【ワシントン=川合智之】ケリー米国務長官は8日、声明を読み上げ、イラクやシリアで勢力を拡大するイスラム過激派「イスラム国」の掃討について「数日や数週間では終わらず、数カ月、数年かかるかもしれない」と述べ、長期戦はやむを得ないとの考えを示した。ケリー氏は9日からヨルダンとサウジアラビア歴訪に出発する。指導者と会い、イスラム国に対抗するための「有志連合」への参加を求める。
米国務省のサキ報道官は8日の記者会見で、有志連合の役割に関して「国によって貢献の方法や能力は違う。イスラム国攻撃への軍事支援のほか、外国人戦闘員の流入阻止やイスラム国の資金遮断、人道支援がある」と指摘した。そのうえで「すでに40カ国以上が支援に参加している」と語った。
米側は有志連合について北大西洋条約機構(NATO)加盟国を軸に中東にも参加国を広げ、今月下旬の発足をめざしている。オバマ大統領は9日に米議会指導部にイスラム国掃討の包括的な戦略を説明し、10日には国民向けに演説する。
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