接続先として、まだ接続されていない場所を探しました。それがアフリカへと至るケーブルとなります。
私が驚いたのは、サイモンの並外れた地理的な想像力でした。彼は世界をすごい規模で捉えているのです。私がタタの事業に興味を持ったのは、ケーブルの敷設作業を見たいという気持ちからです。TwitterやFacebookなど、オンライン上で他人と繋がっていると、すぐそばに人がいるような気がします。この裏には何かがあるはずだと私は考えました。大陸が接続された瞬間があったはずです。私は大陸が繋がる瞬間が見たかったのです。
その頃、サイモンは新しいケーブルの敷設に取りかかっていました。ケーブルの敷設は西アフリカ・ケーブルシステム、通称「WACS」と呼ばれていました。ケーブルはリスボン(ポルトガルの首都)からアフリカ西海岸を下ってコートジボワールやガーナ、ナイジェリア、カメルーンへと延びるものでした。「もうすぐリスボンに着くだろう」と彼は言いましたが、正確な日時が分かり次第教えてくれると約束してくれました。4日後に到着するという知らせがあり、リスボンのビーチに行くように言われました。9時をわずかに過ぎた頃、サイモンが水中から出てきました(笑) 彼は「メッセンジャーライン」と呼ばれる、緑色のナイロン製のロープを運んでいました。このロープが海と陸とを繋ぐ足がかりになり、1万4千キロを越える光の通り道になるのです。
ロープを運んでからしばらくすると、ブルドーザーがケーブルを敷設する船からケーブルを引き揚げ始めます。ケーブルはブイと一緒に浮かべられて所定の位置まで運ばれます。イギリス人の技師が監督しているのが見えますね。所定の位置まで運ばれると技師は海に戻り、大きなナイフでブイを切り離します。ブイは浮き上がり、ケーブルは海底に沈みます。技師はこの作業を繰り返しながら船まで戻り、船上でジュースを飲み、クッキーを食べた後、再び海に飛び込み、浜辺まで泳いで戻って来るとタバコに火をつけました(笑)
ケーブルが陸まで到達すると、「ランディング・ステーション」から延びているケーブルと接続する作業が開始されます。まずノコギリでプラスチック内部を削ぎ落します。この作業はまるでシェフのようです。そぎ落とし終わったら、今度は髪の毛のように細いファイバーをまるで宝石職人のようにぴったり付き合わせ、穴あけパンチのような機械で接続します。作業員の作業を見ていると、インターネットは形のないものとは考えられなくなり、とても物理的なものに見えてきます。
もう1点作業を見ていて驚いたことは、インターネットは最も洗練された技術で、最先端のものであるにも関わらず、接続方法は長年の間変わっておらず、文化も同じだということです。地元の労働者もいれば、裏方で指示を与えるイギリス人技師もいます。さらに重要なのは、接続されている場所が以前から栄えている街だということです。これらのケーブルはリスボンやモンバサ(ケニアの都市)、ムンバイ(インドの都市)、シンガポール、ニューヨークなどの昔ながらの港町に繋がっています。海岸での作業には3日から4日かかりますが、作業が終わったらマンホールの蓋をして砂をかぶせ作業のことは多くの人が忘れてしまいます。
私達はクラウドコンピューティングについてよく話しますが、クラウドサービスにアプリやファイルを置く度に責任を放棄していると思うのです。クラウドサービスを利用することで繋がりが薄れ、管理も他人まかせになります。それは正しいことのようには思えません。ニール・スティーヴンスン(アメリカのSF作家)の名言を紹介します。「繋がれた人たちは繋がるものについて知るべきだ」。我々はインターネットがどこから来るのか、そして我々を物理的につなげているのは何なのかを知るべきです。
ありがとうございました。
!この記事を報告する
【全文】「閉ざされたインターネット」Upworthy・CEOが語る、情報のフィルタリングの危険性
- 2014/09/07
- 10157views
- 1fav
- 椿 龍之介
FacebookやGoogleは、もはや生活になくてはならないサービスだという人も多いのではないでしょうか。多くの人が利用し、自分に最適な情報を手に入れていると錯覚しがちなGoogleの検索やFacebookのニュースフィード。しかし、アメリカで人気のバイラルメディア「Upworthy」のCEOであり、インターネット活動家であるイーライ・パリザーはこう指摘します。「Webで見ることのできる情報の多くは実はフィルタリングされている。もしかしたら、あなたと私のGoogleの検索結果は異なっているかもしれない」と。
ここでは、イーライ・パリザーがTEDで指摘した、インターネットでの情報がフィルタリングされているという事実とその危険性についての講演を紹介します。
スピーカー
イーライ・パリザー/インターネット活動家・バイラルメディア「Upworthy」 創設者
