2012年 夏のアニメに「うた恋い。」というのがあります。公式サイト
タイトル通り、百人一首の歌には、恋の歌が多いので、その恋の歌をピックアップした物語です。
仮名はわからずとも、この題字はとんでもないことだとわかります。
「超訳」するのはいいけど、書はもう少し何とかしてーー!
と・・・百人一首って藤原定家が選者ってことを思い出しました。
■藤原定家(ていか/さだいえ)鎌倉初期の公家、歌人。
1162年―1241年 80才没
『新古今和歌集』、『新勅撰和歌集』『小倉百人一首』の選者。
さて、私の最近の書道放送では和様の御家流の話でしたね。
江戸時代の御家流は、日本の書の和様全盛期!
(皆さんが知っているのは明治以降の中国式!仮名を除く)
実は、和様の中に定家様(ていかよう)というのがあります。
定家は当時、法性寺流というのをやったらしいのですが、
晩年に、とっても特徴のある字を書いているのです。
定家筆『更級日記』御物本(ぎょぶつぼん と読みます。写し書きのことね!)
これはリズムに乗っていて、とっても面白いですが、次の画像の定家自筆の自撰歌集「拾遺愚草」はかなり違ってきます(晩年です)。
この時代に、文字を続けず、単体で書くのはレアケースではないかと思います。
あと、藤原定家は若いころは、この画像ほどの特徴はなく、癖字もひどくない様子です。
画像の「拾遺愚草」は72歳の頃なのですが、晩年(百人一首は75才の頃らしい)に書いたものが特徴が強く出ている可能性もあり、悪筆は、年齢や病気(老眼とか、手の震えとか・・・)が大きくない?と素人が想像するわけです。
定家自筆の自撰歌集 国宝「拾遺愚草」
で、最初の「うた恋い。」の題字に戻りますが
最初、良くないという表現をしましたが、ここまで調べてみて題字を見ると、
晩年の悪筆を真似て、入筆、横画、墨の溜など真似たのではないか?とも思えなくもない。
作者さんも工夫しているんだなーと思う(私が評価したところでどうしようもないけど、すごいと思う)
ただ、定家様の団体にお願いしたら、ちゃんとした書を協力してもらえたと信じたい。
その団体がしないなら、ニコ動の公式 書道チャンネルに出演してもらって書いてもらいます!(笑)
なんかの偶然でこのブログを関係者が見たなら、気軽に問い合わせてほしいと思うのです。
私は、最近、まともな書をメディアで見ないことが悲しいのです。
※定家様の開祖は「冷泉為和」のため冷泉(れいぜい)流とも言われます。
定家の文字の特徴を生かした流派という方がいいと思います。
定家の時代には全く評価されなかった・・・(笑)
例:現在の冷泉流
膨大な歌集や歌論書を書き写す作業をへて、
写本を作る際の写し間違いを防ぐ工夫としてこの字体を考えたという説がありますが、
・効果がなかったのか、他者や後の人が使っていない
・「本人が悪筆だと思っていた」という話と矛盾する
・違う書き方をする方が写し間違いするのでは?
といった個人的な疑問から(調べるの大変だもん)不採用としました(笑)
和様 書家 うどよし 公式ページ 東京の書道教室 和様 うどよし書道教室
アニメ「うた恋い。」の題字・・・定家様?考えすぎ?
2012/07/04 12:45:09
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