超訳ギリシャ神話が楽しめる『夏のキグナス 三軒茶屋星座館』が良かった
- September 9th, 2014
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著者の方より献本いただきました。ありがとうございます!なんというか、読んで良かった本でした。ひさしぶりに小説で泣けたw。
『夏のキグナス 三軒茶屋星座館』は「三軒茶屋星座館」の続編ですね。シリーズ物になっているのもうなずける、妙にキャラが立った登場人物たちがなんとも魅力的な小説です。
三軒茶屋でプラネタリウム的なバーを経営する主人公、そこに転がり込んできた物理学者の弟とその娘、そして一癖もある二癖もあるバーの常連客・・・。
ストーリーはいい意味で定型化されていて、毎回、バーにトラブルを抱えた客が転がり込み、それを主人公が尋常じゃない洞察力で推理しつつ、超訳ギリシャ神話にからめて解決していく、というものです。
この超訳ギリシャ神話がかっるーーーいノリなのですが、当然のことながら間違えたことは言っていないので「へぇ、その星座の由来ってそうだったんだ!」と勉強になることしきりです(それにしてもゼウスがひどいw)。
個々の物語がひとつの神話に絡めてあるのでどこから読んでもいいような構成にもなっていますが、登場人物が魅力的なので前作の「三軒茶屋星座館」から読まれることを個人的にはおすすめします。
個々のお話の推理もそうですが、作品全体を通じて伏線が散りばめられているのでそのあたりを意識しつつ読むとパズル的でとても楽しいかと思います。「いろいろな伏線が複合的にがちゃがちゃ組み上がっていく感覚が楽しめる小説」を好きな方はいかがですかね。なお、今回も伏線たっぷりだったので次回作も楽しみです。
ちなみに前作はこちら。こちらから読んだほうが良いです。
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