見出し一覧
・GoogleとFacebookは私達が見る情報を操作している
・インターネットは「フィルターに囲まれた世界」
・フィルタリングのない「理想のインターネット」を追い求めて
動画
GoogleとFacebookは私達が見る情報を操作している
FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグが、Facebookのニュース配信機能についてジャーナリストから質問されていました。「なぜニュース機能は重要なんですか?」とジャーナリストが聞くと、ザッカーバーグは「たとえ話ですが、あなたの関心はアフリカで死に瀕した人々より、家の庭で死にかけているリスに向けられているのではないですか?」と答えました。マーク・ザッカーバーグが言ったような、自分と出来事の関連性の考え方をもとにしたWebとはどういうことか話したいと思います。
メイン州(アメリカ)の片田舎に住んでいた私にとって、子供の頃の「インターネット」は現在とは全く違う意味を持ったものでした。インターネットは世界へのドアであり、人々を繋げるものでした。インターネットが民主主義と僕たちの社会に大きく役立つに違いないと思っていました。しかし、私達の見えないところでインターネットの情報の流れに変化がありました。この変化は、注意しないと大きな問題になるかもしれません。私がインターネットの情報の流れの変化に初めて気付いたのは、Facebookのページを見ている時のことでした。私は政治的には革新派ですが、進んで保守派とも交流しています。保守派の考えを聞き、保守派のサイトを見ることで何か学びたいと思っています。ある日、私のFacebookの配信から、保守派の情報が消えてしまって驚きました。何が起こったのかと言うと、私がクリックしたリンクをFacebookがチェックしていて、保守派よりリベラル派の友達のリンクをクリックすることが多いと気付いたため、何の相談もなく保守派の情報を削除していたのです。私のFacebookのニュースフィードから保守派はいなくなってしまいました。
このように目に見えないところでアルゴリズムによるWebの編集を行っているのは、Facebookだけではありません。実はGoogleもWebの編集をしています。Googleを使って検索をするとき、私とあなたでは同時に検索したとしても大きく異なる結果が表示される可能性があります。あるエンジニアによると、Googleのサービスにログインしていなくても、57個もの項目をGoogleではチェックしているそうです。どんなPCを使っているのか?どのブラウザを使っているのか?現在地は何処か?Googleはこれらの項目をチェックすることによって、検索結果を調節しているのです。
ちょっと考えてみてください。もう「普通」のGoogle検索は無いに等しいのです。そして妙なことに、このことは認識しにくい現象です。自分の検索結果と他人の検索結果がどれほど違うかは普通分かりません。
私は数週間前に、Googleで「エジプト」と検索したスクリーンショットを送ってもらうように大勢の友人に頼みました。ここで私の友人のである、スコットとダニエルの検索結果を見てみましょう。
2人の検索結果を並べて見てみると、リンクを読むまでもなく2つのページの違いに気付きます。リンクを読んでみるとさらに驚きます。ダニエルのGoogle検索結果では、エジプトのデモの関連記事が全くなく、スコットの方は反対にデモの記事ばかりでした。依頼をしたとき、エジプトではデモが大きな話題だったのにも関わらず、検索結果は大きく異なっています。
インターネットは「フィルターに囲まれた世界」
GoogleとFacebookだけではありません。Webの編集はウェブ全体で起こっています。多くの企業が個人一人ひとりに向けて情報のカスタマイズをしています。Yahoo!ニュースはネット最大のニュースサイトですが、今では人によってカスタマイズされた違う内容を提示しています。Huffington PostやWashington Post、さらにはNew York Timesも様々な形で情報のカスタマイズを試みています。その結果、インターネットは「私たちが見たいもの」を予測して表示していますが、私たちが本当に見る必要がある情報が表示されるわけではないという状況に急速に変わってきています。エリック・シュミット(Googleの元CEO)は、「カスタマイズをされていない情報を、人々が見たり利用したりするのはとても難しくなるでしょう」と言っています。
