コラム:英国分割に現実味、ポンド急落は「前兆」か
[4日 ロイター] - アナトール・カレツキー
過去268年間にわたり侵略や革命、内戦に縁のなかった唯一の大国であり、欧州で最も安定している国である英国──。その地図が、まもなく塗り替えられる可能性について、今週までスコットランド以外の人はほとんど誰も真剣に考えていなかっただろう。
だが、9月18日に実施されるスコットランド独立の是非を問う住民投票後、英国が今の姿とは変わる可能性は、かなり現実味を帯びてきたように見える。
調査会社ユーゴブ(YouGov)が2日公表した世論調査の結果で、スコットランド独立をめぐる風向きは急変した。同調査では、態度保留などを除くと、独立賛成派が47%、反対派が53%となり、これまでの調査と比べ、その差が大きく縮小した。
こうした結果について、ユーゴブのプレジデント、ピーター・ケルナー氏は「今や賛成派の勝利は現実に起こり得るところまで来た」と指摘。住民投票は接戦になると予想した。同氏はまた、独立賛成派が1人の票を失うごとに4人の票を獲得する一方、反対派は1人を獲得するごとに2人の支持を失っていると分析した。支持政党別のデータ分析からも同様の結果が得られ、世論の変化は本物だと言える。
また、こうした統計的な分析を超えて、英国の分割が本当に起こり得ると信じる理由がいくつか存在する。
第一に、世論の変化には明らかなカタリスト(触媒)が作用している。8月25日のテレビ討論会後の世論調査では、独立に賛成するスコットランド国民党(SNP)のサモンド党首が明らかに勝利した。
さらに根本的な問題として、大きな争点は経済問題だとされ、リスク回避の現状維持に票が集まるとみられていたが、それも間違っていたことが証明された。現在、多くの有権者は独立の政治的側面に主に焦点を合わせているように見える。 続く...