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【川端編集長のニュース一言解説】新しくセレッソ大阪の監督に就任した大熊裕司氏について徹底解説→人事のポイント、実績、好きな戦術など

2014 09/09  11:46

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<写真>1969年生まれ、45歳。埼玉県出身 (C)川端暁彦



現在、Jリーグ16位と低迷するセレッソ大阪がマルコ・ペッツァイオリ監督に代わり大熊裕司氏の監督就任を発表しました。

【14/09/08】大熊裕司監督就任のお知らせ(セレッソ大阪)

このたび、セレッソ大阪の新監督に大熊裕司アカデミーダイレクター兼U-18監督が就任することが決定しましたので、お知らせいたします。なお、大熊監督は本日9月8日(月)から練習の指導にあたる予定となっております。契約期間は2014シーズン終了までとなります。



かわばた編集長の一言解説

 マルコ・ペッツァイオリ監督が更迭され、大熊裕司U-18監督が「昇格」。宮本功育成部長が強化本部長へ「異動」。既報の通りといった印象の人事がセレッソ大阪から発表されました。シーズン終了までの「暫定政権」のようですが……。

 サプライズがあったとすれば、大熊新監督が“U-18監督を兼任”と発表されたこと。日程的には可能な試合もありますが、さすがにこの二つの激務をこなし切るのは無理でしょう。大熊新監督側が監督を受けるのをあくまで今回限りの「暫定」としておきたいということから、「籍をU-18に残す」という名目を重視したのではないかと推測します。

 人事のポイントは幾つかあって、一つは小菊昭雄コーチの復帰です。2006年から昨年までの長きにわたって(ほとんどがレヴィー・クルピ監督の下で)献身的にチームを支えた名コーチの復帰は頼もしい限りでしょう。トップチームの監督経験がない大熊新監督にとっては心強い参謀役です。選手からの信望も厚い彼の存在は、精神面でもチームの助けになるのではないでしょうか。

 村田一弘コーチと田島一樹コーチというU-18チームで大熊氏の下にあった二人がトップチームのコーチとして登録されたのも気になるところです。すでに練習に出ているという田島コーチは豊富な練習メニューを持っている実戦派で、非常に熱い人という印象です。U-18チームのNo.2だった村田コーチは、U-18監督兼任となった大熊新監督との繋ぎ役になるのではないかと思います。

 そして肝心の大熊新監督ですが、「大宮前監督の大熊清氏の弟」という分かりやすさはあるものの、どんな監督なのかご存知ない方が多いと思います(ちなみに、声は似ています)。育成部門にいた時期が長く、日本サッカー協会に属していた時期もあります。そのときは牧内辰也監督の下でU-19日本代表コーチを務めたほか(07~08年)、U-16日本代表監督(09年)も務めています。10年からはC大阪U-18監督に転身。今日までチームの指揮を執ってきました。

 サッカー的には「ドルトムントが好き」と以前から語っており、攻守の切り替えを非常に強く重んじ、運動量を増やして走り勝つことを好むタイプです。攻撃でも守備でもチャレンジする姿勢を大切にしていましたが、その理由を「個を育成するため」とも語っていたので、トップチームだとまたスタンスが違うかもしれませんね。

 もっとも、すぐにリーグ戦が再開されることを思えば、戦術的な部分をドラスティックに変えるのは難しいかもしれません。確実に変わってくるのは選手起用でしょう。「聖域」を許容する方ではないと思います。

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