誰もカスタマイズされていない情報を見ることができないことは大きな問題だと思います。情報操作のためのフィルターやアルゴリズムによってできるのは、「フィルターに囲まれた世界」だと思うのです。そして、この「囲まれた世界」がネット上では、あなただけが持つ個人の情報世界となるわけです。自分の世界に含まれるものは自分がどんな人で、何をしているかによって決まります。しかし、何が取り入れられるのか決めるのは自分自身ではありません。これが問題なのです。もっと重要なのは、自分の世界を形成することで、何が削除されたのかは見えないことです。フィルターによる問題の1つは、Netflix(DVDのオンラインレンタルサービス)のデータアナリストたちによって発見されました。発送待ちの段階である妙なことが起こっていたのです。映画によってはDVDをオーダーすると、すぐに発送されて家に届きます。「アイアンマン」のような大衆が見たいと思う映画はすぐ届くのに、「ウェイティング・フォー・スーパーマン(アメリカのドキュメンタリー映画)」のような考えさせられるような作品は待ち時間がとても長いことがあります。
データアナリストたちがDVDの発送を待つ段階で発見したことは、利用者の計画的な向上心と、もっと衝動的な今の欲望が大きく対立している状況でした。ユーザーは「羅生門」を観たことがある人になりたいと思う一方で、4回目の「エース・ベンチュラ(コメディ映画)」を観たいわけです(笑) 最良の編集は両面を見せるものです。ジャスティン・ビーバーを少し、アフガニスタンの紛争を少し、「ヘルシーな情報」と「デザートのような情報」も提供するわけです。アルゴリズムでカスタマイズされたフィルターの問題点は、利用者が最初にクリックした内容をメインにして参考にするため、情報のバランスが崩れてしまうことです。バランスのとれた情報摂取の代わりにジャンクな情報ばかりに囲まれてしまうこともあり得ます。
つまりインターネットに対する我々の見解は、間違っているのかもしれないということです。メディアが作りだした神話にはこんな一節があるのではないでしょうか。「放送・出版業界は門番でした。編集者によって、情報の流れがコントロールされていました。でもインターネットが現れ、門番を追い払ったのです。私たちは繋がり合えるようになりました」。しかし、実際にはこの神話はウソです。私たちが目にしているのは、どちらかと言うと編集者という門番からアルゴリズムの門番にバトンが渡されている状況です。そして、問題はアルゴリズムは編集者が持つような倫理観念がないということにあります。ですから、世界の情報をアルゴリズムが監修し、私たちが見るものを決めるのであれば、アルゴリズムが情報の関連性以外の要素も考慮するようにしなくてはなりません。見たくないものや難しいもの、重要なものなども提示するようにしなくてはだめです。
フィルタリングのない「理想のインターネット」を追い求めて
過去にも我々は同じ問題に直面しています。1915年のことです。当時、新聞は市民の義務についてあまり考えていませんでした。でも、人々は新聞が重要な役割を果たしているということに気付きました。市民が適切な情報を得ていないと、民主主義は機能しないのです。よって、情報のフィルターを行う新聞が重要だと市民は考え始め、ジャーナリズムの倫理ができました。ジャーナリズムの倫理は完璧ではありませんでしたが、私達と新聞は1世紀の間、この倫理を守りました。現在、私たちは「ウェブ上での1915年」に直面しています。プログラミングをする上で、倫理的な責任を組み込んでくれる、新しい門番が必要なのです。
この講演は、FacebookとGoogleからの出席者にも聞かれているでしょう。ラリー・ペイジやサーゲイ・ブリン(2人ともGoogleの創設者)のように、今あるWebの構築に貢献した人々には感謝しています。しかし、アルゴリズムには生活や市民が果たすべき義務がしっかりと組み込まれているように彼らに確認してもらいたいのです。アルゴリズムが明白で、情報の取捨選択を決めるフィルターのルールが理解できるようにして欲しいのです。さらに、何が削除されて何がされないかを自分で決められるように管理できるオプションを提供してもらいたいのです。インターネットが私たちの思い描いていたようなものにである必要があると思うからです。私たちが思い描いたインターネットとはみんなを繋ぐものであり、新しいアイデアや人々、そして異なる視点を提示するものです。「理想のインターネット」を達成するためにも、Web上で私たちが孤立しないようにするべきです。
ありがとうございました。
!この記事を報告する
【全文】すべての情報がつながる世界へ――Webシステム開発者が語る「次世代のWeb」
- 2014/08/28
- 3923views
- 3fav
- 野口 直樹
仕事のやり取りからランチのお店の検索まで、今や私たちの生活にWeb検索は欠かせません。そんなWebの仕組みを作ったのがティム・バーナーズ=リー。彼は今、「次世代のWeb」を作り出そうとしています。しかそれを完成させるには私たちの協力が不可欠なんだとか。新しいWebで世界はどう変わるのでしょうか?そして、そのために私たちができることとは何なのでしょうか?
ここでは、ティム・バーナーズ=リーが未来のWebの姿について語ったTEDのプレゼンテーション動画を書き起こしていきます。
スピーカー
ティム・バーナーズ=リー/計算機科学者・ハイパーテキストシステム考案者
見出し一覧
・WWWを作った原因は、共有できないストレス
・新しい概念は人を通じて広まった
・Web上にデータを並べるという革命
・世界を変える「Linked Data」
・情報の公開を!
・あなたの情報が世界を作る
・検索じゃ分からない答えも、ここにはある
動画
WWWを作った原因は、共有できないストレス
時がたつのは早いものです。私はちょうど20年程前に、情報の利用方法や協力して仕事する方法を再構築したいと考えてWorld Wide Webを発明しました。そして今、20年後のTEDで私はみなさんに新しい再構築にご協力頂きたいと思います。
時代は1989年に遡ります。私はグローバル・ハイパー・テキスト・システムの提案書を書きました。ですが、当時は誰も関心を向けてくれませんでした。
しかしその18ヶ月後、上司が新しいコンピューターの点検がてら、サイドプロジェクトとして先ほどの提案にゴーサインを出してくれました。そして彼は、私にコーディングを行う時間をくれたのです。そこで私はHTMLの大まかな部分を作りました。HTTPと呼ばれるハイパーテキストプロトコルや、httpで始まるURLの概念などをです。私はコードを書いて、それを公開しました。
何が私を突き動かしたのでしょうか?それは、多くのストレスです。当時の私は不満でいっぱいでした。私はソフトウェアエンジニアとして巨大でエキサイティングな研究所で、世界中から集まった多くの人と働いていました。彼らは多様なコンピューターを研究所に持ち寄り、多様なデータフォーマットや文書システムで仕事をします。実はそこにストレスのタネがあったのです。
もし私がシステムのどれかを使って何かを作りたいと思ったとします。しかし、社内は多様性に溢れすぎているので、その度に新しいマシンにつないだり新しいプログラムの動かし方を学ばなければなりませんでした。互換性がなかったのです。それはとてももどかしいものでした。目の前に無限の可能性があるのに、その扉を開けないのです。
ハードディスクの中にはいくらでも有用なドキュメントがあったのです。インターネットのようにそれらすべてが巨大な仮想文書システム上にあったらどんなに良いことでしょう。一度そんなアイデアが浮かんだら、それはもう私を捉えて離しませんでした。そして、多くの人は見向きもしませんでしたが、上司は認めてくれたのです。彼の死後見つかった資料には、欄外に鉛筆で「よくわからないが興味深い」と書かれていました。(笑)
新しい概念は人を通じて広まった
しかし一般的には、Webという概念を説明するのは非常に難しいものでした。今では当時の説明の難しさを伝える方が難しいのに。TEDが始まった頃なんかにはWebは存在せず、「クリック」という行為も今とは違った意味を持っていました。
そんな当時に「このハイパーテキストというリンクが含まれるページをクリックすると…なんと、別のハイパーテキストページが表示されるんだ!」なんてことを説明していたのです。しかも、あまり見栄もよくありません。リンクという概念を彼らに想像させるのは骨が折れました。考え得るあらゆる文書にリンクで飛ぶことができるというのは、当時の概念からかけ離れた発想だったのです。
それでも、ある程度の人々は受け入れてくれました。理解してもらうことこそ難しかったのですが、なんと理解してくれた人たちの中からは草の根運動が起こったのです。それこそが、Webが面白くなった原因です。
私が最も興奮したのは、技術自体でも、人々が技術を使ってやったことでもありません。そこから生まれたコミュニティーであり、力を合わせる人々の精神に興奮したのです。あの頃はとにかくワクワクしていました。
Web上にデータを並べるという革命
面白いことに、今も当時と同じ状況になりつつあります。当時の私はみなさんにお願いしていました。「このWebというものにみんなの文書を置いてください」と。すると、みんながやってくれたのです。感謝しています。実際、すごいことになりましたよね。私は圧倒されてばかりでした。Webで起こったことは、私たちが当初想像していたことを遥かに超えていたのです。
今回、またお願いがあります。次はWebに、みなさんのデータを置いて頂きたいのです。ここにまだ開かれていない大きな可能性があります。人々はデータがWeb上に存在していないことに、多くの不満を抱えているのです。
そもそもデータとは何でしょう。文書とデータは何が違うのでしょうか。文書は読み物です。内容を読めるし、リンクを辿ることもできます。ですが、それだけです。一方、データなら様々な事が出来ます。
ハンス・ロスリング(編集者注:公衆衛生学者TEDでの講演「最高の統計を披露」が大好評)の講演を聴いた方はいらっしゃいますか。多くの方はご覧になったと思いますが、最も卓越したTEDTalkの一つでした。ハンスはこのプレゼンテーションで様々な国々をカラフルな色で表現しました。そして、所得水準を一方の軸で表しもう片方を幼児死亡率として、時の経過をアニメーションで示しました。彼日人々が発展途上諸国の経済に対して持っていた思い込みを、プレゼンテーションで吹き飛ばしたのです。
彼はこのようなスライドを紹介しました。地下には全てのデータが存在し、データは面白みのない茶色の箱として描かれているのです。みなさんもそのように思っているでしょう。なぜなら、データはそのまま使う事が出来ないからです。でも実は、誰かがそのデータを使うことで、データは私たちの生活に大きな影響を与ているのです。
先ほどのプレゼンは、ハンスが国連のWebサイトなどで発見したデータを組み合わせたものです。彼はデータを一緒に組み合わせ、個別のデータより遥かに面白いものを生み出し、確か彼の息子さんが開発したソフトウェアに取り込んでこの素晴らしいプレゼンテーションを作成したのです。
ハンスの印象深いセリフは「沢山のデータを持つ事こそが重要だ」です。そして私は、昨夜のパーティーで彼がそのことを力説しているのを見て、とても嬉しく思いました。
世界を変える「Linked Data」
ここで想像してみてください。彼のように6つかそこらのデータではなく、みんながデータをWebに載せることで、考えうるあらゆるものが利用できる世界を。これをと呼びます。
この技術はごくシンプルなものです。Webに何かを載せるには3つのルールがあります。まず「http:」で始まるHTTP名が必要です。これからは文書だけではなく、人や場所、製品やイベントに対しても「http:」を利用します。様々な概念が、それぞれHTTPで表されるのです。
2つ目のルールは、このHTTPの名称をもとにWeb上で検索し、データをHTTPプロトコルを使ってWebから取得したら、人々が知りたいと思うことを有益な情報として標準形式のデータで取得出来ることです。そのイベントには誰が出るのか?出演者はどんな人なのか?彼の出身地はどこなのか?などなど。より高度で重要な情報が取得できるのです。
3つ目のルールは、その情報を取得したらその人のことだけではなく、関連情報も取得できるということです。データとは関連です。面白いことに、データとは次々とつながっていくのです。
この人はベルリンで生まれました。ベルリンはドイツにあります。関連した情報が表示されるとき、それに関わるあらゆるものについてHTTPで始まる名前が取得でき、好きなものを調べることができます。まずその人を調べ、そこから彼らが生まれた都市を探し、その都市の地域や、町、そして人口…というように。つまり、関連する情報全てに目を通すことができるのです。
簡単でしょう?これがLinked Data なのです。何年か前に私は『Linked Data』いう記事を書きました。すると、この企画はみるみる成長していきました。
Linked Dataは、ハンスが示したような沢山の箱を私たち自身が持ち、そこから沢山の芽が伸びてくるイメージです。単なる沢山の草でも一本の草が伸びている根でもなく、それぞれの植物は有機的につながっています。関わりのあるあらゆるデータを見ることができ、それらをつなぎ合せることができるのです。プレゼンテーションであっても分析結果であっても。そして最も重要なことですが、データはつながりが多ければ多い程その価値が高まるのです。
情報の公開を!
Linked Dataという概念は世に放たれました。それから間もなく、これに関する興味深い発表をした人物がベルリン自由大学のクリスビッツァです。彼はWikipediaに目を向けました。そう、みなさんのご存知の膨大な文書が詰まったオンライン辞書です。Wikipediaには小さな囲み記事があり、それらの中には色々なデータが入っています。
彼はそれらのデータをWikipediaから抽出して、Web上のLinked Dataのノードに入れるプログラムを作りました。それがDbpediaです。Dbpediaは、この画像で真ん中に見える青い塊として表現されています。そして実際にベルリンを調べてみると、ベルリンに関連する様々なデータが互いにつながっていることも確認できます。Dbpediaからベルリンのデータを取得すれば、他の情報も合わせて引っ張りだせるのです。そしてワクワクすることに、このつながりは成長を始めました。これもまた、ゼロからの草の根運動なのです。
データに関して少々考えてみましょう。データは様々な形で存在します。Webの多様性から分かるように、様々なデータが自由に設置されているのです。これが非常に重要です。
そこには多種多様なデータがあります。例えば政府のデータ。企業データも重要です。他にも科学データや個人データ、気象データにイベントに関するデータ、それにニュースなどあらゆるデータが存在します。
みなさんには、Webの多様性と、そこに眠る大きな可能性を秘めたデータの多さを知っていただきたいのです。いくつか紹介しましょう。
政府のデータから始めましょう。バラク・オバマはスピーチで、アメリカ政府のデータをインターネットから利用可能にすると言いました。私は政府がデータをLinked Dataとして公開することを願います。政府の情報公開は透明性の担保につながりますが、重要なのはそれだけではありません。
そのデータは、全ての政府の機関から集められたデータです。その中にアメリカの人々の生活についてのデータがどれほどあるでしょうか。それは非常に役に立ち、また価値があります。会社の資料に使うことができます。子供が宿題をするのに使うこともできます。つまりこのデータが利用できれば、世界がより良くなるのです。
政府機関がデータをどう扱っているかお分かりですよね。彼らはデータを公開せずに、抱え込んでばかりいます。ハンスはこれを「データベースの抱え込み」と呼んでいます。データベースを抱きかかえ、美しいサイトが完成するまで見せようとしないのです。
美しいWebサイトを作ることも重要ですが、その前にまず手が加わっていない生のデータが欲しいのです。私たちが欲しいのはデータそのものなのです。データには大きな可能性があります。だから私たちは、生のデータを今すぐ解放して欲しいと伝えなければなりません。さあ、今からみんなで言ってみましょう。
ティム:「生の」
会場:「生の」
ティム:「データを」
会場:「データを」
ティム:「今すぐに!」
会場:「今すぐに!」
ティム:そう、「生のデータを、今すぐに!」
会場:「生のデータを、今すぐに!」
是非練習してください。私たちが納税者としてそのお金を出しているのに、彼らは多くの理由をつけデータを保管します。みなさんが利用できる情報を増やすために、この言葉はとても重要なのです。これは世界規模での話です。もちろん政府に限ったことではありません。企業に対してもそうです。
データに対する私の考えについてもう少し話したいと思います。ここTEDでは、常に人類社会が直面している課題に思いを巡らせています。癌の治療やアルツハイマー治療のための脳の理解、経済をより安定させる方法、世界の仕組みの向上など。これらの課題の解決を目指す学者は、アイディアを頭の中で熟成させながら、Webを介して情報を交換します。しかし、実際のところ現在の人類における知識の大半はコンピューター内に留まっており、共有されていません。
例えば、もしあなたがアルツハイマー病の創薬についての情報を探すと、多くのLinked Dataが公開されつつあることを知るでしょう。その分野の科学者達は今までゲノムデータを一つのデータベースに格納し、タンパク質のデータを別のデータベースに格納していました。しかし、今ではその情報を広く開放しているのです。
検索じゃ分からない答えも、ここにはある
なので、今まで誰も答えてくれなかった質問もLinked Dataなら正解を示してくれます。「シグナル伝達及び錐体神経に関係するタンパク質は何か」という質問をグーグルに投げかけてみましょう。残念ながら、この質問に答えるページは存在しません。誰もそんな質問をしていなかったからです。22万3千ページがヒットしますが、参考になるページはありませんでした。
次にLinked Dataのシステムに質問してみると32件もヒットします。そのどれもが、私が探していた性質を持ったタンパク質です。このように、異なる領域を実際にまたぐ質問をすることが出来るようになったことは、科学者にとって大きな変化です。
そしてこれは計り知れないほどに重要なことです。科学者達は、外部からは見ることができないけれども、他の科学者が所有しているデータの前に完全に立ち往生しています。それを解放してより大きな問題に取り組める体制が求められているのです。
みなさんは、全てのデータは巨大な研究機関から生まれてくるもので、個人には関係のない話だと思っているかもしれません。でもそれは違います。データは私たちの生活から生まれるのです。お好きなSNSにアクセスして「この人は私の友人です」と言えば、関係性と共に新たなデータが生まれます。「この写真はこの人を撮ったものです」と言えばまた一つ!これも新しいデータです。
データ、データ、データ…。SNSで何かをする度にサイトがデータを取得し、利用することで人々の生活はさらに面白くなります。それでも、別々のサービス間での連携はできません。例えば、旅行サイトの写真を友達に送りたいと思っても、サイトの壁を越えることはできないのです。この壁を取り払うには、サイト同士の相互運用性を持たせなければいけません。Linked Dataならそれが可能です。
あなたの情報が世界を作る
最後にご紹介するお話は、恐らく最も面白いものだと思います。ここに来る前に、私はOpenStreetMapを使いました。これは地図であり、Wikiでもあります。この四角を拡大すれば、私たちが今いるテラス劇場が表示されます。ここには名前がついてなかったので、私は編集モードを使ってこの劇場の名前を追加しておきました。再度このOpenStreetMap.orgに戻ってみると…なんとこの場所、テラス劇場に名前が付けられているのです。
私がやったんですよ!僕が地図に名前を付けたんだ!俺が名付け親さ!どうだい?この市街地図は私のように、みんながほんの少しずつ手を加える事で途方もない資料を作り出せるのです。そしてそれこそがLinked Dataの本質なのです。
人々がちょっとした情報を提供したら、それが全てつながっていく。そうやってLinked Dataは機能するのです。あなたも、他の人も、それぞれの情報を提供するのです。あなた自身はWebにデータを提供できなくても、欲しいデータを要求することは可能です。私たちはそう言う風に作ったのです。
以上がLinked Dataです。これは途方もないものです。私はまだほんの一握りのことしかみなさんに紹介していません。私たちの生活には仕事や娯楽をはじめ、あらゆるデータが存在します。ここで重要なのは、データが生成される拠点の数ではありません。データをつなげていくことが重要なのです。文書としてのWebでは得られなかった力が、データをつなぎ合せることで得られるのです。
この中からきっと途方もなく巨大な力が生まれるでしょう。今は、これが素晴らしいアイディアだと思う人々が行動を起こすべき時です。すぐには投資効果がない話であっても、実行してくれる人がTEDにはたくさんいます。それは、まず自分が実行すれば周りがそれに倣ってくれて、この連鎖で世の中がより良くなると信じているからです。
これがLinked Dataです。みなさんにはこれを作って頂きたいのです。みなさんにはデータを要求して頂きたいのです。それが、私の世に広めるべきアイディアです。ありがとうございました。(拍手)
!この記事を報告する